西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

カテゴリ:パトリス・ルコント(1947)( 3 )


2011年 04月 25日

仕立て屋の恋(1989) ☆☆☆

f0009381_20594429.jpg監督:パトリス・ルコント
脚本:パトリス・ルコント/パトリック・ドゥヴォルフ
撮影:ドニ・ルノワール
音楽:マイケル・ナイマン

出演:
ミシェル・ブラン (イール氏)
サンドリーヌ・ボネール (アリス)

       *        *        *

一人の女に恋をしている自分に酔ってる主人公の映画。

前半はヒッチコックの『裏窓』を思わせるサスペンスタッチ、でも、根本は男の独りよがりの恋愛悲劇。実に男らしい(苦笑)。

思えばパトリス・ルコントが登場するまでのフランス映画はドツボだった。60年代の栄光はどこえやら。80年代のハリウッドが良質のエンタメ映画を提供してくれるのにたいして、フランス映画は冬の時代をむかえていた。やたらと哲学をしてる振りのくっだらない会話劇、見るものといえばソフィー・マルソーヴァレリー・カプリスキーのオッパイくらいだ。
そんなドツボの時代の末期に現れたフランス映画の救世主、それがパトリス・ルコント。それまでかっこつけただけでひたすらつまらないフランス映画のなかで、心のにしみる映画を提供してくれた。それも、みていて気持ちがいい。お話は悲劇になるケースがおおかもしれないが、主人公が実に自分の酔って、幸せというか、充実しているので、結果的に悲劇に終わってもさほどの暗さを感じない。自分の酔いきった、自己完結の幸せがそこにあるのだ。
この自己完結&自己陶酔こそがパトリス・ルコントのすばらしさ。彼の描く恋愛映画の主人公はほとんどヒロインの女の子に惚れない。彼女に惚れている自分の惚れているのだ。女にしてみれば失礼な話かもしれないが、結局のところ男の恋愛というのはそういうものである。男は女のために恋愛しない。男はひたすら自分のために恋愛をするのである。

多分女からみれば、これは根暗な男の想い込み映画でしかなく、ほとんど燃える要素はないと思う。きっとこんな男には惚れないだろうし、もし惚れたとしても、精神的に安定をあたえてくれるといういあれです「いい人」君で終わってしまう。そんな映画をロマンチックにもりあげてくれるのが、マイケル・ナイマン。この人の音楽はでしゃばりすぎず、なおかつ官能的でいいですな・・。

そしてもうひとつ、この映画けっこう望遠で撮っている。もっとも、アパートの窓から隣の1階下のフロアのお姉ーちゃんの部屋をのぞいているのだがら望遠で撮るしかないのだけど、そうでないところもきわめて望遠レンズの力が如実にでてます。というか、小さい絵を嫌っている。ボーリング場なのどの描写でもよれるところまでズームで寄って撮っている。望遠好きの私でも、もうちょっとはなれろよって思うろころが数々あるくらい、望遠レンズ映画。
その方面で勉強するにはいい題材です。

<あらすじ>
中庭をはさんだ向かいに住む美しいアリス(サンドリーヌ・ボネール)の生活を、夜毎、電気もつけずにただ眺めることに幸せを感じる仕立て屋イール(ミシェル・ブラン)。そんな彼を刑事が尋ねてくる。イールは以前強制わいせつ罪で捕まったことがあり、近所でおきた殺人事件の容疑者の一人として考えられていたからだ。
しかし真犯人はアリスだった。
アリスの部屋に時々婚約者のエミール(リュック・テュイリエ) がその男をころし、アリスが処分を手伝った。そんなアリスが在る時、自分をみているイールの存在に気づいてしまう。最初ショックを受けるアリスだが、その男は死体を処理する現場をみているかどうか確かめなければならない。
そう、イールはそれも見ていた。知っていたが警察には黙っていた。初めはエミールを守るためにイールに接近したアリスだったが、徐々に彼の愛に心が揺れていく。
イールはアリスに一緒にスイスに逃げようと持ちかけるが、逆に裏切られ、濡れ衣を着せられる。しかし、イールがアリスと国外脱出する旨を語った手紙を前もって刑事に送っていたため、真相は暴かれることになる。

まったく・・・、こんな女になぜ惚れる。惚れる価値があるのか?っと思うかもしれないが、男はそういう生き物なのである。デイジーに惚れるギャッツビーのようなものだ。

by ssm2438 | 2011-04-25 21:00 | パトリス・ルコント(1947)
2010年 01月 22日

ぼくの大切なともだち(2006) ☆☆☆

f0009381_583343.jpg監督:パトリス・ルコント
脚本:パトリス・ルコント/ジェローム・トネール
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
音楽:グザヴィエ・ドゥメルリアック

出演:
ダニエル・オートゥイユ (フランソワ)
ダニー・ブーン (ブリューノ)
ジュリー・ガイエ (共同経営者カトリーヌ)

        *        *        *

久々のルコント映画。まあ、そこそこかな。『髪結いの亭主』のときはとっても感動したのにそれ以降はいまいちこれはって言うのがないというか・・・、いや、胆に私があまりフォローしてなかったっだけか・・。『イヴォンヌの香り』ではずして以来、ちと敬遠気味でそのあとみたのが『橋の上の娘』だった。悪くは無いけど・・・かといっておおおって感動も無かった。で、この映画。これもやっぱり悪くはないし、そこそこいいけど・・、それ以上でもない。ただ、多分フランス人の監督のなかでは日本人には見やすい映画を撮る人だと思う。個人的にはパトリス・ルコントロベール・アンリコがフランスの監督のなかでは見やすいかな。

この映画のなかで、ダニエル・オートゥイユが「あなたには友達がいない」と言い切られ「いる」って意地を張って賭けをしてしまったことから物語が始まる。「じゃあ、あと10日間のうちに、その友達とやらをつれてきてよ」って展開になりる。しかし、性格のよくない彼にはだれも友達と呼べる人はいない。仕事仲間をあたってみても、旧友のリストをあたってみても、だれも相手にしてくれない。そればかりか、誰もが自分を嫌っていたことが判って来る。

で、ふとこの問題に自問自答してみる。

「友達はいるのか?」

友達は・・・やっぱり自分の場合は小学校、中学、高校の時の友達というのが一番初めに頭にうかぶ。ただ、じゃあ今の仕事場でいるのか?って言われるとどうなのだろう・・?? 彼らは仕事でつきあいのある人たち・・ということになりそうだ。でも、仕事の場での友達というのは・・意外と友達カテゴリーにはいりづらい部分はある。だいたい友達というのは利害関係を抜きにした部分で付き合える人たちのことで、やっぱり仕事上ではなかなか成立しづらいし、まして異性間ではむりだろう。結局昔の旧友ということになるような気がするのだけど・・・あるいは趣味の仲間か・・。

・・いや、それ以前にこの質問自体がご法度だな。
だいたい「お前が俺の友達だ」・・・なんて恥ずかしすぎて言えなるわけがない・・・。

by ssm2438 | 2010-01-22 05:13 | パトリス・ルコント(1947)
2009年 02月 20日

イヴォンヌの香り(1994) ☆

f0009381_8234913.jpg監督:パトリス・ルコント
脚本:パトリス・ルコント
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:パスカル・エステーヴ

出演:サンドラ・マジャーニ

       *       *       *

『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』でその映画センスをみせつけてくれたパトリス・ルコント。フランス人映画監督さんのなかでも日本人がみて見やすい映画をとるほうだと思う。そんんなわけで、次にかりてみたのがこの『イヴォンヌの香り』。しかし・・・・いや~~~~~、外れた外れた。おおハズレ。
しかしイヴォンヌを演じるサンドラ・マジャーニだけは素晴らしい。匂いたつような美しさと色気だ。
美しいというだけなら、私の趣味だと『007/ユアアイズオンリー』キャロル・ブーケなのだが、彼女よりも明るくてしぐさが色っぽい。まろやかと表現するべきか・・。
しかし、彼女以外見るものない話。ヌードをサービスしてくれる映画でもないのでその点はご注意。しかし、服を着ているときにチラリズムの色気といいましょうか・・、かってにこちらが想像するイメージといいましょうか、
想像を掻き立てる人なのだ、このサンドラ・マジャーニという人は。
そしてなにより日本で紹介されている彼女の映画はこれ一本だけ。あるいみ貴重。

決して男を好きにならない、しかし相手されることは拒めない、女の性のような女。それでも男はそんな女にほれてしまう。男の愛し方は、女の中に「この女は私のりそうかもしれない」という夢をみるのだ。それが現実とちがっていても、いやこれはなにかのまちがいで、やはり本当の彼女は理想の女なのだと無理やり認識しようとする。しかしそんなわけはない。それでもだからといって違うってことは確認できるわけもない。
女は好きだといって付き合っていた男でも、別れるとすぐ忘れる生き物のようだが、男はそういうわけにはいかに。10年も20年もそれでも想うことがなくなることはない。それは、女は男と一緒にいる時の都合のよさを愛しているのであってその男そのものを愛しているわけではないからだ。一方男も、自分のなかの理想の女像を愛しているのであって、実際にそんざいする彼女を愛しているわけではないのだ。しかし男の場合は可能性をあいしているのであって、完全に違う!っと思えない限り、その女を嫌いにはなれない生き物なのだろう。。

・・そういう話です。。
フランス映画では実によくあるお話です。
f0009381_8272787.jpg
f0009381_8274140.jpg
f0009381_8275573.jpg
f0009381_8281623.jpg
f0009381_828243.jpg

f0009381_1243131.jpg
f0009381_1244161.jpg
f0009381_124491.jpg
f0009381_125063.jpg


by ssm2438 | 2009-02-20 07:47 | パトリス・ルコント(1947)