主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。


by ssm2438

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化石の荒野(1982) ☆

f0009381_3463839.jpg監督:長谷部安春
原作:西村寿行「化石の荒野」
脚本:丸山昇一
撮影:森勝
音楽:萩田光雄

出演:
渡瀬恒彦 (仁科草介)
夏八木勲 (中臣克明)
川津祐介 (峰島悟)
浅野温子 (雪江千沙)

     ×   ×   ×

クソだったなあ・・・。
とにかくストーリー構成ぼろぼろ、脚本ぼろぼろ、なにもかもがぼろぼろ・・・。まあ、監督が『あぶない刑事』長谷部安春なのでだいたいぼろぼろになるのはわかっていたのだが、とにかくかっこつけてもすべるすべる。ヤマなし、オチなし、意味なしのヤオイ映画ですな・・・。ひどい。
あ、音楽も酷い。

原作の西村寿行は80年代を代表する作家で、エログロバイオレンスの小説家。そのエネルギーには感服させられるものがけっこうあるのですが、映画でそれをやるわけにもいかず、結局アウトラインだけどを映画にし、映像化できない部分をとりのぞき、のこりを才能のない脚本家と製作と監督とでダメにするという、西村寿行ものではよくあるパターンで、見事にそれにはまってます。この脚本でどうすれば映画化しようという気になったのか不思議です。

まず主人公はへぼい。一応ハードボイルド路線をねらっているなら主人公の凄さをどこかみせといて、そんな主人公が巨悪とたたかってますってところを積み重ねれば普通は最低限度一般受けするものにはなるのですが、はなっから主人公がへぼい。
自室にかえってみるとどうやら何者かが侵入した気配あり。で進入した賊と下手なアクションをしてとりあえずタフガイなところをみせてるつもりなのかもしれないけど、多勢に無勢、あっけなく取り押さえられて麻酔をうたれ、おきてみたら拳銃をにぎらされ、そこに男の死体がある。どうやら犯人にしたてあげられたらしい。その後逃亡。警察は主人公を追う・・・という展開。
そのあとも、なにかにつけてやられっぱなしの主人公。なのになんだかカッコつけてるあほなやつ・・・。

いろいろクソなところがおおいのですが、意味のないアクションが多すぎ。
殴り合いのシーンでも、有効打って所詮最初の2~3発くらいです。これは銃撃戦でもおんなじですけど。そこで終わらないでのでアクションにきびきび感がまるでない。プロらしさって一撃必殺でだらだらしないこと。それをひたすら無駄にだらだらとっくみあってる。こんな演出する人がいたんだってびっくりします。
一事が万事でアクションシーンは無駄なアクションがおおすぎ。なんでわざわざそんなにやられにでていかにゃあならんの??って思うくらいアホばっかり。最後の雪山でのどんぱちもほんとに意味まったくないのになんでまとになりそうなアクションするんでしょうね。ひどすぎです。

寿行ものといえばエロも一つのうりですが、今回はまるでなし。おい!
まあ、寿行もののエロはけっこういっちゃってる精神世界なのでなかなか映像化難しいとは思いますが、せっかくの浅野温子も無駄使い。だいたい何しにでてきたんでしょうね?? 物語的に意味がないのならせめてサービスヌードのひとつくらいとか思ってしまいます。

<あらすじ>
終戦間近のある日、厚木基地を飛びたったまま消息を絶った爆撃機連山には5000キロの金塊がつまれていた。それは政府が和解工作をするための資金だったが、その前に終戦を迎えてしまった。連山の搭乗員たちはオホーツクに不時着した際、主人公・仁科の生家で一夜を過ごしたこと、そして金塊の処分法をそこで話したというが、その後行方不明になったという。
その金塊をもとめて悪党どもがうごめいていた。それは当時事情をしる軍関係者で平井剛一と中臣晴義、そして坂本英夫。平井は日本ウラニウム鉱社社長になり爆撃機が金塊を投下させたと思われる山々を捜索していた。一方中臣は政治家になり次期総理候補にまでのぼりつめていた。坂本は警視庁の公安部長になっており情報操作していた。この3人は爆撃機の乗組員が一夜を過ごした民家をのちに訪れた。
その9ヵ月後、主人公は生まれていた。
主人公の仁科草介(渡瀬恒彦)は、連山の搭乗員がオホーツクで一夜を過ごした民家の女の息子だった。
そして、もしかしたら金塊のありかを知っている最後の生き残りの可能性がある草介にこの3人の魔の手が伸びる。しかし・・・殺すわけでもなく、けっこうゆるゆるな接し方が続き「こいつらいったいなにがやりたいんだ??」って物語の本筋がわからなくなるという困ったちゃん。

ここで本筋とはべつに「自分の父親は誰なのか?」という疑問点が物語のもうひとつの焦点となってくる。
連山の乗組員なのか、それとも当時の軍関係者の3人のうちの誰かなのか・・・。・・・が、このアホ脚本はそれがはっきり特定されないままおわらせてる。一応次期総理の中臣晴義ふうに聞こえる展開にはしているが、連山の搭乗員の最後の生き残り、吉宗大佐という読みスジものこしており、最後のどんでん返しはそこかなって思ったら・・・、あらららら??? なにもなし?? それで終わり?? 

・・・おい!
いい加減にしろ。たっぷり無駄な時間をすごさせていただいたではないか!
おそらく原作を読んだらこの映画とは全然ちがう、それなりに面白いものになってるとおもうのだけど・・・。
by ssm2438 | 2013-10-09 03:47

絆 -きずな-(1998) ☆☆

f0009381_0442168.jpg監督:根岸吉太郎
脚本:荒井晴彦
撮影:丸池納
音楽:朝川朋之

出演:
役所広司 (伊勢孝昭・芳賀哲郎)
渡辺謙 (佐古章生)
麻生祐未 (布田今日子)
川井郁子 (馬渕薫)

     ×   ×   ×

やっぱり『足長おじさん』ってのはスタンダードなんだなと思った。。。

ヤクザモノの『足長おじさん』といえば誰もが知ってる『冬の華』だろう。こちらは降旗康男監督で高倉健主演。ヒロインは池上季実子でした。今回のは『遠雷』根岸吉太郎監督で主演が役所広司
我々の世代からするとどうしても健さんでやったほうがいいじゃね?と思うのだが、ま、監督がなにをとっても退屈な根岸吉太郎なので役所広司でもありかなって気がした。

根岸吉太郎さんの作品というのは、実に何を撮ってもたいくつなのである。ところが、まあ我々の世代ともなると彼の退屈さが決してイヤではなく、たいくつなんだけどついつい見てるとそれなりに感情移入している自分がいるのに気づく。この人の特徴は「主人公を凡人化させる」演出なのだ。根岸さんが監督をやると、主人公がヒロイックにカッコつけないのである。黒澤明みたいに象徴的に主人公を描くことはない。きっとテレやさんのなのだろう。虚栄心というのをかなり嫌っている人だと思う。それが判るので私はこの人を嫌いにはなれないのである。
そういった監督さんであるから役所広司ってのはけっこうありだったする。役所広司ってのは二枚目だけど顔がでかくてどっかバランスが悪い。暑苦しそうな顔なのだけど実は草食系なテイストでナイーブなのだ。男くささはあまりもとめられないが、普通さがいい役者さんという印象。なので役所広司は根岸吉太郎とはけっこう愛称がいいのだろうなと思う。

今回の足長おじさんはこの役所広司。
哲郎が子供の頃両親が離婚した。哲郎は母親についていったがその母親が再婚して薫という妹ができた。それが今回のヒロイン。新しい家庭は実に幸せだった。しかし昔の父親が現れ母に借金の保証人になることをせまりその結果、幸せだった家庭は崩壊した。父は病死し、母は自殺、兄妹は施設に預けられた。その後妹は音楽の才能を見出されある音楽教授の養子となって施設を去った。そして今は成人し、バイオリニストとして時の人となり、さらにある財閥の御曹司と結婚がきまっている。
一方哲郎は、施設のお友達をかばうような形で殺人を犯し少年院におくられた。出てきた彼はヤクザになりに東京に出てきた。そして10年前、金融業だった実の父親を射殺した。その事件はお蔵入りになりかけていた。

そして現在・・・。
そのとき使われた拳銃で再びある芸能記者が殺される事件が起きた。その芸能記者は薫の過去を暴こうとしていた。警察は哲郎を追った。しかしその真相は・・・。

個人的にはこの話は松本清張テイストでやってほしかったかな。
主人公を足長おじさんにするよりも、その事件をおってる刑事(今回は渡辺謙)にして、実はこの殺人事件のうらにはこんな話があったのですよ・・ってことがだんだんと暴かれていくほうが良かったのに・・・。

自分はお前の兄ちゃんだよと言いたくてもいえない。
エレベーターで合ってもどきまぎして言い出せない。
コンサートのアンコールでバイオリニストになった妹が兄を思って弾いたのは子供の頃兄がリコーダーで吹いてたいたあの曲・・・。
泣けそうになるシーンはけっこうある。

ただ・・・やっぱり役所広司にはヤクザは似合わない。
凡人化演出の根岸さんとは相性良くても、ヤクザという役どころととは相性わるい役所広司であった・・・。
by ssm2438 | 2013-10-02 00:44
f0009381_021649.jpg監督:本広克行
脚本:君塚良一
撮影:藤石修
音楽:松本晃彦

出演:
織田裕二 (青島俊作)
柳葉敏郎 (室井慎次)
深津絵里 (恩田すみれ)
水野美紀 (柏木雪乃)
ユースケ・サンタマリア (真下正義)
いかりや長介 (和久平八郎)
小西真奈美 (江戸りつ子)
真矢みき (沖田仁美)

     ×   ×   ×

普通にたのしい映画だった・・・。
ただ・・・ちょっと作り方が雑になってきてるかな・・・。

君塚良一脚本で一世を風靡した『踊る大捜査線』の劇場2作目。楽しさは前回同様元気いっぱいでした。基本構成も、「《現場》の勝利」がわかりやすく導かれており判りやすい映画でした。ただ・・・、部分部分ではそれなりに面白いんだけど、トータルパッケージでみたとき、もう少し意思統一がとれててもよかったのでは??って思うことがけっこうあったかな。おそらくシナリオの第一稿ではある程度本線がしっかりしていたのが、ああだこうだと部分部分をいじくっているうちに部分だけの楽しさになってしまい、どっか本線がぶれてしまったのでは??思ったな。

・・・でも、そうはいっても楽しい映画でした。

冒頭お台場に停泊してる豪華客船がテロリストにのっとられます。んが、どうもその犯人はひ弱。こんな連中ほんとにテロリストなんか??って思ってみてると、どうやらそれはSATと強襲訓練で豪華客船をのっとったテロリストグループおよび、その乗客は湾岸署の署員たち。ほとんどお祭り気分の署員たちをとりおさえるべくSATが突入するが、青島刑事のお茶らけた対応策のもとに次々に拿捕されていくSATのメンバーたち・・・、ついには隊長さんまであえなく拿捕され「パン」と一言・・、警視庁の威信をかけた公開SAT突入訓練はテロリストの勝利となり、死亡札を首からさげて下船することになったSAT隊長、そのあとに「すいません、勝っちゃいました」・・・と申し訳なさそうにおりてくる青島刑事他湾岸署のめんつ・・・。
そんなつかみで始まるこの映画・・・、冒頭からけっこう楽しそうでした。
本物のSATがみたら「こんなことあるか!」って怒り出しそうですがそこはそれ、映画だから・・(苦笑)。

で、本編スタート。
湾岸署管内で会社役員の連続殺人事件が起きる。
単発の事件なら所轄の範疇になるのだけど広域事件や連続殺人事件のように社会的影響力が強いと思われた事件は特別捜査本部がたち、その管内の警察署(今回の場合は湾岸署)におかれる。警視庁から管理官が派遣されその管理官の指揮のもと警視庁からの捜査員と所轄の捜査員とが合同で捜査が開始される。
以前の刑事どらまでは、たとえば七曲署の刑事たちが捜査し、犯人をあげるという小さなグループのなかでの刑事ドラマだったのだが、この『踊る大走査線』からは(もっともそれ以前に本庁と所轄が合同で捜査するというスタイルをきちんと再現したドラマや映画はあったと思うが)このスタイルがしっかり描かれるようになってきた。
ただ、この映画のように所轄の刑事たちがそこまでないがしろにされてるかどうかは・・・???
ま、物語的なデフォルメがあるのだろうが、このドラマに関してはかなり誇張しているのだろう。

で、いきなり出てきたホンテン(所轄にたいして警視庁のことを「ホンテン」と言うらしい)からの管理官。今回は女性管理官沖田女史。君塚脚本は強引にこのキャラに所轄のないがしろ行為を断行させていく。

「事件は現場でおきてるんじゃないの、会議室でおきてるの」

おい、言葉だけだったんだけど・・・・。
もうちょっと説得力あるなにか見せ方なかったんですか? あるいは、第一稿の時はあったのだけど、知らぬ間にけずられちゃったんですか???
キャッチな言葉はあれど、その言葉がまるでスッカラカンだったのがこの映画。だからといって面白くないわけではない。ま、これは宣伝のためにむりやりあとからつけられた言葉だったのかなって気がする。

この言葉に代表されるように、その場のムードで演出された言葉や芝居は楽しいのだけど、どこか本線とかみ合ってない部分がやたらとみられるのがこの映画・・・。
所轄の青島はお台場に出没する噛み付き魔をおってたり、すみれさんは家族ぐるみでスリやってる家族をおってたりするが、今回の事件に借り出されて、目の前にその犯人がいるにもかかわらず、本部からの命令でとりのがしてしまう。
のちに「目の前に犯人がいたのに取り逃がしたのか」と怒られる青島。
「我々が動くなと命じたのだ」と弁明する室井管理官。
しかし今回の嫌われ者沖田管理官に所轄の事件なんかどうでもいいのよと暴言をはかれる青島。

「事件に大きいも小さいもない」と言うすみれさん。

・・・え?そうなの? 言葉としてはかっこいいのである。ただ・・・その言葉、言葉だけかっこいいだけなのでは??? 所轄=庶民の代表というコンセプトはこの物語の根源だけど、事件には大きいものと小さいものがあると思うな。社会的影響力がある事件は優先されるべきだと思う。
こういうのがかなり目立つのです。
その場の雰囲気優先でシナリオが部分部分改変されてるな・・・って思うところが。あるいは宣伝の都合で無理やり差し込まれただけのキャッチーな言葉・・・とか。

最後はレインボーブリッジ封鎖してるんだけど・・・、え、どこで誰が封鎖したの???
あれ、強引に大号令どこかで誰かにかけてほしかったなあ。

いろいろ楽しい映画でしたが・・・なんか雑な感じが否めなかったなあ。
いい脚本って一事が万事で、すべてをこうちくしてるからその言葉がでてくるものなのです。なのに、その部分だけど上層部が「ここ都合により変えて」って言われると、本来は基本コンセプト全部を変えないと成立しないはずなのです。でも、それをしないまま、その部分だけを改変していった結果がこういう映画になちゃったんだろうな・・・。
楽しいけど・・・どこかご都合主義的な気がする映画でした・・・。
by ssm2438 | 2013-10-01 00:18