西澤 晋 の 映画日記

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2010年 05月 04日

真実の瞬間(とき)(1991) ☆☆

f0009381_22382565.jpg監督:アーウィン・ウィンクラー
脚本:アーウィン・ウィンクラー
撮影:ミヒャエル・バルハウス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

主演:
ロバート・デ・ニーロ (デヴィッド・メリル)
アネット・ベニング (ルース・メリル)
ジョージ・ウェント (バニー・バクスター)

        *        *        *

ハリウッドで起きた魔女狩りをテーマにした映画。

1949年に、中国共産党が国共内戦に勝利し中華人民共和国を成立させ、さらにソ連が原爆実験に成功しアメリカの核独占が崩れ去った。翌年6月からは朝鮮戦争が勃発。そんななかでアメリカ国内では「共産主義」への脅威感がヒステリー的に拡大し、マッカーシー上院議員を起点として赤狩りに発展する。マッカーシーはその告発対象をアメリカ陸軍やマスコミ関係者、映画関係者や学者にまで広げ1950年代初頭のアメリカを恐怖に包み込んだ。そんな時代背景を映画にしたのがこの『真実の瞬間』。ただ、このタイトルはいささかカッコつけすぎて、テーマがぼやけてる気がする。原題は『GUILTY BY SUSPICION』(疑惑による有罪)。

この物語の主人公メリルは、実在の映画監督ジョン・ベリーがモデルになっている。ベリーは非米活動委員会での証言を拒否しハリウッドから追放された映画関係者を取り上げたドキュメンタリーを制作し、そのことで彼自身もまた赤狩りの対象になり、妻子を残しフランスへの亡命を余儀なくされたという。
マッカーシーに協力した代表的な政治家は、リチャード・ニクソンロナルド・レーガンがいる。さらに後に大統領となるジョン・F・ケネディなどの多くの民主党員も赤狩りを強く支持したのも事実である。マッカーシーの行動に関してはその後アメリカ国民の自浄作用で浄化されていったが、国全体としては赤狩りを支持する風潮がひろく根付いていたのも事実である。

この赤狩りで告発された中には、チャーリー・チャップリンジョン・ヒューストンウィリアム・ワイラーなどがいる。またこれらに協力して告発した人物として有名なのは、エリア・カザンウォルト・ディズニーゲーリー・クーパーなどだ。
エリア・カザンは、数人の友人が共産党員であることを暴露し、尚かつ“NYタイムズ”紙に“自分は共産党員ではない!”と、自費広告まで出して物議を醸しだした。そしてその行為は現在に至っても非難の的になり、98年のアカデミー名誉賞受賞の時には(私もリアルタイムでテレビを観ていた)、式場にいたエド・ハリスらは座ったまま拍手もせず腕組みをしたままだった。

<あらすじ>
1951年9月、ハリウッドの監督デイヴィッド・メリル(ロバート・デ・ニーロ)はフランスから帰国した。帰国パーティの席上、突然に女優のドロシー・ノーラン(パトリシア・ウェティッグ)が夫のシナリオ・ライターのラリー(クリス・クーパー)をなじり始めた。彼が共産主義者を取り締まる非活動委員会に友人を売ったというのだ。ハリウッドでも「赤狩り」というなの魔女狩りがはじまっていた。
翌日、20世紀フォックスのザナック(ベン・ピアザ)から呼び出しを受けたデイヴィッドは弁護士と会うように奨められた。メリルもブラック・リストに名前が挙がっているので、誰かを売ることを勧められた。これを拒否して席を立ったデイヴィッド。
女優のドロシーはFBIにより息子の保護権を奪われた。友人の監督ジョー・レッサー(マーティン・スコセッシ)は逮捕を予期してロンドンへ発った。デイヴィッドも仕事を奪われ、撮影所には出入り禁止。やがてドロシーが自殺のようにして事故死した。委員会の呼び出しを受けた友人のバニー(ジョージ・ウェンド)は、名前を売らせてくれと頼みにきた。デヴィッドはうなずくしかなかった。デイヴィッド自身も審問会に喚問される。しかし彼は、友人の名前を売ることを敢然と拒否した。次に証言台にたったバニーも前言を覆し、名前を売ることを拒むのだった。

ただ、共産主義者は、それを信念としてそうなっているのだから、別に告発されてもそれは受け入れるべきことであるとおもうのだけど。やなら共産主義よりも、生活のほうが大事ってことで、共産主義者を辞めればいいだけのことだし・・って思うのは私だけだろう・・か。そこに登場する人物が被害者として描かれてもあまり好感はもてなかったかな。

by ssm2438 | 2010-05-04 22:38
2010年 05月 04日

オリエント急行殺人事件(1974) ☆☆

f0009381_10242160.jpg監督:シドニー・ルメット
原作:アガサ・クリスティ
脚本:ポール・デーン
撮影:ジェフリー・アンスワース
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット

出演:
アルバート・フィニー (エルキュール・ポアロ)
ジャクリーン・ビセット (エレナ・アンドレニイ伯爵夫人)
アンソニー・パーキンス (ヘクター・マックイーン)
マイケル・ヨーク (ルドルフ・アンドレニイ伯爵)
ローレン・バコール (ハリエット・ベリンダ・ハバード夫人)
イングリッド・バーグマン (グレタ・オルソン)
ショーン・コネリー (アーバスノット大佐)
ヴァネッサ・レッドグレーヴ (メアリー・デベナム)

        *        *        *

ミステリー作品のセオリーを逆手にとった犯人仕立ての妙技。

アガサ・クリスティの映画は推理小説のセオリーを逆手にとった犯人設定めだつ。このあとつい繰られる『ナイル殺人事件』では、もっとも犯人らしい人と描きつつ、実はそれはダミーだろうなあと思わせておいて、実はその人物が犯人だったという、これまたミステリー小説のセオリーを知っている人を欺く手段を講じていた。そしてこの作品では、犯人かもしれないという人物を多数用意しておき、実はその全員が犯人だった・・という、これまインチキくさい犯人設定をやってのけている。
まあ、サスペンスなんてものは所詮段取りが分ればあとは面白くもなんともないので、この映画も例外とはならず、犯人さがしだけしか見るところが泣く、人間ドラマをほとんど感じさせない映画だった。2度見る気にさせてくれないなあ。

<あらすじ>
1930年、ニューヨーク、ロングアイランドに住む大富豪アームストロング家の3歳になる一人娘が誘拐され、20万ドルという巨額の身代金が犯人に支払われたにもかかわらず、幼児は死体となって発見された。ショックで夫人も亡くなり、アームストロング自身もピストル自殺を遂げる。容疑者は捕まるが、証拠不十分で釈放される。
それから5年後。中近東イランの首都イスタンブール駅からパリに向かうオリエント急行の車内でアメリカ人の億万長者ラチェットが、刃物で身体中を刺されて死んいるのが発見された。前夜から降り続いていた雪で線路が埋まり、立往生して時に起きたときに起きた事件だった。たまたまこの列車にのりあわせていた名探偵エルキュール・ポワロ(アルバート・フィニー)が事件の真相をあばいていく。
関係者を尋問していくポワロ。十二人の容疑者はまったく関係ないようにみえたが、彼らはみなアームストロング家に関係を持っている人たちであり、5年前の誘拐殺人事件の時にころされた少女の家庭教師や、その夫妻の家族、当時容疑をかけらて自殺した使用人の家族たちだった。彼らは犯人である男をみつけだし、全員で結託し、その男を殺したのだった。

by ssm2438 | 2010-05-04 10:25 | シドニー・ルメット(1924)
2010年 05月 03日

クライムエイリアン/何かがあなたを狙ってる(1988) ☆

f0009381_1020827.jpg監督:リチャード・A・コーラ
脚本:フランク・ルポ
撮影:ラズロ・ジョージ/ジェフ・バートン
音楽:シルヴェスター・リヴェイ

出演:
ジョー・コーテス (ジャック・ブレスリン刑事)
マリアム・ダボ (ターラ)

        *        *        *

コーヒーを飲むと酔ってしまうエイリアンの美女ターラ=マリアム・ダボが可愛い。

テレビ放映時のタイトルは『スペースウォリアーズ/宇宙からの侵略』、私がみたのはこれだった。
アヴォリアッツでグランプリをとった『ヒドゥン』を、男と女にしてお手軽に作り直した感じ。でも、そこそこたのしめる。しかし、マリアム・ダボがエイリアンをやるのでとてもみていてほほえましい。
『007/リビング・デイライツ』のあとマリアム・ダボの可憐さに惚れてしまい、何本か彼女の作品をあさったことがあったのだが、この映画もそのひとつ。MTVなのでなにかとショボイのは仕方がないが、トータルで180分もあり(2時間枠で前後編だったのだろう)、そんなことなら二時間スペシャルにしてもっと良質なものができなかったものか・・??と思ってしまう。

<あらすじ>
ジャック・ブレスリン刑事(ジョー・コーテス)はある異様な猟奇的殺人事件をおっていた。その事件の被害者は内臓をぬきとられているのである。そしてその現場で目撃したブロンドの女性。やがて彼女はターラ(マリアム・ダボ)、囚人船から逃亡した凶悪なエイリアンを追っていた善玉エイリアンだった。そしてブレスリン刑事が追っていた猟奇殺人の犯人こそターラの居っていた悪玉エイリアンだったのだ。姿を変え、サイコキネシスを使う凶暴なエイリアンを二人が追う。

by ssm2438 | 2010-05-03 10:21
2010年 05月 03日

エクストロ(1983) ☆

f0009381_9144819.jpg監督:ハリー・ブロムリー・ダヴェンポート
脚本:ロバート・スミス/イアイン・キャシー
撮影:ジョン・メトカーフ
音楽:ハリー・ブロムリー・ダヴェンポート

出演:
フィリップ・セイヤー (サム・フィリップス)
バーニス・ステジャース (レイチェル・フェイリップス)
マリアム・ダボ (アナリス)

        *        *        *

マリアム・ダボのヌード以外は見るところなし!

『007/リビング・デイライツ』で可憐なボンドガールを演じたマリアム・ダボ、そんな彼女のヌードが拝見できるというので当時とりあえずみてみた作品。しかし話は支離滅裂。どこをどうやったらこれだけ見ている人と離反した物語を作れるのか不思議なくらいだ。共感持てるところがまったく、どこにも、どんなにあらさがししても・・ない。多分監督・原案のハリー・ブロムリー・ダヴェンポートがかなり支離滅裂な人なんじゃないだろうか。当時はやっていたその辺にSF映画とオカルト映画を足しにごった煮にしたかんじの映画で、ダヴェンポートが無能な監督以外のなにものでもないことを世にしらしめた作品。といってもだれもこんなクソ監督の存在なんて気にしないとおもうが・・。

数年前に宇宙人にアブダクション(誘拐)された男が地球に帰ってくる話。しかし地球に帰ったときは怪物の姿になっており、マリアム・ダボを犯して妊娠させる。体内で一度人間の再構築した彼はすくすくと成長、成人男性となって誕生、マリアム・ダボは死んでしまう(もうこの時点で見る気はうせた)。
元の姿にもどった彼はわが子の元に戻るが、妻は新しい男とひっついていて「いまさら帰ってこられてもこまるよわよ」状態。しかし子供は義父が嫌いで、父親になついてしまう。男は子供に超能力を与えるのだが、この子が悪ガキで、ろくなことはしやしない。オモチャのピエロや兵隊、戦車を超能力で動かして近所の人々を殺しまくる。しかし、男の体は次第にくさりはじめており、わが子をつれて宇宙に帰っていく。しかし父子が宇宙に帰った後にはエイリアンの卵を残されていた・・・。
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by ssm2438 | 2010-05-03 09:16
2010年 05月 03日

ブロンドXX(1995) ☆

f0009381_3295586.jpg監督:マーク・エズラ
脚本:マーク・エズラ
撮影:ジェームズ・アスピナール
音楽:ドミニク・クロフォード=コリンズ

出演:
ジェイミー・ハリス (ジョニー)
マリアム・ダボ (ベアトリス・バクスター)

        *        *        *

なんだ、マリアム・ダボが主役じゃないのか・・

ここを勘違いすると最初から乗れない。まあ、そこを勘違いしなくてものれない映画だったけど。
マリアム・ダボが出てるというだけでみたが・・・、この人にはアクションは似合わない。本作ではなんと<非情の殺し屋>を演じているのだが、とにかく動きにキビキビ感がまるでない。どこをどうみてもプロの殺し屋には見えない。『ターミネーター』でいうならシュワちゃんの役どころである。しかし・・・マリアム・ダボじゃむりだ。。。
これは本人の資質によるものだろう。『007/リビング・デイライツ』では可憐なしぐさをしてみせた。彼女がうごくたびにその可憐さというか健気さがと画面から伝わってきた。これは吉永小百合のかもしだす匂いに似ている。
そういえば吉永小百合も刑事とかは出来ない人だった。『天国の大罪』という映画で刑事役をやっていたがどうにもきびきび感がなかった。それ自体はけっして悪いことだとは思わない。役者としてはどうなん??って思うけど、もうこういう存在はその人の本質がそういう風に出来上がっていて、そういう風にしか動けないものなのだろう。それは吉永小百合にしてもマリアム・ダボにしても、この人が動くときはどうしたって可愛くなる・・ということなので、結局こういう役者さんの場合はもう使う側が適材適所に配置するか否かが問題になってくる。この映画のマリアム・ダボも、彼女がどうのこうのというよりも配役をきめたプロデューサーサイドの失敗だろう。

キャスティングもひどいが話もひどい。とにかく誰に感情移入していいのかわからない。もっとも私の場合はマリアム・ダボみたさでみていたのだけど、どうやらこの人は主役ではないらしく、本来感情移入するべき人はべつにいるらしいのだが・・・・どうもみつからない。これはもうストーリー構成の問題だ。いやいや、それだけでもない。リチャード・ハリスのギャングのボス役もかなりひどい。このビジュアルを作った人は誰だ? ダサすぎる。やっぱり監督が無能なんだろうなあ・・・。

<あらすじ>
非情の女殺し屋ベアトリス(マリアム・ダボ)が、雇い主のギャングの金を横領する。途中知り合った頭のヨワい女を自分の身代わりに仕立てて殺し、追っ手から逃れようとするが、実は彼女が死んでなかった。その女の恋人の男が、彼女を救うためにギャングのボスに取引を申し出る。

by ssm2438 | 2010-05-03 03:58
2010年 05月 02日

ツイスト&シャウト(1989) ☆☆

f0009381_21333310.jpg監督:ビレ・アウグスト
脚本:ビレ・アウグスト
撮影:ジャン・ウェインク
音楽:ボー・ホルテン

出演:
アダム・トンスバーク (ビヨン)
ラース・シモンセン (エリック))
ウルリケ・ユール・ボンド (キースティン)
カミラ・ソエバーグ (アンナ)

        *        *        *

ビレ・アグビストって上手いかもしれないけど、やっぱり面白くない。

先の『ペレ』をみて、演出はしっかりしているものの、どうにも面白くない展開にちょっとみくびりかけてビレ・アグビスト。もう一回だけ期待かけてみようかと、劇場に足を運んだのがこの『ツイスト&シャウト』。しかし、これもじめっとした暗さがやっぱりアグビストだった。タイトルだけみるとのりのいい音楽やってるメンバーの青春モノ中って思ったらさにあらず、ひたすら苦々しい青春の映画だった。そのでも、こまったことにその苦々しさだけしかのこらない。
憧れの彼女と“H”をするようになれど彼女を妊娠させてしまい、彼女のおなかを蹴って堕ろしてしまう。そして彼女がいなくなると今度は、都合よく彼を好きな女の子に慰められて婚約。しかもその彼女は親友が好きな相手。主人公の周りには不幸が充満しているのに本人だけは、何故かそれを被らない理不尽さ。その理不尽さゆえに親友には優しくするしかない主人公。自分が不幸になるはずなのにならないいたたまれなさ。こんな主人公を描けるのはビレ・アグビストくらいのものだ(苦笑)。しかし面白くない。

実はこの映画『子供たちの城』(1983)お続編にあたる。私はこちらの映画はみてないのだが、やっぱり青春時代の苦い思い出話みたいだ。不良中学生やっててドロドロ。そこから脱却して2年の月日がたった主人公ビヨンのその後の話。

<あらすじ>
1963年のコペンハーゲン。ビートルズに夢中の高校生ビヨン(アダム・トンスバーク)は、ある夜クラブハウスでアンナ(カミーラ・ソエバーク)という美少女と出会い、彼女に一目惚れする。一方波の友人エリック(ラース・シモンセン)は、病床の母と厳格だが愛人をもつ父という居心地の悪い家庭環境にいた。エリックは同級生のキースティン(ウルリッケ・ユール・ボンド)に思いを寄せていたが、彼女が愛していたのはビヨンだった。
f0009381_21341660.jpgしかしそのビヨンは、アンナと仲良くなり、初めての夜を過ごし、幸せな日々過ごしはじめていた。しかしアンナの妊娠が発覚すると、彼女は中絶に踏み切る。そしてビヨンの前から姿を消した。ビヨンは心の痛手を癒すかのようにキースティンに慰めを求めるようになる。そして婚約。
ビヨンとキースティンの婚約パーティーの夜、愛人のもとへ向かおうとする父と殴り合いになったエリックは、母を祖母の住む田舎で療養させることを決心し、ビヨンに助けをもとめる。婚約パーティーを延期して、エリックのもとに走るビヨンだった。

by ssm2438 | 2010-05-02 21:35
2010年 05月 01日

ペレ(1987) ☆☆

f0009381_23374972.jpg監督:ビレ・アウグスト
脚本:ビレ・アウグスト
撮影:イェリエン・ペルション
音楽:ステファン・ニルソン

出演:
ペレ・ヴェネゴー (ペレ)
マックス・フォン・シドー (ラッセ)
ビヨルン・グラナート (エリック)

        *        *        *

頭では「いい映画」という解釈をしがちだが、心は「つまらない」と叫ぶ映画。

監督ビレ・アウグストの見せ方は地道で、正攻法の演出なので、映画的には実にきっちり仕上げてきてるな・・という感想。しかし、いかんせんお話がしんどい。マーティン・アナセン・ネクセの原作『勝利者ペレ』の幼年期を映画にしているのだが、ここだけ映画にされても悲惨なだけでみていてつらいだけだった。物語全部をとおしてみれば、こういうエピソードがあったあの子が、後にことをなしとげたんだなって思えるからいいのだろうが、この冒頭だけを映画にするという計画事態が失敗している。
堅実な作りで、カンヌでもパルムドールを受賞、アカデミー外国語映画賞もとっている。映画としての完成度は高いのだが、いかんせん話がつらい。おまけにこれが2時間半なのでしんどいしんどい。これ、映画館で見なければ、飛ばし見しかねない映画だ。そういう私は不幸にも劇場でみてしまい、しんどい想いをした。

この映画の時代背景は、18世紀から19世紀にかけておきた産業革命につづき、西ヨーロッパにおいて一連の農業技術上の改革がおこった時代。休耕地を無くした四輪作の導入、囲い込みによる集約的土地利用などによって、食料生産が飛躍的に伸びた。農業革命による新農法は広い土地を必要としたものの、依然耕作のための人手も必要としており、自営農であった者たちは同じ土地でそのまま自営農から賃金労働者に転落した。

<あらすじ>
ラッセ(マックス・フォン・シドー)とペレ(ペレ・ヴェネゴー)のカールソン父子は、仕事を求めるスウェーデンからデンマークへ移民してきた。老人と子供ということで次々と断わられるが、なんとかある農園拾われ、その牛小屋で暮らすことになった。移民の子ということでペレにとってはつらい日々が続く。そんなペレをかばってやるのは、いつかアメリカに行くことを夢みている同じ使用人のエリック(ビヨルン・グラナト)であった。彼はいつかアメリカにいって世界を征服してやると語り、その言葉だけがペレの生きる希望となっていた。そんなエリックは管理人から無理難題を命じられ、怒りから彼に襲いかかるが、その最中止め具の外れた井戸の重石が頭を直撃し、廃人となってしまう。春が来たらここを出て世界を征服しよう、と言葉も離せなくなったエリックに話しかけるペレ。しかしある冬の日、エリックが農園から退去させられてしまう。その光景を目撃したペレは、老いた父を牛小屋に残し、ひとり雪原を歩き出すのだった。

by ssm2438 | 2010-05-01 23:38
2010年 05月 01日

ビッグ・ウェンズデー(1978) ☆☆☆☆

f0009381_23581597.jpg監督:ジョン・ミリアス
脚本:ジョン・ミリアス/デニス・アーバーグ
撮影:ブルース・サーティース
音楽:ベイジル・ポールドゥリス

出演:
ジャン=マイケル・ヴィンセント (マット)
ウィリアム・カット (ジャック)
ゲイリー・ビューシイ (リロイ)
リー・パーセル (マットの妻になるペギー)
パティ・ダーバンヴィル (ジャックを捨てたサリー)

        *        *        *

ブルース・サーティースの画面必見! なんだこの哀愁は!!

はっきりいって前半部はかなりたるい。しかし、ウィリアム・カットが帰ってきてから最後に3人で伝説の大波に挑むところは燃える燃える。別にフサーフィンをするわけではないが、この映画は愛してしまう。

多分今となってはサーフィンシーンだけならこれ以上の映画はざらにあると思う。しかし、あの大波が昔の友人達をあの場所に集めたことがやっぱり素敵なのだと思う。未来はどんなにでも展開すると思っていて、バカ騒ぎができた若かりし頃。しかし現実という逃げられない袋小路が彼らを飲み込んでいく。決して思い通りになったとはいえない彼らの人生。そしてほとんど会う事もなくなっていた3人。それがあの波のおかげでまた再会する。歳をとると、会うだけでも言い訳が必要になってくる。でもそれをしなかったら永遠に合えないままで終わる可能性のほうが大きいかもしれない。だから人は同窓会をやりたがるのだろうな。この同窓会は素敵だった。

喜びも悲しみもひとそれぞれ、それは分かち合えないものがほとんどだろう。それは一人一人が自分の胸に溜め込んで墓場まで持っていかなければならないものがある。でも、そんなことを度外視して一緒にいたい仲間がいる。つねに心のどこかに「あいつ」がいる。利害を分かち合わないけど、いつも忘れられない、常に心のどこかにいるあの男たち。おおおおおおおおおおおおおおお、男の友情ってそういうものだろう。

<あらすじ>
まだベツナム戦争が始まっていない1960年代初め。カリフォルニアのボイント岬で最高のサーファーといわれるマット(ジャン=マイケル・ビンセント)、はいつもジャック(ウィリアム・カット)とリロイ(ゲイリー・ビジー) でサーフィンを楽しんでいた。夜になるといつもどこかの家でホームパーティでばか騒ぎ。べろんべろんになって夜を明かしたあとも、海へでると見違えるように波間をすべっていく。そんな彼らの姿を海辺の人々は憧れとしてとらえていた。
そんな彼らの夢は水曜日にやって来るという世界最大の波ビッグ・ウェンズデーに挑戦することだつた。しかしビッグ・ウェンズデーは来ることはなかった。
メキシコ旅行の時に知り合ったペギー(リー・バーセル)とサリー(パティ・ダーバンビル)は、それぞれマットとジャックと付き合い始める。やがてマギーには子供ができてマットはマギーは結婚する。
1960年代も半ば、彼らにもベトナム戦争がはじまり彼らのもとに懲兵令状がきた。マットやリロイがなんくせつけて懲兵を免れようとしている中で、優等生のジャックは懲兵検査を受けた。ジャックの歓送会は盛大に行なわれ、恋人のサリーも泣いた。翌朝早く、独り波にのるジャックは戦争へととびだっていく。

f0009381_23231664.jpg60年代の終りに、ジャックが生きて帰って来た。しかし、そんなジャックをサリーは待っていなかった。すでに結婚していた彼女を訪ねていったジャックは、彼女の旦那に追い返されてしまう。一方マットの栄光は既にわすれさられ、人々は新しいヒーローに喝采をあげていた。3人は会うこともなくなり、マットは普通の家庭人となっていた。そんなある日、海がうねり始める。ずっと彼らをみまもっていたサーフボードをつくっていたオヤジが「明日はあれが来る」とマットに伝える。そしてマットは彼からロングボードを与えられた。そして翌日その大波がきた。命知らずのサーファーたちがその波に挑みことごとく振り落とされていく。上空には沿岸警備隊のヘリが海に入らないよう拡声器でどなっている。
今は独りになってしまったマットは、それでもボードを抱えて浜におりていった。するとそこにはリロイとジャックがまっていた。3人がそろって海に向かう。

by ssm2438 | 2010-05-01 23:04
2010年 05月 01日

イントルーダー/怒りの翼(1990) ☆☆☆

f0009381_22181510.jpg監督:ジョン・ミリアス
脚本:ロバート・ディロン/デヴィッド・シェイバー
撮影:フレッド・J・コーネカンプ
音楽:ベイジル・ポールドゥリス

出演:
ブラッド・ジョンソン (グラフトン中尉)
ダニー・グローヴァー (カンパレリ中佐)
ウィレム・デフォー (コール少佐)
ロザンナ・アークエット (キャリー)

        *        *        *

このミニチュア特撮は何故か心に残る。実にいい感じ!

そろそろハリウッドでもCGが幅をきかせてきてるであろうその時代にあえて(単に予算がなかっただけかもしれないが)、ハノイの空爆シーンなどをミニチュア特撮で撮ってしまった、なんとも円谷英二がみたらけっこう感動するんではないだろうかというような映画。『未知との遭遇』でもそうだが、CGが幅を利かせる以前、ミニチュアセットを使ってどれだけそれらしく映像がつくれるか・・というのは特撮部隊の腕の見せ所だったわけだが、あの頃の映画を作っていた人はきっとそれを嬉々としてやっていたのだろうなあって思う。ミニチュアを釣り込む楽しさとか、それを壊す楽しさとか・・。そんな懐かしさを感じる映画。本来は☆二つが妥当だろうが・・・、個人的に愛すべき映画なので☆一つおまけに追加。

監督はジョン・タカ派・ミリアスなのでおのずと知れた、いけいけタカ派ムービー。ベトナム戦争時代、どうにも効率的とは感じられない空爆を命じられ続け、その結果ナビゲーターを失った主人公が怒りまくり、命令無視してサイゴンに突入、その南ベトナムの中心部を空爆してしまう話。

確かに映画としてみればショボイ映画になるかもしれないが、何故か捨てきれない、愛すべき魂がくすぶっている映画。この映画にロザナ・アークエットが出てくれているのも嬉しい。

<あらすじ>
1972年、ベトナム戦争。米海軍A-6型爆撃機イントルーダーのパイロットであるジェイク・グラフトン中尉(ブラッド・ジョンソン)は、戦死をとげた同乗のモーグの妻を慰問する。そこには未亡人の姿はなく、代わりに手伝いに来ていたキャリー(ロザンナ・アークェット)という美しい女性がいた。
新しくナビゲーターに着いたのはコール少佐(ウィレム・デフォー)だった。
コールとコンビを組むことになたグラフトンは、一刻も早く敵の本部のあるハノイを攻撃するべきだと上層部に進言する。しかしその進言は却下された。2人は極秘でハノイ爆撃の計画を練る。3日後、帰艦命令を無視して編隊を離れ、一路ハノイに向かった2人の乗るイントルーダーはハノイのミサイル基地を攻撃することに成功した。

by ssm2438 | 2010-05-01 22:19
2010年 05月 01日

新・動く標的(1975) ☆☆

f0009381_1211820.jpg監督:スチュアート・ローゼンバーグ
脚本:トレイシー・キーナン・ウィン
    ロレンツォ・センプル・Jr
    ウォルター・ヒル
撮影:ゴードン・ウィリス
音楽:マイケル・スモール

出演:
ポール・ニューマン (私立探偵ハーパー)
ジョアン・ウッドワード (依頼人・アイリス・デベロー)
メラニー・グリフィス (アイリスの娘・スカイラー)

        *        *        *

なんでもオフィシャルなタイトルは『ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的』だそうな。しかし、ハーパー探偵シリーズになってこれが最初で最後になったようだ(苦笑)。

このてのハードボイルド探偵物語というのは、たいてい話をこねくっているだけであんまり面白いものがあるとは思えない。カモフラージュの大げさな事件が展開されつつ、物語の確信はプライベートなことだったりする。これもそんな話で、これくられた話を見て面白いと思う人にはいいかもしれないが、ストーリー構成のトリックだけなのであまりおもしろいわけではない。これが松本清張のような、個人のドラマをきちんと書き込んであるサスペンスなら私も好きなのだけど・・・。
てなわけで、個人的には撮影がゴードン・ウィリスであることが見る気にさせてくれた唯一の予想かもしれない。しかし、あいかわらずゴードン・ウィリスの黒の絞りは実に素敵だ。画面は暗くて渋い、無機質。この画調で映画が撮れればどんな普通のサスペンスでも一級品に見えてしまう。
監督はスチュアート・ローゼンバーグ。この人の作品で見たのは『失われた航海』とこれだけなのであんまり判断できるものではないが、堅実に説明するべきところを説明していくタイプかなあ。役者的には16歳のスカイラーを演じたのがメラニー・舌足らず・グリフィスだったが、なかなかいやらしい肢体がよかった。

<あらすじ>
ルイジアナに広大な土地をもつオリビア・デベローは、その土地に眠る莫大な石油の権利も自分で握っていた。その息子の妻アイリス・デベロー(ジョアン・ウッドワード)から依頼を受けるハーパー(ポール・ニューマン)。妻アイリスの情事を暴露した手紙が夫のジェームスに送りつけられたのだ。この手紙の主がを見つけだし、やめさせることが依頼の内容だった。
そんな矢先、オリビア・デベローが殺させる。ハーパーはオリビアの土地をねらっていた土地開発業者のキルバーンに目をつける。しかしキルバーンは原作者による、犯人をかくすためのカモフラージュだった。
アイリスの情事を暴露した手紙が送りつけたのは彼女の16歳の娘・スカイラー(メラニー・グリフィス)だった。過保護な父親に対するいらだたしさと、恋にうつつをぬかす母親への腹立たしさ、そして高圧的な支配をする祖母オリビアへの怒り。彼女こそがオリビアを殺し、アイリスを自殺に追いやりった犯人だった。
そしてさらに明らかになるもう一つの秘密・・・。

by ssm2438 | 2010-05-01 01:22 | ゴードン・ウィリス(1931)