2013年 04月 27日
監督:森谷司郎 脚本:森谷司郎/井手俊郎 撮影:中井朝一 音楽:いずみたく 出演: 岡田裕介 (庄司薫) 森和代 (下条由美) × × × 原作は庄司薫の小説で1969年の第61回芥川賞受している。主人公と著者が同じ名前である。自分の体験談がかなりベースになっているのだろうと推測する。 物語は、学生運動が血気盛んなころ、ついに東大の安田講堂が学生たちに占拠され機動隊まででた騒ぎのあったとし、東大受験を控えた主人公の悶々とした日々をインテリトークで語った話である。主人公の庄司薫は、兄弟が当たり前のように東大にはいる家庭に育ち、薫も当たり前のように頭が良く、あたりまえの東大に入るものばかりと思っていた。しかし学生たちの安田講堂占拠事件が勃発。その年の同大受験が消滅しそうな雰囲気になる。主人公薫にとっては、東大に入学するのは当たりまえの路線だったのが、急にその路線があやふやなものにみえはじめてきた。 生まれたときからお利口さんの遺伝を受け継ぎ、兄弟はみんな勉強が出来て当たり前のように東大に入っている。こんな環境化では「東大にはいる」というのは当たり前のことなのだろう。ある種の洗脳状態人ある。でもその主人公も普通のナイーブさももちあわせている。学生運動に傾倒して暴れるわけでもない。ただ頭の中で世間で起こっていることと、頭の中の理屈をなんとかシンクロさせたい。そんな欲求からくる青春の無軌道な時間を描いた話だと解釈できるかもしれない。 映画自体は・・・それほど面白いかといわれると、ふう~~~~んな映画ではあるのだけど、何かしらあの時代のにおいを保存して未来に残してるという意味においては希少価値がある作品だと痛感する。おそらく、あの時代に青春を生きた人たちにはかわいくて仕方がない映画なのかもしれない。方向性はちょっと違うのだが『いちご白書』と、この『赤頭巾ちゃん気をつけて』は、あの時代に青春していた人々には宝物になりかねない貴重な映画だと思う。 主人公を演じた岡田裕介は、今では東映の代表取締役になられてしまったが、当時は悪の強くない、ひ弱さのある、インテリ系の登場人物の役どころじゃかなりもっていってたような気がする。 ヒロインの森和代は、この映画のあとちょこっと別の作品にもでてるようだがすぐに結婚引退してしまった。妙に味のある人だったのでもったいない話である。 主人公は最後、赤頭巾ちゃんにあう。とにかく純粋無垢な少女なのである。都会の町の中で名も知らない主人公に話しかけ、本をさがすのを手伝って欲しいといわれる。主人公はその付き合いでおそらく銀座かどこかの人々の雑踏のなかを二人でロードムービーすることになる。 最後の主人公のモノローグで作者の願望が語られる。 たとえ狼さんが大きな口をあけてまっていたとしても、そんな狼さんに笑顔で優しく語りかけられる精神としての「赤頭巾ちゃん」が住める世界であってほしいな・・ってことを語っている。これは作者の希望とかではなく、これから社会にでていく主人公=作家の、自分のナイーブさが守られる社会であってほしいなという、切なる祈りだったのだろうな。 そのナイーブさが守られないからといってヒステリックに騒ぎ立てるわけでもないが、でも願望としてちょっと言ってみたかったぞ!ってことなのだろう。 いろいろナイーブで面白いです! #
by ssm2438
| 2013-04-27 20:50
2013年 04月 27日
監督:森谷司郎 脚本:関沢新一/斯波一絵 撮影:山田一夫 音楽:佐藤勝 特技監督:円谷英二 特撮・撮影:有川貞昌 出演: 加山雄三 (九段中尉) 佐藤允 (加賀谷飛曹長) 千秋実 (航空隊司令) × × × 私の大好きな映画『海峡』を撮った森谷司郎の監督デビュー作である。 映画監督には、その映画は出来がよかろうが、悪かろうが、波長のあう映画監督というのがある。森谷司郎はそのひとりだ。なので、この映画もそれほど面白いというわけではないのだが、とりあえず見ておきたい映画のひとつだった。 内容的には特筆すべきところはほとんどない。「とりあえずおまえやってみるか」的な仕事だったのかもしれない。それほど方に力をいれて撮るような映画でもないし、ま、普通の低予算娯楽映画であろう。 時は昭和18年4月(太平洋戦争開戦の真ん中ちょいすぎあたりである)、連合艦隊司令長官山本五十六が、一式陸攻で撃墜されたところから物語りは始まる。日本軍の暗号はすでにアメリカ軍に解読され、その結果山本五十六も襲撃されて戦死した。とにかく情報線にことごとく破れている日本軍だが、「大和魂」でなんとかなるものでもない。ミエッドウェイ海戦の惨敗の後、日本はじりじりと負けて行くのだが、この時期ではすでにガダルカナル島から撤退してる状況らしい。 舞台に鳴っているのは南方戦線のとある基地。といってもゼロ戦は7機しかない小さな部隊の話である。 山本五十六の死後、その弔い合戦をしたい兵士たちであるが、その実態は昼間は穴倉にかくれて夜になんとか行動する程度、戦力もゼロ戦7機しかない状態。そしてその部隊の隊長が戦死、公認に九段中尉(加山雄三)が赴任してくる。部隊では伝説のゼロ戦ファイター志津中佐が来るモノとばかり思っていたが、出迎えて見ればおぼちゃん育ち的な合理主義者の隊長さんだった。 加賀谷飛曹長(佐藤允)ほかの兵士たちは彼をぺーぺーの若造だと思っていたが、徐々に九段中尉はその能力を発揮していく。 この主人公・九段中尉の特殊能力は徹底した合理主義。世間では大和魂でなんとかしろ!という状況だけど、彼に言わせると、「ガソリンがなければゼロ戦は飛ばない! 大和魂ではどうにもならない」というものだ。 環境が強権的な絶対服従的軍司令部の態度にたいして、戦って、生きて帰るために何をするか・・ということを考える能力を与えられている。 その戦法は『三国志』でいう孔明のような感じ。 物語では、その部隊の兵士たちと対立しつつも、主人公の沈着冷静な判断が好成績を残して行く。 最後は、実は九段中尉というのは志津中尉で、その合理的判断で無謀な軍令部の作戦にそむき、僻地へ飛ばされてきていたというオチ。 空母に100機くらいをのせた大艦隊というような贅沢な設定はもう不可能な中、たった7機のゼロ戦の部隊でどうお話をつくっていくのか??と見ていると、敵が落として入った不発弾の逆利用や、ポンコツの機体をエンジンだけすげかえて再利用するとか・・、あのてこの手の知恵を絞った低予算映画のがんばりをみせている。 あと、佐藤勝の音楽はみょうにかっこいい! 結果的に特に見なければいけない映画というわけではないが、冒頭にでた山本五十六の写真だけは本人の写真のようであった。 #
by ssm2438
| 2013-04-27 03:07
2013年 03月 10日
原題:ARGO 監督:ベン・アフレック 脚本:クリス・テリオ 撮影:ロドリゴ・プリエト 音楽:アレクサンドル・デスプラ 出演: ベン・アフレック (トニー・メンデス) X X X 最近のベン・アフレックはほんとによい仕事をする。 第85回(2012年度)のアカデミー作品賞がこの作品。映画をみるまでアルゴの意味すら知らなかった。『アルゴ』って映画のタイトルだったのですね。 ことの起こりはイランのパーレビ国王が国内の騒乱をおさめきれず国外に脱出、あっちこっちを点在した後、癌の治療と称してアメリカに入国したのがきっかけ。事実上の国外逃亡→アメリカへ亡命であった。 まず、パーレビ国王とアメリカ大使館人質事件の歴史的背景の説明。 パーレビ国王は、第二次世界大戦のあとイランの近代化に勤めたひと。親欧米路線だったパーレビ国王は、石油の輸出により獲得した外国資本とアメリカ合衆国による経済援助を元手に土地の改革、国営企業の民営化、労使間の利益分配、婦人参政権の確立、教育の振興、農村の開発などの改革を実行してイランの近代化を進めた。しかし改革の一環として、女性解放をかかげてヒジャブの着用を禁止するなどイランの世俗化を進めたが、これらの政策はホメイニーらイスラム法学者の反発を招いた。 反対勢力に対しては、秘密警察サヴァク(SAVAK)を用いて左右の反体制運動を取り締まる。イスラム原理主義者のホメイニシーも国外追放され、イラン人亡命者コミュニティのあったフランスのパリへ亡命したが、その後もイラン国内の反体制派に影響を与え続けた。 1970年代中盤に起きたオイルショックで、世界経済における原油価格の安定化し、パーレビ国王の石油戦略にもかげりが見せ始める。それに伴い国民の間での経済格差が急速に拡大し、政治への不満も高まりを見せ、国王の求心力も急激に低下し、やがて暴動多発し、自体の収集ができなくなった国王は国外脱出するしかなくなった。 その国王をホメイニーらが敵視するアメリカが、同じく敵視する元国王を受け入れたことにイスラム法学校の学生らが反発し、テヘランにあるアメリカ大使館を占拠し、大使館員らを人質に、元国王のイラン政府への身柄引き渡しを要求した。この学生らによる行動は、シーア派の原理主義者が実権を握ったイラン政府が裏でコントロールしていた。 この時大使館から脱出できた6人はなんとかカナダ大使館員の自宅へ逃げ込むことに成功。しかし見つかればスパイとして公開処刑は免れない危機的状況であり、アメリカ政府はなんとかしてこの6人をイランのカナダ大使館から国外退去させる方法を考えた。 それが『アルゴ』作戦。 国内外で『アルゴ』というスペース・ファンタジーの映画の政策発表をし、彼らを映画のクルーということにし、イランから脱出させたというお話。それをかなり映画風のアレンジを効かしてエンタテイメントに仕上げてある。 はらはらどきどき感はすばらしく、追い詰められる圧迫感は実に見ごたえがある。 実はこの映画、面白いとは聞いていたのだがずっと見るつもりはなかった。アカデミー賞とったことで、なんでも監督がベン・アフレックであることを知り急にみたくなった作品。 ベン・アフレックってねえ、実は監督としては実にいいんだ。 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』というタイトルではじめて監督したのだが、これが実にしみじみとしてよかった。音楽の使い方もよかった。というか、映画の見せ方を実によくしっているひとだなあっという印象があった。これでもか、これでもかの安易なエンタテイメントではなく、しっとり見せるところのつぼを知ってる人なのである。 ただ、この映画の冒頭の見せ方はどうなのかな??って正直思ったけど、それ以外はだいたいきちんとみせてもらった。あ、でも最後の別居中のカミさんのシーンはなくてもよかったのに・・・。ああなる根拠があんまりよくわからなかったかな。この作戦は隠密作戦だったので、あのカミさんもそれまで旦那がどこにいってたのか、何をしてたのかも知らなかったと思うのだけど・・・。突然現れてああなるのは・・・・なんでなんでしょう???って疑問符が残り、そういうとりあえずラップアップするというような姑息さもちょこちょこ見えていたりする。 出来るならアラン・J・パクラで見たかった・・(苦笑)。 ちなみに、大使館員の軟禁状態は、元国王が亡命先のエジプトのカイロで死去するまでつづき、元国王が死去したことで、学生らによる大使館の占拠の理由が薄れ始め、アメリカ政府とイラン政府は水面下で交渉を続けられた結果、人質は444日ぶりに解放された。 #
by ssm2438
| 2013-03-10 19:32
2013年 02月 13日
原題:HE'S JUST NOT THAT INTO YOU 監督:ケン・クワピス 脚本:アビー・コーン/マーク・シルヴァースタイン 撮影:ジョン・ベイリー 音楽:クリフ・エデルマン 出演: ジニファー・グッドウィン (ジジ) ジャスティン・ロング (アレックス) ベン・アフレック (ニール) ジェニファー・アニストン (ベス) クリス・クリストファーソン (ケン) ジェニファー・コネリー (ジャニーン) ブラッドリー・クーパー (ベン) スカーレット・ヨハンソン (アンナ) ケヴィン・コナリー (コナー) ドリュー・バリモア (メアリー) × × × ちょこちょこ痛い恋愛絵巻、 しかし、そんな本線はおいといてスカーレット・ヨハンソンのむっちり感がすばらしい!! 想いが少し筒すれ違ってる恋人達の恋愛群像劇。 基本ベースは3つの恋愛模様。それを縦線にさりげなくそこに登場する人物が別のストーリーの友達役になってたりする構成で、だったらそれぞれの話を一本にまとめてやれよ!って思うのだが、ま、そこはごった煮の面白さもないわけではなくそこそこ楽しめた。 一つ目の話は、ジニファー・グッドウィンが痛いダメ女ジジを演じる話。「恋人なのに電話がかかってこないのはなぜ?」 「それはあんたが彼を恋人だと思い込もうとしてるが、彼はまったくそう思ってないからさ!」 ・・という、本来はもてない男がよくはまる恋愛パターンである(苦笑)。それを今回は彼女がやっている。ま、高尚にえがけばドストエフスキーの『白夜』になるのだろうがそこはアメリカのティーンエイジャーの恋愛ごっこみたいな感じでジジの演技はつづいていく。でもその痛々しい感じがじつにさまになってていい(苦笑)。 とにかく、自分は求められているんだ!と自己肯定するために強制的にいいふうにいいふうに考えようとする。もちろん求められてないことは本人も分かっているのだけど、意地でそう思い込もうとしない健気さがすてき。『アリーmy Love』のイレインより痛い。そのたびにバーの店長アレックス(ジャスティン・ロング)に容赦なくつきつけられる。 このアレックスは恋愛にはまったく興味ないやからで、どちらかというと自分にほれてくる女に冷たくすることで人生を愉しんでいるようなやつ。ジジに対しても、「お前に電話がかかってこないのは、お前がもとめられてないからだ!」って辛らつに言ってのける。 展開的に似はよくあるパターンで、ジジにとってアレックスは辛らつな恋の分析官だが、相手してくれるのも彼だけであり、だんだんと彼を好きになっていく。というか彼が自分のことを好きになってるんだと思い込もうとする。でも現実派「勘違いするな!」とあしらわれ、でも最後はどうやらアレックスも彼女が好きになったみたいで彼女をもとめてドアのベルをならす・・という話。 そのジジの会社の同僚が嘗ての美少女ジェニファー・コネリー演じるベス。またこれが痛いんだ。 ベスは、大学時代で一緒だったベンという男と結婚しているのだが、息が詰まるほどの正論だけを押し付けるタイプ。融通性が全くないタイプ。自分が批難されることがもっとも嫌いで、社会的な倫理・モラルは必ず守り、そのことで自己防衛してるタイプ。そして同様にそれを相手の男にも強制する。なので2人のせいかつはイバラのような時雰囲気。ついにベンもフラッと他の女に安らぎをもとめてしまう。その相手がスカーレット・ヨハンソン。そらスカーレット・ムチムチ・ヨハンソンと“H”できたら世界中のほとんどの男はそれだけで幸せですよ。 いやああ、彼女ほど魅力的な女はそういない。顔はぽっチャりけいなんだけどどこかツンツン系、身体は幼児体形で短足、スタイルがいいとはとてもいえない。あえて言うなら『ゴルゴ13』を描いてるさいとうたかおが描く昭和の女のような体形である。んが、そのアンバランスがいいんだ。彼女ほど全部の要素がアンバランスで捉えようのない人ってのはなかなかいないんじゃないかな。 結局は、やっぱり奥さんを捨てられないベンに嫌気をさして彼の元をさることになるヨハンソン。 一方ベンもいろいろあったが、ジェニファー・コネリーが自分をイヤになって判れることに。ここの解釈は分かれるかもしれないが、私はソウ思った。タバコは吸わないっていってたベンがタバコを吸ってることが分かりそれを気に逆上するのだが、おそらくそんな自分にうんざりしたのだろう。いつも、「私は正しい、間違っているのは私じゃない誰かよ!」理論なのだが、それが自分の自信のなさから来る臆病さであるあることに気づいて一人でやり直すきになったのだと思いたい。 三番目の話はベン・アフレックとジェニファー・アニストンの話。スカーレット・ヨハンソンの友達なのがドリュー・バリモアで、その会社の同僚なのがジェニファー・アニストン。 ジェニファー・アニストンは7年間同棲してる彼=ベン・アフレックがいるが、彼はどうしても結婚したがらない。彼女は結婚したい。誠実だ結婚したがらない彼にたいして怒り爆発、ついに別居状態になってしまう。ただ、ここで出てくるなかでベン・アフレックはまともすぎるくらい誠実で彼女だけを想っているという理想の男。ただ、結婚はしたくない・・。この2人の関係は、まあ、まともすぎてあまり語ることはないのだが、最後はジェニファー・アニストンが「結婚できなくても、やっぱりあなたが一番いいわ」ということでよりを戻す決心をすると、ベン・アフレックもプロポーズする・・という流れ。 個人的にはこれだと出来すぎてるので、ここは結婚しないままいって欲しかった気がする・・・。 で、もうひとつささやかなつながりとしては、スカーレット・ヨハンソンの心の友となってるのがケヴィン・コナリーで、でも、最後まで「あたなは良い人よ」で終わってしまう。彼はスカーレット・ヨハンソンにとって居心地のいい相手だけど、決して恋愛の対象にはなってないという可愛そうな男である。 そんな彼が、ネットで知り合ってやり取りをつづけてたのが実はドリュー・バリモアだった。そして最後にはじめあって、なんだか幸せな予感・・でおしまい。 どんなに好きでも他人は他人なので、自分の想うような存在ではない!というのを受け入れつつ恋愛するしかないよね・・って話でした。 #
by ssm2438
| 2013-02-13 23:35
2013年 02月 04日
原題:YES MAN 監督:ペイトン・リード 脚本:ニコラス・ストーラー/ジャレッド・ポール アンドリュー・モーゲル 撮影:ロバート・イェーマン 音楽:ライル・ワークマン マーク・オリヴァー・エヴァレット 出演:ジム・キャリー (カール・アレン) × × × 臆病者の応援歌でした。 ジム・キャリー・・・老けたなあ・・・・。実はジム・キャリー、1962年の1月生まれ。私と同い年なのです。 老けたなああああって思うのは、実は私もふけてみえるのでしょうか・・・。 ま、それはさておいて、この映画面白かった! よかった。 臆病者への応援歌かなあ。。。 私はいつも「石橋をたたいたら渡れない」っていいきかすようにしてる。 いちど心配しだしたらもう一歩も前にすすめない。 心配性でない人はそれでいいのかもしれないけど、心配性で勇気の乏しい人が行動力を発揮するには「石橋をたたいたら渡れない」って自分にゴーを出すしかない。というか、結局人生なんてどちらにころぶかわからないのだから、「その橋はおちない!」って勝手に思って進むしかないときってあるのだと思う。もちろんそのしっぺ返しも来るだろうけど、100%安全になるまで待ってたら何も出来ない。それがわかっていても踏み出せない第一歩。もしそれが踏み出せたら・・・、臆病ものなら誰だってソウ思ってるはずだ。 この映画はその一歩踏み出す勢いを与えてくれる映画。 もう「ノー」言うわない。 なんでもいらっしゃい!、カモーン、カモーンの世界である。 いわゆるこれは自分放棄なので楽だとも言える。自分とは結局「選択」であり、選択しなくて常にいわれたことには「YES」というってきめてしっまったのだからそこに自分はない。でも、心配していつも拒んでた自分とは別れられる。そんなさりげない臆病者の夢をかなえてくれる映画。 すばらしいです! 久しぶりに気持ちよくみさせていただきました。 監督は『チアーズ』のベイトン・リード。まあ、お手軽に作る人ではあるが、基本的にはポジティブにいってくれるので嫌いではない。メジャーに離れないかもしれないが、とりあえず抑えておきたい監督さんではある。 <あらすじ> 前に離婚して以来、カール・アレン(ジム・キャリー)の毎日は“NO”の連続だった。銀行の貸し付け担当が仕事だが、ローンの申請を却下し続け、プライベートでも友人の誘いに背を向けるネガティブな日々を送り、結果、昇進の機会を逃し、友情も壊れかけていた。そんな時、旧友ニックに強引に誘われた自己啓発セミナーで、カリスマ主宰者テレンス(テレンス・スタンプ)の迫力に押され、今後は何があっても“YES”と答えると誓いを立ててしまう。 そこからあとはどたばた喜劇。しかし、利害関係を考えて行動に抑制をかけていた人生から解放されたカールは、なんだか総てが上手く言ってしまう。 そして知り合った怪しい歌手のアリソン(ゾーイ・デ・シャネル)。変なおっかけがいる変な歌手なのだが、「YES」って言ってしまったばかりにそのコンサートに行く羽目になり、なんだかいい関係になってしまう。 まるで心配をもろともせずに「YES」って言ってしまうその正確になんだか虜になってしまったアリソンはふたりで行き当たりばったりの旅行をすることになる。しかしそのたびの中でいろいろありまして・・・、結局彼の大胆な行動パターンは、なんでもかんでも「YES」という信奉から来ることで、本人が選択しているわけえはないことをしってしまう。その事実をしるとなんだがむなしくなり破局。 しかし、カールは、自分の意志で「NO」といえる自分を取り戻し、自分の意志で能動的に求めることにいどむしかなくなるのであった・・・。 ああ、めでたしめでたし。 #
by ssm2438
| 2013-02-04 21:51
|
アバウト
主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
ファン
検索
以前の記事
2016年 05月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 タグ
☆☆☆(365)
☆☆☆☆(199) 一見の価値あり!(84) ☆☆☆☆☆(84) 貴重なヌードあり!(82) シナリオ勝負映画(82) 撮影的に高品質な映画(81) この女優必見!(80) 楽しいぞ!この映画(80) ダメだこりゃ映画(79) 女優が色っぽい映画(78) 女優が愛らしい映画(76) 自然描写が美しい映画(53) 一見の価値もなし!(53) ダイナミック望遠映画(37) ディープメンタル映画(22) 言葉が素敵な映画(22) リアリズムの映画(20) ぼろ泣き映画(16) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(13) カテゴリ
ジョン・フォード(1894) フランク・キャプラ(1897) A・ヒッチコック(1899) V・デ・シーカ(1901) ウィリアム・ワイラー(1902) ビリー・ワイルダー(1906) フレッド・ジンネマン(1907) 松本清張(1909) 黒澤 明(1910) M・アントニオーニ(1912) ルネ・クレマン(1913) I ・ベルイマン(1918) F・フェリーニ(1920) G・チュフライ(1921) W・A・フレイカー(1923) シドニー・ルメット(1924) 増村保造(1924) H・ウェクスラー(1926) S・キューブリック(1928) J・フランケンハイマー(1930) N・アルメンドロス(1930) ロベール・アンリコ(1931) ゴードン・ウィリス(1931) マイク・ニコルズ(1931) F・トリュフォー(1932) A・タルコフスキー(1932) D・マカヴェイエフ(1932) テオ・アンゲロプロス(1935) ウディ・アレン(1935) R・レッドフォード(1936) リドリー・スコット(1937) 木村大作(1939) ジョン・バダム(1939) W・フリードキン(1939) J・L・ブルックス(1940) エイドリアン・ライン(1941) ノーラ・エフロン(1941) K・キェシロフスキー(1941) ペニー・マーシャル(1943) ピーター・ウィアー(1944) C・デシャネル(1944) ラッセ・ハルストレム(1946) S・スタローン(1946) アイバン・ライトマン(1946) S・スピルバーグ(1946) パトリス・ルコント(1947) E・ズウィック(1952) ゴジラ(1954) G・トルナトーレ(1956) ブラッド・バード(1957) 男はつらいよ(1969) ライフログ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||