西澤 晋 の 映画日記

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2009年 07月 15日

普通の人々(1980) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

f0009381_305453.jpg監督:ロバート・レッドフォード
脚本:アルヴィン・サージェント
撮影:ジョン・ベイリー
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ

出演:ティモシー・ハットン
    ドナルド・サザーランド
    メアリー・タイラー・ムーア
    ジャド・ハーシュ
    エリザベス・マクガヴァン

     ×     ×     ×

私の大好きな映画です。でも、なにを勘違いしてかアカデミー賞はとってますけど、 私の信頼するニューヨーク批評家賞もとってますので、ぜんぜんミーハー系ではないのです。 しかし、よくアカデミー賞とれたなあ(苦笑)。これを選んだやつらは偉いよ。

映画のジャンル分けにもいろいろありますけど、 もし<ベルイマンもの>というジャンルがあるとしたら、この『普通 の人々』はそれは入るでしょうね。 映画監督の巨匠といえばいろいろいますけど、北欧の巨匠といえばこの人イングマル・ベルイマンでしょう。
ニシザワの大好きな映画監督さんです。 メンタル描写にたけていて、メンタルスプラッタと言ってもいいそのグロさは天下一品。口のなかに手をつっこんで、内臓を内側からつかみ、ひっくり返して引き出したように出てくる出てくる人間の愛憎。かなり鑑賞力のある人でないと観られない映画です。
ベルイマンの映画では、もっとも愛すべき人なの憎しみの対象にもなってしまうものたちの愛憎劇、親と子、姉妹、妻と夫、といった人間関係の支配、非支配、独立、などがテーマになってます。すくなからず身近に想うことがありすぎて心が痛いんです。その痛みを受け止める事ができる人だけが観られる、見る人を選ぶ作品群です。 ロバート・レッドフォードの『普通 の人々』は、そのジャンルにはいると思うんだけど、でも、もっとクールに見易く仕上がってます。ベルイマンほどのグロさはないですね。でも、そのメンタル描写 はほんとに繊細で痛みがトクホンチールのように冷たく染込んでくるのです。

兄をボートの事故で失ったことで責任を感じて自殺未遂をおこしたコンラッド(ティモシー・ハットン)、やがて退院して普段の生活にもどってはいるがどうにもさえない。そんなコンラッドがまわりからの勧めでサラピストに行く。なかなかそのビルにはいりづらくてしばら道のむこうからそのビルをながめてる。なんとか意を決してビルはいってエレベーターのむかうと、おりてきたエレベーターのなかから男の人がでてくる。妙に意識してしまうコンラッド。入れ違いでエレベーターのなかに入り、落ち着き払ってすっくとたっているが、ドアは開いたままで、ちょっとあわてて<閉>のボタンを押す。エレベーターが上昇するあいだ、「ハーイ、ハウアユー」とかひとりでぼそぼそ言いながらこれから起きるファースコンタクトのシーンをシュミレートしてみたりする。落ち着き払った様子ドアベルをおしてまってると、後ろのドアがあき「あ、こっちからだ」って見事に出ばなをくじかれる。なかに入ると適当にちらかってて、普通におちつける空間、カウンセラーのバーガーがレコードプレーヤーの配線をいじくってBGM用のクラシックのレコードに針をおとしてコンラッドをイスにむかわせると、いきなりボリュームいっぱいの音。ビクンとするコンラッド。
不安が一杯のときのあの感じが実によく描けてて、それだけで十分すぎる程感情移入してしまう。 この映画にはほとんどBGMはなく、こういう繊細で丹念な感情表現のつみかさねの映画なんですね。 ほんと、すごいです。いまの映像世界にBGMなしで画面 をもたせてしまえ監督さんが何人いるんだろうかって思ってしまいます。

物語は、虚栄心の権化的な母親と、つねに批判されない役所を演じてしまう父親という、実にどこに在りそうな状況において、 自分のなかにある消せない過去の過ちにたえられない息子のコンラッドが、徐々に回復していくことをめざし、それを成し遂げて行くさまをクールに描いていきます。 <成し遂げモノ>の大好きなニシザワにとっては、「なんかの大会で優勝するんだ!!」っていうスポ根的なものも好きなのですが、この映画みたいに「暗い自分はイヤだ。明るい自分になりたいだ!!」っていう、もっとも根源的な目標をかかげてそれを成し遂げて行くさまを描いてしまったこの作品、地味だけど、めちゃめちゃすごい作品だと思ってます。 役者時代にはそれほど魅力を感じなかったロバート・レッドフォード、 監督としての仕事はほんとにいいですね~~。
彼のその後の監督作品はすべて劇場でみてますけど、どれも素晴らしいです。
基本的には「癒し」が彼の全ての根源にあるように思えます。
ロバート・レッドフォードの監督作品は 『普通の人々』 『ミラグロ』 『リバー・ランズ・スルー・イット』 『クイズショウ』 『モンタナの風に抱かれて』 『バガー・ヴァンスの伝説』 どれも、最高級に洗練された穏やかなじつにいい映画です。 ただ誤解のないようにもうひとこと描いておきますが、 <ベルイマンもの>とかぶっているのは『普通 の人々』くらいで、 あとは<ロバート・レッドフォードもの>といっていいかと思います。 『クイズショウ』はちょっとニュアンスがちがいますけど、他は基本的にはハートフルな<癒しもの>だと思います。 『普通の人々』だけがクールな<癒しもの>になりそうですね。

もうひとつ、 本家以外のベルイマンものといえばウディ・アレン『インテリア』☆☆☆☆☆。 これも大好きな映画です。 ウディ・アレンとえばコメディ系だとおもわれてますけど、シリアスとらせても実に上手い。 ウディ・アレン自身が、けっこういろんな作品のなかで言っているのですが、彼は実はベルイマンの大ファンらしく、 どうしてもいちどベルイマンをしてみたかったのでしょう。でやってしまったのが『インテリア』、 たしかにマネっこと言ってしまえばそれまでなのですが、でも、これも本家ベルイマンの勝るとも劣らないクールなメンタル映画です。
やはり『普通の人々』同様、ベルイマンほどのグロさはないのでとっても見易いです。
ついでに、本家ベルイマンの中で、じつにらしい作品も紹介しときます。 『もだえ』 『野いちご』 『沈黙』 『仮面/ペルソナ』 『秋のソナタ』 『ある結婚の風景』 『叫びとささやき』 『ファニーとアレクサンデル』。‥‥ ほかにも、ベルイマンの作品の中で有名なものは『処女の泉』とか『第七の封印』『冬の光』『鏡の中に在るごとく』とかあるけど、そんなにいいとはおもわんかったなあ。
ベルイマンのなかでは『沈黙』☆☆☆☆☆、 レッドフォードの中では『普通 の人々』、 ウディ・アレンのなかでは『インテリア』が一番すきですね。

by ssm2438 | 2009-07-15 21:13 | R・レッドフォード(1936)
2009年 07月 15日

黒猫・白猫(1998) ☆

f0009381_6515667.jpg監督:エミール・クストリッツァ
製作:カール・バウムガートナー
脚本:ゴルダン・ミヒッチ
撮影:ティエリー・アルボガスト

出演:バイラム・セヴェルジャン
    スルジャン・トドロヴィッチ
    ブランカ・カティッチ

        *        *        *

当時「この映画、おもしろいよ」っていわれて見たのだけど、とにかくつまらない。どたばたのテンポの悪さと、センスのなさが際立ってるって感じだった。人によっては「突き抜けている」と言うかもしれないが、私からみるとただ無責任なだけのどたばた。同じ突き抜けてるやりすぎ監督増村保造だったら、突き抜けてそれを行ってしまったらどうなるのか、ってことを考えて、覚悟して突き抜けるから燃えるのだけど、このバカ監督はただどたばたやってるだけ。非常おおおおおおおおおおおおに質が低い。<無責任>を起動することにあこがれている人だけが好きになれる映画。覚悟を決めて行動などで着ない、しかし無責任にもなれなくて普段はなにも出来ない、そんな甲斐性なし人間限定のストレス解消映画ってことですね。

そのむかしこの監督の『パパは出張中』って映画をみたのだが、テンポが悪くてひたすら退屈だった覚えがある。それなりに評価されてる映画らしいが、よっぽど人間性の乏しい人が選んだのだろう。

by ssm2438 | 2009-07-15 06:42
2009年 07月 15日

インティマシー/親密(2000) ☆

f0009381_6244093.jpg監督:パトリス・シェロー
脚本:パトリス・シェロー
    アンヌ=ルイーセ・トリヴィディク
撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:エリック・ヌヴー

出演:マーク・ライランス
    ケリー・フォックス

        *        *        *

この映画、何を勘違いしたのかベルリン映画祭で金熊賞を取っている。いかにベルリン映画祭がセンスのない選択をするかわかるというものだ。そういえば『千と千尋の神隠し』も金熊賞とってる。もっともあてにならない映画賞といっていいだろう。

当時この映画、「リアルはセックス描写」ということを宣伝文句にしていたのだが、映画はべつにエロにはしるわけではなく、心の乾いた中年同士が理由もなくセックスをするようになり、だんだんと相手に興味をいだいていく・・という話。ナタリー・バイ主演の『ポルノグラフィックな関係』もにたような傾向の話だった。
ある程度歳をとり、セックスのない生活がつづくと、「自分は今でもほんとにセックスができるのだろうか?」という不安におちいることがある。で確かめてみたくなるが、その機会がたまたま目の前にぶら下がっているとそれにしがみついた・・という感じではなかろうか。この映画のなかではそのことは書かれていないが40代にもなるとそんなことを考えるものである。

実際この映画のセックスはリアルに描いている。なのでエロさはまったくない。セックスというのは、実際に誰かがそれをやってるところをみたところでまったく性的な刺激はないのである。それにたいしてAVや映画のなかでのセックスシーンは感じるものが多い。それはあれは実際のものではなく、作りものとしておこなわれているもので、そのあと自分であれこれイメージが出来るからいやらしい気持ちになるのだろう。セックスに関しては<想像>というのが不可欠なファクターだろう。AVを見ているとは“この女はどんな心境でエッチをしているんだろう?”とか、“プライベートでエッチするときはどうしてるんだろう”とか、“自分の好きなあの人はこんなことをしてあげてるんだろうか”とか・・、妄想がフル回転している。だからいいのだ。しかし、現実にやっているふたりをみてもそれは想像のよちはなく、それが結果であり、それで思考の終わり。ゆえにつまんないのである。
この映画ではそういうセックスシーンを描写している。それができたことはとてもいいことだと思うし、この映画ではそう演出することがとても大事だったのだろうけど・・・いかんせんドラマがおもしろくもなんともない。

by ssm2438 | 2009-07-15 05:53
2009年 07月 15日

すべてをあなたに(1996) ☆☆☆

f0009381_5504856.jpg監督:トム・ハンクス
脚本:トム・ハンクス
撮影:タク・フジモト
音楽:ハワード・ショア

出演:トム・エヴェレット・スコット
    リヴ・タイラー
    ジョナサン・シェック
    トム・ハンクス
    シャーリーズ・セロン

        *        *        *

うちのカミさんと見に行った最初の映画である、・・はは、ま、そんなことはどうでもいいか。

リブ・タイラーシャーリズ・セロンが出てるなんてなんてゴージャスは映画なんだ!!
この映画の楽しいところは、素人がプロデビューして、まだ素人意識のままプロの世界で仕事するときのどきどきわくわく感が実に親近感がわくところ。
私も子供の頃はアニメーターにあこがれて、アニメーターになりたいなって思ってて、それがなれてしまって、憧れの世界が目の前に展開して、テレビでみてた有名監督さんやアニメーターさんとじかに接することもあり、たまには監督として舞台で挨拶することもあったし、その時の監督という職業の板がまるでいてについてないような、それでも自分がその世界の中心にいるかのような夢見心地のようなあの感じ。そうはいっても自分の思うようにならないことがおおく、自我を通せば世間のラインからは外れていくし・・、結局のところ、大衆に媚をうってうけるものを作っていくか、技術開発者として技術力を高めることに没頭するか、どっちかのスタンスになっていく。私の場合は後者だったけど。
・・・なのでこの映画をみてると舞台は違えど、自分のアニメーター人生をみているような気にさせてくれるじつに淋しいようで、可愛らしい愛すべき映画だ。

<あらすじ>
1964年、ペンシルヴァニア州エリー。ジミー(ジョナサン・シャーチ)がリーダーをつとめる地元の無名バンドワンダーズのドラムがやめてしまい、どうしても誰かドラムを探さないといけない。ガイ(トム・エヴェレット・スコット)にその話がまわってくる。彼らの持ち歌でおおとりにつかうのは「ザット・シング・ユー」というバラード。しかし曲を本番でいきなりアップテンポで転がし始めるガイ。しかたなくメンバーもそのリズムにあわせていくしかない。戸惑いながらもガイのリズムで演奏したところ会場は馬鹿ウケ。地元のバンド・コンテストでを演奏し、大ウケして優勝。早速、街のライブハウスに出演すると、連日超満員。自主製作のレコードも跳ぶように売れた。はじめてラジオで彼らの曲がながれたの聞くと、
「これ、俺たちの曲だ」「ラジオで流れてる」「今流れてる」ってどんどん人づてに触れ回っていく。あの新鮮さがたまらなくほほえましくなる。かつて自分の名前がはじめてテレビ画面にクレジットされたとき「〇〇のエンディングみて、俺の名前がでるから」って友人に電話したことを思い出す。
やがてプレイ=トーン・レコードの大物ミスター・ホワイト(トム・ハンクス)がメジャー契約を申し出た。ジミーの恋人フェイ(リヴ・タイラー)も衣裳係として雇われる。「ザット・シング・ユー」はヒットチャートを急上昇し、ツアーも大成功する。ガイのガールフレンドのティナ(シャーリズ・セロン)は、忙しい彼から去り、ジミーはフェイがいながらシンガーのダイアンに接近。
彼らの人気は鰻登りで映画にも出演するが、2曲目のレコードはなかなか出してもらえない。新曲に関してもジミーの意向は採用されず、ジミーは離脱を決意、バンドは解散。スタジオに残ったガイが一人でドラムを叩いていると、憧れのジャズピアニスト、デル・パクストン(ビル・コッブス)が現れて一緒に演奏し、音響マンが録音してくれた。
世間にうけるかうけないかというのは時代が決めることであり、結局才能のある人は自分の信じるものを磨いていくしかないことを知る。フェイと別れたジミーは演奏家・作曲家として絵音楽業界にのこることになる。ジミーと別れたフェイは地元に帰えろうとするが、ツアーの間にすこしづつはぐくまれたガイを想い、彼と残ることを決意する。・・・じつに、思い当たるふしの多い映画であった。

by ssm2438 | 2009-07-15 03:36
2009年 07月 14日

風が吹くまま(1999) ☆☆☆☆

f0009381_1935269.jpg監督:アッバス・キアロスタミ
製作:アッバス・キアロスタミ
脚本:アッバス・キアロスタミ
撮影:マームード・カラリ

出演:ベーザード・ドーラニー
    ファルザド・ソラビ
    バフマン・ゴバディ

        *        *        *

アッバス・キアロスタミの映画というのは確実に素人っぽい。普通の大学生の自主映画的かなって思う。今まで『オリーブの林をぬけて』『桜桃の味』『クローズアップ』は見たがはっきりいってつまらない。どのくらいつまんないかというと、「『どですかでん』とどっちを無人島にもっていく?」って聞かれたら答えに迷うくらいつまんない。まあイランの映画だからある程度の技術力のとぼしさには目をつぶるいうのはわからなくもないが、世間で過大評価されすぎてる。で、きっとこれもつまんないんだろうなって思って見に行った。

・・・・びっくり。良かった。
でも、何が良かったかっていうと画面がすばらしく良かった。まるで印象派の絵画でもみているかのような画面、セザンヌが画面構成考えたんじゃないかって思えるくらい完成度の高い画面だった。以前の映画でこのような感覚を得た覚えがないので、たぶんこれはアッバス・キアロスタミの力ではなく撮影監督のマームード・カラリがセンスあるのではないかと思っている。ほかのキアロスタミの映画はカラリが撮っているわけではないので。
というわけで、今、マームード・カラリが他の監督とやった『オフサイドガールズ』という映画を取り寄せている最中。これみたら分ると思う。きっとこの人がセンスいんだと思うな。
ホントにこの映画の画面はすばらしい。映像だけみるだけでも価値はある。

しかし・・・話は、正直どうでもいい。アッバス・キアロスタミの監督作品の話なんてどれもにたようなもんで、あるようなないような・・。はは・・ひで。

by ssm2438 | 2009-07-14 19:15
2009年 07月 14日

ライフ・イズ・ビューティフル(1998) ☆

f0009381_19103983.jpg監督:ロベルト・ベニーニ
脚本:ヴィンセンツォ・セラミ
    ロベルト・ベニーニ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ

出演:ロベルト・ベニーニ
    ニコレッタ・ブラスキ
    ジョルジオ・カンタリーニ

        *        *        *

うむむむむ、これって好きな人多いけど、私は前々ダメだったなあ。この物語の基本コンセプトがダメみたい。もし、あれでアメリカ軍が来なかったらどうするつもりだったんだろう・・?

映画ってのは基本的に二種類あって、真実を語る映画と真実を隠す映画。これは明らかに後者だよね。で、わつぃは真実を語る映画のほうが好きだ。でも、ほとんどの場合真実は痛いもので、その痛さをわきまえてなおかつそれに耐えていく手段と能力を身につけていくのが人生だと思うな。
作る側のスタンスとしても「人生はこうじゃないんだよ、こうじゃないんだよ、こうじゃないんだよ」ってひたすら嘘を見せ付けて、その人の進化をおくらせるようにするのは良くないことだと思うな。
もし、自分があの子供のたちばだったら、この映画の父親よりも、『戦場のピアニスト』の逃げまくって逃げまくって生き延びる父親のほうが好きだな。

by ssm2438 | 2009-07-14 18:46
2009年 07月 14日

アメリカン・フライヤーズ(1985) ☆☆☆☆

f0009381_18254226.jpg監督:ジョン・バダム
脚本:スティーヴ・テシック
撮影:ドン・ピーターマン
音楽:グレッグ・マシソン
    リー・リトナー

出演:デヴィッド・グラント
    ケヴィン・コスナー
    レイ・ドーン・チョン
    アレクサンドラ・ポール

        *        *        *

ケビン・コスナーデビット・グラントが兄弟でチームを組みコロラド高原を疾走する4日間の自転車レースに挑戦する。脚本は1979年に『ヤング・ゼネレーション』という自転車レース映画でやはりアカデミー脚本賞をとったスティーヴ・テシックの再トライ! いやいやなかなかスピーディでいい映画でした。撮影はドン・ピーターマン『フラッシュダンス』はこの人です。やっぱりこの画面もめりはりきいていいですよ。
監督は職人監督ジョン・バダム。残念ながらこの映画だけ日本で公開されてなくってビデオのみ発売なってたのですが、アマゾンで中古VHSなら購入可能なお値段。ジョン・バダムファンの人はかってもいい思う。私はかなり好き。

あとこの主人公の青年、誰かに似てるとおもったらケーリー・グラントの息子さんなんですね。顎が、実にお父さんそっくりだ。その兄の役はなとケビン・コスナーおじさん。おお、自転車なんかやっとんたん??ってびっくり。
この映画でもっともめっけもんなのはアレクサンドラ・ポール。きゃんきゃんなアメリカンギャルやってますが、実に結構的で大好きです。雰囲気はアリー・シーディに似てるかも。でも、アレクサンドラ・ポールのほうがちょっとモデル体型かな。
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by ssm2438 | 2009-07-14 17:55 | ジョン・バダム(1939)
2009年 07月 14日

乱(1985) ☆

f0009381_17132071.jpg監督:黒澤明
脚本:黒澤明
    小國英雄
    井手雅人
撮影:斎藤孝雄
    上田正治
美術:村木与四郎
    村木忍
音楽:武満徹

出演:仲代達矢
    寺尾聰
    根津甚八
    隆大介
    原田美枝子

        *        *        *

いやああ、つまらん。これってゴールデンラズベリー賞によくならなかったなあ。ぎょうぎょうしいだけの映画。

黒澤の映画って記号論な映画。登場人物はこういう性格の人でこういう芝居をする。もう芝居仕方もメイクの仕方もなにもかにも象徴的で全部記号、・・なので感情移入できないんだよね。そこ役者が芝居してても「ああ悲しい芝居してるのね、じゃあ悲しいのね」って解釈は出来るけど、見てる人がその気になって感情移入ですることはない。そういう象徴的記号をみせられるだ。
なのでこの映画をみてても、まるでこれって映画を撮ってるような映画だなあって感じるところが非常におおかった。合戦のシーンもまるで北朝鮮のマスゲームみたいで、角川春樹『天と地と』と同じくらいつまんない。いや、『天と地と』のほうが面白かったかも。

最近分ってきたのだけど、黒澤明って映画づくり下手な人なんだなあと・・。
自分の中のげろげろしたものを結局出せない人で、実に三島由紀夫みたいな感じ。自分のげろげろがだせないからそれらしものを仰々しく出してる、私はあばいてますよ~~って旗振ってる感じ。でも所詮は八代亜紀のメイクと同じで決して素顔は見せない。化粧としてなら怖い顔も、おびえた顔もかけるけど、本との顔は決して出さない。
だからなにとっても面白くないんだと思う。

by ssm2438 | 2009-07-14 16:59 | 黒澤 明(1910)
2009年 07月 14日

どですかでん(1970) ☆

f0009381_6472667.jpg監督:黒澤明
原作:山本周五郎
脚本:黒澤明
    小国英雄
    橋本忍
撮影:斎藤孝雄
    福沢康道
美術:村木与四郎
    村木忍
音楽:武満徹

出演:頭師佳孝

        *        *        *

いやあ、つまらん。本気でつまらん。
こんな映画を面白いというやからはよっぽど自分の感性に自信がない人間だ。

もし無人島に行くとして、映画を一本もって行っていいとき、この映画とほかになんでもいいや、もう一本くらべてどっちを持っていきますかといったらかならず別の一本を選ぶはず。

これは、自信を持って嫌いなものは嫌いだといえる能力があるかどうかを測るリトマス試験紙。

by ssm2438 | 2009-07-14 06:35 | 黒澤 明(1910)
2009年 07月 14日

サイドウェイ(2004) ☆☆☆

f0009381_2251463.jpg監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:アレクサンダー・ペイン
    ジム・テイラー
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:ロルフ・ケント

出演:ポール・ジアマッティ
    トーマス・ヘイデン・チャーチ
    ヴァージニア・マドセン

        *        *        *

いやああ、ひさびさに登場ヴァージニア・マドセン。かつての憧れはけっこうふっくらしてきましたな(苦笑)。

映画というのは、見ている人が全部が全部わかる必要はない。この映画のようにワインの専門家同士が専門的な話をしているのを聞くだけでけっこう楽しいものだ。この映画ではその、専門家同士の会話のなかにちょっとだけ参加させてもらった感を味わえる。似たような映画だとウディ・アレンの映画もそうかもしれない。彼もなにかと映画やドラマ、小説などの専門的知識をべらべらまくし立てる傾向にある(苦笑)。イングマル・ベルイマンに関してはしょちゅうなにかしらの言葉がでてきてる。

f0009381_234055.jpg離婚のショックから立ち直れていない小説家志望の国語教師マイルス(ポール・ジアマッティ)が、結婚を1週間後に控えた悪友、落ち目の俳優ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)と連れ立って、カリフォルニアのワイナリーへとワイン・ツアーに出かける。
美味いワインを飲ませてその深みをしってもらいたいマイルス。しかし、ジャックはそんなことはほとんど興味なし。ワインはワイン、赤い色したのと透明なのがある。それ以外の区別など彼には存在しないようなプレイボーイ。人は、自分の知っている素晴らしいものを他人と共有したいと思うものだが、それが出来ないってのは淋しいことだ。
それが共有できる相手としてウェイトレスのマヤ(ヴァージニア・マドセン)が登場する。

ジャックはマヤの友人をナンパ、しかし彼に結婚の予定があることがバレて、鼻をへし折られてしまう。一方のマイルスは、別れた妻が再婚していることを知って落ち込む。男というのは不思議ないきもので、別れた相手でも、そのうちこちらから連絡すれば元に戻ると信じてる部分があるんだよね。私もこれは経験あるからよくわかる。女は現物が在る/ないで幸せ/不幸になるが、男の場合は可能性がある/ないで幸せ/不幸になる。この可能性が消えたときの落ち込みようってのはけっこうきついんだ(苦笑)。

ドラマはマイルスとマヤがいい感じになるのだが、ジャックとマヤの友人との関係が壊れたことからなだれしきにマイルスもマヤに嫌われてしまう。さらに自分の小説が出版されなくなったことを知り、ワイナリーで大暴れ。すったもんだがありながら、最後はやっぱりマヤのところに向かうマイルスであった・・・。

これって、何を勘違いしたのかNY批評家作品賞とってるんだよね。個人的にはアカデミー賞よりもまともな判断が出来ていると思ってるその賞がこの映画にいったことは嬉しくもあり以外でもあった。私は好きな映画だが一般うけは決してしないだろう。まあ、そういう映画をこの賞はきちんと選んでくれるのだが、それにしてもこの年の映画はよっぽどひどかったのだろう。

by ssm2438 | 2009-07-14 01:50