西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2013年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧


2013年 01月 21日

インソムニア(2002) ☆☆

f0009381_23253211.jpg原題:INSOMNIA

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ヒラリー・サイツ
撮影:ウォーリー・フィスター
音楽:デヴィッド・ジュリアン

出演:
アル・パチーノ (ウィル・ドーマー)
ロビン・ウィリアムズ (ウォルター・フィンチ)
ヒラリー・スワンク (エリー・バー)

     ×   ×   ×

眠れぬ夜のために・・・。

タイトルに反してよく寝られる映画です。クリストファー・ノーランって外した時はすっごく眠たく感じる監督さん。『ダークナイト』なんかはよかったのに、そのあとみた『インセプション』は劇場で気持ちよく寝させてもらいました。この監督さん、こだわるところはすっごくこだわるのは分かるのだけど、観てる人にとってどうでも良いところをこだわりだすと、どうでも良いシーンが延々つづいてしまい睡魔をさそうのである。今回もいいシーンはいっぱいあるんだ。アラスカの風景だけでもすばらしい。あの空気の湿り具合といったらまるで『ツイン・ピークス』『刑事ジョン・ブック』の雰囲気です。ほんと画面の湿り気は感動的です。犯人と間違って相棒を撃ってしまうスモークもくもく感もすばらしい。丸太のところも素敵です。特に水の中におちてからの幻想的な感じはグッドです! 映像的には素晴らしいところはいっぱいあるのです。でも、脳みそが「観続けたい」と思わないのです・・・。

その根本的な問題は、ノーランの問題じゃなくって物語りそのものにあるというほうが正しいかもしれない。実はこの映画、めずらしくノーランは監督だけで脚本は別の人の作品。でも、脚本の問題というよりもやっぱり話そのものに問題があると思うな。観てると息苦しくなる。
原作はノルウェー産の映画で、北欧の映画だなという気はする。
スウェーデンなんかでも作られそうな心のすりきれ感。
この物語のつぼは、主人公が捜査のなかで同僚の刑事を犯人と間違って撃ってしまったことを正直に話せず、隠ぺい工作をしつつ犯人を追うというスタンス。演出としてはまあ、腕の見せ所かもしれないが、見ているほうとしては主人公として診たくないシーンの連打なのでだんだんと見たくなるなるのです。ま、物語の本質としてそれが必要なのはわかるのだけど、だったらもうちょっとなんとか軽めに描くとかできなかったものか・・・。そこをヘビーに描いちゃうから食傷ぎみで脳がそれ以上情報を吸収することを放棄してしまう。同じ北欧の『ドラゴン・タトゥーの女』はぎりぎり描いてくれても面白かったのに・・・。

<あらすじ>
夏の間は太陽が沈まないアラスカの町でその事件は起きた。17歳の少女の死体がゴミ捨て場から発見されたのだ。ロス警察からベテラン警部のウィル・ドーマー(アル・パチーノ)と相棒のハップ(マーティン・ドノヴァン)が捜査の助っ人にやってくる。だがそこには裏の事情もあった。
ウィルは大物を検挙したことも数々あるベテラン刑事だが、その捜査は違法なやり方も数多くあった。彼にしてみれば悪党をあげるにはそれくらい仕方がないと考えていたのだが、内務捜査が始まり、もしその捜査が違法ということになれば、せっかく牢屋に叩き込んだ悪党どもも出てくることになる。その内情をしる同僚のハッブも供述もとめられており、彼は知ってることを話すしかないと考えていた。ウィルにとっては頭のいたいことである。
しかし、それとこれとは別のことだ。被害者の遺留品をえさに容疑者を海辺の小屋に刺す出だすことに成功た警察だが場所に詳しい犯人は地の利をいかして逃亡する。追うウィルたち。濃霧の中で散発的に銃声が響く。ウィルも犯人らしい人影をみて発砲。しかしそれは同僚のハップだった。罪悪感に苛まれながらも、それを告白することができない。そこから偽装工作をしながら犯人を追わなければ成らないウィルの行き詰る捜査がはじまる。

この後がしんどくて・・・。
観ているほうは、この時点から主人公を愛せなくなってしまう。ま、最後は自分の罪を告白してチャンチャンってことにはなるのだけど、主人公が愛せる存在でなくなるとみているのが時間の無駄に感じてきてしまう。主人公というのは、なんだかんだいっても、ぼろぼろでも、やっぱりなにかしら愛される要素を残しておくべきだとおもうのだけど・・・。

やがて容疑者をつきとめたウィル。それはミステリー作家のウォルター・フィンチ(ロビン・ウィリアムズ)だった。一度は彼を追いつめるがにげられてしまうウィル。しかしウィルはフィンチから取引をもちかけられる。ウィルの弱みをしるウォルターは、少女のボーイフレンドを犯人に仕立てようと誘いをもちかける。こころが悪にゆれるウィル。
やがて、フィンチの家を地元の刑事エリー(ヒラリー・スワンク)が訪ね、ウィルはフィンチを射殺。真相をエリーに告白したウィルは、安心して眠りにつくのだった。

by ssm2438 | 2013-01-21 23:25
2013年 01月 21日

Zero WOMAN II 警視庁0課の女(1995) ☆

f0009381_22271258.jpg監督:後藤大輔
原作:篠原とおる
脚本:橋場千晶/後藤大輔
撮影:志賀葉一
音楽:村山竜二

出演:
小沢なつき(レイ)
岩間さおり

     ×   ×   ×

なんでもシリーズの中では一番主人公が脱いでるシーンが多いらしいこの作品。それだけが売りとも言える。
今回の主人公は小沢なつき飯島直子を主役に据えてはじめたこのシリーズ。というかその時シリーズになるかどうかは分かってなかったとは思うが、とりあえず飯島直子を脱がすことに成功したという意味ではVシネマのなかにあってはかなり貴重な1本になったといえるでしょう。しかし結局もう1本つくることになり、おそらくなんらかの問題で飯島直子が断ったのでしょう。その結果、今度は小沢なつきが主役のレイに抜擢されたのこの2本目。

小沢なつきといえば、『魔法少女ちゅうかなぱいぱい! 』での逃亡事件がかなり有名で、しばらく業界からほされていたのですが、その後カンバック。ヌード写真集などもだして芸能活動再開というときに舞込んだはなしだったのでしょう。デビューした時から可愛かったし、ヌードの写真集も綺麗だし、このころの小沢なつきのビジュアルはとってよかった。ただ・・・・、プロ根性というのはなかったのかも。
このVシネマでは可愛いヌードはかなりの量で提供してくれてるのですが、さすがに芝居があまあまで・・・、まるで女子高生のようなリアクションをするので凄腕の女刑事という本来の設定がずたぼろ。ほんとに小沢なつきのヌード目当てだけでいいような作品になってしまいました。もっとも監督もかなりショボクく物語りもヘボだし撮り方もヘボだし、才能のかけらもないスタッフがやってるなって感じではありましたが・・・。

ではなぜこの作品をみたのか? それはひとえに岩間さおりのヌードを劇中で今一度みてみたいと思ったから。2週間前くらいに『ザ・オーディション』をみてセイント・フォーの若き頃の輝きに再び感動させられ、その勢いでその後の彼女ら(といいっても濱田のり子岩間さおりだけだけど)を今一度見てみたい気になったのです。
プロダクションがかなりのお金をかけて売り出そうとしたけど失敗、その後の彼女等は解散、芸能界に残った濱田のり子と岩間さおりもかなり不憫な役回りしかなく・・・、ものの哀れを感じしまうのです。それでも今一度みてみたかった。なんかなあ・・・・、もうちょっと大事に使って上げられなかったのかなあ。芸能界の残酷さをいたく感じてしまった。
今回の岩間さおりの役どころは、弟(ケイン・コスギ)がヤクを持ち逃げしたかなにかで、そのヤクをとりもどすためにヤクザな連中に人質にとられるという役どころ。犯されるシーンやら、吊るされてるシーンやらあるのですが、撮り方が下手なのでただただトラッシーに見えてしまう。

物語は今で言うなら『アンフェア』でしょうか。あれが猟奇殺人じゃなくって、ふつうのヤクザとの摂政で、そのなかで上層部は正義追求よりも情勢安定のためにいかがわしいことをしてる。でもその僕として主人公はたたかわなければいけない・・みたいなコンセプト。なのでいつの時代にも通用する話なのです。作り方次第で受けるものにはなるのに・・・・才能のとぼしいやからにつくらせるとほんとにしょぼいものにしかならない。悲しくなってしまいます。

<あらすじ>
警視庁0課の女刑事レイ(小沢なつき)の今回の任務は、地域暴力団・慈誠会の手中にあるという現職議員名義の額面数十億の株券を取り戻すことだった。彼女のサポート役は、昔の同僚であり恋人でもあった貴島(菊池孝典)。貴島にまだ心を残すレイ。しかし、貴島もまた歌の顔があった。やがて株券をめぐり、レイ、貴島、慈誠会の壮絶な争奪戦がはじまる!! そしてその犠牲になるのは・・・・。

by ssm2438 | 2013-01-21 22:27
2013年 01月 12日

フェア・ゲーム(1995) ☆☆☆

f0009381_22535373.jpg原題:FAIR GAME

監督:アンドリュー・サイプス
脚本:チャーリー・フレッチャー
撮影:リチャード・ボーウェン
音楽:マーク・マンシーナ

出演:
ウィリアム・ボールドウィン (マット)
シンディ・クロフォード (ケイト)

     ×   ×   ×

お約束過ぎて素敵!

お約束連打で、それもドンパチをつなげるためにあるだけのようなストーリーなのだけど、ここまで徹底されるとすがすがしささえ感じてしまう。
女優さんは言わずとしてたスーパーモデルのシンディ・クロフォード。80年代~90年代にかけてスーパーモデルの黄金時代があり、その中核に居たのがこの人。他の面子だと、ナオミ・キャンベルクリスティー・ターリントンリンダ・エヴァンジェリスタクラウディア・シファーなど。そのシンディ・クロフォードが91年にリチャード・ギアと結婚、この映画が後悔された95年に離婚している。
そんなシンディ・クロフォードの貴重なオッパイがみえる(見えづらいけど一応サービスしてるみたい)な映画というのもこの映画の希少価値を高めている要因のひとつだ。
特にいいのがライティング。シンディ・クロフォードなので、脱いではいてもそれほどはっきり見せない見せ方を作り手がやってるわけですが、これが良い感じのじてったさで実によいのである。見る側にしてみればもっとはっきりみせろ!と無粋なことをいいたくなるのもわかるのだが、作り手としてみた場合、実に絶妙の見えなさ加減をコントロールしてる。貨物列車のなかでのウィリアム・ボールドウィンとの“H”のシーンのライティングなどはすばらしいです。

主役はアレック・ボールドウィンの弟、ウィリアム・ボールドウィン『バックドラフト』とか『硝子の塔』とか、そこそこメジャー作品にも出てるし、とりあえず成功したほうだと思うが、この『フェアゲーム』あたりで人気作品あkらお呼びがかからなくなったかな・・・。もうひとり末っ子でしたっけ、スティーブン・ボールドウィンってのがいたけど、こっちは全然だめでしたね。

ストーリー展開もあんちょくでいい。
シンディ・クロフォードを狙う犯罪者集団は、彼女がクレジットカードを使うたびに、その情報を引き出しどこに居るのかをさがしだしてしまう。というわけで、途中からクレジットカードがない逃亡にになるわけだ。一文無しの男女2人の逃亡ゲキというのは映画のなかではよくあるシチュエーションで、実にお約束なのだけど、そのお約束がこの映画のうりである。ただ、監督のアンドリュー・サイプスはお約束のシーンをしっかり勉強してるようで、実にきちんととってある。新鮮さはないが、質の高いお約束シーンを撮っているといっていいだろう。ただ、強引にそのシーンを撮るために作られたシナリオっぽいのがやや興ざめを誘導するのだけどね・・・。

<あらすじ>
ジョギング中の弁護士ケイト(シンディ・クロフォード)が何者かに銃撃される事件がおきた。事情聴取に当たったのは、マックス刑事(ウィリアム・ボールドウィン)。なにかとそりか合わない二人は皮肉を言って別れたが、供述調書に彼女のサインを貰い忘れたマックスは上司の命令でサインを貰いに行く羽目に。その夜、彼女の豪邸が爆破されるのを目の当たりにした。
ベランダにいた彼女は爆風で飛ばされたが、したのプールにおちて命は助かった。そんな彼女にマシンガンを浴びせる謎の男。この事件を皮切りにケイトとマックスの逃亡劇がはじまる。

by ssm2438 | 2013-01-12 22:54
2013年 01月 07日

女殺油地獄(1992) ☆☆

f0009381_21343732.jpg監督:五社英雄
原作:近松門左衛門
脚本:井手雅人
撮影:森田富士郎
音楽:佐藤勝

出演:
樋口可南子 (豊島屋・お吉)
堤真一 (河内屋・与兵衛)

     ×   ×   ×

やっぱり燃えない五社英雄。

この人も実はホモ??? 
・・・というのは無責任発言かもしれないが、作り手というのはなんだかんだいっても2種類に分かれるようになっていると思う。その物語がどうであれ、作り手は【生産性】を愛している人と、愛していない人に分かれる。この映画の監督・五社英雄のなかには生産性をいつも感じないんだ。絵作りはしっかりしてると思う。演出もしっかりしてると思う。でも面白くない。
ホモ監督って【生産性】を愛することが出来ないんだよね、不思議と。五社英雄がそうかどうかはわからないけど、すくなくとも私はこの人の映画には【生産性】を感じない。なのでこの人の映画は技術的な勉強映画以上のものにはならない。

原作は江戸時代の浄瑠璃作家、近松門左衛門。もっとも、この人の作品に生産性があるかといわれれば、はっきりいってないし、この人こそがホモではないかと私はうたぐっているのだけど・・・。過去に何作がみたのだがやっぱり生産性はない。でも、この人の作品がいいのは登場人物が潔いんだ。少なくとも、私がみたほかの作品はそうだった。
でも・・・、残念ながらこの映画にはその潔さもあまりなくって、どちらかというと【不条理モノ】のジャンルにはいるかと思う。
・・・・しかし、よくよく考えると近松門左衛門の話というのはすべて不条理モノなのかもしれない。不条理の結果、最後心中に至るか、今回のように殺人に至るか・・・、どちらかのようだ。心中にいたる場合は潔いのである。たとえ不条理の結果そうなってもそこに潔さがあるのだ。しかし、今回の場合は・・・・うむむむむ、不条理さに嫌気がさしてブスっといってしまうのであった。

絵作りの勉強と演出の勉強にはなるが、それ以上はあまり求めるものがなかった作品であった・・・。でも、映画としては悪くはない。タイトルがかなり仰々しいが、江戸時代の理不尽恋愛殺人事件である。

<あらすじ>
大阪本天満町の油屋、豊島屋の女房・お吉(樋口可南子)が惨殺された。物語は殺人現場からスタートし、そこにいたる展開を語り始める。
河内屋は、豊島屋がのれん分けした油屋で、お吉はそこの与兵衛(堤真一)の乳母がわりもしていた。その与兵衛も既に一人前の大人である。そんなある日、お吉は与兵衛が油屋の元締、小倉屋の一人娘・小菊( 藤谷美和子)と密会を重ねていることを知る。2人の関係が表ざたになり、豊島屋( 岸部一徳)から摂関をうける与兵衛。小菊との関係は続き、ついには軟禁されていた小菊を連れ出しす与兵衛だった。しかし失敗。数日後、小菊の結婚が決まり、与兵衛はやっと油しぼりの仕事をはじめるようになったが、小菊は仕事場から与兵衛を誘い出し、まだ密会を重ねていた。それを知ったお吉は小菊に会っていましめたが小菊は聞き入れず、その高慢な態度にお吉の女の意地と嫉妬心が燃え上がっていた。小菊に与兵衛をもてあそばれるぐらいなら自分のものにしてしまえと、お吉はついに自ら身体を投げ出し与兵衛と激しく燃え上がる。与兵衛も燃えた。
しかし・・・、与兵衛は、お吉の相手は自分だけではなかったことを知ってしまう。堺を出て江戸に移る決意をする与兵衛。そして最後の夜、与兵衛は言付かり物をとどけに豊島屋を訪れた。それを届けて、あとは江戸に旅立つはずだった・・・。

男って「好き」ってまごころを踏みにじられると逆上する生き物かもしれませんね。
女は好きではなく、便利、都合が良い、で「好き」と語る生き物。

実に女のメカニズムがよく判った男が描いたお話でした。
普通の男はわかりません。

by ssm2438 | 2013-01-07 21:36
2013年 01月 05日

ザ・オーディション(1984) ☆☆☆☆

f0009381_1113110.jpg監督:新城卓
脚本:中岡京平/川村俊明
撮影:栃沢正夫
音楽:馬飼野康二

出演:
世良公則 (北森修平)
浜田範子 (小早川範子)
鈴木幸恵 (三枝幸恵)
岩間さおり (風間沙織)
板谷裕三子  (兵藤裕三子)
志穂美悦子 (七瀬玲子)
平田満 (間宮秀丸)
中尾彬 (矢島)
池部良 (伍代章造)

     ×   ×   ×

健全な80年代ここに在り!!

80年代のアイドルグループ、セイント・フォーを主演にすえた青春サクセス芸能界モノ。久々にみましたこの映画、泣けますね~~~~。こてこてのセオリーどおりなんですけど、王道の素晴らしさを真正面からぶっつけてきますね。そして、あれだけ良い素材4人(浜田載子岩間さおり鈴木幸恵板谷裕三子 )のユニットを組みながらヒットさせられなかったプロデュースのへぼさ・・・。なぜ、この4人がメジャーになりきれなかったのか不思議で仕方がなかった。
当時この映画のプレビューが流れてる時は、もうときめいてときめいて、「日本にも健全さサクセスストーリーができたぞ、絶対見に行く!!」って思わせてくれた作品。で行きました。最後のもって行き方はもっと盛り上げれらたと思うのだけど・・・、これでも充分感動できた。
みてみるとキャラクターの書き分けもすばらしい。4人のなかでは一番ビジュアル的にうけなさそうな板谷裕三子の使い方が上手かった。それぞれのなかのドラマもけっこう味付けがバランスよく分散しててよかった。適役となるライバルプロデューサーの妾の娘役が範子・・というのもいい刺激剤。この関係が物語をやや複雑なものにしていて、途中解散してからの展開はどうなるのか見ているほうが心配してしまった。ただ・・・、あんまり気持ちよい方向には流れなかったので、あそこをもうちょっとなんとかしてほしかったかな・・・。
しかし、大筋では基本構成がすばらしく誰がとっても燃える話になってた、。・・・なのに、最後の「アンコール、アンコール」の大合唱のあと一気に「不思議東京シンデレラ」に行けばよかったのに・・・、どうせ新人賞の大会はジャックしちゃったようなものなのだから。あそこで次元変えられるのがちょっと悲しかったかな・・・。

で、観ているとスーパーヒットに繋がらなかったのもなんとなく判る気がする。まともすぎた。健全すぎて時代がスルーしてしまったのかもしれない。ダンスというより体操が出来るユニットで、当時はあれだけ動きながら生歌があたりまえの時代。浜田範子はかわいかったし、岩間沙織もすてがたい魅力があった。みなさんパーツ的にはどこか不細工なところがあるのですが、それでも4人が一緒にいると輝いちゃうんだ。この映画もかなりのお金をかけてプロモーションしたのだろう。あの映画のころのセイント・フォーはよかったねえ。写真集は2冊しかなかったような・・・。一冊は今ももってます『抱きしめてセイントフォー』、もうひとつはCDがついてるような写真集で写真のページが薄かった。買いましたよ。ただ、そのつくりが今ひとつ中途半端で、そんな作りするんじゃなくて、もうちょっとひとりひとりの綺麗な時代をもっときちんと写真集のなかに入れ込んで欲しかったなあ・・・。
なのにブレイクしなかった・・・。そして、解散。浜田範子と岩間さおりはヌードの写真集をだすことになった・・・。芸能界が売れなかった怨念を彼女達にむけてリベンジしてるようで哀しくなった。

<あらすじ>
かつて芸能界を席捲したロックグループ“レイカース"のリーダー・北森修平(世良公則)。しかし、スキャンダルに巻き込まれテ失墜、サンライズ・プロの社長伍代章造(池部良)に拾われてマネージャーとしてタレントのタマゴ祐三子(板谷裕三子)を売り出そうと懸命だった。しかしそんな伍代ともつまらないことからケンカをし会社をやめてしまう。
プータローとなった北森だが、彼を慕っていた祐三子も会社を辞め、2人だけで再出発することになる。原宿で踊っていた範子(浜田範子)をみつけたのをきっかけに、分かれた妻の友人の女性レーサーの妹・風間沙織(岩間さおり)、三枝幸恵(鈴木幸恵)を発掘、4人で新たなレイカーズを結成する。
自費でだしたレコードは2000枚。これだけではどうにもならない。北森は4人を音楽番組のオーディションへ参加させる。しかし、音楽業界を支配する矢島オフィスの社長、矢島(中尾彬)の防害はつづく。ある日、のり子の妹が彼女を訪ねてくる。母が死んだのだ。実はのり子の母は矢島の愛人だった。憎しみを矢島にぶつけるのり子。
ある新人発掘番組のオーディションをめざして死に物狂いで自分達の歌を仕上げていく4人。目には目をと審査員に裏金を配る北森だが、それでも矢島のほうが一枚上手だった。結果、優勝は別の新人にもっていかれる。矢島になんくせつける北森だが、ボディーガードにぼこぼこにされる。
さらに沙織の姉がサーキット場で事故死。憔悴の沙織は田舎に帰ってしまう。どうしてもスターになりたいのり子は幸恵と一緒ならという条件で矢島オフィスに引きとられ、コンビでデビューすることになる。祐三子はサンライズライズ・プロに出戻り。北森は行方知れず。
大晦日の新人賞めざす新人賞レースは矢島の推す森あかねが一歩リードしていたが、のり子と幸恵のファニーズも人気がでてくる。しかしそのころヒットチャートでは奇妙な現象がおきていた。たった2000枚しか出されなかったレイカーズのデビュー曲がラジオ番組などではトップテンにはいってきていた。
そして迎えた大晦日、新人賞の発表の日。ファニーズとしてはもう歌えないというのり子は、デビューまでのプロセスを涙を流しながら訴え、会場にきていた沙織と、おなじ新人歌手としてその場にいた祐三子をステージに呼び、レイカースとしてここで歌いたいと申し出た。ファニーズとして歌えないのならと一旦は会場から下ろされる人だが、観客のレイカース・コールが会場にとどろきわたった。
矢島の圧力もあったが、番組プロデューサーの決断でステージにあげられた4人はレイカーズとして歌った。

正直なところ、オーディションで優勝できなかったあと、みんながばらばらになり、なおかつ、のり子が矢島のもとにいく流れがみていてあまりに気持ちよくないのである。ちょっとそれまでのメンタルではそうなりそうにない展開なのに・・・と心が違和感を覚え、あそこでかなり冷めてしまうのだ。あそこをもう少し嫌悪感を感じないくらいのエピソードにできなかったものか・・と思う。
物語では、北森と離婚した玲子(志穂美悦子)が再びひっつく話も平行して描かれ、最後は路頭にまよっていた北森が、巷でながれているレイカーズの歌を聞いてるうちに思い出の場所にいきつき玲子と再会というハッピーエンドになっている。

素材がよかっただけに、その後の芸能活動をみると、プロデュースサイドがもうちょっとなんとかできなかったものか・・と残念におもってしまう。

by ssm2438 | 2013-01-05 11:20
2013年 01月 04日

忍びの者(1962) ☆☆

f0009381_1531197.jpg監督:山本薩夫
脚本:高岩肇
撮影:竹村康和
音楽:渡辺宙明

出演:
市川雷蔵 (石川五右衛門)
伊藤雄之助 (百地三太夫)
若山富三郎 (織田信長)
藤村志保 (マキ)

     ×   ×   ×

ゴエゴエってこんな人物だったのか・・・!?

『白い巨塔』山本薩夫が撮った忍者もののエンタテイメント作品。タイトルは『忍びの者』というタイトルをきくと、猿飛佐助か服部半蔵か・・?と思うのは我々の世代だが、この物語の主人公は石川五右衛門である。

石川五右衛門は、安土桃山時代の盗賊で、京都三条川原で釜茹でにされたというのは有名な話。その出生の逸話はいろいろあるようだが、伊賀上野が出身地であることから、伊賀の忍者であったという説があるらしい。で、この物語は五右衛門を主人公にすえて、伊賀の忍者であるところからいかにして抜け人になり、盗賊になったかという流れをくみつつ、社会派の山本薩夫らしく、忍者社会を社会派のエンタテイメントとして描いてる。突っ込みどころ満載のシナリオ構成なれど、今の時代にきちんと作ればこれはこれで面白いものになるだろうなという期待はもたせてもらえる。漫画的なアクションをするのではなく、人間のできる範囲のことで忍者社会を描いているのでけっこうみてて面白いのだ。若かりし頃『カムイ外伝』『サスケ』をみて育った私らの世代にとってはなんだか懐かしい描写があってうれしくなってしまう。

これをみてると、今の大河ドラマの糞撮影スタッフを一新して、きちんと映像をわかった人たちをあつめ、伊賀の忍者社会と甲賀の忍者社会モノをやればけっこう面白いものが出来るかもしれないと思ったりする。

それまで『七人の侍』みたいなのが武士だとおもっていた我々に、藤沢修平『必死剣・鳥刺し』とか『たそがれ清兵衛』の作品のなかで、武士のサラリーマン・スピリットを描いて親近感を抱かせてくれた。これらの作品群の成功を考えると、アニメ的に飛んだり跳ねたりする超人的な忍者ではなく、忍者社会と、その実行可能な技という意味での忍術を基本に下ドラマをつくってくれえたらどれだけ面白いのだろうとおもう。
白土三平の『サスケ』のなかで、忍者とはその時代の最先端の科学技術を要した特殊部隊である・・みたいな表現をしていたのを思い出すが、今一度きちんと忍者モノをみてみたい気がする・・・。

<あらすじ>
戦国時代も末期、天下取りの野望を現実化しようとする織田信長(若山富三郎)は、延暦寺につづき本願寺の掃討にも着手する。
天台、新言修験僧の流れをくむ伊賀忍者の頭領、百地三太夫(伊藤雄之助)は、そんな信長にたいして激しい敵意を持ち信長暗殺を命じた。一方百地とライバル関係にある同じ伊賀忍者の首領・藤林長門守もプライドにかけて先に信長を討つべく手下達にはっぱをかけていた。
五右衛門(市川雷蔵)は三太夫が率いる石川村の下忍であったかが、その武術や先見の明により頭角を現してきていた。しかし三太夫はそんな五右衛門を信長暗殺には向かわせず、三太夫の妻イノネ(岸田今日子)とともに村の財政管理などを任せる。三太夫の妻といえども、一度も抱かれることがなかったイノネはその身体をもてあましており、いつしか五右衛門の腕にだかれるようになる。しかし密通はばれ逃亡をはかる2人。しかしそのさなかイノネはイドに落ち、五右衛門は三太夫に行く手を阻まれる。罪悪感に沈む五右衛門に、信長を暗殺すれば罪を許すとささやく三太夫は、信長との戦いになれば軍資金が必要になると考え、忍者である五右衛門に盗賊をはたらくよう促す。
武家の家に忍び込んでは金品を盗む五右衛門。やがて、さきごろ世間で噂の盗賊は忍者ではないかという噂が街にひろがっていく。伊賀とのかかわりが暴露されることをおそれた三太夫は、それは石川村の五右衛門という男で抜け人だという噂をながす。孤立無援になっていく五右衛門。そんな五右衛門は「忍者」としての在り方に疑問をもつようになる。しかし五右衛門は信長暗殺のため訪れた堺の妓楼でマキ(藤村志保)という遊女と知り合い、彼女の純心さに惹かれていく。さらに三太夫の屋敷の小間使いだった女に巡り会い、イノネが三太夫に殺されたことを知る。
忍びであることに嫌気をさした五右衛門はマキと一緒に山中の小屋で日々を送っていた。しかし突然三太夫が現われマキを人質に、五右衛門に信長暗殺を実行するよう命じる。
その頃、信長は豪壮な安土城を築き得意の絶頂にあった。折りからの築城祝いに乗じ信長の寝所の上に忍び込んだ五右衛門は天井から糸をたらし毒薬を信長の口に流し込む。絶命かと思われた信長だが、生命力を発揮しなんとか危機を脱出。伊賀忍者に対して脅威を感じた信長は伊賀忍者の殲滅を敢行する。
忍者達は必死に戦った。五右衛門も砦へとび込み三太夫を探したが、情婦と共に死んでいる三太夫を見て愕然とした。何と長門守と同一人物だったのだ・・・。


石川五右衛門といえば「釜ゆでになった盗賊」というイメージで、どちらかというと清水の次郎長と同一系列なのかと思っていたら・・・なんと、こんな背景だったのですね。もっとも、何処までが真実で何処までがフィクションなのはかは判りませんが・・・。

by ssm2438 | 2013-01-04 15:31