西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2011年 05月 ( 25 )   > この月の画像一覧


2011年 05月 05日

小説吉田学校(1983) ☆☆

f0009381_402643.jpg監督:森谷司郎
脚本:長坂秀佳/森谷司郎
撮影:木村大作
音楽:川村栄二

出演:
森繁久彌 (吉田茂)
高橋悦史 (池田勇人)
竹脇無我 (佐藤栄作)
西郷輝彦 (田中角栄)
小沢栄太郎 (松野鶴平)
若山富三郎 (三木武吉)
芦田伸介 (鳩山一郎)
梅宮辰夫 (河野一郎)
角野卓造 (宮沢喜一)

        *        *        *

自由党入党・総裁就任後の吉田茂は、多くの官僚出身者を国会議員に引き立てた。なかでも1949年(昭和24年)の第3次吉田内閣は、側近として大きな位置を占めたのが官僚出身者を中心とする国会議員たちだた。当時の政治家たちは、これらの集団を「吉田学校」と呼んだ。官僚出身者では、大蔵省の池田勇人、運輸省(元鉄道省)の佐藤栄作がその代表的人物である。現在は、事務次官を経て内閣総理大臣に就任するのは不可能に近い。

『小説吉田学校』
は、第1次吉田内閣から鈴木善幸内閣までの保守政界の権力闘争史を描いた長編小説である。最初は雑誌連載で、その後は単行本の形で第7部までが発表され、1981年に角川文庫に収録されるとともに第8部が書き下ろされて完結した。この映画は、その第一を中心に、ワンマン宰相・吉田茂が、池田勇人佐藤栄作ら「吉田学校」の門下生たちを率いて日本の講和独立を果たした後、鳩山一郎ら党人派との熾烈な権力闘争に挑む姿を中心に、第2次吉田内閣から鳩山内閣成立までを描かれている(エピローグとしては池田勇人内閣誕生、そして池田勇人死去まで)。

私の子供の頃の記憶に残っている総理大臣といえば佐藤栄作である。そのまえの池田勇人は私が2歳のときまで総理大臣を勤めていたが、さすがに2歳の少年の記憶はとどまらなかった。この映画ではこの二人が吉田茂の側近として力を発揮し、佐藤栄作の懐刀として田中角栄の存在があった。

個人的は松本清張『迷走地図』のほうが、状況描写で圧迫していく重さがあったと思う。この映画では、あらましだけが描かれた感があり、映画としてはどうにもいただけなかった。森谷司郎の場合はムードで描く傾向にあり、具体性に乏しい。題材が重厚なだけに、もうすこし具体性を間接描写で描ける人に撮ってほしかった。

<あらすじ>
終戦から3年後の昭和23年、また日本はGHQの影響下に措かれていた。民政局次長チャールズ・ケージスは総理大臣には民自党幹事長・山崎猛が望ましいと伝えたが、党総務会における一年生議員・田中角栄の大胆な発言「日本の総理がGHQに決められるのはおかしい。国家の威信にかかわる」などと発言し、10月15日、第二次吉田内閣が成立した。翌年解散総選挙、民自党は圧勝、吉田派は大量の新議員を誕生させる。彼らは『吉田学校』と呼ばれるようになる。
第三次吉田内閣が発足すると、GHQの支配下からまず独立するこをめざし、外務次官太田一郎を中心とするプロジェクトチームを極秘で結成、平和条約草案を作り上げた。続いて、池田勇人、宮沢喜一の渡米が行われ、表向きは、アメリカの財政・経済の視察であったが、講和独立への下打合せが行われた。26年、朝鮮戦争が勃発、アメリカが執拗に日本の再軍備を要求するなか、同年9月8日、サンフランシスコ平和条約を締結。また同日、日米安全保障条約を結んだ。これにより、はれて日本はGHQの占領かから開放され、独立国として歩みだすことになった。
その後の日本国内は新しい政治局面へ向って動き始め、吉田自身には鳩山・三木との宿命の対決が待っていた。

by ssm2438 | 2011-05-05 04:02 | 木村大作(1939)
2011年 05月 02日

或る夜の出来事(1934) ☆☆☆☆☆

f0009381_14124399.jpg監督:フランク・キャプラ
脚本:ロバート・リスキン
撮影:ジョセフ・ウォーカー
音楽:ルイス・シルヴァース

出演:クラーク・ゲイブル
    クローデット・コルベール

        *        *        *

キャプラの映画は楽しい。心が健全になる。ハートウォーミング系映画のいろはです。もしフランクキャプラの映画をしらない人がいたら、ぜひともどれか一作品みてほしいものです。最近の映画をみてすさんだこころがいやされます(苦笑)。
キャプラの映画の基本は庶民(庶民性)の勝利! ブルジョワ階級やらがいつもでてきますが、基本的には庶民を主人公におき、ある種の権力と戦いながらも、ハートフルな庶民性が常に勝利するというパターンなのでみてて安心できます。ま、大人の夢物語ですが、たまには古きよき時代のアメリカの健やかさを楽しむのもいいでしょう。

<あらすじ>
ニューヨークでも屈指の大銀行家アンドルース(ウォルター・コノリー)の一人娘エリー(クローデット・コルベール)は、飛行家の男と勝手に婚約をきめてしまう。怒った父はエリーをマイアミのヨットに軟禁。そんなことに屈することはないエリーは海へ飛び込み脱出、彼氏のまつニューヨークを目指して深夜バスにのる。
娘の失踪を心配したアンドルースは、1万ドルの懸賞金付きで行方を捜索させる。
そのバスに失業中の新聞記者ピーター・ウォーン(クラーク・ゲーブル)がいた。その記事をよんだピーターは、懸賞金にはめもくれず、エリーの逃避行の軌跡を記事しようと考えた。休憩所でバスが止まったすきにお嬢様育ちのエリーはトランクを盗まれてしまう。所持金を使い果たし、さらにエリーのことを乗客に感づいたようは雰囲気。ここで通報されては逃走記事が水の泡、ピーターはバスからおりる。
野宿をしたり野菜を盗み食いしたり、ヒッチハイクをしたりと苦楽をともにして遂にニューヨーク郊外まで来た2人は、バンガロー宿に頼んで泊めてもらう。
ここまでのくだりが実にたのしい。ヒッチハイクあり、ジェリコの壁のエピソードあり、クラーク・ゲーブルの小粋な話術が実に巧みでエリーと観客をあきさせない。以下、すったもんだはあるのだが結局ふたりがひっつくって話。ロマンチックコメディの元祖であり、スタンダードであり、大傑作だ。

by ssm2438 | 2011-05-02 13:30 | フランク・キャプラ(1897)
2011年 05月 02日

ローズ家の戦争(1989) ☆

f0009381_11171465.jpg監督:ダニー・デヴィート
脚本:マイケル・リーソン
撮影:スティーヴン・H・ブラム
音楽:デヴィッド・ニューマン

出演:
キャスリーン・ターナー (バーバラ・ローズ)
マイケル・ダグラス (オリバー・ローズ)
ダニー・デヴィート (ギャビン・ダマート)

       *        *        *

犬は食べたくないなあ・・・。

この映画以前に『ロマンシング・ストーム』で共演してはちゃめちゃな良い感じをだしていたマイケル・ダグラスキャスリーン・ターナー。今回はその二人で離婚騒動をはちゃめちゃに描いた映画。

当時アメリカでは離婚率があがってきていて、二組のうち一組は離婚するという状態。離婚率50%を超えたとかいうニュースがめずらしかったのがこの頃の時代。そんな時代背景を、だったらもう突き抜けてしまえ!とばかりに作ったのがこのえいが。ブラックユーモアのナンセンス・コメディで一見なかなか面白そうなのだが、実はかなりつまらない。一番肝心な葛藤がなくなってしまったのだ。
このての映画というのは、自分のなかで相手を信じたい、もしかしたらよりが戻るかもしれない、という可能性を模索しつつ、いかに自分の有利な環境でそれを取り戻すかというお互いの心のせめぎあいと、相手とのせめぎあいが面白はずなのだ。ところがこの映画ではそこを突き抜けて、ただただ、離婚という舞台でどたどたばた戦争をしているだけなのだ。ドラマとしてはまったく面白くないのである。

しかし、物語の設定としては、面白くなる可能性のある映画だったと思う。一見反対におもわれるかもしれないが、のちに『Mr.&Mrs. スミス』のほうが映画的な基本構成としては遥かにスキルが高い。

<あらすじ>
弁護士のギャビン・アマート(ダニー・デヴィート)がある客に離婚話を話し始める。
バーバラ・ローズ(キャスリーン・ターナー) とオリヴァー・ローズ(マイケル・ダグラス)の結婚生活は17年つづいた。今のオリヴァーも法律事務所の重役にまで出世し、バーバラは日頃から目をつけていた豪邸を手に入れる。育児にも手がかからなと家事は家政婦に任せるようになる。やがてバーバラは弁護士を雇い、子供の養育権と家を条件に離婚を切り出す。しかし妻に未練を抱くオリヴァーは、あの家だけはやれない、とギャビンを雇い「ローズ家の戦争」は始まった。
家の中にはバーバラの領域、オリヴァーの領域、そして中立地帯を定め、戦場のようになってくる。バーバラが料理評論家達を家に呼んで料理を振舞っていた時に、オリヴァーが帰ってきて、風邪気味と言ってわざと料理の方にくしゃみする。鼻をかんだティッシュをスープに投げ込む。台所に入って料理中の魚に立ちション。報復として、バーバラはオリヴァーの思い出の愛車を4WD車で踏み潰す。最後バーバラがオリヴァーに愛犬を殺して、料理り、オリヴァーに食べさせるというかなり強烈なところまで展開する。

葛藤のないままただただ壊すだけなので、ガキの遊びでしかない。
映画してはかなり幼稚だ。

by SSM2438 | 2011-05-02 11:18
2011年 05月 02日

マーヴェリック(1994) ☆

f0009381_1017477.jpg監督:リチャード・ドナー
製作:リチャード・ドナー、ブルース・デイヴィ
脚本:ウィリアム・ゴールドマン/パット・プロフト、
    ジム・エイブラハムズ/ロバート・ロキャッシュ
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:ランディ・ニューマン

出演:
メル・ギブソン (マーヴェリック)
ジョディ・フォスター (アナベル)

       *        *        *

『リーサル・ウェポン』メル・ギブソンとその監督リチャード・ドナーがつくった19世紀、開拓期の西部劇。といっても、こてこての決闘系の西部劇ではなく、賭博師を主人公にしたギャンブラー同士にアクション・エンタテーメント。物語のメインイベントは西部史上最大のポーカー大会。メル・ギブソン扮するマーヴェリックはその大会に出たいのだが、そのためには参加費の2万5千ドルを払わなければならない。その資金繰りから物語りは始まる。

物語的には普通の映画なので、特に語るべきところもないという、こまった映画。強いてあげるならメル・ギブソンとジョディ・フォスターの絡みはこれがはじめてだったかな・・というくらい。この二人のファンでなければみてもみなくても、人生に多大な影響はあたえない(苦笑)。

途中インディアンの出てくるシーンがあるが、やっぱり演じるのはグレアム・グリーン。あいかわらず同じやくばかりまわってきているようだ。

<あらすじ>
クリスタル・リヴァーの町を訪れた賭博師のマーヴェリック(メル・ギブソン)は、美貌の女ギャンブラー、アナベル(ジョディ・フォスター)と出会う。これに連邦保安官を名乗るゼイン・クーパー(ジェームズ・ガーナー)も加わり、同じポーカー大会を目指す3人の奇妙な道中が始まった。
なんとか大会にでるための資金を著立つ下マーヴェリックはアナベルらとともに大会に参加する。マーヴェリックは勝ち進み、ついに優勝する。ところが、監視役のクーパーが賞金の50万ドルを持ち逃げした。しばらくして、マーヴェリックとクーパーは宿で落ち合う。なんと2人は親子だったのだ。そこへアナベルが現われて形勢はまたまた逆転、銃を突きつけて金の入ったバッグを持ち去った。だが、半分はマーヴェリックのブーツに隠してあり、彼は「追いかける楽しみができた」と笑っておわる。

とにかくどんでん返し、どんでん返しの連続で、あまりつづけられるので、どうでもよくなってしまう(苦笑)。
どうも、私はこの手の映画は嫌いらしい。

by SSM2438 | 2011-05-02 10:18
2011年 05月 01日

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992) ☆☆

f0009381_20572862.jpg監督:マーティン・ブレスト
脚本:ボー・ゴールドマン
撮影:ドナルド・E・ソーリン
音楽:トーマス・ニューマン

出演:
アル・パチーノ (フランク・スレイド)
クリス・オドネル (チャーリー・シムス)
ガブリエル・アンウォー (ドナ)

       *        *        *

マーティン・ブレストの監督作品はけっこうすきなのである。『ジョー・ブラックをよろしく』『ミッドナイト・ラン』『ビバリーヒルズ・コップ』と、ジャンルはいろいろあれど、誠実に作っていると印象をすごくうける監督さんなのだ。そしてすっごくフィルムが紳士的である。この映画も、『ジョー・ブラックをよろしく』のようにきわめて紳士的な映画である。・・・・しかし、個人的にはもうひとつ楽しめなかった。
ちょっとこてこてすぎるというか、当たり前すぎるというか、誠実な仮面をかぶったような映画にみえて、この映画だけはそれほど評価してないのである。それともうひとつ、アル・パチーノが生理的に好きじゃない。実は『ミッドナイト・ラン』に出てたロバート・デ・ニーロも好きじゃない。おかげで世間が高評価している『ゴッドファーザー』ですらあまり好きではない。どうもあの系統はゲイの香りがして、生理的に嫌悪感を感じるのである(苦笑)。もちろんそれは本人達のせいではなく、ゲイであるかどうかも判らないが、でも、私がそんな雰囲気を感じしてしまうのだ。こればかりはどうしようもない。
ただ、あらためて言うが、この監督さんの映画はきわめて良心的であり、紳士的であり、世間がこの映画を評価したのも間違っているとは思えない。

一言で言うと、青春になやめるハイスクールの生徒クリス・オドネルに、盲目の退役軍人アル・パチーノが人生で捨てるものと、守るべきもののアドバイスをしてやるという話。ちょっと教育映画ぽっくって、私はダメだった。。。

<あらすじ>
盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話をすることになった奨学生チャーリー(クリス・オドネル)。そんなチャーリーは退学の危機にあった。チャーリーの友人ジョージが、校長(ジェイムズ・レブホーン)を全校生徒の前でペンキまみれにしてしまうというイタズラが起き、その犯人を顔を知っているが、友情のためにそのことを語らないチャーリーは退学の危機にあったのだ。チャーリーの学校での一件の話を聞くとジョージに裏切られる前に友を売って自分を救えと言う。
しかし、それができないチャーリー。やがて、ジョージに裏切られたチャーリーは孤立するが、講堂にフランクが現れてチャーリーを援護する演説をして、全校生徒の支持を得たチャーリーは退学をまぬがれることができたのだった。

by ssm2438 | 2011-05-01 20:57