西澤 晋 の 映画日記

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2010年 07月 06日

黒の試走車(テストカー) (1962) ☆☆☆

f0009381_02373.jpg監督:増村保造
脚本:舟橋和郎/石松愛弘
撮影:中川芳久
音楽:池野成

出演:
田宮二郎 (朝比奈豊)
高松英郎 (小野田透)
叶順子 (朝比奈の恋人・昌子)


       *        *        *

記念すべき『黒のシリーズ』第一作!

とはいえ、このシリーズがむちゃくちゃ面白いかと言われるとそうでもないのだが、この映画の時代高度経済成長の人間のバイタリティを見せてもらえるからけっこう好きである。今の経済をみてると、あんなになにもあもがぎらぎらして生きられた時代というのはとても幸せだったのだろう。・・そう!この映画の素晴らしさ、登場する人間の、あのぎらぎら感なのだ。
きっと今の中国ではこのようなことが横行してるのだろうなあって思った(苦笑)。

第一作の自動車会社の企業スパイをテーマにした映画。それだけ、わくわくする。そして監督が増村保造というものをもあり、どうしてもそれ以前の『陸軍中野学校』を思い出してしまう。この映画を見ている間も、なぜかしらあの続きかなって(まったくそんなことはないのだが)、なんとなくそんな雰囲気を楽しみながら見ている自分がいた。
しかし田宮二郎に節操がない。それが映画全体の印象にマイナスポイントになってるような気がする。結婚を餌に、彼に惚れてる(一応恋人の)昌子を相手の寝床に送り込むのはどうなん??って思ってしまう。その結果販売競争に勝利するタイガー自動車だが、最後は、「やっぱりこんなのもう出来ません」って辞表を提出、彼女のもとに戻る・・ってくだりがどうも軽い。女も女で、結婚したいがためにそんなことまでするんか??って感じだった。

余談だが、車体を黒いカバーで覆われたまま走る試走車がなんとも不気味でいい。まるで『ザ・カー』の不気味な雰囲気も持っている。でも悪魔はやどってないけど・・(苦笑)。

<あらすじ>
テスト走行中の覆面車がカーブを切ったとたんコースアウト、横転して炎上した。自動車業界紙は、「タイガー試作車炎上、新車生産計画挫折か?」などと書きたてた。タイガー自動車では、試作車パイオニアのテストが事前に洩れ、写真まで撮られたことが問題になった。産業スパイの可能性を感じるタイガー自動車は、小野田透(高松・鬼車・英郎)に指揮をとらせ、社内に入り込んでいると思われるスパイの詮索を開始する。
小野田は、朝比奈(田宮二郎)らに指示を出しヤマト自動車の馬渡をマークする。ヤマト自動車の企画部長・馬渡(菅井一郎)は女癖が悪いのを知り、朝比奈は自分の恋人・昌子(叶順子)を馬渡に接近させる。資料を集めた結果、ヤマトでも秘密裡にスポーツ・カーを製作中であり、しかもタイガーがイタリアのデザイナーに依頼して作らせたデザインまで盗まれていることが判った。
ヤマト自動車とタイガー自動車の間の企業戦争は、価格の競争に焦点がうつった。山と自動車の会議室がのぞける向かいのビルのトイレからカメラでその内容を撮影し、読唇術のできるおばさんにたのんでその内容を解読、販売価格はわからないが、タイガーの販売価格はヤマトに筒抜けだということがわかった。
朝比奈は、結婚を餌にし、嫌がる昌子を馬渡のホテルに送り込む。昌子は価格競争の情報を盗み出す。価格競争に勝利しるタイガー自動車。
しかし、販売された新車のパイオニアが踏み切りでエンコし、それに急行列車が衝突する事故がおきる。タイガーは苦境に追い込まれた。まだ企業内にスパイはいる。朝比奈は、社長の娘の婿養子である、平木企画第二課長にたどり着く。かれは浮気現場を馬渡に知られてしまい脅されていたのだ。馬渡は列車妨害の罪に問われ、ヤマトを辞任し事件は解決した。パイオニアの売れ行きは上昇した。企画第一課長の内定をうけた朝比奈だったが、会社に辞表を出すと傷心の昌子のもとへ走るのだった。

by ssm2438 | 2010-07-06 22:33 | 増村保造(1924)
2010年 07月 05日

黒の超特急(1964) ☆

f0009381_22594273.jpg監督:増村保造
原作:梶山季之
脚本:増村保造/白坂依志夫
撮影:小林節雄
音楽:山内正

出演:
田宮二郎 (岡山県の不動産業者・桔梗敬一)
藤由紀子 (財津の秘書・田丸陽子)
船越英二 (新幹線公団専務理事・財津政義)
加東大介 (東亜開発社長・中江雄吉)

       *        *        *

ぎゅうちゃん、カッコいい!!

黒のシリーズ第11作である。このシリーズは第一作目の『黒の試作車(テストカー)』に始まり、日本の高度経済成長の裏あるダークな部分をテーマに映画がつくられている。なので映画そのものはそんなに面白くなくても、なぜは惹かれる要素はあるのだ。とかいっても、私がみたのは増村保造のやった最初と最後のこの2本だけなのだけど。
しかもこの頃の大映は制作のテンポが早い。第一作が公開されたのが1962年7月(私が生まれた年である)。この最終作品が1964年10月。この2年間で11本ものサスペンスものをつくっているのである。ほとんど土曜ワイド劇場とか火曜サスペンス劇場のようなのりで、月に1~2本、2時間ドラマをつくりつづけたわけだ。たぶんそのくらいのキャパはあったのだろうが、このペースで映画がガシガシとられるというのもいい時代だ。

この映画、新幹線が岡山の何処を通るかということで、その前に情報を手に入れそのあたりの土地を買いあさり、新幹線が着工する時に高値で国にかいとってもらおうというもの。ただ、一作目ほどのどきどきわくわく感はなかったかな。ただ、やっぱり地元が舞台だとちょっと嬉しい。
しかし、映画自体は今ひとつ燃えなかった。やはり主演田宮二郎演じる主人公の男がいまいちしょぼいところがこの映画の最大のネックのようなきがする。
一方、悪党を演じたぎゅうちゃんこと加藤大介がなんだかとても印象深い。ちょこちょこ脇役では出てくるのだが、個人的にインパクトを感じたのは成瀬巳喜男『おかあさん』とこの『黒の超特急』かな。

<あらすじ>
岡山県の不動産業・桔梗敬一(田宮二郎)を、東京の“東亜開発社長「中江雄吉」と名のる男(加東大介)が訪れる。中江は、自動車工場用地としてこのあたりの土地を、細長く買いたいというのだ。そして桔梗には坪あたり百円の手数料を出すという。中江は桔梗との取り引きを終えて東京に帰った。
半年して桔梗は、中江の買収した士地に第二次新幹線が走ることを知った。そんころ株で大損していた桔梗は、中江に500万の融資をもとめて東京にでたがあえなく断られた。それをきっきっかけに中江の裏工作を調べ始める。
調べていくうちに、新幹線公団専務理事財津政義(船越英二)から、その情報を引き出したことがわかってきた。中江が古美術愛好者であることを利用して財津に近づくと、当時、財津の秘書をしていた田丸陽子(藤由紀子)をあてがい、その秘密を財津の義父で憲民党の実力者工藤に話して、三星銀行から大金を融資してもらったのだと話した。
重大な証人陽子を味方につけた桔梗だが、中江は陽子を殺してしまう。中江に面会を求めた桔梗は、ウソぶく中江にテープを聞かせ、警官が押入ってくる。中江は取り調べに対して、一切の汚職事件の全貌を話した。

by ssm2438 | 2010-07-05 23:01 | 増村保造(1924)
2010年 07月 05日

青空娘(1957) ☆☆

f0009381_2243425.jpg監督:増村保造
脚本:白坂依志夫
撮影:高橋通夫
音楽:小杉太一郎

出演:
若尾文子 (小野有子)
菅原謙二 (高校の恩師・二見)

       *        *        *

おお、まさに昔の少女漫画そのもの! 里中満智子あたりの漫画を思い出してしまう。

普通にけろけろって見られる映画。私の好きな増村保造の初期の作品だが、特にコメントすることのない映画でもある。まあ、悪くはないかなって感じの映画。

高校卒業まで伊豆の里親にあずけられていた小野有子(若尾文子)だが、その里親が死んでしまい、東京の小野家で引き取られることになった。しかし有子は小野家のなかでは妾の子であり、風当たりはすこぶる良くない。そんな家庭環境の中、いじめられつつも、自分の本当の母親を探して明るく強く生きていく女の子の話。

実にこてこての定番ストーリーで、今となっては誰も使わない話だが、57年の日本ではやっぱり定番でグッド!だったのだろう。全編通して暗さもなく、とてもさわやかに見られるので、後味も悪くない。でもそれだけって話でもある。最後は高校の時の恩師二見(菅原謙二)とくっつけても良かったのに・・と思うが、大人の節度というものなのかな・・。しかしまさかそちらとひっつくことはないと思っていた長女の彼氏・広岡となにげにくっつく感じで終わったのが、その線をまったく予期もしていなかったのでちょっと違和感を覚えた。その路線で行くならどこかでぐぐっとくるムーディで、なおかつその結末を納得できる前段階をしっかり構築してほしいものだ。

<あらすじ>
伊豆の里親に死なれ、東京の小野家にひきとられた有子(若尾文子)は、妾の子供だった。小野家を訪れた日、彼女の父親は出張中で、義母にはつめたくされ、小さな女中小屋を与えられた。味方は女中と出入りの魚屋だけだった。しかしそんな環境下で、すこしづつ人望を獲得していく。
中学生の弘志とは、さわやかなケンかを交えると仲良くなり、卓球では長女・照子のボーイフレンド広岡(川崎敬三)を破り、彼から好意を持たれはじめる。
出張から帰った父・栄一は有子にはやさしい。有子は、母の話を聞き行方不明の母を探そうと決心する。一方、有子に惚れた広岡に求婚された有子だが、照子は有子を泥棒よばわりされ家を出る。
伊豆に帰った有子は、恩師の二見(菅原謙二)を囲んでクラス会。教え子の女の子たちにさんざんいじられる二見はうらやましい限りだ。
広岡や二見の協力で有子は実の母に会うことが出来たが、小野の父親が倒れた。有子は尻ごみする母を連れて小野家を訪れた。栄一の臨終間際の心ある言葉に、家族達はすべてを水に流して和解することができた。いつの間にかひそかに有子に想いを抱いていた二見も、淋しい気持をふり払って有子と広岡の将来を祝福してやるのだった。

ああ、実にこてこてであった。

by ssm2438 | 2010-07-05 22:13 | 増村保造(1924)
2010年 07月 05日

巨人と玩具(1958) ☆☆☆

f0009381_05951.jpg監督:増村保造
脚本:白坂依志夫
撮影:村井博
音楽:塚原哲夫

出演:
川口浩 (西洋介)
野添ひとみ (島京子)
高松英郎 (合田竜次)

       *        *        *

ドコドン、ドコドン、太鼓をならせ!ドコドン、ドコドン、太鼓をならせ!!
※どんどこドンドコじゃないところがいい。

しかし、初めの頃の野添ひとみはぶっさいくだったね。あの歯のメイクって言うんですか? わざと歯並び悪いようにみせるあのメイクのおかげでかなり気持ち悪い。他の野添ひとみさんは綺麗なので、これから見る人は、この作品だけでまどわされないようにお願いしたいものだ。とくに『くちづけ』のひとみさんは可愛い。

大映が元気なころ(というか、そろそろ危なくなリ始めたころの映画)の映画。元気のいい頃の大映は大映スターズという球団をもっていたのだが、この映画が公開された1957年に高橋ユニオンズを吸収合併、大映ユニオンズになり、翌年毎日オリオンズの合併、大毎オリオンズとなる。オーナーは大映社長の永田雅一。1971年、大映が倒産するとともに球団経営からも撤退、オリオンズはロッテに経営権がわたった。
昔は東映フライヤーズとか松竹セネターズとか、映画会社が球団を持っていたものだが、きっとそのころが映画会社としてもっとも華やかだった時代なのだろう。それ以降はテレビの普及により徐々に低迷、どのこ映画会社も球団経営などとという道楽はやっておれなくなった。

映画は高度経済成長の日本の企業戦争をあつかったもの。「休みたいならば辞めればいい」が実に良い。そのスピーディな展開は退屈させない勢いがある。これは海外に映画留学した増村保造ならでのことだろう。展開だけでなく台詞がやたらとスピーディ、マシンガンのように連打される。この映画を見ると日本の高度経済成長時代というのを垣間見るきがする。きっと今の中国もこんな感じなのだろう。勢いある時代ってのはいいもんだ。仕事に熱中して吐血して死ねるなんて・・、なんて幸せな奴だ。

<あらすじ>
サムソン製菓の宣伝部の西洋介(川口浩)は、課長は合田(高松英郎)をあがめていた。彼らが担当うしているのキャラメルだが、先ごろライバル会社の台頭で売り上げがおちてきてる。宣伝に新手を考えだす必要に迫られた合田は、島京子(野添ひとみ) という虫歯だらけの少女を拾ってきた。しかしこの子の笑顔がとてもかわいい。
京子のカメラ・テストの結果、写真家の春川は彼女を撮らせることにきまる。それをカメラ雑誌に発表するとジャーナリズムが騒ぎだした。週刊誌、ラジオ、ファッション・ショー。合田は社のトレード・キャラクターに京子を使うことを重役連に承諾させた。
ヘラクレス洋菓、アポロ製菓、そしてサムソン製菓の熾烈な特売合戦がはじまる。アポロが一頭地を抜いた売り上げを示していたが、アポロ・ドロップスに子供が中毒する事件が起った。サムソンはその足をすくうように大増産を始めた。合田は義父の矢代部長を追いやり、自分が部長になった。
京子は以前から洋介に心をよせていた。しかし仕事しか眼中にない洋介はその申し出を断っていた。小売店が乱売を始めた。景気づけに宇宙展の会場に京子を配することになったが、呼ばれてきた京子は以前の少女ではなかった。気取った歩き振りの、飾りたてた女であった。カメラマンの春川が彼女を女にし(たぶん)、ヘラクレス洋菓に就職した親友横山が彼女のマネージャーになっているのを知った。企業競争の中で大事なものを失った洋介は、宣伝用の宇宙服をかぶり、雨の街へ宣伝のためにでていくのだった。

by ssm2438 | 2010-07-05 00:59 | 増村保造(1924)
2010年 07月 04日

高校生心中 純愛(1971) ☆☆

f0009381_2205278.jpg監督:帯盛迪彦
脚本:柴田久恵
撮影:喜多崎晃
音楽:伊部晴美

出演:
関根恵子 (宇野洋子)
篠田三郎 (丘谷由夫)

       *        *        *

前半の同棲時代の楽しいそうなこと・・、うらやましいかぎりだ。

監督は『高校生ブルース』帯盛迪彦。しかし原作があるわけではなく、あれほどのインパクトはない。関根恵子篠田三郎で倒産間近の大映を乗り切ろうといしてとりあえず作った感じの映画だが、のちのそのテイストが引き継がれる大映テレビのコアな部分が全部この映画にはつまっていた(苦笑)。どこをとっても大映という映画であった。

ただ、シナリオはぬるく、物語の展開的に「それはないだろう」ってところが一杯ある。その展開にしたいのはわかるが、そうならもっと観客を納得する説明をしてほしいものだ。これは物語作りをしているとよくあるのだけど、映画会社やプロデューサーサイドは「無理やりにでもこんなシーンをいれたい」と要求し、展開的に不自然な流れを強請してくる。それが実力のある人が脚本を書いていると、ある程度はつじつまをあわせられるのだけど、ほとんどの人はできないものである。というよりも、きちんと書ける人のほうが苦手かもしれない。上手い書き手は総てが整合するようにドラマを組み立てているものであり、そこに無理な展開を入れるとそこで書けなくなるもである。ふと『ガメラ3』があたまをよぎった。
で、そのまま、無理やりな展開がシナリオとなり、それを撮ってしまうとこのような映画になる。最後も、二人が心中する必要性がないのでいまひとつぴんとこない。あと“H”シーンもなくても良かったのに。むりやり宣伝効果としていれこんだようだが、どうせ撮るならきちんとした物語の風景のなかでとってほしかった。夢でもないのに、いきなりそこだけイメージシーンなのはしらける。

しかしこの映画の関根恵子はとても天真爛漫で可愛い。彼女の若さと明るさが全面に出た映画だろう。

<あらすじ>
高校2年生の丘谷由夫(篠田三郎)と宇野洋子(関根恵子)は、夢と希望を語り合う爽やかなカップルだった。しかしある日、赤軍派とつながりを持ち始めた由夫の兄が、日ごろから思想的に対立のあった刑事の父親を殺し警察に逮捕される事件がおきた。さらに母も急死した由夫は学校をやめて兄の裁判費用のためにはたらくという。洋子は、「殺人犯の家族」という理由で由夫との交際を禁じたられた。
由夫が両親のお骨を持って郷里の信州に帰ると聞いた洋子は駅にかけつけ、そのまま乗り込んでしまう。それから二人は兄妹ということで、信州に部屋を借り暮らし始める。なにからなにまで幸せな日々だった。しかし、宇野家からの捜査願いによって由夫は誘拐犯人として逮捕され、洋子は家に連れもどされる。
兄の裁判の日、傍聴席で再会した二人は、洋子の家族に会い、交際の許可を求めるが、洋子は部屋に軟禁され、追いかえされてしまう。
親が勧める交際相手の仲本は洋子をドライブに誘うが、このチャンスに由夫のもとに行こうとする洋子を見て嫉妬、「自分と付き合えないなら、このまま崖から落ちて死ぬ」と車を猛スピードで走らせる。車内でもみあいになり間一髪車から飛びだす洋子だが、仲本の車はガードレールを突っ切ってがけ下に落ちてしまう。仲本は死亡。伊豆あたりの作業現場で働いていた由夫がそのニュースをラジオから聴く。そこに洋子が現れる。
「私も仲本君を殺してしまった」という洋子。自首するという洋子。
「神さはま、オレから愛する人を総て奪っていく。父も、母も、兄も・・。そして今度は洋子まで・・。もう誰にも奪わせない」と覚悟をきめる由夫。二人は思い出の信州を訪れ、「もうさよならは云わなくていいのね」と、降りしきる雪の中を山奥深く消えていった。

by ssm2438 | 2010-07-04 22:10
2010年 07月 04日

TATTOO[刺青]あり(1982) ☆

f0009381_21163435.jpg監督:高橋伴明
脚本:西岡琢也
撮影:長田勇市
音楽:宇崎竜童

出演:
宇崎竜童 (竹田明夫)
渡辺美佐子 (竹田貞子)
関根恵子 (三千代)

       *        *        *

1979年の起きた三菱銀行人質事件、三菱銀行北畠支店に猟銃を持った男が押し入り、客と行員30人以上を人質に立てこもった事件。犯人の梅川昭美は警察官2名、行員2名(うち1名は支店長)の計4名を射殺、女性行員を全裸にして盾代わりに並ばせる事もした。事件発生から42時間後に立てこもった梅川は、警察の特殊部隊により射殺される。

この事件がおきたのは私が高校生くらいの時であり、さすがにその歳になっているとおぼろげながら覚えているものである。解放された人質たちが毛布にくるまれていたのが中の状況を妄想させたが、実際、女子行員銃を突きつけられ、服を一枚一枚脱いでいくことを強請させられたようだ。
最年長の男子行員を生意気だと怒った梅川は再び猟銃を発砲し、別の男子行員にナイフでとどめをさすように命じるが、「もう死んでいる」と命令された行員は嘘をつく。すると梅川は「そんなら耳を切り取ってこい。」と新たな命令を出す。命じられた行員は激しく抵抗するが、散弾銃で撃たれた遺体と猟銃で狙われている恐怖で、死んだふりをしていた行員の左耳を切除し、その耳を梅川に差し出したという。
人質の状況を考えるとなんでもっと早く射殺できなかったものかと思ってしまった。警察の対応の遅さがはなはだ歯がゆいものだった。

映画では銀行に押入る前までの人間形成の部分を映画にしている。劇中ではそのような残虐行為は出て来ないが、生産性のないクソ人間なので不愉快きまわりない。

これは趣味の問題だろうが、宇崎竜童の音楽もちゃらちゃらして嫌いだ。

<あらすじ>
15歳の時、遊興費欲しさに強盗殺人事件を引き起こした明夫は保護監察処分になる。20歳になった明夫(宇崎竜童)はそれまでの生活を一変させるためにパーマをかけ、胸にボタンの刺青を入れキャバレーのボーイになった。同じ店で働くナンバ・ワンのホステスの三千代(関根恵子)を強引にくどき、同棲生活を始める。しかし三千代は明夫の性格についていけなくなり、別の男のもとへ逃げてしまう。
男をあげなければならないと思った明夫は、再会した幼なじみのタクシー運転手・島田車の用意をさせ、30歳を過ぎようとする昭和 54年1月26日、大阪市内の銀行に銃声とともに入っていった。篭城する明夫を説得するために母親を呼び寄せたがが、母と話すことを拒否した明夫は電話を切る。そして銃声が響き渡る。

by ssm2438 | 2010-07-04 21:18
2010年 07月 04日

火の鳥 鳳凰編(1986) ☆☆☆☆☆

f0009381_12175333.jpg監督:りんたろう
原作:手塚治虫
脚本:高屋敷英夫/金春智子
作画監督:さかいあきお
美術監督:椋尾篁
撮影監督:石川欽一

声の出演:
堀勝之祐 (我王)
麻上洋子 (テントウムシの化身・速魚)
古川登志夫 (茜丸)
小山茉美 (ブチ)
池田昌子 (火の鳥)

       *        *        *

我王のふくらはぎはすごい!! あれだけで生命力を感じさせてしまう。

『時の旅人』と同時上映だったこの映画、60分の短編なので他の『火の鳥』とくらべて当初は注目度も低かったのだが、みてみるとびっくり、その短い時間のなかで恐ろしく完成度の高い映画になっていた。原作とは多少異なった点もあるが、原作の精神がもっとも映画になったのがこの『火の鳥・鳳凰編』ではないだろうか。シリーズの中ではもっとも好きな映画である。

監督は『銀河鉄道999』りんたろう。この人、ときどきすごいのを作る。今何してるのでしょう? りんたろうの監督したなかで一番すごいと思ったのは東映のアニメ『アローエンブレム・グランプリの鷹』の1話。レースシーンでは望遠の画面を多用しており、当時としてはかなり画期的。今の時代と比較するならと驚異的である(現在のアニメーターは、映画をみずに育った次代の人たちが多くて、アホな広角もどきの画面はかけても、高度のレンズワークの知識と空間把握能力を必要とする望遠の画面は描けない。今、あの画面を描けといっても、きっと描ける人はほとんどいないだろう)。
ただ、この映画に関してはもっとアニメチックな絵づくリになっているのだが・・。

ドラマとしてもスゴイ。一歩も二歩もひいいた視点からみた手塚ワールド全開の作品。主人公の茜丸は世間ではみとめられた彫刻師なのだが、その才能は凡人。ゆえに感情移入とてもし易いキャラ。努力してその才のを開花させていった茜丸だが、その前に現れた片腕の彫刻師我王。この我王の存在感がすごい。茜丸が努力した人間が到達できる天才なのだが、この我王の前ではまる姑息な生き物に見える。我王の宇宙力がすごいのである。強欲や悲しみ、哀れみ、苦しみなどを生命のもつすべて吸収して出来上がったような彫刻師・・。それを感じさせるだけでもこの映画はすごい。
キャラクター的には淡白におもえたこの映画だが、内容の昇華度から言えば火の鳥のなかでは図抜けている。

なお、美術監督は椋尾篁。この人の色はいい。

ただ、エンディングの渡辺典子の歌はちといただけなかった。もうすこし作品の質に沿うものにしてほしかったなあ。そこは売れればいい、宣伝になるならなんでもいいの角川商売のえげつない部分でもある。

<あらすじ>
生まれて間もなく片目片腕を失った我王は、生きるために盗賊になった。ある日、美しい娘・速魚を強引犯し妻にした。鼻が異様に腫れ上がる奇病にとりつかれた我王を看病する速魚。だが、部下の言葉で誤解した我王は速魚を斬り殺してしまう。速魚はてんとう虫に姿を変え、我王は彼女がかつて自分が助けた虫の化身だったと気づくのだった。

鳳凰のイメージを探し求めて全国を旅する大和の彫物師・茜丸は、我王と出会い大切な右腕を傷つけられてしまう。腕が不自由な茜丸は絶望のふちをさまよったが、どこの風来坊かもわからないブチという少女と出会い、必死の修行の末、彫物師としての腕を取り戻した。

そんな時、茜丸に大仏建立の命が下り、都の役人がやって来る。茜丸を連れていかせまいと抵抗したブチは、役人に殺されてしまう。やがて大仏殿は完成し、茜丸は天皇に献上するための鳳凰の彫物を乞食僧と競い合って作ることになった。その乞食僧こそ、以前茜丸の右腕に重傷をおわせた我王だった。
負けるわけにはいかない茜丸。死んだブチの霊が茜丸をサポートする。懇親の思い出彫り上げた鳳凰の像。しかし我王の作った鳳凰像はそれをはるかに凌ぐ圧倒的な何かをもっていた。茜丸の乾杯である。

しかし茜丸は、かつての我王が自分の利き腕に斬りつけ、再起不能な状態にまで追い込んだことを引き合いにだした。そんな悪党のものを天皇に献上するわけにはいかないと、我王の鳳凰は却下される。さらに「我王に同じ苦しみを・・」を申し出る茜丸の意を汲み、我王はその罰として右腕も斬り落とされる。
両手を失しなった我王が都を追放されたその日、火事が起こり、茜丸の作った鳳凰像を保管していた蔵が燃えてしまう。駆けつけた茜丸はなんとかその像を取り戻そうと火のまわった蔵のなかに飛び込むが、倒れて動けなくなる。そんな彼のまえに現れた火の鳥。遠い昔から求め続けた火の鳥が目の前に現れて涙する茜丸だが、火の鳥は、彼がもうじき死んで魚に生まれ変わること、それが宿命だと告げるのだった。

両手を失った我王が都を後にするカットがあるが、あのローアングルのふくらはぎを見ると、「きっとこの男は、両手がなければ足で、足もなくなれば口にノミを咥えて彫刻を彫るだろう」と予想させてくれる。圧倒的な生命力の提示である。
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by ssm2438 | 2010-07-04 12:18
2010年 07月 04日

乳首にピアスをした女(1983) ☆

f0009381_10473643.jpg監督:西村昭五郎
脚本:スーザン・リー
撮影:山崎善弘

出演:泉じゅん (さつき)

       *        *        *

最後のピアスをつける乳首のアップが・・・あまりにも偽物っぽくって、そこだけは作り手としてリアルな質感を提供してほしかったなあ。小道具さん、頑張れよ!

泉じゅんといえば、『感じるんです』でデビューした日活清純派路線の第一人者。形のいい乳房がとても圧倒的な魅力でした。『天使のはらわた 赤い淫画』はかなり好きなで、その彼女がSM系に出てるときいて当時VHSを借りてみた映画。・・・しかし、内容的にはうむむむむ。泉じゅんの無駄遣いだったような気がした。いまひとつ初期のころの彼女の輝きがない。髪型だけでも初期のころの髪型でいってほしかった。

お話はよくある話で、とある紳士にみそめられた女が、徐々に彼の趣味(SM)に傾倒してくというもの。しかし自分以外にもそうなってしまった女たちがいて、「どうするの?」と問われ、最後は彼のコレクションになることを受け入れる。その証とて「乳首にピアス」をつける。料理の仕方は違えど、水木洋子原作、オルガ・キィリレンコ主演の『薬指の標本』と同じメンタリティの話。男を紳士的に描き、自ら支配されることを女が望んでいく流れ。
この映画の特徴なのは、男は、女が彼に支配されることを望むのだが、その方法として「もうあなたが私の支配を望むなら、私は受け入れられますよ」って、そのメンタリティの提示をしていく。「もしあなたが私と同じくらい好きならそのくらいできるはずですよね」・・みたいな流れ。脚本はにっかつ70周年記念応募シナリオで入選したスーザン・リー。たぶんシナリオだけならかなり完成度の高いものだったのではないかと思う。

自分のあり方に疑問をもちながらも、権藤の要求をうけいれていく泉じゅんは、放尿を口で受け止めることも出来てしまうようになっていた。ある日、男がサツキをプライベート・クラブに連れていき、客のいるまで、「トイレに行きたいな」と立ち上がる。そこから動こうとしない。「え、ここで?」とこれからする行為に恐ろしさを感じながらも、彼の前にひざまづいて眼をとじ、口をあける泉じゅん。「どうされましたか?」のボーイの声に眼を開けるさつき。とたんに我に返り恥ずかしさを耐える泉じゅん。
このくだりだけはハラハラだった(苦笑)。

しかし予算のすくない日活ロマンポルノ。男の側のダンディズムもないし、女が引かれていく要素もほとんど感じられない。もったいない映画だった。

とはいえ、泉じゅんファンなら一度は見ておきたい映画だろう。

<あらすじ>
さつき(泉じゅん)の働くある美容整形クリニックに 一人の女が男をともなってやって来て、乳房にピアスを付けてくれという。その日からさつきのところにバラの花束が届けられるようにな。その送り主はその女と一緒に来た権藤という男だった。さつきは権藤に誘われてデートに行き、その紳士的態度に身をゆだねていくことを覚える。
自分のあり方に疑問をもちながらも、権藤の要求をうけいれていくさつき。
ある日さつきはプライベートクラブにつれていかれる。ボーイに新しいボトルを入れると告げた権藤はさつきを連れて地下の酒倉に行く。そこには、所有者の名札の付いた檻が並んでおり、その中には手足に伽をはめられた女や全裸で緊縛された女が入れられていた。その中には、以前さつきのクリニックを訪れた女がおり、乳首にピアスをしていた。
その夜クリニックの診察室で自ら乳首に穴をあけ、ピアスをするさつきの姿があった。

by ssm2438 | 2010-07-04 10:49
2010年 07月 02日

ファイアーストーム(1997) ☆☆☆

f0009381_031064.jpg監督:ディーン・セムラー
脚本:クリス・ソス/グレアム・ヨスト
撮影:スティーヴン・F・ウィンドン
音楽:J・ピーター・ロビンソン

出演:
ハウイー・ロング (ジェシー・ウレイヴス)
スコット・グレン (ウィント・パーキンス)
ウィリアム・フォーサイス (逃亡犯・ランダル)
スージー・エイミス (鳥類学者ジェニファー)

       *        *        *

ここでも悪さオヤジはお前か、スコット・グレン!!

『バックドラフト』といいこれといい、火付け役はいつもスコット・グレンだなあ。映画は森林火災と戦うスモークジャンパーと呼ばれる消防降下隊員のひとり、ハウイー・ロング対脱獄囚人たちの戦いを森林火災をバックにこれでもかこれでもかアクション映画。アクション映画なのであるていど退屈なのは仕方がないが、しかし絵作りはさすがにディーン・セムラーかっこいい。

知る人ぞ知るディーン・セムラーは、『コカコーラ・キッド』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『ステルス』の撮影監督。私の大好きなシネマトグラファーの一人である。そしてこのディーン・セムラーが監督した映画が2本だけある。ひとつはスティーブン・セィーガル『沈黙の陰謀』、もうひとつがの『ファイアーストーム』である。そんなわけで、あんまりいないとは思うが、ディーン・セムラーのファンの人には貴重な映画の一つだ。
しかし、DVDは発売されておらず、中古のVHSを購入するしか手がないという悲しい作品。私はアマゾンで中古のVHSを買いました。世間的には価値がしられておらずまだまだ安いのでした。

<あらすじ>
救助活動中に足をいためたウィント・パーキンス(スコット・グレン)の後をうけてジェシー・グレイヴス(ハウィー・ロング)がスモークジャンパーのリーダーとなる。パーキンスは引退する日、D4地区は空気が乾燥し山火事が起きやすい状態になっていると忠告して基地をさっていった。
その言葉どおりその地区から山火事が発生した。消化舞台には地元の消防隊員たちが借り出されたが、人手を補うために近くの刑務所から、刑期が終わりに近い模範囚人たちが消火活動に参加してきた。彼らは刑期を満了する日が近いため脱獄はしないだろうと思われていた。しかしその中に、ランダル・シェイ(ウィリアム・フォーサイス)とその仲間4人がまぎれこんでおり、まんまと脱獄に成功。先の犯罪で隠したお金を取りにカナダへと向かった。
かれらは、炎につつまれて動きが取れなくなっていた鳥類学者ジェニファー(スージー・エイミス)を人質にとったが、スモーク・ジャンパーのジェシーが燃え盛る森林に降下し、彼女を救出。二人は囚人たちと壮絶な戦いをくりひろげつつ、燃え盛る森林から脱出したのだった。

by ssm2438 | 2010-07-02 00:40
2010年 07月 01日

成熟(1971) ☆☆☆

f0009381_23132560.jpg監督:湯浅憲明
脚本:高橋二三
撮影:喜多崎晃
音楽:菊池俊輔

出演:
関根恵子 (加納ゆう子)
篠田三郎 (笹尾隆二)
菅野直行 (坂井正夫)
八並映子 (小谷ミキ)
伴淳三郎 (笹尾吾助)

       *        *        *

関根恵子のオッパイは出ない。でも十分見る価値ある。

もしかしたら関根恵子の映画のなかでは一番みていて楽しい映画かもしれない。いろんな意味で勘違いしてるのだが、それがすべて幸せ方面にむかっているという、まるで『ボギー!俺も男だ』の逆バージョンのような映画。世間にころがっているあらすじだけをみるといたって普通の青春映画にみえるが、この映画の魅力ははかりしれないものがある。

山形県庄内平野の鼠ケ関は、古くからみこし流しという行事が行われており、「みこしを担いで海に入る男たちの濡れた体は将来を誓い合った娘以外は拭いてはならない」という言い伝えがる。万一、体を拭いた娘と拭かれた若者が結婚しないと竜神の崇りで二人とも必ず不幸になるというものだった。そんな言い伝えのある中、水産高校の笹尾隆二(篠田三郎)の濡れた背中を農業高校の加納ゆう子(関根恵子)がふいてしまう。二人にしてみれば、伝説などどうでもいいことだったのだが、それがどんどん波紋をひろげていく。

普通の映画は、二人の感情は求め合う。理性ははなれるべきだと考える。環境は二人を引っ付かないようにうごく。そのなかで二人はやっぱり求め合う・・ってのが映画だし、それが盛り上がる普通の流れなのだ。この映画が可笑しいのは、二人の感情は求め合ってて、二人の理性は否定しあって・・ここまでセオリーどおりなのだが、環境が二人を引っ付けるようにながれていくのだ。これが実に可笑しい。二人は理性的に「この恋はあきらめるべきだ」とかんがえているにもかかわらず、周りがふたりがひっつくほうに、ひっつくほうにながしていくのである。そんな環境のなかで、ふたりだけは、深刻ぶってるが、よくよく考えると二人ともとっても幸せな方向にながされているとしか思えないという・・、すべてが幸せ映画なのだ。
初期の関根恵子映画というのは、関根恵子に不幸はふりかかることばっかりだが、この映画に関しては彼女に幸福ばかりがふりかかっていく、なんともおかしな、たぶん作り手としてはかなりとんちんかんな作りの映画ににしてしまったことは確かなのだが、このとんちんかん振りがすべてにおいてさわやかで幸せいっぱいな映画がこの『成熟』なのである。

f0009381_2313587.jpg<あらすじ>
農業高校の写真部に属するゆう子(関根恵子)は「みこし流し」のイベントを撮るために、気軽に見知らぬ青年笹尾隆二(篠田三郎)の体を拭いたことから騒動が持ち上ってしまった。隆二の父親(伴淳三郎)はどうしてもその女をみつけだして息子の嫁にすると言い出し、ゆう子の家まで押しかける。しかし、ゆう子には既にきまった相手がいた。加納ゆう子は農家の一人娘であり、田んぼを続けるためには婿養子をもらわなければならなかった。さいわい、加納の家にはいってもいいという坂井正夫(菅野直行)という男がいて、既に二人の家ではその話はまとまっていた。ゆう子も特にそれに反発するわけでもなく、そうなる人生を普通に受け止めていた。
そんな二人だが徐々にお互いに惹かれて行く。隆二が漁師になって外洋にでるようになると田んぼの世話は出来ない。そうなるとゆう子一人では田んぼば無理だ。そんな二人だが、思い出作りのために二人で過ごす1日デートを楽しむ。

鶴岡市の天神祭り、別名お化け祭りの日がきた。お化け祭りと顔を布で隠した女たちが、徳利と盃を持って見物人に酒を飲ませるという祭りである。昼間から酒を飲まされた正夫は、その女がゆう子だと勘違いして押し倒してしまう。女は素直に抱かれた。しかしこの女は小谷ミキ(八並映子)であり、ひそかに正夫を想っていた。この正夫の行動がどこでどう誤謬されたのか、ゆう子が隆二の子を妊娠したという噂となって広まっていく。追いつめられた二人は、故郷をすて東京へ出ていく決心をする。
翌朝、駅に急ぐゆう子は、田んぼに稲の伝染病が発生しているのを知りそのまま放置することができず、町の人々に知らせに戻ってしまう。ゆう子の一報で農家の人々は農薬を散布し事なきをえるが、隆二との駆け落ちは中止になってしまう。
しかし、水産高校と農業高校の対抗意識は頂点にたっし乱闘寸前、そんななか、ゆう子のクラスメイト小谷ミキが真相を告白する。正夫に想いをよせていたミキは、隆二とゆう子をひっつくように仕向け、正夫には酒をもり自分を抱かせたというのだ。

結局正夫とミキは仲良くなってしまい、ゆう子と隆二も立場をこえて結ばれることを助言する。隆二が外洋に出るときは、俺たちがゆう子の田んぼを手伝うというのだ。ふるい因習を乗り越えて二人は結ばれるのだった。

おおおおおおおお、なんというさわやかな青春勘違い映画だろう。素晴らしすぎて感動してしまった。
監督・湯浅憲明、脚本・高橋二三八並映子主演(?)で作られた『ガメラ対深海怪獣ジグラ』を見直してみたくなった(苦笑)。

by ssm2438 | 2010-07-01 23:14