西澤 晋 の 映画日記

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2009年 10月 13日

クイズ・ショウ(1994) ☆☆☆

f0009381_614530.jpg監督:ロバート・レッドフォード
脚本:ポール・アタナシオ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
音楽:マーク・アイシャム

出演
レイフ・ファインズ (チャーリー・ヴァン・ドーレン)
ジョン・タートゥーロ (ハーヴィー・ステンプル)
ロブ・モロー (ディック・グッドウィン)

        *        *        *

監督としては絶対的に支持するロバート・レッドフォードなれど、この作品はそれほどあたりというわけではなかったかな。いつものヒーリング・モードはかなり薄かったし・・。しかし、この人の繊細な演出にはついつい見とれてしまう。
『真実』というものを、テレビの番組のウケの為に汚してしまった伝説のクイズ王の後悔の念が染み込む映画・・・。善良は市民だった主人公のチャーリーが、クイズ王にしたれられ、自責の念にとらわれ、それを告発。そして謝罪。しかしテレビはチャーリーの態度は「潔いもの」として称賛する。クイズ王になる前も、なってからも、引き際も、本来彼自身はとても高潔で心の清潔な人だったのに、テレビが介入することで、それが欺瞞になっていくメディアの不思議。しかし、彼と直接触れ合えば、その人の良さが実感できてしまう・・という、イベントを描くのではなく、ニュアンスを描くレッドフォード演出はいつもすばらしい。
しかしイベントしか追わない人にはこの映画はつまらないものになるだろう。

レッドフォードの映画では痛みとか、悔しさとか、後悔が見ている人に染み込むのである。この繊細な染み込ませ方がレッドフォードは上手すぎるのだ。

<あらすじ>
56年、アメリカ中がテレビのクイズ番組に熱中していた。中でもその秋にスタートした『21(トゥエンティ・ワン)』の人気は、社会現象にまでなっていた。番組で無敵を誇るチャンピオン、ハーヴィー・ステンプル(ジョン・タトゥーロ)が勝ち進んでいたが視聴率の伸び悩みから、スポンサーは、もっと見栄えのする人物に変更しろと指示する。そんな折り、番組のオーディションを受けにきたコロンビア大学講師で、著名な詩人を父に持つチャーリー・ヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)をひと目見たプロデューサーのダン・エンライト(デイヴィッド・ペイマー)は彼に白羽の矢を立てる。
ダンはハーヴィーに別のクイズ番組への出演をちらつかせ、悩み抜いた末にハーヴィーは本番で間違った答えを口にして、劇的な負け方をした。一方、チャーリーにはオーディションの際に出された問題が出され、彼は仕組まれた勝利に気がつくが、脚光を浴びる気分の良さと高額の賞金を前に理性をなくしていく。ダンの目論見どおり、チャーリーは名門出で若くハンサムなクイズ王として『タイム』や『ライフ』の表紙を飾り、テレビ界の寵児となった。だが、その裏には番組をよりドラマチックに演出し、高い視聴率を稼ぐために勝敗の不正な操作が行われていた。
ハーヴィーはついに、地方検事局に訴えを起こす。やがて立法管理委員会が調査を開始、新人調査官のディック・グッドウィン(ロブ・モロウ)が関係者への聞き込みを開始する。彼は調査を続けるうちに番組で不正が行われたことを確信するが、チャーリーには不思議な好感を持ち、友情さえ感じ始める。彼はついに決定的な証拠を掴み、事件は全米放送史上空前の一大スキャンダルへと発展。一方、チャーリーは15週目の対戦でわざと不正解してチャンピオンの座を降りた。立法委員会が開催され、ハーヴィーが証人喚問された。全米のマスコミが注目する中、チャーリーは聴問会に証人として出席して不正の事実を認める声明を発表した。ダンら製作陣は解雇されたが、チャーリーの態度は潔いものとして称賛される。テレビという巨大なメディアは何も変わらないことに気づいたディックは、暗然たる思いに包まれた。

by ssm2438 | 2009-10-13 04:14 | R・レッドフォード(1936)
2009年 10月 13日

裏窓(1954) ☆☆

f0009381_3383713.jpg監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ
撮影:ロバート・バークス
音楽:フランツ・ワックスマン

出演:ジェームズ・スチュワート、グレイス・ケリー

        *        *        *

ちっとも面白くない。ヒッチコックの映画はシチュエーションを作為的に作りすぎるので、全然感情移入ができない。私に言わせれば、サスペンスなストーリーとその謎ときの鍵を、説明するだけの演出。
この映画はカメラがその部屋から出ずに物語を展開させるという、実験的な演出をしている。世間ではご祝儀的にこの映画をヨイショしているが、どこまでほんとに面白いとおもってるかかなり疑問。ほんとは1.5☆くらいだけど、☆☆ほど面白いとも思えない。でも『どですかでん』よりははるかに面白い。
グレイス・ケリーは実にヒッチコックの好きそうな女優さんである。彼はクラシックな正統派美人がすきなのである。

<あらすじ>
カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュワート)は事故で足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼にできる楽しみは、カメラの望遠レンズを使って裏窓から見る隣のアパートの住人達の人間模様の観察であった。カメラは、裏窓から見える範囲の窓をさりげなくスケッチしていく。
ある日、いつも口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消す。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、数々の状況証拠から殺人事件ではないかと思い込む。恋人リザ(グレイス・ケリー)は、そんなの思い込みよとなだめるが、話を聞かされているうちに「もしかしたら本当に殺人事件かも・・」という疑念が生まれてくる。と共に調査に当たる。車椅子生活で動けないジェフは、リザを調査にいかせる。事件を認めない友人の刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする二人だが、その男もジェフの動きにきづいたらしいが、ジェフは歩けない。さあどうする!?

by ssm2438 | 2009-10-13 03:20 | A・ヒッチコック(1899)
2009年 10月 01日

炎の少女チャーリー(1984) ☆☆

f0009381_3272863.jpg監督:マーク・L・レスター
原作:スティーヴン・キング
脚本:スタンリー・マン
撮影:ジュゼッペ・ルッツォリーニ
音楽:タンジェリン・ドリーム

出演:ドリュー・バリモア
    デヴィッド・キース
    ジョージ・C・スコット
    マーティン・シーン
    ヘザー・ロックリア

        *        *        *

ドリュー・バリモアのナンバーワン映画といえばこれでしょう! 大好きです。

残念ながら映画自体はそれほどいいというわけではない。まあ、マーク・L・レスターならこのくらいのできにしかならなんか。・・・しかあーし、しかしである。ドリュー・バリモアが可愛い。肩でいきをはあはあしながらちょっとうりうるめで炎ぶちかましのチャーリーは素敵。 超能力使う鼻血だしはうデビット・キースは、『愛と青春の旅立ち』で指輪飲み込んで自殺したシドだ! 片目の用務員さんジョージ・C・スコット!!実ににあわん! マーティン・シーンヘザ・ロックリアも出てるぞ! どうだこの大盤振る舞い! おまけに原作はスティーブン・キング! いい話なんだけどねえ・・、なんか映画だけはしょぼかった。

B級映画ぎみだけど、後半のドリュー・バリモア大爆発してからのノリは素敵。多少の特撮のしょぼさは我慢我慢、なんとか見てる人の脳みそで補完してあげましょう。デビット・キースの頑張りがきいてるかな。念力使うと鼻血がでてきてすぐへたるあたりが、制限きいいてていいのだけど・・、
用務員さんジョージ・C・スコットがいかんせんださすぎる。 あそこからの展開がもうみてていや。
でも、大好きな映画さ、はっはっは!

<あらすじ>
12年前、アンディ(デイヴィッド・キース)はオハイオ州のハリスン州立大の貧乏学生だった。彼はある薬物実験の披験者となり、同じ被験者のヴィッキーと知りあった。学生たちはロット・シックスという薬を飲まされた。薬の作用のため、被験者の多くは死亡したが、アンディとヴィッキー他人の思考をある程度操作できるようになった。その二人が結婚しチャーリー(ドリュー・バリモア)という娘が生まれた。彼女には感情がたかぶると、火を発することができた。
実験の黒幕であった政府の秘密機関DSI(デパートメント・オヴ・サイエンティフィック・インテリジェンス)は、彼らの超能力を軍事利用しようとしてチャーリーの捕獲を試みる。ヴィッキーは殺されてたが、アンディはチャーリーつれて逃亡の旅に出た。
DSI本部では、責任者ホリスター(マーティン・シーン)が、殺し屋ジョン・レインバード(ジョージ・C・スコット)にチャーリー捕獲を命じていた。そしてアンディとチャーリーは捕まってしまう。<※ここまでは面白い>

捕まったアンディとチャーリーは本部で別々にされる。父に会わせてやると言われて、完全防火の実験室で発火をしてみせるチャーリー。優しいおじさんを装ってチャーリーに接するレインバード。片目の用務員さん登場である。もうギャグとしかいいようがないコケコケ、一気に緊張感ぶち壊しのクソ映画に変わる。
アンディは不要と判断させ処分されそうになるが、念力でホリスターに娘をつれてこさせるよう命じる。納屋で再会た父子。しかしレインバードはアンディを撃ち父親は死亡。彼女の怒りは最高に達し、火の玉がDSIの職員、本部邸を全滅させるのだった。


ああ~あ、面白い話だったのにな。もう一度まともなスタッフでつくりなおせないものか?
・・とおもったら、続編バージョンでてるんですね。でもチャーリー可愛くないからどうしょうか・・。とりあえず保存用にドリュー・バリモアバージョンのDVD、アマゾンUKいって買ってみるか・・。しかし、なんでこれDVDでてないんだろう? たしかに中盤からアホな展開になるが、ドリュー・バリモアの映画のなかではけっこうあたりだと思うのだけど。

by ssm2438 | 2009-10-01 03:29
2009年 09月 02日

ドーベルマン・ギャング(1972) ☆☆☆

f0009381_15135881.jpg監督:バイロン・ロス・チャドナウ
脚本:ルイス・ガーフィンクル、フランク・レイ・ペリリ
撮影:ロバート・カラミコ
音楽:ブラッドフォード・クレイグ、アラン・シルヴェストリ

出演:バイロン・メイブ、ジュリー・パリッシュ

        *        *        *

どうしてこんな発想の映画が出来たのが疑問だが、実に痛快で面白い。凶暴で運動性抜群のドーベルマンを調教して銀行強盗をやってしまおうとうい話。子供の水曜ロードショーか月曜ロードショーでみた映画だが、疾走するドーベルマンが痛快。ぜひとももう一度みたいのですが・・なぜかDVDでないですねえ。。
動物を調教して犯罪をやらせるというのは『ウイラード』っぽい展開だなあと思ってみたのですが、おわりもそんな感じ。銀行強盗は成功したものの、帰ってくると人間たちをかみ殺し、彼らはいずことも無くさっていくのであった。

<あらすじ>
完全犯罪をもくろむ銀行強盗のエディ(バイロン・メブ)、サミー(シミー・ボウ)、ジョジョ(ジョジョ・ダモーレ)は、せっかく手にいれた大金を、銀行前にとめてあった自分たちの車とそっくりな他人の車に積み込んでしまい水泡にしてしまう。「人間のやることに完璧ということはあり得ない」という苦い教訓をもとに、ドーベルマンを調教して銀行強盗をさせようという考えが浮かんだ。
エディはベトナム帰りのバーニー(ハル・リード)に協力をもとめる。人里離れた山中の農園を3カ月間借り切って、犬の訓練所としての設備を急ぐ一方、エディは街で拾った情婦のジューン(ジュリー・パトリック)と共に、狙いをつけた銀行の実地研究を始めた。エディ、ジューン、サミー、ジョジョ、バーニーの5人は、農園に建てた訓練所に集結、早速獰猛で賢いドーベルマン犬を6頭買い入れ、それぞれデリンジャー、ボニー、クライド、ベビーフェイス・ネルソン、プリティ・ボーイ・フロイド、メー・バーカーと、アメリカ犯罪史上有名なギャングたちの名前をつけ、直ちに激しい訓練を開始した。着実に計画は進展し、ドーベルマン6頭を動かす方法は、人間には絶対聞こえない高周波の音を出す笛を使うことになり、原寸大の銀行模擬セットでなんどもテストを重ねたが、それは寸分の誤差もなく見事な成功を収めた。そんなドーベルマンも首をしめられたら抵抗できない。そんなわけで出陣の才にはロード・ウォーリアーズのような首輪をつけられた。犯罪史上初めての犬の銀行強盗、その朝がついにきた。
1頭につき、10万ドルの札束を入れるバッグを胴体につけたドーベルマンたちは、口にくわえた脅迫メッセージを行員に渡す。“これは銀行強盗である。今から5分以内に犬のバッグに札束をつめろ。もし要求にそむいたら全員をかみ殺す”。この瞬間、バーニーがいきなり役目を放棄して逃げ去った。すでに愛犬にすらなっていたドーベルマン犬が、悪事を働かされるのを見るにしのびなかったのだ。残されたジューンが、犬たちに退去命令の音波を送る。ドーベルマン6頭は、農園への道をひた走る。だが、犬を操作する笛を持っているジューンが金を1人占めしようとしたから、計画は大混乱。農園に戻った犬たちは、待ち受ける3人に噛みつき、笛を奪うといずこへともなく姿を消した。

by ssm2438 | 2009-09-02 19:14
2009年 08月 05日

月のひつじ(2000) ☆☆

f0009381_714431.jpg監督:ロブ・シッチ
脚本:サント・シラウロ
    トム・グレイスナー
    ジェーン・ケネディ
    ロブ・シッチ
撮影:グレーム・ウッド
音楽:エドマンド・チョイ

出演:サム・ニール
    ケヴィン・ハリントン

        *        *        *

アポロネタは好きなので、見に行きましたよ銀座まで。しかし・・・意味のわからんタイトルにしたもんだ。「月のひつじ」ってなんだ??? 原題は『ディッシュ』、パラボラアンテナの通称。

<あらすじ>
1969年、7月16日アポロ11号が月面着陸に向けて打ち上げられることになった。N・アームストロング、E・オルドリン、M・コリンズの3人が乗り込む予定だ。NASAは当初、カリフォルニア州ゴールドストーンにある設備を利用し月面歩行の映像をとらえようとしていた。しかし、打ち上げのスケジュールが当初の予定より遅れたことにより、オーストラリアのパークスのパラボラアンテナが、月からの電波を捕らえることのできる理想的な位置にあることが分った。NASAの科学者たちは、羊しかいないそんな田舎町の連中に、世界的なイベントの中継が出来るのか懐疑的だった。

アポロ11号が発射される一週間前に、オーストラリアにやってきたNASAのアル・バーネット(パトリック・ウォーバートン)は、アメリカとの違いにカルチャーショックを受け、さらにこの一大イベントに反対する人々に直面する。彼をアシストするはずのスタッフはヒューストンの連中の仕事ぶりとは雲泥の差。一方、現地の3人のスタッフもこのアメリカ人の気難しいやり方に頭を抱えてしまう。

7月16日水曜日、予定通りアポロ11号は打ち上げられた。

7月17日木曜日。オーストラリア西岸上空を飛行中。アームストロング船長は「いい旅になる」とコメントした。世界中が月への夢を大きく膨らませた。そして、パークスの町は一挙に大統領、首相、ジャーナリスト達が押し寄せた。町長のボブはパラボラアンテナを誘致した第一人者だが今まで"ほら吹き"とか"夢想家"と密かに人々から嘲笑されていたのが、今では町の英雄だ。ボブの妻メイは公式行事に着ていく服が何枚合っても足らないとなげき、娘マリーと息子ビリーは、テレビから放送されるアポロ11 号のニュースに釘付けとなった。パラボラアンテナをを操作する4人の科学者達は人生を賭けるほどの重圧を感じていた。
中継は順調にいくかと思われたが、天候が悪化してくる。そしてオーストラリア人とアメリカ人のチームが1つになってこのトラブルに適切に対処、歴史的瞬間の映像を世界にもたらすことが出来たのだった。


いやああ、正直な話あの中継をみたのは私が小学一年生の時、なのではっきり覚えているわけではなかったのだ。で、この映画をみたときあらためて「あああ、こうだったんだ」って再認識できた。それが嬉しかったかな。あの時大人たちは、こんな思い出でみんなテレビにしがみついてたんだなあって。
映画自体はそれほど大騒ぎする映画ではないのだが、あの時代をきちんと実感させてもらえて嬉しかった。

by ssm2438 | 2009-08-05 06:37
2009年 08月 04日

靴みがき(1946) ☆☆☆

f0009381_2002754.jpg監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本:ヴィットリオ・デ・シーカ
    チェザーレ・ザヴァッティーニ
    セルジオ・アミディ
    チェザーレ・ヴィオラ
    アドルフォ・フランチ
撮影:アンキーゼ・ブリッツィ
音楽:アレッサンドロ・チコニーニ

出演:リナルド・スモルドーニ
    フランコ・インテルレンギ

        *        *        *

怒涛のどつぼ映画。こんなドツボ映画をネオ・レアリズムで描くか! すごいぞ!! でも見心地が悪すぎる。『自転車泥棒』くらいのストーリーなら見やすいのだけど、子の映画はただただドツボ。なのでドツボを描くためオンお勉強のみに適しているが、一般ユーザーにはどうみても不向きだ。

どんなに社会状況がドツボでも、男の子二人の友情というのは実に純粋なもの。映画の前半ではそれほど悲壮感はないのだが、この後半、それを大人の悪戯で踏みにじる。ちょっと心に痛すぎる!!

<あらすじ>
戦後のイタリア。占領軍のいるローマでパスクアーレ(フランコ・インテルレンギ)とジュゼッペ(リナルド・スモルドー二)の二人は靴みがきをやりながら元気いっぱいに生きている。二人の夢は貸馬屋の馬を買いとることだった。お値段が5万リラ。すでに4万4700リラもある。そのお金はアメリカ兵から貰ったチョコレートを自分では食べずに売るような小さな積み重ねから、占領軍闇物資の横ながしに協カしてもらった金のような犯罪に加担したものもある。
なんとか目標のお金をあつめ、馬を買い得意になって乗りまわした翌日、二人は詐欺の共犯容疑で捕まった。最後に仲間と共謀して騙した占い師は、その時(二人には知らされてなかったのだが)七十万リラも取られていたのだ。二人の監房生活がはじまった。取り調べがはじまり、二人は約束通り口を割らなかった。しかしパスクアーレはジュゼぺが拷間されているものと思い、ついしゃべってしまった。ジュゼッペは怒り、二人の友情はこわれた。

この拷問のシーンが心がいたい。二人は別々の部屋にわけられ、部屋の向こうにはズボンをおろされ鞭打たれているらしいジュゼッペの裸の足だけが、ムチの音とともにびくんとはねあげるのだけみえる。そのたびに叫び声が聞こえる。絶対に口をわらないと誓った二人だが、「お前がしゃべらない限り鞭打ちはやめないぞ」とおどされる。バスクアーレの決意はゆがんでいく。しかし部屋の向こうではジュゼぺは警官たちに口を押さえられ、ダミーの男の子が、警官が動きにあわせ叫び声を上げているだけ。
そんなことはしらないバスクアーレはついにしゃべってしまう。

そのうえジュゼッペは同房の少年と脱獄。パスクアーレはジュゼッペが預けた馬をひとりで持ち逃げすると思い、刑事たちとそこへ向かった。案の定そこにジュゼッペを発見したパスクアーレは怒り、誤って彼を殺してしまう。

by ssm2438 | 2009-08-04 19:22 | V・デ・シーカ(1901)
2009年 08月 04日

超音ジェット機(1952) ☆☆☆

f0009381_9312965.jpg監督:デヴィッド・リーン
脚本:テレンス・ラティガン
撮影:ジャック・ヒルデヤード
音楽:マルコム・アーノルド

出演:ラルフ・リチャードソン
    アン・トッド
    ナイジェル・パトリック

        *        *        *

実にプロジェクトXな映画であった。みなさん前向き。こういくスピリットはいいですね。この映画にしても、『海峡』みたいな映画にしても、とにかく前へ進もう、不可能に挑戦しようという心構え。さすがにこれを見たのは20年以上もまえのことなのではっきりとは覚えていないのだが、イギリスにも元気な時代があったのだなあと感心した。ものの本によると、戦後直後においてはジェット機の分野ではイギリスがトップに立っていたとか。そのごドイツの科学者をよこどりしたソ連とアメリカが優位を気付いていくのだが、このころまではイギリスのジェット機が一番速かったらしい。

こんな話をするとすぐ、『ライトスタッフ』のチャック・イエーガーを思い出すと思うのだが、実はそれ以前に世界各国の航空技術者たちが、誰が一番最初にサウンド・バリアを突き破るかを競っていた。音速と越えようをする機体は、それまで翼が機っていいた空気が前面に壁として立ちふさがる。それを突き破ってはじめて音速の域に達することができるというもの。

しかし、こんなジャンルの映画、デビット・リーンが撮るんですね。ちょっとびっくりしました。
まさに一世代まえの『ライトスタッフ』。

f0009381_932166.jpg<あらすじ>
1943年、それはまだ第二次世界大戦のまっただなか、英国空軍のトニイ・ガースウエイト(N・パトリック)は、婦人部隊のスーザン・リッジフィールド(A・トッド)と結婚した。スーザンの父ジョン・リッジフィールド(R・リチャードスン)は最新式の航空機工場を所有し、超音速のジェット機を作り出す野望に燃えていた。
戦争が終ると、トニイはスーザンの反対を押し切り、リッジフィールドの希望を容れてテスト・パイロットになった。研究所では新型快速機がプロミシウス号を設計していたが、この機が音の障壁を突破するとき、どういうことが起るかは全く謎であった。スーザンは生れて来る子供のためにも、トニイがプロミシウス号の試験飛行を行うことを止めるようにと懇願したが彼は聞き入れなかった。いよいよ試験飛行の日、トニイの操縦するプロミシウス号は音速に近づくや突如振動を感じ、墜落してしまった。その夜、スーザンは悲しみのうちに男の子を生んだ。
それでもリッジフィールドはまだ音速突破の夢を捨てず、トニイの戦友だったフィリップにプロミシウス第二号の試験飛行を以来した。機は遂に音速突破に成功した。

by ssm2438 | 2009-08-04 08:58
2009年 08月 03日

君たちのことは忘れない(1978) ☆☆

f0009381_0204651.jpg監督:グリゴーリ・チュフライ
脚本:グリゴーリ・チュフライ
    ヴィクトル・メレシコ
撮影:ユーリー・ソコル
    ミハイル・デムロフ
音楽:ユーリー・ソコル
    ミハイル・デムロフ

出演:ノンナ・モルジュコーワ
    ワジーム・スピリドノフ
    アンドレ・ニコラエフ

        *        *        *

チュフライの映画で唯一劇場でみた映画。

『君たちのことは忘れない』は、78年11月21日より79年2月中旬まで、モスクワ市内の代表的ロードショウ館“で公開されていたが、軍当局の指示で上映中止となり、同時に海外へ出すことも禁ぜられた“自宅監禁”映画。
チュフライ監督はかつて新聞に掲載されていた、12年間、箱の中に隠れていたという兵役忌避者についての記事をヒントにこの映画を製作したと語っている。また、「危険から自分の息子たちを護りたいという母親たちの気持が子供たちを積極的で活気ある生活から隔離してしまうことになる」ことを示したかったとも言っている・・とか。
そして映像もロシアの情緒を歌い上げている。戦争の終結をつげる白馬にのって炎を掲げて走る男の姿が実に圧巻。本編では戦争の現場は出てこないわけだが、それでも、その終わりを告げる炎がこれほどまで感度を呼ぶものかと自分でもおどろいた。

<あらすじ>
1943年、まだヨーロッパではソ連とドイツの戦いはつづいてたい。農婦マトリョーナ(ノンナ・モルジュコーワ)は長男ステパン(ワジーム・スピリドノフ)の行方不明の知らせを受け悲しみにくれるが、17才の次男ミーチャ(アンドレイ・ニコラエフ)にも召集とどけられる。吹雪の中をソリに乗って息子を駅まで送っていく母親。だが、ついてまもなく新兵が集合する駅が空襲にあい破壊される。その惨劇のなかミーチャを探し出す。彼は重傷を負っていたがまだ息があり、彼女はミーチャを自宅に連れ帰り看病する。戦死兵として処理されたミーチャも見つかれば処刑の運命である。マトリョーナはミーチャを屋根裏部屋に隠す。不安な毎日が続く中、捕虜となり生きていたステパンが生還を果たす。が、ミーチャの存在を明かすわけにはいかないマトリョーナはステパンと言い争い家から追い出してしまう。家をでて、かつての婚約者をさがすステバンだが、彼女も既に他の男と結婚していた。
戦争は終わった。しかしマトリョーナ親子に平和は訪れない。社会に出ることのできないミーチャは、かつて自分に恋心を寄せていたターニャの結婚式を覗き見て自殺をはかる。必死でとめるマトリョーナ。彼女は思い余って神父に相談するが、その反応は冷たかった。そんなある日、ステパンから結婚し子供ができたという電報を受けた彼女は、喜びの余りついに緊張の糸が切れて心臓発作を起こしミーチャの膝の上で息をひきとる。そしてミーチャは自首をするのだった。家から出てきたミーチャのやせ細った、ピンク白い肌には恐ろしいものを感じた。

うむむむ・・・、こころの痛むドラマだ。

by ssm2438 | 2009-08-03 23:21 | G・チュフライ(1921)
2009年 07月 10日

ある愛の詩(1970) ☆☆

f0009381_2585691.jpg監督:アーサー・ヒラー
脚本:エリック・シーガル
撮影:リチャード・クラディナ
音楽:フランシス・レイ

出演:ライアン・オニール
    アリ・マッグロー

        *        *        *

フランシス・レイの音楽は実によい!
この60年~70年にかけてのフランシス・レイの映画音楽は非常に郷愁を感じる。青春時代にこんな曲をきかされてると、この曲をきいただけで、わけもなく子供の頃の風景をおもいだしたりする。もっとも、この映画が公開された時の私はまだ小学2年生くらいで、リアルタイムでみたわけではない。一度どここかでテレビでは見た覚えがあったのだが、その頃の記憶はあいまいで、その後ビデオが出てからもう一度みてみた。・・・映画としてはそれほどどうのこうのというほどの作品ではないのだが、あのシンプルなドラマにフランシス・レイの音楽が合わさると、それだけでなにかしら感動したような気になってしまう。

<あらすじ>
物語はこの物語の主人公の回想シーンからはじまる。
オリバー(ライアン・オニール)は高名な良家の4世で、弁護士をめざして勉強中。アイス・ホッケーだけが趣味の世間知らず。ジェニー(アリ・マッグロー)はイタリア移民の菓子屋の娘で、大学の図書館の館員だった。しかし、オリバーは結婚を申し込んだ。オリバーは両親にジェニーを会わせるが、彼と父(レイ・ミランド)との間には深いミゾがあった。息子の身勝手さをなじる父は、送金を中止するという脅す。2人はジェニーの父(ジョン・マーレイ)にも会いに行くが、彼は2人を歓迎しながらも、前途を心配した。そして2人は結婚した。
学費や生活費のためジェニーは働く。オリバーは奨学金を申し出るが、「なにゆえバートレット家の御曹司が・・・」と受け入れられない。生活は貧しく対立することもあったが、愛し合う彼らは幸福だった。やがて、オリバーが優秀な成績で卒業し、2人はニューヨークのアパートを借り、オリバーは法律事務所へ勤めることになった。そんな新しい生活が始まったばかりのとき、ジェニーが白血病であることがわかる。病状は悪化し入院することになった。息子との仲直りを願っていたオリバーの父が、小切手を届けてきた。
ここでの台詞が、「愛とは決して後悔しないこと」

Love... Love means never having to say you're sorry.

父親が、「こんなことになってしまい、君たちが気の毒だ」みたいな台詞をうけてのこの言葉。
「僕たちが気の毒? 二人がそうしたかったからそうしてたのに、気の毒だなんて言葉はあてはまらないだろう」みたいな意だと思う。

・・・しかし、よくこの物語で『続・ある愛の詩』を作る気になったなあ。たしかにすごい名作でもなんでもないんだけど、これはこれで永遠にしまっておきたいと普通の人は思いそうだけど・・・。

by ssm2438 | 2009-07-10 02:19
2009年 07月 10日

アギーレ/神の怒り(1972) ☆

f0009381_2115346.jpg監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
撮影:トーマス・マウホ
音楽:ポポル・ヴー

出演:クラウス・キンスキー
    ヘレナ・ロホ
    ルイ・グエッラ
    セシリア・リベーラ

        *        *        *

名高きヴェルナー・ヘルツォークのもっとも有名な映画・・かな。でも、個人的には全然面白いとは思わなかった。『フィッツカラルド』のほうが好き。
フランシスコ・フォード・コッポラがこの映画からいくつかのイメージを移植して『地獄の黙示録』をつくってることは有名。『地獄の・・・』もこの『アギーレ/神の怒り』もつまらんところは一緒だけど。
ただヴェルナー・ヘルツォークが描く基本精神というのは、自然と闘うこと。自然に抱かれて生きようなどという考えではなく、「たとえ自然が相手でも自分のしたいようにするんだ!!!!」という強い意思。これがヘルツォーク映画の大好きなところ。同じつまんない映画でも、そのへんはコッポラとは一緒にしてほしくない部分があったりする。

ものがたりの背景は、1560年末、黄金郷エル・ドラド発見のためスペインの軍隊が、周囲の状況、地理を調査するため40人ほどの分遣隊を組織。その中には女性もいる。隊長の愛人やら副官の娘やら。彼らの話。そんな彼らがインディオの襲撃にあってどんどん人数が減る中、仲間内でも殺し合いがあり、結局いきのこったのはアギーレだけ。。

<あらすじ>
ドン・ロペ・デ・アギーレ(クラウス・キンスキー)は40人ほどで構成された分遣隊の副官。兵士の他には分遣隊長ウルスアの愛人イネス(エレナ・ロホ)、15歳になるアギーレの娘フロレス(セシリア・リヴェーラ)、僧ガスパル・デ・カルヴァハル(D・ネグロ)、貴族のドン・フェルナンド・デ・グズマン(ペーター・ベルリング)も一緒だった。
山を越えやがて河にでると、一行は三隻のイカダに分乗しエル・ドラドめざして川を下り始めるが、渦に巻き込まれりインディオに殺されたり、さらには増水した川にイカダを流されてしまう。アギーレは新たに筏を作るように命じた。しかし、ウルスアは本隊へもどることを主張。アギーレはウルスアを射つ。
アギーレは貴族のグズマンをエル・ドラド国の皇帝に任命した。しかし、彼はアギーレの傀儡にすぎなかった。新しい筏に全員が乗り込んで出発。途中、川べりの燃えている村に上陸するとそこは、人間の骸骨が散乱する異常な風景であった。食糧が底をついた。兵士もすこしづつインディの弓や槍の餌食となっていった。
そんななか、ひとり食事を楽しんでいたグズマンも兵士の怒りをかってクビをしめころされる。アギーレも生かしておいたウルスアを処刑した。
インディとの戦いや、自国の兵士たちの非道な行いをみていたイネスは自ら森の中に消えてゆき、もどならかった。インディオの放つ槍、矢のため兵士は続々と生命をおとす。イカダで生き残ったものはアギーレただ一人。

by ssm2438 | 2009-07-10 01:21