西澤 晋 の 映画日記

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2010年 09月 15日

バード・オン・ワイヤー(1990) ☆☆

f0009381_9165993.jpg監督:ジョン・バダム
脚本:デヴィッド・セルツァー
    ルイス・ヴェノスタ
    エリック・レーナー
撮影:ロバート・プライムス
音楽:テッド・フィールド

出演:
メル・ギブソン (リック)
ゴールディ・ホーン (マリアンヌ)

       *        *        *

どうもメル・ギブソンはコメディに合わないと思うのだけど・・。

だいたいメル・ギブソンの目は狂気じみてる。最初の『マッド・マックス』の印象が強いからかもしれないが、どうもあの目でライトは芝居られてもなにか素直にたのしめない(苦笑)。
そんな彼が演じているこの物語の主人公は、かつてメキシコにマリファナを仕入れに行って逮捕された男。麻薬密売組織は、彼に証言されては困るので殺そうとするのだが、FBIは法保護プログラムを組んで裁判が開かれるまで、名前や職業をかえながら各地をてんてんさせていた・・という状況。
そんな時に、逮捕される以前につきあっていた女ゴールディー・ホーンにたまたま出会ってしまう。さらに組織にも身元がばれてしまい二人は逃避行。逃避行の旅すがら、保護プログラムで各地を点々としてた時に知り合いに会って行きながら、「あんたいったい何者なの??」っておもわせつつ、最後は追ってから逃れてなんとか終了って話。
昔の知り合いに会うごとに、好かれていたり、嫌われていたり、自分の知らない元彼の素性がばらばら出てくる。そんな状況でぎゃあぎゃあとやたらうるさいゴールディー・ホーンを楽しむ映画かもしれない。

しかし彼女は年取っても若いですねえ。すばらしい体をキープしてます。この映画のころは40代半ばだったらしいが、その後15年くいらいして『フォルテ』なる映画に出ていた時もほとんど同じ体型。そのときは60こえてたのだけど、あのボディはなに???ってくらい驚異的な引き締まり感。歳をとっても若いひとはいるが、この人ほど若い体をキープしているひとは珍しい。キャラクター的にはギャグ系ではあるのだが、体のラインを保つことに関しては鬼のように努力をしているプロフェッショナル。すごい!

そんなメル・ギブソンとゴールディ・ホーンを主役にして職人ジョン・バダムが作ったアクション・コメディがこれ。さらにヒッチコックのライトはサスペンスのノリもはいっている。
昔読んでいた『スクリーン』で、今は亡き双葉十三郎さんがこの映画にけっこう高い点をつけていたのを思い出す。残念ながら私はその感覚にはちょっと賛同しかねるが、双葉さんもジョン・バダムの職人的見せ方は気に入っている様子。なので甘くなってしまったのだろう。私もジョン・バダムは好きなのだけど・・、でも、この映画はもうちょっとがんばってほしかった。80年代のジョン・バダムお得意の専門分野のテクニカル演出があまりなくって、ただのドタバタ劇になってしまっているのが残念。

<あらすじ>
立ち寄った自動車修理工場で、15年前に航空事故で死亡したはずの恋人リック(メル・ギブソン)に瓜二つの男に出会うマリアンヌ・グレーブス(ゴールディ・ホーン)。マリアンヌに気づかれたと思ったリックは急いでFBIに連絡をとる。彼は麻薬組織を裁判にかけるために承認としてFBIの保護プログラムにまもられている男だった。しかし新しく変わった担当者は麻薬組織に買収されていて、彼を証人保護リストから外し、彼の居場所を組織に連絡する。
その男のころが気になっていたマリアンヌはずっと修理工場を見張っていたが、殺し屋に襲撃されたリックが逃げ出してきて、結局どさくさにまぎれて二人は脱出する。リックはマリアンヌにすべての事情を打ち明けるが、マリアンヌは途中でカードをなくしており二人は一文無し。昔知り合いをたずねつつ逃走をつづける二人は、家畜病院でかつてリックの恋人だったレィチェル(ジョアン・セヴェランス)のところに逃げ込む。かつての恋人と再会したリックにやきもきするマリアンヌ。しかしそこにも追手が迫り、武装ヘリで襲撃されるが、レイチェルの助けもあり病院のセスナ機で脱出。最後は室内動物園で野獣たちのいるなか組織の追手と戦いになり、内部の施設を巧みに利用し、危機一髪のところで殺し屋達を倒す。

by ssm2438 | 2010-09-15 09:17 | ジョン・バダム(1939)
2010年 09月 14日

レナードの朝(1990) ☆☆☆

f0009381_1012443.jpg監督:ペニー・マーシャル
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
音楽:ランディ・ニューマン

出演:
ロビン・ウィリアムズ (マルコム・セイヤー博士)
ロバート・デ・ニーロ (レナード)
ペネロープ・アン・ミラー (ポーラ)

       *        *        *

『アルジャーノンに花束を』との類似性が気になるのだが・・どうなんでしょうね?

同じエピソードをネタに、ダニエル・キース『アルジャーノンに花束』を書き、オリバー・サックスが、この『レナードの朝』をかいたのでしょうか? それとも、オリバー・サックスがこのこの本ネタを書こうとしたときに、『アルジャーノンに・・・』の展開をある程度意識したのでしょうか・・? 多分後者かな? 
番うように作ろうと思えば作れたのかもしれないが、どうしても『アルジャーノンに・・・』のストーリー展開が面白すぎるので、主人公のメンタリティの流れ自我の確立とか恋愛感情とか・・、そのあたりの展開は『アルジャーノンに・・・』にベースで展開してしまったのだろう。そのへんが、違う作品なれど、『アルジャーノンに反束を』の模造品的立場になってしまっている。
しかしこの映画、専門的知識ベースで書かれているので、物語の説得力はとりあえずあるが、所詮は「実話をもと」にしたフィクションであり、映画作りの方向性としては、『アルジャーノンに花束を』のをパーキンソン症候群べの治療ベースで現代風なリメイクと言ったほうがいいかもしれない。個人的にはあまり『アルジャーノンに・・・』に傾かず、もうすこし医学ベースのリアルなつくりでいってほしかった。
しかしラルフ・ネルソンが作った『まごころを君に』よりははるかに好感がもてるつくりになっている。さすがペニー・マーシャル。彼女は、『ビッグ』や『プリティリーグ』などを手がけたこの女性監督さんであり、私の好きな監督さんの一人である。・・・しかし、この人はかならずダンスをするシーンをいれるね。愛の表現手段としてはセックスよりもダンスのほうが好きなんだなあっていつも感じる。

ちなみに『アルジャーノンに・・・』では、知能遅れの少年に対してある手術をするという、かなりアバウトな設定なのだが、その設定がこの物語の魅力ではなく、そのあとの展開がこの物語の魅力になっている。それにたいしてこちらの『レナードの朝』は嗜眠性脳炎からパーキンソン症候群におちいった患者にL-ドーパを投与し覚醒させたが、耐性により効果が薄れていくとう流れ。

<あらすじ>
1969年、マルコム・セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)という風変わりな意思が、ブロンクスの慢性神経病患者専門病院に赴任してくる。その風変わりだが可能性を追求する熱心な態度に看護婦のエレノア(ジュリー・カブナー)も好感をもつようになる。
そこにレナード・ロウ(ロバート・デ・ニーロ)も入院していた。彼は11歳の嗜眠性脳炎にかかり、そのごパーキンソン症候群におちいり、30年もの間彼の体は硬直してうごこうとしない。セイヤーはまだ公式に認められていないパーキンソン氏病患者用のLドーパを使ってレナードの機能回復を試みる。そしてある朝、レナードがベ起き上がりベットの脇にすわっているのを目にする。

※ここから物語りは『アルジャーノンに花束を』モードにシフトする。

30年ぶりに街に出たレナードにとって見るものすべてが驚きだった。レナードの回復をみたセイヤーは、他の患者にも新薬を使うことを申し出て、病院のスタッフの協力によって投薬が始まった。一方、完全に機能を回復したレナードだったが、彼が病院に見舞いにきたポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)に生まれて初めての恋をする。自我が目覚めていくにつれて病院の管理体制に「自分たちは実験用のペットではない」と怒りをもらすようにもなってくる。しかしこのときすでにLドーパの効果は薄れつつあり、体の自由が徐々にきかないようになってくる。再びベットで硬直した人生にもどるしかないレナードはポーラをダンスをおどる。レナードを追うように他の患者たちも再び以前の状態にもどってくのだった。

by ssm2438 | 2010-09-14 10:13 | ペニー・マーシャル(1943)
2010年 09月 12日

候補者ビル・マッケイ(1972) ☆☆

f0009381_2036253.jpg監督:マイケル・リッチー
脚本:ジェレミー・ラーナー
撮影:ジョン・コーティ/ヴィクター・J・ケンパー
音楽:ジョン・ルビンスタイン

出演:
ロバート・レッドフォード (ビル・マッケイ)
ピーター・ボイル (ルーカス選挙参謀)

       *        *        *

かなり意外だが1972年アカデミー賞脚本賞を受賞している・・・。

ちなみにこの年の作品賞は『ゴッドファーザー』。・・・なんでこれば脚本賞受賞してないんだろう??って思ったら、こちらは脚色賞を受賞していた。

とにかく好青年の代表格ロバート・レッドフォードがビル・マッケイを演じたことの意味合いは大きい。選挙に出る前のビル・マッケイはハンサムで有能な弁護士であり、妻ともなんの問題もなく幸せな生活をしていた。ほとんど汚点がみえないようなぼんぼんで品の良い彼は、まさにロバート・レッドフォードがうってつけであった。
そんな彼が選挙に呑みこまれると、選挙に勝つための勢力が彼の純粋さをどんどん蝕んでいく。ひたすら蝕んでいく。見ていて悲しい映画である。

もっともアメリカの選挙を題材にしたえいがというのは、大抵この選挙参謀が悪役になり、勝つための手段を講じ、主人公が自分の純粋さを打ち出し、結果として主人公の精神のほうが民衆に支持される・・というものが普通だろう。エンタメとしてはそのほうが受ける映画なのだが、この映画はそのそのまま主人公の純粋さが失われていく方向性で最後まですすんでしまう。

ぱっとみシリアスで良さげにみえなくはないが、マイケル・リッチーの演出術だとちょっと温いかな。シリアスになやむようなこともなく、なんとなく世間にながされてしまっていく意志力の弱さが、マイケル・リッチーの根性無しぶりが演出にも反映しているような気がする。思えば『がんばれベアーズ』も、努力と根性で成し遂げる話じゃなかったし、この人自身がかなり意志力が乏しいひとなのだろうなって思う。

こんな映画、シドニー・ルメットがやればいいのを作りそうなのに・・・、特にこの年代のルメットは元気があった。しかしよくよく考えてみると、同じような『キングの報酬』という映画をルメットが作っていたが、あれはカスだった。・・・しかし、やっぱりルメットでこの映画は見たかった。

<あらすじ>
カリフォルニアの州知事をつとめたこともある父をもち、妻ナンシーと幸福な生活を送っていた若くて有能な弁護士ビル・マッケイ (ロバート・レッドフォード)。民主党は彼を党の候補者として擁立し、上院議員選挙を戦うことに決定する。
ビルの選挙参謀にルーカス(ピーター・ボイル)が選ばれプロジェクト・チームが結成された。「選挙に勝つために必要なのは、政見ではなく、有権者にどうしたらいい印象を与えるかにつきる」と言うルーカスに、ビルは批判的だったが、どんな高邁な理想も、現職議員がちらつかせる公約の前では影が薄いことを、ビルは痛感しはじめる。ビルの態度にも微妙な変化があらわれた。世間の流れに呑まれ、ほとんど魂の抜け殻のようになったビルだが、演説会ではルーカスのいうとおり、アメリカの栄光をたたえ、偉大な社会の一員として自覚を高めようと訴え、民衆もそれに感化されていた。やがて、投票日。ビルが勝った。しかし、勝ったのはビルではなく、第三者の手でつくり出され自分と無関係な人格のなにかでしかなかった。自分の指針も信念もうしなった彼は今後の自分の姿が見えなくなっていた。

by ssm2438 | 2010-09-12 20:38
2010年 09月 12日

ヘルボーイ(2004) ☆☆

f0009381_124764.jpg監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
音楽:マルコ・ベルトラミ

出演:
ロン・パールマン (ヘルボーイ)
ジョン・ハート (ブルーム教授)
セルマ・ブレア (リズ・シャーマン)
ルパート・エヴァンス (ジョン・マイヤーズ)

       *        *        *

あたまの(○○)はいったいなんだったんだ??って思ったら、そんな仕掛けだったのですね。

物語のとっかかりはかなりファンタジックでちょっと入りづらかったのだけど、見てるとまあまあ楽しめた。最後の悪魔世界の扉が開いてCGの対決シーンは正直うんざしシーンの連続なのだけど、クライマックスにいたるまでは見てて飽きない。

物語は第二次世界大戦末期。敗勢を意識したドイツ軍が悪魔を償還してなんとか連合軍をやっつけようという発想。
ナチス・ドイツは魔道士ラスプーチンの提案により、悪魔を召還する儀式を行ったが失敗。しかし代わりに真っ赤で小さな猿のような生物がこの世に現れた。そこに登場するアメリカ軍のコマンド部隊。ラスプーチンらは退散し、その生物はアメリカ軍特殊コマンド部隊に同行していた神秘学の専門家ブルッテンホルム教授回収され、彼が父となり愛情をそそいで育てた。その子が大きくなり現在にいったったのが「ヘルボーイ」=悪魔の子である。大人になったヘルボーイは超常現象捜査局の切り札として、地上に姿をあらわした魔物を人知れず(?)退治する任務についていた・・という世界観。

頭の(○○)は、実はあそこから本来はにょおおおおおおおっと悪魔の象徴のような角が出ているはずなのだが、彼はその角を斬り、いつも電気かんなでがりがり削って、その角が伸びないように手入れしているのである。本編中にいちどその角がおにょにょにょにょのおおおおおおおって伸びルシーンがあるが、やはりあれが伸びるとカッコいい。

この物語がほぼ現在だと考えると、ヘルボーイは60歳くらいのはずだが恋愛感情やらはまるで中学生、精神年齢はそのくらいなのかもしれない。あと、60年も生きればやっとこさ一人前の悪魔になるのかな・・・? 

ちなみに彼がほれる根暗な超能力女性がセルマ・ブレアなのだが、この人もなかなかいい感じ。往年のナタリー・ウッドをちょっと根暗にしたような雰囲気の女優さんだ。実は『クルーエル・インテンションズ』に出ていたのだが、その時はけっこうぱっつんぱっつんの女の子だったのだが、大人になるとかなりスマートになり、この映画のなかではとってもいい雰囲気を出している。

by ssm2438 | 2010-09-12 12:48
2010年 09月 11日

弾丸特急ジェット・バス(1976) ☆

f0009381_1334549.jpg監督:ジェームズ・フローリー
脚本:フレッド・フリーマン/ローレンス・J・コーエン
撮影:ハリー・ストラドリング・Jr
音楽:デヴィッド・シャイア

出演:
ジョセフ・ボローニャ (ダン・トランス)
ストッカード・チャニング (キティ・バクスター)

       *        *        *

乗り物系パニック映画のおちゃらけ版、あまりにおちゃらけすぎて全然面白くない。

よくこんな映画を中学生のころ見に行ったものだ(苦笑)。そうはいっても原子バス《サイクロプス号》が当時のお子様としては見てみたかった。だいたいタイトルがいい。『弾丸特急ジェットバス』。ちなみに現代は『ザ・ビッグ・バス』・・・これはやっぱり『ジェット・バス』のほうが断然素敵である。それも『弾丸特急』である。

全長50メートル、重量75トン、定員180名のその巨大な2階建てバスは、走行中に車体洗浄も出来、車内にはサロンはもちろん、ボーリング場、プールまでも装備しているというスグレもの。それも動力は原子力エンジン。ただし、ボーリングはワンレーンしかなく、観客は横の壁にへばりいていなければならない。また、戻ってくるボールの通り道なので、ボールがくるとタテのりジャンプしてボールを飛び越えなければいけない(苦笑)。

ドラマはジェリー・アンダーソン『サンダーバード』『キャプテン・スカーレット』とかのような展開で、ニューヨークからデンバーにむかうその処女運行が、原子力を脅威とみなす石油会社によって次々と妨害工作を受ける・・というもの。
やってることは悪くないす。多分この映画もまじめにつくれば、みなさんが見たいと思うものになっただろうし、そこそこ面白いものになってたと思うのだけど、まじめにつくらないからただのクソ映画になってしまった。まじでこれを『サンダーバード』でやったらけっこう面白いものができるはずなのだ。ジェリー・ブラッカイマーとかスピルバーグとかキャメロンあたりがきちんとつくればけっこう燃えるものになるんじゃないかと思うのだけど・・。
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by ssm2438 | 2010-09-11 13:05
2010年 09月 10日

波止場(1954) ☆☆☆☆

f0009381_11233039.jpg監督:エリア・カザン
脚本:バッド・シュールバーグ
撮影:ボリス・カウフマン
音楽:レナード・バーンスタイン

出演:マーロン・ブランド
    エヴァ・マリー・セイント
    リー・J・コッブ
    ロッド・スタイガー

        *        *        *

怒涛の村八分もの。やっぱり村八分ものはいいですな。たとえ社会がどうであろうと、俺はこうするんだ!!みたいな強い意思があり、社会からの圧迫と自分の意思のせめぎあい。ドラマとしての基本中の基本でしょう。そして3番の陪審員リー・J・コッブはやはりこの時代の誰もが知っている悪役の代名詞だった。

ジョニー・フレンドリイ(リー・J・コッブ)の暴力によって支配されているニューヨーク港。そこでの仕事は彼によって分配させるので、彼に逆らうものは仕事にありつけないのだ。ある夜、労働者のひとりがジョニーの子分チャーリー(ロッド・スティガー)に謀殺された。彼の弟のでやはりジョニー一派のリー(マーロン・ブランド)も片棒をかついでいた。
事件はうやむやにされそうになるが、波止場の正義派バリー神父(カール・モルデン)や殺された労働者の妹イディー(エヴァ・エヴァ・マリー・セイント)はこれを非難、それを快く思わないジョニー一味は教会を襲う。その場に居合わせたイディーはテリーに救けられた。イディーに心をよせるテリーは、バリー神父の忠告に従ってイディーの彼女の兄が殺させたいきさつを告白するテリー。しかしジョニー一味からの圧迫は強くなく。一切の秘密を口外するなと脅させるが、聞き入れなかった。そのためテリーの兄のチャーリーも殺させた。間もなくジョニイ一味は、2つの殺人事件について法廷で尋問されテリーは彼の犯罪事実を証言した。翌朝波止場にあらわれたテリーは、労働者仲間から卑怯者として村八分にさせる。誰もテリーを守ってくれない。ジョニーの子分たちにぼこぼこにさせるテリー。しかし彼は渾身の力をふりしぼって立ち上がり、仕事場へむかう。静かに道をあける労働者たち。先頭に立って仕事場へむかうてリーのあとに他の労働者たちもつづいていく。
ジョニーの支配がおわった。


やはりエリア・カザンに関しては、あの赤狩り時代の名簿告発事件がのちのちまでバッシングされていることは有名。すこし経歴を紹介しておこう。
トルコのギリシャ人家庭に生まれたカザンは4歳のときにアメリカに移住、演劇を志すが1930年代の半ばごりに短期間ながらアメリカ共産党に席をおいていた。第二次世界大戦が終わり、ソ連との冷戦状態にはいっていたアメリカでは「赤狩り」が万延、共産主義的思想の芸術家や文化人は糾弾され仕事をほされていた。元共産党員だったカザンも共産主義者の嫌疑がかけられ、カザンはこれを否定する。しかし演劇界・映画界において精力的に活動を続けられる立場を得るためには司法取引をすることになり、当時共産主義思想の疑いのある者として友人の劇作家・演出家・映画監督・俳優ら11人の名前を同委員会に表した。そのなかには劇作家・脚本家のリリアン・ヘルマン、小説家のダシール・ハメットなどの名もあった。
1998年、エリアカザンは長年の映画界に対する功労にたいしてアカデミー名誉賞を与えられることになったが、赤狩り時代の行動を批判する一部の映画人からはブーイングを浴びた
リチャード・ドレイファスは事前に授与反対の意思をあらわす声明を出し、ニック・ノルティ、エド・ハリス、イアン・マッケランらは受賞の瞬間も硬い表情で腕組みしたまま沈黙の抗議、スティーブン・スピルバーグ、ジム・キャリーらは拍手はしたが、席を立とうとはしなかった。通常、名誉賞の授けられる瞬間は全員が起立し祝福の拍手が慣例のため、会場内は異様な空気に包まれた。私もそのシーンをテレビでみていたが、腕組みしてたたないエド・ハリスの映像はかなり衝撃的だった。

by ssm2438 | 2010-09-10 08:59
2010年 09月 09日

アメリカン・ビューティー(1999) ☆☆☆☆

f0009381_11134685.jpg監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ボール
撮影:コンラッド・L・ホール
音楽:トーマス・ニューマン

出演:
ケヴィン・スペイシー (レスター)
アネット・ベニング (キャロリン)
ミーナ・スバーリ (娘の友人アンジェラ)

久々にアカデミー賞と趣味があった作品(苦笑)。

1999年のアカデミー賞で作品賞ほか5部門を受賞したファミリー・ドラマ。同年の作品賞のノミート作品をみると、『サイダーハウス・ルール』『グリーンマイル』『インサイダー』『シックス・センス』、それにこの『アメリカン・ビューティー』だったのだけど、このなかだとこれかな・・・。ただ70~80年代のあのころの作品にくらべると、凡作化傾向にあることはいなめない。この映画もいい映画あるのはまちがいないけど、脚本賞くらいは妥当だと思うけど、これが作品賞とるよぅな状況はちと寂しい。

映画は心情表現がすばらしく繊細で、なおかつ、センス・オブ・ヒューモアと理不尽なブラックコメディの要素が入り混じっている。メンタルな描写でこれだけみせてくれた映画は最近ではなかなか見られなかった。

物語は、さえない中年お父さんが、娘の友人の女の子に一目ぼれ。彼女を想うようになる。それをきっかけに理性がぶちっと切れて、それまで抑圧してきたものを一気に突き抜けてしまう。その突き抜けた感がとてもッこちよいのだ。会社でもリストラ対象にされていたが、だったたそんなところにしがみついていられるかと、退職金をもらえるだけもらってとっととやめてしまい、マックでバイトを始める。地下室にこもって筋トレ。彼女にもてるために実行できることはなんでもやる。このがっつんがっつんいけいけイズムがとても気持ちがよいのである。最終的にはありえないことかもしれないが、彼女とのベッドインまでできてしまいもう幸せ真っ只中。もうこれでいつこの世の終わりが来てもいいぞ!ってテンションになてるところで、へんな方向からこの世の終わりがやってくるという話。

もう、いつこの世の終わりがきてもいいぞ!って気持ちになれることなどそうあるわけではないのだが、それでも、男にとっては本当に憧れている女とセックスすることができた時はそう思えるものである。不思議なものでほかのシチュエーションではあまり考えられないなあ(苦笑)。この物語の主人公にはそれが起きてしまい、そう思ってるところで人生が終わる。心情の流れ的にはとってもいい状態での終焉だったのだろう。

ただ、個人的には、憧れのアンジェラを演じたミーナ・スバーリもそれほどいいとは思えないし、娘のソーラ・バーチも好みではないかな。好みなのはアネット・ベニングだけだなあ。しかしこの映画のアネット・ベニングはそれほど良くないし・・・、ほんとこの人は作品には恵まれないひとだ。

<あらすじ>
妻キャロリン(アネット・ベニング)は不動産ブローカーでやたらと浮気モード。娘のジェーン(ソーラ・バーチ)は高校生だが、反抗期で口もきいてくれない。そんな2人のお父さんレスター(ケヴィン・スペイシー)は会社からリストラ宣告を受け精彩のない日々をおくっていた。しかしそんな彼の人生がささやかに輝き始める。娘の高校のバスケットの試合を付き合わされたレスターだったが、ジェーンの女友達でチアガールのアンジェラ(ミーナ・スバーリ)に一目ぼれしてしまった。
そんな彼女が娘の部屋に泊まりに来たとき「筋肉がついたらレスターと寝たい」と言っているのを盗み聞くレスターの夢と妄想はさらにふくらみ、妻がよかで寝ているベットの上で自慰にふけるがキャロリンは気づいておおさわぎ。ここにいたってレスターのなかでなにかがぶちっと切れた。
会社に辞表を提出するや上司を逆に脅して多額の退職金をぶんどり、ハンバーガーショップでアルバイトを始める。さらに地下にこもり筋トレ開始。キャロリンはうっぷん晴らしに仕事上のライバルの不動山王バディ(ピーター・ギャラガー)とエッチ。オマケに不倫現場もレスターにみられ二人の関係は完全崩壊。ジェーンもそんな親たちを尻目に隣にこしてきたリッキーと初体験を済ませた。

ところが、息子にたいして異常な愛情をもつリッキーの父フィッツ(クリス・クーパー)が、レスターとリッキーがホモ関係にあると誤解してしまう。フィッツは息子のリッキーを折檻。家を飛び出したは彼はジェーンと駆け落ちしてしまう。ちょうど泊まりに来ていたアンジェラは突然一人ぼっちにされてしまう。下の階にはレスターしかいない。レスターの元へ行き話し込むアンジェラ。レスターにしてみれば至福時間であった。想いをよせた女が、彼女の本心をさらけ出して語ってくれる。そんな流れで二人はベッドイン。だが、彼女が処女だったのを知るとそこは抱くのはやめにした。
幸せにつつまれて眠るレスターの頭をフィッツが銃で撃ち抜く。

by ssm2438 | 2010-09-09 11:14
2010年 09月 08日

沈黙の世界(1956) ☆☆

f0009381_2211225.jpg監督:ジャック=イヴ・クストー/ルイ・マル
撮影:フレデリック・デュマ/アルベルト・ファルコ
撮影監督:エドモン・セシャン
音楽:イヴ・ボードゥリエ/セルジュ・ボド

       *        *        *

子供の頃、『クストーの海底世界』好きでした。

1956年のカンヌの映画祭パルムドール受賞、同年のアカデミー賞ドキュメンタリー賞を受賞している。1956年の映画だけどカラーです。それだけでもすごい!

私は・・・実はこの映画LDを持っているのだけど、この映画の印象よりも昔j放映していた『クストーの海底世界』というドキュメンタリー番組があって、お子様のころこの番組を見るのが好きだった。小学校の頃だったとおもうが、当時はこういったドキュメンタリー番組が大好きな少年だった。

特にこのクストー隊長いかのチームがもぐる時につけているアクアラングが近未来的にみえてカッコよかった。もう『007/サンダーボール作戦』の世界そのものの水中スクーターなんかもでてきてわくわくしてみてた。

映画は・・・多分その路線と同じドキュメンタリーだと想うのだけど、編集なんかはルイ・マルがからんでいるのだろうか? 多分既にあったフィルムをつなぎ合わせて映画にしたのだとおもう。

船のスクリューにぶつかって血まみれになったマッコウ鯨を襲うサメの群、それに怒りをあらわにしてサメを殺しまくるクストー隊の面々。おおおおおおおお、そんな単純な感情論で海洋ドキュメンタリーをつくっていいのか??っておもってしまう場面もなきにしもあらずだったが・・、懐かしい映像をみさせてもらっただけでけっこう満足してしまった。

普通の人がみたら、きわめて普通の映画だと思う。
もうこれはオジサンのノスタルジアの世界だね。

by ssm2438 | 2010-09-08 22:11
2010年 09月 08日

デイ・アフター・トゥモロー(2004) ☆☆

f0009381_18195695.jpg監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ローランド・エメリッヒ/ジェフリー・ナックマノフ
撮影:ウエリ・スタイガー
編集:デヴィッド・ブレナー
音楽:ハラルド・クローサー

出演:
デニス・クエイド (ジャック・ホール)
ジェイク・ギレンホール (サム・ホール)
イアン・ホルム (ラプソン教授)
エミー・ロッサム (ローラ)

       *        *        *

地球温暖化によって突然訪れた氷河期・・という発想が新鮮だ。

今回は南極の氷が解けて(多分北極もそうだろうけど)、その解け出した冷たい水が、海の奥深くながれている深層海流に流れこみ、地球規模での温度低下をまねくというもの。

しかし、冒頭の南極の風景にはリアリティないぞ。バックを合成するのも、もうすこし望遠でとった画面であることを意識して合成してくると、映像的にリアリティでてくるjのに、手前のキャラだけ弱望遠でとってあって、牛の世界をやや広角気味な色味をはりつけてるからうそっぽくって。もうちょっと空気の濁りを間に挟んで、画角を手前のキャラとあわせた背景にしてほしいものだ。
画角の概念がないCG屋がやると絵が壊れてしまう。もっとも彼らもそんなことわかってないのだけど。悲しい。

大異変があっといういまに、もとどおりになる安直さはアメリカのこの手の映画の常道だけど、いい加減この浅さをなんとかしてほしいものだ。これだけの気象異常がおこったら最低1世紀くらいは回復まで時間をとってほしいといつも思ってしまう。自然ってそんなにゆっくりにしかかわらないものだというところしっかり描いてこその環境問題だとおもうのだけど、グローバル・ウォーミングを引き起こす政治家だけを悪者にして、破壊された自然は安易に改善されてしまうのは、それこそ自然を軽視してるとしか思えないのだけど。。。

しかし、こくりつ図書館でのサバイバルはなかなか悪くない。下の会まで水につかっている映像といい、寒さを耐えるために図書館の本を燃やす発想といい悪くない。われわれの年代は、とトリュフォー『華氏451』を見ているからなら、本を燃やすというのはかなりタブーを気がする。そういえば『ポストマン』で手紙を燃やして暖をとるというシーンもあった。どうやらこの「本を燃やす」「手紙を燃やす」というのは、脳みその中になんらかのインパクトをあたえるものらしい。

<あらすじ>
地球温暖化が進むと、南極や北極の氷が海水に溶け出し深層海流を刺激して、地球表面の全体の温度が下がり氷河期を引き起こす。かねてからこの可能性を政府に説いていた気候学者のジャック・ホール(デニス・クエイド)だが、副大統領ベッカー(ケネス・ウェルシュ)には相手にされることはなかった。
しかしやがて、世界中で深刻な異常気象が立て続けに起き、本当に氷河期がやってくる。ニューヨークの街は高波の飲まれ、タンカーがビルとビルの間に浮かんでいる。そんなニューヨークにジャックの17歳の息子サム(ジェイク・ギレンホール)と女友達のローラ(エミー・ロッサム)がいた。彼らは高校生学力クイズ大会に出るためのNYに来ていたが津波から逃れて国立図書館に逃げ込んでいた。しかしそこにさらなる寒波がおそってくる。すべてを凍らせるその寒波は、調査にとんだヘリコプターの燃料までも凍らせ航行不能にしてしまう。
寒波はつぎつぎと人類の気づいた街を氷付けにしていく。国立図書館に逃げ込んだ彼らも「南に逃れるべきだ」と主張出て行ってしまッタ彼らは、体の中の血管の血まで一瞬で凍らせる寒波を想像できなかったのだ。そして帰ってこなかった。
なんとか図書館のなかにとどまった人々は図書館の本を燃やして暖をとり、救助をまつ。なんとか救助にかけつけたジャックはサムたちと合流、南下した政府のおくったヘリが救助に駆けつけた。

by ssm2438 | 2010-09-08 18:20
2010年 09月 07日

スターリングラード(2000) ☆☆☆☆

f0009381_9485011.jpg監督:ジャン=ジャック・アノー
原作:ウィリアム・クレイグ
脚本:ジャン=ジャック・アノー/アラン・ゴダール
撮影:ロベール・フレース
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演:
ジュード・ロウ (ヴァシリ・ザイツェフ)
ジョセフ・ファインズ (ダニロフ)
レイチェル・ワイズ (ターニャ)
エド・ハリス (ケーニッヒ少佐)

       *        *        *

英語を話すロシア人たちだが、見ているとさほど違和感はない・・さすがエンタメ映画。

全然期待してなかったのだけど、みてみたらよかった。ただ、個人的には女性関係は全部削除して、エド・ハリスvsジュード・ローの硬派なスナイパー対決にしてほしかった。そしたらストイックでさらにいい映画になっていたのに・・。
しかしエンタメ映画としては、女のむりやりな挟み込みかたも、きちんと機能しているし、濡れ場も一応入ってるし、総合的にはかなり出来てる映画だと思う。ハリウッドの無理やりな要求をやジャン=ジャック・アノーがきちんとまとめたなって印象だった。さすが実力派監督。

第二次世界大戦のロシア戦線は、技術的分野ではソ連軍を圧倒するドイツ軍にたいして、人海戦術のソ連。銃もみんなには行き渡らない。銃がない人間は素手で突進し、倒れたものの銃をとれ! というソ連の状況。さらに敵前逃亡する人間を打つために自軍のガトリングガンが、突撃する兵士の背中をねらっているというい恐ろしい状況。
さすが共産主義の国、やることが違う!

この物語の主人公は実在の人物である。
ザイツェフはウラル山脈で育ち、鹿の狩猟によって射撃技術を磨いた。1942年9月から第1047狙撃連隊に配属され、スターリングラード攻防戦に参加した。スターリングラード攻防戦は、スターリングラードを巡り、ひとつの街、ひとつのビル、ひとつの部屋をめぐり、ドイツ軍(ドイツ、ルーマニア、イタリア、ハンガリー)とソビエト労農赤軍が8ヶ月以上も戦った、今のところ世界最大の市街戦である。
その戦いのなかで、ザイツェフは1942年11月10日から12月17日までの間に225人のドイツ軍将兵を倒している。この中には中尉を含んだ11人の狙撃兵も含まれる。

ソ連側の記録によれば、ドイツ側はザイツェフの脅威に対して腕利きの狙撃手をスターリングラードに送り込んだといわれている。その人物がこの物語に登場するケーニッヒ少佐とされている。しかし、この名狙撃手同士の対決という逸話は、ソ連側のプロパガンダの中に登場するだけでドイツ側の記録に該当者が存在せず、現在に到るまで実在が確認されていない。狙撃兵ザイツェフを英雄としてより引き立てる為のソビエト連邦当局による創作である可能性が農耕であるとされている。
この映画は、その話を映画化したものである。

<あらすじ>
1942年9月、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードの市街戦。共産党の青年将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)は、射撃の名手ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)と知り合う。兵士の士気を高めるたスナイパーとしての活躍するザイツェフの活躍を彼の発行する機関紙で取り上げ宣伝していく。ザイツェフの名前はソ連中に広まり、彼は国民的英雄となっていった。
ドイツは、彼の暗殺を目的にドイツ軍きっての狙撃の名手ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)を送り込んでくる。一報ザイツェフとダニロフの2人は、共にレジスタンスの女兵士ターニャ(レイチェル・ワイズ)を愛しており、徐々に二人の関係はギクシャクしたものになる。
ザイツェフを慕っていたお子様キャラがケーニッヒによって殺され見せしめとしクレーンからつるされる。わなと知っていてもそこに飛び込んでいくザイツェフ。最後はダニロフが犠牲になりケーニッヒの狙撃されるが、その狙撃でケーニッヒの潜んでいる場所を知ることが出来たザイツェフがケーニッヒをヒットする。

by ssm2438 | 2010-09-07 09:49