西澤 晋 の 映画日記

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2013年 05月 07日

マッケンナの黄金(1969) ☆☆

マッケンナの黄金(1969) ☆☆_f0009381_15504442.jpg原題:MACKENNA'S GOLD

監督:J・リー・トンプソン
脚本:カール・フォアマン
撮影:ジョセフ・マクドナルド
音楽:クインシー・ジョーンズ

出演:
グレゴリー・ペック (マッケンナ)
オマー・シャリフ (コロラド)
テリー・サヴァラス (ティッブス)
カミラ・スパーヴ (インガ)
ジュリー・ニューマー (ヘシュ・ケ)

    ×     ×     ×

グランドキャニオンの風景が絶品!! すごいです。

基本的にトレジャーハンティングものなんでたいして面白くもなんともないのですが、コロラドの風景がめっちゃすごい。この風景だけで酔えます。

あとふたりのおねーチャンがなかなか良いです。
ヒロインのインガを演じたカミラ・スパーヴはスウェーデンの女優さん。なんか・・・スウェーデンの女優さんっていいですね。独特の美しさがあります。この映画のあとも、『白銀のレーサー』『愛はエーゲ海に燃ゆ』 など、ちょこちょこはハリウッドの映画にでてるようです。
もう一人、ジュリー・ニューマーという女優さんがちょっと色黒の黒髪ヘアにしてインディアンの娘として出てますが、実はこの人テレビシリーズなどで『キャットウーマン』やってたひとらしい。水浴びのサービスシーンあります。
あと最後はお約束のお宝は大地に再び埋もれて行くのであった・・の展開ですが、その特撮はなかなかリ良かった。グランドキャニオンの岩山が崩れるシーンなんか、崩れる前は本物じゃないかとおもうくらいのリアリティつくってました。
でも、それ以上あまり書くところがない映画ともいえます(苦笑)。

<あらすじ>
1872年、アメリカの南西部。インディアンが隠した黄金を探し求める野郎どもがいた。そこにアパッチが襲来。結局、無頼漢コロラド(オマー・シャリフ)と騎兵隊上がりのディブス(テリー・サヴァラス)、黄金の谷への道を知っている保安官のマッケンナ(グレゴリー・ペック)、そして判事の娘インガ(カミラ・スパーヴ)の4人が、それぞれの欲望や怨念、うらみつらみの歴史などをからませつつ黄金の隠された場所までたどり着く。しかし、その時地鳴りがおこりはじめる・・・どどどどどど。

カミラ・スパーヴ嬢(↓)
マッケンナの黄金(1969) ☆☆_f0009381_1549131.jpg


# by ssm2438 | 2013-05-07 15:54
2013年 05月 03日

透光の樹(2004) ☆☆☆

透光の樹(2004) ☆☆☆_f0009381_2019999.jpg監督:根岸吉太郎
原作:高樹のぶ子『透光の樹』(文藝春秋刊)
脚本:田中陽造
撮影:川上皓市
音楽:日野皓正

出演:
秋吉久美子 (山崎千桐)
永島敏行 (今井郷)

    ×     ×     ×

よかった。。。

最近はずっと長年あまり見てこなかった邦画をすこしずつ掘り返そうかとおもい、ちょっと邦画をみるようにしてます。で、なにみようかと思って借りたのが、根岸吉太郎のこの映画。

根岸吉太郎の映画だと『遠雷』でぼろ泣きしたのがもう25年以上もまえか。根岸吉太郎の画面というのは、画面作りにカッコよさはなく、絵的にはそれほど燃えないのです。これは日活あがりのひとって皆さんそういう傾向があるようなきがします。滝田洋二郎なんかも画面はまったくもえない。お金をかけてセットをくめないなかでハンディカメラ的な撮り方しかしてないからかもしれない。木村大作のどっかああああああって望遠でカッコよく見せるような画面にはならない。そこはやっぱり残念なところ。でも、根岸吉太郎の映画な物語の染み込ませ方がいいんだよな。
展開のさせかたが自然。見せ方が自然。奇をてらった見せ方はほとんどしないで自然に物語を展開していく。でも見てるうちについつい見てしまうような感じ。ただ・・・、感性が鈍い人には刺激がなさ過ぎるかもしれない部分はある。

今回も主人公は『遠雷』のときと同じ永島敏行。ほんとは萩原健一だっそうですが代わって正解でしょう。でもあのほそかった永島敏行がかなりデブになっております。
ヒロインの女性の方は秋吉久美子。この映画が撮られたのが2004年(実際の撮影はほとんど10年前なのかな)ということで、当時お二人は46と48くらいかな。 秋吉久美子さん、相変わらずおきれいですが、やっぱり永島とならぶと彼女の方が年とって見える。
そういうことかと後で分かった。
実は、原作では秋吉久美子演じる千桐が42~43で、相手の男が45~46という設定のようだ。なので脚本の段階は千桐が年下だったのだけど、年上の秋吉久美子さんがきまっても、台詞をそのままやってしまったのでそうなっちゃったんですね。

ま、それはさておき、映画は面白くみさせていただきました。
やってることは渡辺淳一ワールドで40代の男女の恋愛劇なのです。
普通なのです。普通なのですが、突然めの前に匂いたつような女性が現れ、なんだかエッチしてしまえる状況になってしまった。それは女性にしても同じだったのでしょう。そこからほんのちょっとずつ、自分の背中を無理して推して、少しづつ逢瀬を重ねて行く・・・。その普通な感じが実にしっぽりとしてよかった。

その魅力はやっぱり秋吉久美子の天性の魔性にあるようなきがする。彼女の場合はある種の女のだらしなさ的なものをもってるですよ。もちろん人間なのでプライドとか理性とかがあってそれが前面にでることはほとんどないのですが、演技でも素でも、おそらく彼女はそうなのでしょう、まじめで清楚な感じの役どころでも、どこかオンなの娼婦性をかもしだしてしまう。その相反する二つの要素が同居してる独特の危なさ、不安定さ、浮遊感がとってもすばらしいのだと思いますね。

<あらすじ>
テレビの作品制作会社を経営する今井郷(永島敏行)は、今作っているドキュメンタリー番組の仕事で金沢を訪れたのをついでに、25年前に取材した刀鍛冶、山崎火峯のもとをたずねてみて。そして当時高校生だった娘の千桐(秋吉久美子)に出会えた。男にはずっと心にのこっている面影が突然気になりだすこともあるものだ。
千桐はすでに40を越えていた。離婚し娘をつれて父の元にもどってきたが、その父も寝たきり状態。働こうと思えば父を施設に入れなければならないし、そうしたら金がいる。自分で面倒みてると結局働きにいけない・・・、そんなこんなで借金もかさんでいた。そんな千桐に対し、郷は金銭の支援を申し出る。

この微妙なニュアンスがよいのである。
男にはとりあえず出そうと思えば出せるお金はあるので援助したい。もし出来るなら、25年思っていた夢を見させて欲しい。
女は・・・、お金を出してもらえる。そして体を求められた。女は思っていた。彼の女になりたいと25年思っていた。いいことずくしではないか・・・。でもいいのかこの申し出をうけて??? 世間の目は??
そんな思いが交錯したのだろう。しかし、男も女も一歩づつ「やってしまう」ということで一歩を踏み出すことにする。

その後の関係も微妙なのである。
「お金ではじめた関係」というブレーキにしがみつきたい想いと、所詮それは、一見不幸に見えるお互いにとっての都合の良い言い訳で、実は、「追い詰められたり、追い詰めたりする関係になりたい」という願望が女のなかにくすぶって時々爆発しそうになる。

そんなこんなと何回かの逢瀬を繰り返す二人。
しかし、そんな今井を癌が蝕んでいた。大腸癌であった・・・・。
いか、ああだこうだあって、今井は死に、千桐は年を取り、自分の娘すら分からなくなるくらいにボケて、昔の男だけは覚えている・・・というところで映画は終わるのでした。

男が監督してるからバランスとれてるけど、とどのつまりは、女の願望ストーリーだったのだろうな。

# by ssm2438 | 2013-05-03 20:23
2013年 04月 30日

アンフェア the answer(2011) ☆☆

アンフェア the answer(2011) ☆☆_f0009381_094166.jpg監督:佐藤嗣麻子
原作:秦建日子
脚本:佐藤嗣麻子
撮影:佐光朗
音楽:住友紀人

出演:
篠原涼子 (雪平夏見)
佐藤浩市 (一条道孝)
山田孝之 (村上克明)

    ×     ×     ×

面白かった。
『羊たちの沈黙』みてるようで、日本の猟奇殺人映画がきちんと出来てるなって感じがした。それ以上のときめきはなかったが、それだけあるだけでも、前作よりは良かった。

今回はシリーズ構成からやってたシナリオライターの佐藤嗣麻子が監督という立場になっております。ただ、だからといって映像のつくりがわかってるとはおもわないのです。音の入れ方とか、望遠~広角の使い方といか、編集のポイントとか、そんなことはシナリオ書いてるだけでは絶対わかりません。でも、おそらく、おそらくですよ、お話作りの面ではかなり自己の主張をとおされたのだと思います。
私もまがりなりにも何回か監督なることをやったので判るのですが、一般受けユーザーへの迎合する流れの中で、いかにしてきちんと、こだわりを見せるかといういはかなりのエネルギーを必要とします。しっかりお仕事されたのだと思います。結果として、物語のつくりはしっかりして「猟奇殺人」という基本路線にもどされているようです。
なんでもかんでもスケーるを大きくしたらおもしろくなるわけではなく、それぞれのスケールに応じてきちんと出来てれば「あ、これいいじゃん」っておもえるわけですよ。それに画面とか録音とかいう部分はその担当の撮影監督とか録音監督とかがしっかりてればおまかせしていいわけですしね・・・。

ただ・・・・、これがこの物語の最後の映画/エピソードになるのだとしたら、あるいはそうなるかもしれないという懸念があったのなら、もうちょっと局部の物語にとどまらず、全体的に納得させてもらえる話でみたかったな・・という気持ちもあります。部分の話だからこれでいけたのだろうけど、もうちょっと全体系の話だったらどうだったのだろう・・って思うところは否定できないな。

もう一がんばり欲しいところです!
でも、どっちが好き?ってきかれた、こっちの方がすきだな。前の映画よりは・・・。

# by ssm2438 | 2013-04-30 00:10
2013年 04月 29日

アンフェア the movie(2007) ☆☆

アンフェア the movie(2007) ☆☆_f0009381_23511660.jpg監督:小林義則
原作:秦建日子
脚本:佐藤嗣麻子
撮影:大石弘宜
音楽:住友紀人

出演:
篠原涼子 (雪平夏見)
椎名桔平 (後藤国明)
江口洋介 (斉木陣)

    ×     ×     ×

実はテレビシリーズは見てないのだけど、映画だけ見ました。
ネットの反響を読むと、次の映画の方が好感はもたれているような気はする。

しかし・・・、篠原涼子はいいやね。
顔のパーツ、パーツを部分的にみると決して美人ではないのだけど、それがひとつになるとなんかいいムードなんだけど、あの鼻のかっこわるさも、整形してないって思えば板野・プラスティックサージュリ・友子よりもすがすがしくみえる。なにより全体の雰囲気がよい。でも、どっちかいというと、この映画の篠原涼子よりも、次の映画の彼女の方が色っぽくていいやね。

で、内容的には・・・『アンフェア』で『ダイハード』やってみました・・みたいな感じというのが的を得てるだろう。
個人的には大どんでん返しものは嫌いで、2度見て楽しめない物語なんてのはつまらないと思ってるのです。

たとえば、あなたがシナリオライターの養成学校の講師で、テレビドラマのシリーズ構成やってるとしよう。そこに、とんでもない発想の物語と書く人と、ありきたりのシチュエーションを思いっきり繊細な心理描写で書ける新人さんがいたとする。シリーズ構成やってる立場から、どっちか一人を使いたいっていったら、そら後者だよね。
この映画は、前者をとって話をつくったような感じ。
売りが篠原涼子ちゃんの雰囲気のかっこよさだけで、あとはどんでんがえしでとりあえず観客ごまかしました・・って感じの話。

きちんと作ろう、ドラマ!

# by ssm2438 | 2013-04-29 23:52
2013年 04月 28日

化石の森(1973) ☆

化石の森(1973) ☆_f0009381_1432747.jpg監督:篠田正浩
原作:石原慎太郎
脚本:山田信夫
撮影:岡崎宏三
音楽:武満徹

出演:
萩原健一 (緋本治夫)
二宮さよ子 (井沢英子)
杉村春子 (治夫の母・多津子)
八木昌子 (塩見菊江)

    ×     ×     ×

久々に退屈な映画をみたな・・・。
この映画を見ようと思ったのは岡崎宏三の画面を見たかったから。でも、あまり興味をそそってくれそうな映画がなかったので仕方なく借りたのがこれ・・・。

ハズレました。

岡崎宏三の画面はすばらしいです。同年にとった『朝やけの詩』なる映画の画面がすばらしく、ちょっと気になってた人でした。この時代の撮影監督さんはみなさんきちんと画面をしってらっしゃる。今の邦画のように糞画面連打のアホばっかりになったのはいつからなのでしょう。
しかし、どんなに画面がよくても、物語が退屈だとみるきになりません。ま、監督が篠田じゃしゃーないかと思ったりもします。この人の取り方というのはピーター・イエーツ的で、シナリオにあることをそのまま画面にしただけで、シナリオに展開してある事柄を説明してるように撮る気がします。みたい役者さんでも画面の中に居れば安定していいとも言えなくはないのですが、誰も見たい人が居ないときにみるにはつらい監督さんです(苦笑)。

映画はシナリオをそのまんまなぞっただけのような話で・・・、とりあえず人物設定と大まかなあらすじだけ書いておこうか・・・。

緋本治夫(萩原健一)25歳は、ある大学病院でインターンをしている。彼とかかわることになる女が3人。
治夫は高校で同級だった井沢英子(二宮さよ子)。理髪店で働いているが、どうやらそこのマスターとはかんけいがあるらしい。とはいえ、二人は体の関係になる。
治夫の病院で脳の手術をうけることになった子供の母親、塩見菊江(八木昌子)。のちのち再び登場。
治夫は、母・多津子(杉村春子)。7年前、男との浮気現場を見てしまい、その後は親子との関係を絶っている。
英子はマスターを殺したい程憎んでいるいい、治夫の言葉「憎い奴は殺すまで憎め」に背中をおされ、マスターの瓜に劇物をしみ込ませ殺してしまった。二人は完全犯罪に酔ったが、英子が女房気取りになり始めた、治夫は英子から逃れたいと思うようになる。
そこに再び菊江登場。述語の相談などしてるうちにいかがわしい関係になってしまう。嫉妬にくるった。菊江の夫は、そのことを英子にバラしてしまった。
治夫が自分から離れたことを知った英子は、マスター殺しを自首する決意をする。しかしそんな英子をおちつかせようとする多津子は、英子に毒殺を飲ませ殺してしまう。
これでも私も息子と同罪ねという多津子・・・・。ちゃんちゃん。

物語自体はまったくおもしろくもなんともないのですが、この映画をみて八木昌子という女優さんを知りました。池波志乃をちょっとスマートにした感じで、なんかくたびれた色気がすばらしいのです。
唯一の収穫でした。

# by ssm2438 | 2013-04-28 01:43