2013年 10月 02日
監督:根岸吉太郎 脚本:荒井晴彦 撮影:丸池納 音楽:朝川朋之 出演: 役所広司 (伊勢孝昭・芳賀哲郎) 渡辺謙 (佐古章生) 麻生祐未 (布田今日子) 川井郁子 (馬渕薫) × × × やっぱり『足長おじさん』ってのはスタンダードなんだなと思った。。。 ヤクザモノの『足長おじさん』といえば誰もが知ってる『冬の華』だろう。こちらは降旗康男監督で高倉健主演。ヒロインは池上季実子でした。今回のは『遠雷』の根岸吉太郎監督で主演が役所広司。 我々の世代からするとどうしても健さんでやったほうがいいじゃね?と思うのだが、ま、監督がなにをとっても退屈な根岸吉太郎なので役所広司でもありかなって気がした。 根岸吉太郎さんの作品というのは、実に何を撮ってもたいくつなのである。ところが、まあ我々の世代ともなると彼の退屈さが決してイヤではなく、たいくつなんだけどついつい見てるとそれなりに感情移入している自分がいるのに気づく。この人の特徴は「主人公を凡人化させる」演出なのだ。根岸さんが監督をやると、主人公がヒロイックにカッコつけないのである。黒澤明みたいに象徴的に主人公を描くことはない。きっとテレやさんのなのだろう。虚栄心というのをかなり嫌っている人だと思う。それが判るので私はこの人を嫌いにはなれないのである。 そういった監督さんであるから役所広司ってのはけっこうありだったする。役所広司ってのは二枚目だけど顔がでかくてどっかバランスが悪い。暑苦しそうな顔なのだけど実は草食系なテイストでナイーブなのだ。男くささはあまりもとめられないが、普通さがいい役者さんという印象。なので役所広司は根岸吉太郎とはけっこう愛称がいいのだろうなと思う。 今回の足長おじさんはこの役所広司。 哲郎が子供の頃両親が離婚した。哲郎は母親についていったがその母親が再婚して薫という妹ができた。それが今回のヒロイン。新しい家庭は実に幸せだった。しかし昔の父親が現れ母に借金の保証人になることをせまりその結果、幸せだった家庭は崩壊した。父は病死し、母は自殺、兄妹は施設に預けられた。その後妹は音楽の才能を見出されある音楽教授の養子となって施設を去った。そして今は成人し、バイオリニストとして時の人となり、さらにある財閥の御曹司と結婚がきまっている。 一方哲郎は、施設のお友達をかばうような形で殺人を犯し少年院におくられた。出てきた彼はヤクザになりに東京に出てきた。そして10年前、金融業だった実の父親を射殺した。その事件はお蔵入りになりかけていた。 そして現在・・・。 そのとき使われた拳銃で再びある芸能記者が殺される事件が起きた。その芸能記者は薫の過去を暴こうとしていた。警察は哲郎を追った。しかしその真相は・・・。 個人的にはこの話は松本清張テイストでやってほしかったかな。 主人公を足長おじさんにするよりも、その事件をおってる刑事(今回は渡辺謙)にして、実はこの殺人事件のうらにはこんな話があったのですよ・・ってことがだんだんと暴かれていくほうが良かったのに・・・。 自分はお前の兄ちゃんだよと言いたくてもいえない。 エレベーターで合ってもどきまぎして言い出せない。 コンサートのアンコールでバイオリニストになった妹が兄を思って弾いたのは子供の頃兄がリコーダーで吹いてたいたあの曲・・・。 泣けそうになるシーンはけっこうある。 ただ・・・やっぱり役所広司にはヤクザは似合わない。 凡人化演出の根岸さんとは相性良くても、ヤクザという役どころととは相性わるい役所広司であった・・・。 #
by ssm2438
| 2013-10-02 00:44
2013年 10月 01日
監督:本広克行 脚本:君塚良一 撮影:藤石修 音楽:松本晃彦 出演: 織田裕二 (青島俊作) 柳葉敏郎 (室井慎次) 深津絵里 (恩田すみれ) 水野美紀 (柏木雪乃) ユースケ・サンタマリア (真下正義) いかりや長介 (和久平八郎) 小西真奈美 (江戸りつ子) 真矢みき (沖田仁美) × × × 普通にたのしい映画だった・・・。 ただ・・・ちょっと作り方が雑になってきてるかな・・・。 君塚良一脚本で一世を風靡した『踊る大捜査線』の劇場2作目。楽しさは前回同様元気いっぱいでした。基本構成も、「《現場》の勝利」がわかりやすく導かれており判りやすい映画でした。ただ・・・、部分部分ではそれなりに面白いんだけど、トータルパッケージでみたとき、もう少し意思統一がとれててもよかったのでは??って思うことがけっこうあったかな。おそらくシナリオの第一稿ではある程度本線がしっかりしていたのが、ああだこうだと部分部分をいじくっているうちに部分だけの楽しさになってしまい、どっか本線がぶれてしまったのでは??思ったな。 ・・・でも、そうはいっても楽しい映画でした。 冒頭お台場に停泊してる豪華客船がテロリストにのっとられます。んが、どうもその犯人はひ弱。こんな連中ほんとにテロリストなんか??って思ってみてると、どうやらそれはSATと強襲訓練で豪華客船をのっとったテロリストグループおよび、その乗客は湾岸署の署員たち。ほとんどお祭り気分の署員たちをとりおさえるべくSATが突入するが、青島刑事のお茶らけた対応策のもとに次々に拿捕されていくSATのメンバーたち・・・、ついには隊長さんまであえなく拿捕され「パン」と一言・・、警視庁の威信をかけた公開SAT突入訓練はテロリストの勝利となり、死亡札を首からさげて下船することになったSAT隊長、そのあとに「すいません、勝っちゃいました」・・・と申し訳なさそうにおりてくる青島刑事他湾岸署のめんつ・・・。 そんなつかみで始まるこの映画・・・、冒頭からけっこう楽しそうでした。 本物のSATがみたら「こんなことあるか!」って怒り出しそうですがそこはそれ、映画だから・・(苦笑)。 で、本編スタート。 湾岸署管内で会社役員の連続殺人事件が起きる。 単発の事件なら所轄の範疇になるのだけど広域事件や連続殺人事件のように社会的影響力が強いと思われた事件は特別捜査本部がたち、その管内の警察署(今回の場合は湾岸署)におかれる。警視庁から管理官が派遣されその管理官の指揮のもと警視庁からの捜査員と所轄の捜査員とが合同で捜査が開始される。 以前の刑事どらまでは、たとえば七曲署の刑事たちが捜査し、犯人をあげるという小さなグループのなかでの刑事ドラマだったのだが、この『踊る大走査線』からは(もっともそれ以前に本庁と所轄が合同で捜査するというスタイルをきちんと再現したドラマや映画はあったと思うが)このスタイルがしっかり描かれるようになってきた。 ただ、この映画のように所轄の刑事たちがそこまでないがしろにされてるかどうかは・・・??? ま、物語的なデフォルメがあるのだろうが、このドラマに関してはかなり誇張しているのだろう。 で、いきなり出てきたホンテン(所轄にたいして警視庁のことを「ホンテン」と言うらしい)からの管理官。今回は女性管理官沖田女史。君塚脚本は強引にこのキャラに所轄のないがしろ行為を断行させていく。 「事件は現場でおきてるんじゃないの、会議室でおきてるの」 おい、言葉だけだったんだけど・・・・。 もうちょっと説得力あるなにか見せ方なかったんですか? あるいは、第一稿の時はあったのだけど、知らぬ間にけずられちゃったんですか??? キャッチな言葉はあれど、その言葉がまるでスッカラカンだったのがこの映画。だからといって面白くないわけではない。ま、これは宣伝のためにむりやりあとからつけられた言葉だったのかなって気がする。 この言葉に代表されるように、その場のムードで演出された言葉や芝居は楽しいのだけど、どこか本線とかみ合ってない部分がやたらとみられるのがこの映画・・・。 所轄の青島はお台場に出没する噛み付き魔をおってたり、すみれさんは家族ぐるみでスリやってる家族をおってたりするが、今回の事件に借り出されて、目の前にその犯人がいるにもかかわらず、本部からの命令でとりのがしてしまう。 のちに「目の前に犯人がいたのに取り逃がしたのか」と怒られる青島。 「我々が動くなと命じたのだ」と弁明する室井管理官。 しかし今回の嫌われ者沖田管理官に所轄の事件なんかどうでもいいのよと暴言をはかれる青島。 「事件に大きいも小さいもない」と言うすみれさん。 ・・・え?そうなの? 言葉としてはかっこいいのである。ただ・・・その言葉、言葉だけかっこいいだけなのでは??? 所轄=庶民の代表というコンセプトはこの物語の根源だけど、事件には大きいものと小さいものがあると思うな。社会的影響力がある事件は優先されるべきだと思う。 こういうのがかなり目立つのです。 その場の雰囲気優先でシナリオが部分部分改変されてるな・・・って思うところが。あるいは宣伝の都合で無理やり差し込まれただけのキャッチーな言葉・・・とか。 最後はレインボーブリッジ封鎖してるんだけど・・・、え、どこで誰が封鎖したの??? あれ、強引に大号令どこかで誰かにかけてほしかったなあ。 いろいろ楽しい映画でしたが・・・なんか雑な感じが否めなかったなあ。 いい脚本って一事が万事で、すべてをこうちくしてるからその言葉がでてくるものなのです。なのに、その部分だけど上層部が「ここ都合により変えて」って言われると、本来は基本コンセプト全部を変えないと成立しないはずなのです。でも、それをしないまま、その部分だけを改変していった結果がこういう映画になちゃったんだろうな・・・。 楽しいけど・・・どこかご都合主義的な気がする映画でした・・・。 #
by ssm2438
| 2013-10-01 00:18
2013年 08月 25日
監督:黒木和雄 原作:田原総一朗 脚本:鴨井達比古 撮影:根岸栄 音楽:松村禎三 出演: 原田芳雄 (坂田正首) 山口小夜子 (山崎明日香) 風吹ジュン (青葉翼) 佐藤慶 (新聞記者・野上) 岡田英次 (神山教授) 石山雄大 (青葉守) × × × おおおおお、何を撮っても面白くないパクラのような映画・・・、面白い!! 最初に書いておくが、私は原発推進派である。 ・・・が、以下に書いたものは、私の主義主張とは関係なく、フィクションとしてのこの映画に関して書いたものだ。 しっかし、原発が画面のなかにあるだけで、なんだか燃えますね。全然関係ないけど、数日前にディスカバリーチャンネルで「チェルノブイリ原発第4棟みました。いやあああいいですな。まるでアンドレイ・タルコフスキーの『ストーカー』のような雰囲気です。見てた番組は『怪物魚を追え』というシリーズで、番組のパーソナリティのジェレミーが世界各地をとびまわり伝説の怪物魚を釣り上げるというシリーズなのですが、今回はチェルノブイリ原発の冷水池に住む巨大ナマズの話。いまでも被爆防止のために滞在時間が制限されてるとか・・・。 ま、それはされておき、こちらの映画は原発事故をかくそうとする巨大な政治勢力と、それを暴こうとする原田芳雄と佐藤慶の話。もっとも佐藤慶が相棒なので最後に裏切るのはみえみえなのですが・・・(苦笑)。雰囲気はめざせ『パララックス・ビュー』! この映画もゴードン・ウィリスが撮っていればもっとかっこよくなったのに・・・(笑)。でも、日本でもその社会的隠蔽工作のダークな雰囲気をだそうとしてかなりがんばってるきがします。もいっともパクラファンでなければかなり面白くない映画と捉えられても仕方がない部分は大いにありますが・・・。 舞台になっているのは某県某所の大浜原発(架空)。ただ現実問題ロケしたのは福島第1/2原発らしい。 話の発端はこんな感じ。 冒頭原発の街、大浜市の海岸に男女の溺死体があがる。手をつなぎその手は紐でかたく結ばれていたので警察も心中と判断。同じころ大浜を訪れる一人の男がいた。チンピラ風のその男は坂田正首(原田芳雄)。と青葉のぞみという女を捜しにきたという。なんでも50万を彼女に貸したままなのだが彼女が田舎に帰ったきり東京に戻ってこないので探しにきたという。 浜にあがった心中死体の女のほうが彼の恋人だった。坂田はのぞみの<ひも>であり、のぞみは大学をやめてソープで働きながら坂田を食わせていた。そんなのぞみがほかの男と心中などするわけがない。これは怪しいと考えた坂田が真相を追究していく・・・。 普通この手の物語は新聞記者とかそのあたりが動き出すのだが、今回はヤクザな男というところがちょっと柄が悪くなっている。しかし、この主人公の場合は社会問題とかは一切関係がなく、のぞみを殺した男が憎いというのだけが行動のモチベーションになっており、背後にあるのが巨大な隠ぺい工作なのだが主人公は実行犯に指示した男らしい人物をプスと刺してとりあえず復習したことになっている。 ま、最後は巨大な力にころされちゃうのだけど・・・。 そしてこの主人公が暴れまわるとなにかしら探りが入れやすくなると考えているのが新聞記者の野上(佐藤慶)。こちらは東京から地方にとばされ、なんとかスクープをとって本社に戻りたいとおもっているやさぐれ男。もっとも演じているのが『水戸黄門』悪役専門の佐藤慶なのでどうみてもそう思ってしまうのがちょっと残念。この男、最後は寝返るのだが、佐藤慶だと苦渋の決断にみえない(苦笑)。やさぐれてても正義感のありそうな人が願えるとけっこうインパクトあると思うのだがこの人だとねえ・・・、山本圭とかあたりだと良かったのに。 その後主人公をサポートしてくれる第一ヒロインが吹雪ジュン。おお、かわいい! 昔の彼女はこんなにかわいかんだ。・・・もっともとしとっても可愛いけど。『男はつらいよ 寅次郎の青春』(45作目)にマドンナとしてでてました。もうちょっとタッパがあったらかなりストライクゾーンでした。 こちらは死んだ姉から主人公のことは聞いていてちょっと興味をもってた女の子という設定。 さらにここから第二ヒロインが登場。心中したと思われる男のほうの妻。山口小夜子があやしい雰囲気だしてます。彼女の夫というのが原発で働いていた技師で、ある事故を告発しようとして殺された・・・というのがメインストーリー。一緒に殺されたのは心中ということにすれば後がらくだ・・・という理由。 もう一人のキーキャラクターが岡田英次演じる神山教授。どうも事故がおきたらしいということで原発に呼ばれた専門家がこの人。新聞記者の野上が原発事故の証拠書類をみせたのがこの神山教授。この人の言葉がかなり説得力があり、原作者の田原総一郎が取材をしてきたなかで得た数字や情報を盛り込んで原発推進はの立場をしっかり述べている。 ・・・ここまでの設定で物語を転がせてればけっこう良かったのに最後一発蛇足がついた。 この神山教授と殺された山崎技師は師弟関係にあり、山崎の明日香と教授ができていた・・というオチ。これがあるがゆえにちょっと物語の軸がぶれてるような気がする。 もうひとつ要らないのはマイケル・ムーアみたいにアポなし取材を原発に慣行、ゲートのところで警備員とのやり取りをハンディカメラで撮っているのを入れ込んでいる。ちょっと胡散臭いな・・・。 ・・・・でも、いろいろ面白かった。 とりあえず撮るだけとって、どうするか後で考えようって感じがATGらしい・・・(苦笑)。 でもこの映画、ATGのなかではけっこう普通に見られる映画だと思うのだけど。 #
by ssm2438
| 2013-08-25 13:26
2013年 08月 24日
監督:黒木和雄 原作:中島丈博『祭りの準備』 脚本:中島丈博 撮影:鈴木達夫 音楽:松村禎三 出演: 江藤潤 (沖楯男) 馬渕晴子 (沖ときよ) 竹下景子 (上岡涼子) 原田芳雄 (中島利広) 杉本美樹 (中島美代子) × × × ATG作品なのである程度つまらないことは覚悟してみたみたら・・・意外とおもしろかった(苦笑)。 物語は中島丈博のオリジナル脚本で自伝的ストーリーである。 ま、自伝的話っていったらほとんどが面白くないものだけど、まあまあ見られた映画だった。やってることは旅立ちもので、それまでずっと故郷にしばられていたが、それを振り払って出て行くという話。ま、男の子には必要な季節の話です。 でも、物語の根幹になってるのは、『青い体験』とかあの部分で、高校卒業してもんもんとしとるとどうしても初体験欲ってのがでてくる。そのほかに仲のいい兄貴分の原田芳雄がはずみで人を殺してしまいああだ、こうだという話。そしてその妹がちょっと狂っているのだけど、子供はらまされて生んでみたらあれれ・・、正常にもどってた・・・という話。でも、実はその子供が自分の子ではあるまいか・・・とか。あと父親が家をでててほかの女の下にで暮らしとるけど、それが戻ってきたり・・とまあ、そういうめんどくさい人間関係があるなか、主人公は「シナリオライターになりたい」という夢を持ち続け、ついには母親もすてて東京に出て行くという話。 話はごったになのでどうでもいいです。 ただ大志をいだけない田舎の感じがよくでてるかな。決して嫌いにはなれない、いや、やっぱり好きである。でも「ここではない」って思える場所。 竹下景子は映画ではこれがデビューということになっているらしい。 一応ウィキペディアでは「ヌードも披露して」とあるが胸のアップだけのカットは別撮りで誰かほかの人の胸だとおもう。ただ、宿直室で寝てたら火事になって、そのときちらっと炎ごしに見えるのは本物だろう。 役どころは、ちょっとインテリ思考の女の子で社会主義に傾倒しかけてる女の子。よくできる堅物の女の子って感じではあるが、おたかくはとまってない。それなりのアクセサビリティもある。近くにいたら惚れるな・・・、わたしなら。ああ、いるいるこんな感じの人・・っていうのがよく伝わってくる。そういう意味ではいい味付けのキャラでした。竹下景子もけっこうはまり役かもしれない。 しかし・・・この竹下景子はあんまりきれいじゃなかったな。というか女の子がどれもそれほど美しくないのでそのこと自体がかなり問題なのだけど・・・。 そんなきれいにとってもらいない女の子のなかでひときは輝いてたのが杉本美樹さん。ご存知『赤いワッパ』の彼女です。今回は原田芳雄の兄の嫁で、でも、兄が刑務所にはいっているのでそのあちだ嫁さんと“H”をしてるという関係。 まあ、話はうだうだしてるのだけど、いいのは最後の原田芳雄との別れのシーンだろうなあ。 はずみてひところしてしまい、逃げ回っていた原田芳雄が、故郷をすててさあ、これから東京に行くぞっていう汽車にのろうとしてるとき、「金かしてくれないか」と現れる。 やや戸惑う主人公だが2万円ほどわたしてやる。しかし主人公が今まさに村をすてて東京に出ようとしてると知り「この金はもらえん。この金だけはもらえん」ってむりやり返す。あの一連のやりとがけっこうじい~~~~~んきてしまった。 #
by ssm2438
| 2013-08-24 01:16
2013年 08月 05日
監督:水谷俊之/鈴木浩介 原作:高村薫 『マークスの山』(講談社刊) 脚本:前川洋一 音楽:澤野弘之 出演: 上川隆也 (合田雄一郎) 高良健吾 (水沢裕之) 戸田菜穂 (高木真知子) 小西真奈美 (根来麻美) 石黒賢 (加納祐介) 小日向文世 (林原雄三) × × × 林原=ハヤシバラだと思ってたらリンバラでしたか。 なんで?? ・・・・あ、そういう訳だったのね。 さすがにテレビなので映像的にはショボかった。もうちょっと映画な画面にできないものか・・・、この辺は監督さんの絵心のなさが前面にでてたな・・って感じでした。撮り方もカメラの入れ方もあんまりお利巧さんとはいえない、とりあえずそう撮っておこうか・・・みたいな感じ。この画面を取るためにはこのアングルでこのサイズでこの画角でないければならないんだ・・!って理由付けがないまま撮ってる人の絵でした。 あと、これも監督さんの芝居付けのショボさなのでしょうが、犯人側の連中がみんな姑息にみえる。 たとえば、その人がおびえたときに、怯えた表情をアップで撮るか、怯えた自分を隠そうとしてその人からどこか違和感のある信号だしてるか・・・、その違いなのでしょうが、このアホ監督は全部それをアップで撮るのです。見せ方としてあまりにチープなので、ほんとは1話の途中でやめようかとおもったのですが、なんとか我慢してみてたら1話の最後でやっとこさ人が死んで、そこらあたりから見られるようになりました。 原作は1993年上半期の直木賞を受賞している高村薫原作の『マークスの山』(マークスのやま)。こてこてとした描写で小説としては面白いかもって思うのだけど、こうして物語をざらっと見てしまうと、お話自体はそれほどすっごい話ではないのです。ただ、私自身はそういうの、嫌いじゃないのですけど。才能がないので、ちょっぴょうしもない話をヘタな文章で書かれるよりも、ありきたりの話を染み込み易いように魅せてくれるほうが好きですね。そういう意味では原作はいいのだけど、このテレビシリーズは・・・、ちょっと残念だったかな・・・。 <あらすじ> 松井浩司(矢島健一)=法務省 刑事課長。 浅野剛(山崎一)=浅野総合病院 院長。 林原雄三(小日向文世)=日弁連理事 弁護士。 木原郁夫(升毅)=暁成大学 理事長。 佐伯正一(佐野史郎)=佐伯中央建設社長。 これらの苗字の頭文字をとってMARKS。 この5人は暁成大学(このテレビ版ではこういう大学名になっている)の山岳同好会で20年前に北岳で同じく暁成大学の野村久志を殺した。その下山の途中で水沢裕之の母親に遭遇、口封じのためにがけから突き落として殺した。・・・そして20年後。刑務所に服役してた水沢裕之(高良健吾)は刑期をおえて出てくるとこの5人に復讐をはじめた。 物語構成的には警察モノの王道的なつくりだ。 主人公は犯人を暴こうとする。しかし、警察上層部の誰かに、その事件に関するなんらかの暴かれてはいけない秘密をもつ男がいて捜査を妨害する。みている側をいらいらさせるにはいいよくある構成である。この構成の場合は、警察上層部といえば警視総監、あるいは警察庁長官であるが、今回は法務省・刑事課長という立場がそれになっている。ほかにも東京地検特捜部副部長(嶋田久作)がおなじ大学の出身でにややらすねに傷持ってて捜査妨害するというパターン。 この手の構成では、捜査妨害する警察上層部のあばかれてはならない理由をどうするのかというのがひとつのポイントになる。 この高村薫の『マークスの山』を愛読してる黒崎視音という人の小説『警視庁心理捜査官』というのを読んだことがあるのだが、まさしくこの警察上層部の妨害構成をそのまんま使っていた。ま、かといって高村薫がオリジナルではなく、何人も、何回も同じ構成よく使われているというだけなのだけど・・・。 #
by ssm2438
| 2013-08-05 00:39
|
アバウト
主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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