西澤 晋 の 映画日記

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2013年 08月 25日

原子力戦争(1978) ☆☆☆

f0009381_1324415.jpg監督:黒木和雄
原作:田原総一朗
脚本:鴨井達比古
撮影:根岸栄
音楽:松村禎三

出演:
原田芳雄 (坂田正首)
山口小夜子 (山崎明日香)
風吹ジュン (青葉翼)
佐藤慶 (新聞記者・野上)
岡田英次 (神山教授)
石山雄大 (青葉守)

     ×   ×   ×

おおおおお、何を撮っても面白くないパクラのような映画・・・、面白い!!

最初に書いておくが、私は原発推進派である。
・・・が、以下に書いたものは、私の主義主張とは関係なく、フィクションとしてのこの映画に関して書いたものだ。

しっかし、原発が画面のなかにあるだけで、なんだか燃えますね。全然関係ないけど、数日前にディスカバリーチャンネルで「チェルノブイリ原発第4棟みました。いやあああいいですな。まるでアンドレイ・タルコフスキー『ストーカー』のような雰囲気です。見てた番組は『怪物魚を追え』というシリーズで、番組のパーソナリティのジェレミーが世界各地をとびまわり伝説の怪物魚を釣り上げるというシリーズなのですが、今回はチェルノブイリ原発の冷水池に住む巨大ナマズの話。いまでも被爆防止のために滞在時間が制限されてるとか・・・。

ま、それはされておき、こちらの映画は原発事故をかくそうとする巨大な政治勢力と、それを暴こうとする原田芳雄佐藤慶の話。もっとも佐藤慶が相棒なので最後に裏切るのはみえみえなのですが・・・(苦笑)。雰囲気はめざせ『パララックス・ビュー』! この映画もゴードン・ウィリスが撮っていればもっとかっこよくなったのに・・・(笑)。でも、日本でもその社会的隠蔽工作のダークな雰囲気をだそうとしてかなりがんばってるきがします。もいっともパクラファンでなければかなり面白くない映画と捉えられても仕方がない部分は大いにありますが・・・。
舞台になっているのは某県某所の大浜原発(架空)。ただ現実問題ロケしたのは福島第1/2原発らしい。

話の発端はこんな感じ。
冒頭原発の街、大浜市の海岸に男女の溺死体があがる。手をつなぎその手は紐でかたく結ばれていたので警察も心中と判断。同じころ大浜を訪れる一人の男がいた。チンピラ風のその男は坂田正首(原田芳雄)。と青葉のぞみという女を捜しにきたという。なんでも50万を彼女に貸したままなのだが彼女が田舎に帰ったきり東京に戻ってこないので探しにきたという。
浜にあがった心中死体の女のほうが彼の恋人だった。坂田はのぞみの<ひも>であり、のぞみは大学をやめてソープで働きながら坂田を食わせていた。そんなのぞみがほかの男と心中などするわけがない。これは怪しいと考えた坂田が真相を追究していく・・・。

普通この手の物語は新聞記者とかそのあたりが動き出すのだが、今回はヤクザな男というところがちょっと柄が悪くなっている。しかし、この主人公の場合は社会問題とかは一切関係がなく、のぞみを殺した男が憎いというのだけが行動のモチベーションになっており、背後にあるのが巨大な隠ぺい工作なのだが主人公は実行犯に指示した男らしい人物をプスと刺してとりあえず復習したことになっている。
ま、最後は巨大な力にころされちゃうのだけど・・・。

そしてこの主人公が暴れまわるとなにかしら探りが入れやすくなると考えているのが新聞記者の野上(佐藤慶)。こちらは東京から地方にとばされ、なんとかスクープをとって本社に戻りたいとおもっているやさぐれ男。もっとも演じているのが『水戸黄門』悪役専門の佐藤慶なのでどうみてもそう思ってしまうのがちょっと残念。この男、最後は寝返るのだが、佐藤慶だと苦渋の決断にみえない(苦笑)。やさぐれてても正義感のありそうな人が願えるとけっこうインパクトあると思うのだがこの人だとねえ・・・、山本圭とかあたりだと良かったのに。

その後主人公をサポートしてくれる第一ヒロインが吹雪ジュン。おお、かわいい! 昔の彼女はこんなにかわいかんだ。・・・もっともとしとっても可愛いけど。『男はつらいよ 寅次郎の青春』(45作目)にマドンナとしてでてました。もうちょっとタッパがあったらかなりストライクゾーンでした。
こちらは死んだ姉から主人公のことは聞いていてちょっと興味をもってた女の子という設定。

さらにここから第二ヒロインが登場。心中したと思われる男のほうの妻。山口小夜子があやしい雰囲気だしてます。彼女の夫というのが原発で働いていた技師で、ある事故を告発しようとして殺された・・・というのがメインストーリー。一緒に殺されたのは心中ということにすれば後がらくだ・・・という理由。

もう一人のキーキャラクターが岡田英次演じる神山教授。どうも事故がおきたらしいということで原発に呼ばれた専門家がこの人。新聞記者の野上が原発事故の証拠書類をみせたのがこの神山教授。この人の言葉がかなり説得力があり、原作者の田原総一郎が取材をしてきたなかで得た数字や情報を盛り込んで原発推進はの立場をしっかり述べている。

・・・ここまでの設定で物語を転がせてればけっこう良かったのに最後一発蛇足がついた。
この神山教授と殺された山崎技師は師弟関係にあり、山崎の明日香と教授ができていた・・というオチ。これがあるがゆえにちょっと物語の軸がぶれてるような気がする。
もうひとつ要らないのはマイケル・ムーアみたいにアポなし取材を原発に慣行、ゲートのところで警備員とのやり取りをハンディカメラで撮っているのを入れ込んでいる。ちょっと胡散臭いな・・・。

・・・・でも、いろいろ面白かった。
とりあえず撮るだけとって、どうするか後で考えようって感じがATGらしい・・・(苦笑)。
でもこの映画、ATGのなかではけっこう普通に見られる映画だと思うのだけど。

by ssm2438 | 2013-08-25 13:26
2013年 05月 10日

セックス・メイド お掃除のあとで(1984) ☆

f0009381_14585972.jpg監督:林功
脚本:伴一彦
撮影:蔵本和人
音楽:ペギー・ミラー

出演:北原ちあき (森山栗子)

    ×     ×     ×

北原ちあきは、日活ロマンポルノ末期の女優さん。
おそらく日活が最後の推そうとしてた女優さんじゃないだろう。時代的にはアダルトビデオが全盛になるちょっと前にデビューしたけど、あっというまにレンタルのアダルトビデオが普及してしまい、映画もレベルが下がり、AV女優をつかうようになり、日活ロマンポルトとしての存在意義がなくなって行く時代にそこにいた女優さん。日活崩壊後は、何本はAVにもでてたけどほとんど忘れられた存在になってしまった。でも、個人的にはけっこうお気に入りで、スナイパー別冊の薄いSM写真集でてたのですが買いました。いまとなっては宝物ですね(笑)。
顔は水沢アキをこぶりにした感じでほっぺたのあたりは幼さを感じるライン。口がおちょぼ口。胸はそんなにあるわけではないのだけど、お尻がプリンとしてチャームポイント。とっても健康的で好きでした。
そんな彼女のロマンポルノ作品といういのは、実は1本もみたことなかったので、このさい見て見るかとはずれ覚悟で借りたのですが・・・・つまらんかった。こんな作品つくってたら誰も見ないと思うのだけど・・・。

しかし脚本は伴一彦。一応有名です。ただ・・・、やっぱりエロにコメディは似合わない。エロ作品をおちゃらけて撮ろうというのはそれだけで見る気なくしてしまいます。せっかくいかがわしい気分になりかけてるのに次の瞬間それを冷ますようなおちゃらけ。がっくりです。
また、音楽が最悪。「おまえらは小道具さんやら美術の人やら自分たちがお抱えのスタッフにし後と振らないといけないので作るしかったのだろうけど、これでお客が入るとおもっとるんか?」と言いたくなります。

<あらすじ>
東京メイドクラブに所属する森山栗子(北原ちあき)は、ご主人に絶対服従の教育を受けている。そんな彼女がメイドにはいったのは、バブリーな家では無く普通の世帯。そして主に世話するのがそこのねたきりのおじいちゃん。このじいちゃんがスケベ爺でいろいろ明るくエロく世話してる間に、元気になってしまった。めでたしめでたし・・という話。

by ssm2438 | 2013-05-10 15:03
2013年 01月 05日

ザ・オーディション(1984) ☆☆☆☆

f0009381_1113110.jpg監督:新城卓
脚本:中岡京平/川村俊明
撮影:栃沢正夫
音楽:馬飼野康二

出演:
世良公則 (北森修平)
浜田範子 (小早川範子)
鈴木幸恵 (三枝幸恵)
岩間さおり (風間沙織)
板谷裕三子  (兵藤裕三子)
志穂美悦子 (七瀬玲子)
平田満 (間宮秀丸)
中尾彬 (矢島)
池部良 (伍代章造)

     ×   ×   ×

健全な80年代ここに在り!!

80年代のアイドルグループ、セイント・フォーを主演にすえた青春サクセス芸能界モノ。久々にみましたこの映画、泣けますね~~~~。こてこてのセオリーどおりなんですけど、王道の素晴らしさを真正面からぶっつけてきますね。そして、あれだけ良い素材4人(浜田載子岩間さおり鈴木幸恵板谷裕三子 )のユニットを組みながらヒットさせられなかったプロデュースのへぼさ・・・。なぜ、この4人がメジャーになりきれなかったのか不思議で仕方がなかった。
当時この映画のプレビューが流れてる時は、もうときめいてときめいて、「日本にも健全さサクセスストーリーができたぞ、絶対見に行く!!」って思わせてくれた作品。で行きました。最後のもって行き方はもっと盛り上げれらたと思うのだけど・・・、これでも充分感動できた。
みてみるとキャラクターの書き分けもすばらしい。4人のなかでは一番ビジュアル的にうけなさそうな板谷裕三子の使い方が上手かった。それぞれのなかのドラマもけっこう味付けがバランスよく分散しててよかった。適役となるライバルプロデューサーの妾の娘役が範子・・というのもいい刺激剤。この関係が物語をやや複雑なものにしていて、途中解散してからの展開はどうなるのか見ているほうが心配してしまった。ただ・・・、あんまり気持ちよい方向には流れなかったので、あそこをもうちょっとなんとかしてほしかったかな・・・。
しかし、大筋では基本構成がすばらしく誰がとっても燃える話になってた、。・・・なのに、最後の「アンコール、アンコール」の大合唱のあと一気に「不思議東京シンデレラ」に行けばよかったのに・・・、どうせ新人賞の大会はジャックしちゃったようなものなのだから。あそこで次元変えられるのがちょっと悲しかったかな・・・。

で、観ているとスーパーヒットに繋がらなかったのもなんとなく判る気がする。まともすぎた。健全すぎて時代がスルーしてしまったのかもしれない。ダンスというより体操が出来るユニットで、当時はあれだけ動きながら生歌があたりまえの時代。浜田範子はかわいかったし、岩間沙織もすてがたい魅力があった。みなさんパーツ的にはどこか不細工なところがあるのですが、それでも4人が一緒にいると輝いちゃうんだ。この映画もかなりのお金をかけてプロモーションしたのだろう。あの映画のころのセイント・フォーはよかったねえ。写真集は2冊しかなかったような・・・。一冊は今ももってます『抱きしめてセイントフォー』、もうひとつはCDがついてるような写真集で写真のページが薄かった。買いましたよ。ただ、そのつくりが今ひとつ中途半端で、そんな作りするんじゃなくて、もうちょっとひとりひとりの綺麗な時代をもっときちんと写真集のなかに入れ込んで欲しかったなあ・・・。
なのにブレイクしなかった・・・。そして、解散。浜田範子と岩間さおりはヌードの写真集をだすことになった・・・。芸能界が売れなかった怨念を彼女達にむけてリベンジしてるようで哀しくなった。

<あらすじ>
かつて芸能界を席捲したロックグループ“レイカース"のリーダー・北森修平(世良公則)。しかし、スキャンダルに巻き込まれテ失墜、サンライズ・プロの社長伍代章造(池部良)に拾われてマネージャーとしてタレントのタマゴ祐三子(板谷裕三子)を売り出そうと懸命だった。しかしそんな伍代ともつまらないことからケンカをし会社をやめてしまう。
プータローとなった北森だが、彼を慕っていた祐三子も会社を辞め、2人だけで再出発することになる。原宿で踊っていた範子(浜田範子)をみつけたのをきっかけに、分かれた妻の友人の女性レーサーの妹・風間沙織(岩間さおり)、三枝幸恵(鈴木幸恵)を発掘、4人で新たなレイカーズを結成する。
自費でだしたレコードは2000枚。これだけではどうにもならない。北森は4人を音楽番組のオーディションへ参加させる。しかし、音楽業界を支配する矢島オフィスの社長、矢島(中尾彬)の防害はつづく。ある日、のり子の妹が彼女を訪ねてくる。母が死んだのだ。実はのり子の母は矢島の愛人だった。憎しみを矢島にぶつけるのり子。
ある新人発掘番組のオーディションをめざして死に物狂いで自分達の歌を仕上げていく4人。目には目をと審査員に裏金を配る北森だが、それでも矢島のほうが一枚上手だった。結果、優勝は別の新人にもっていかれる。矢島になんくせつける北森だが、ボディーガードにぼこぼこにされる。
さらに沙織の姉がサーキット場で事故死。憔悴の沙織は田舎に帰ってしまう。どうしてもスターになりたいのり子は幸恵と一緒ならという条件で矢島オフィスに引きとられ、コンビでデビューすることになる。祐三子はサンライズライズ・プロに出戻り。北森は行方知れず。
大晦日の新人賞めざす新人賞レースは矢島の推す森あかねが一歩リードしていたが、のり子と幸恵のファニーズも人気がでてくる。しかしそのころヒットチャートでは奇妙な現象がおきていた。たった2000枚しか出されなかったレイカーズのデビュー曲がラジオ番組などではトップテンにはいってきていた。
そして迎えた大晦日、新人賞の発表の日。ファニーズとしてはもう歌えないというのり子は、デビューまでのプロセスを涙を流しながら訴え、会場にきていた沙織と、おなじ新人歌手としてその場にいた祐三子をステージに呼び、レイカースとしてここで歌いたいと申し出た。ファニーズとして歌えないのならと一旦は会場から下ろされる人だが、観客のレイカース・コールが会場にとどろきわたった。
矢島の圧力もあったが、番組プロデューサーの決断でステージにあげられた4人はレイカーズとして歌った。

正直なところ、オーディションで優勝できなかったあと、みんながばらばらになり、なおかつ、のり子が矢島のもとにいく流れがみていてあまりに気持ちよくないのである。ちょっとそれまでのメンタルではそうなりそうにない展開なのに・・・と心が違和感を覚え、あそこでかなり冷めてしまうのだ。あそこをもう少し嫌悪感を感じないくらいのエピソードにできなかったものか・・と思う。
物語では、北森と離婚した玲子(志穂美悦子)が再びひっつく話も平行して描かれ、最後は路頭にまよっていた北森が、巷でながれているレイカーズの歌を聞いてるうちに思い出の場所にいきつき玲子と再会というハッピーエンドになっている。

素材がよかっただけに、その後の芸能活動をみると、プロデュースサイドがもうちょっとなんとかできなかったものか・・と残念におもってしまう。

by ssm2438 | 2013-01-05 11:20
2012年 07月 22日

39歳からの女性がモテる理由(ワケ)(2008) ☆☆☆

f0009381_23224233.jpg原題:FLIRTING WITH FORTY

監督:ミカエル・サロモン
脚本:ジュリア・ダール/ジェーン・ポーター
撮影:ジョン・ジョフィン
音楽:ジェフ・ビール

出演:
ヘザー・ロックリア (ジャッキー・ローレンス)
ロバート・バックリー (カイル・ハミルトン)
キャメロン・バンクロフト (ダニエル・ローレンス)
ヴァネッサ・ウィリアムズ (クリスティーン)
チェラー・ホースダル (アン)
ステファニー・フォン・フェッテン (ニコール)

     ×   ×   ×

すげええええええ、へザー・ロックリアがビキニでサーフィンやっとる!!!

ヘザー・ロックリアは、知る人ぞ知る『メルローズ・プレイス』のアマンダである。1961年生まれなので私よりも一つ上。メグ・ライアンの同い年。その彼女が5年前(当時46歳)にと撮ったTVMなのだけど、これがすごく健全でよいのである。劇中やってることはメグ・ライアンがやればはまりそうなことなのだけど、いやいやどうして、へザー・ロックリアで充分行けててます。あまりにほほえましくて愛してしまいますよ。

この物語の中でへザー・ロックリアが演じているのは39歳のジャッキーはバツイチ、コブ付きの女性。同じように子供をもつクリスティーン、ニコール、アンとジャッキーとつるんでいる。しかし、ジャッキーだけは先ごろ離婚したので男性関係はない。クリスマスは、子供達が元旦那とその新しい彼女と一緒にスキーに行くので、一人寂しいクリスマスを過ごすことになる。

この寂しさの描写がとても自然でよいのです。
他の人たちは一緒に過ごす人がいるのにジャッキーだけはいない。周りの人も気をつかってたりするのが、さらに寂しさを増す。普通の描写なのだけど実に切実にクリスマスの寂しさを描写してます。

そんな彼女が40歳になるのはあと5日後。12月30日が誕生日なのである。女友達の一人、クリスティーンがかなり気をきかしてくれて、2人でハワイにいって休暇をすごすという計画をたててくれた。感動するジャッキー。しかし当日クリスティーンの母親が骨折、病院に運ばれるという事態が勃発、クリスティーンは病院にいかなければならないという。もちろんハワイに一人で行って楽しいわけがない。本心ではいきたくないのだけど、それだと旅行をプレゼントしてくれたクリスティーンにも申し訳がない。結局沈んだ気分で一人ハワイへ飛ぶジャッキー。

冒頭から寂しさ描写オンパレードなわけです。で、これがすごくしみじみ染み込んでくる。大げさな寂しさ描写じゃないのだけど、親しい人からの壊れ物に触るように気をつかわれている感じ。でも、結局肝心な時はひとりぼっち・・の連打。素晴らしい脚本です。

ところが、クリスティーンがプランしてたアクティビティのなかにサーフィンがあって、そのインストラクターにであってみるとこれがいい男。なんだか、彼も気がある様子。もっとも、どうせ本土に帰れば終わってしまう話、だったら・・とひと時に情事にひたってみるジャッキー。ところがこれがとっても良かったりする。歳をきいてみると彼は27だとか。自分よりも12歳も年下の男と過ごしたハワイの3日間。

それっきりだと思っていた二人の関係だが、彼から電話がかかってきたことをきっかけに遠距離恋愛に発展していく・・・。

暇さえあればハワイに飛ぶジャッキーをみて、お友達連中もきがきではない。そんな可能性がなさそうな恋愛にいまさら溺れるの・・??みたいに。しかし、ジャッキーがハワイに行っている時に娘が交通事故に遭い、腕を骨折するしまつ。そんな時自分だけが幸せに浸っていたことに罪悪感を覚えたジャッキーはもうハワイには行かないことを決意する。

その後は、ジャッキーのうきうきモードは葬式のあとのようなげっそりとした日々に戻り、回りのお友達も彼女の遠距離恋愛に反対してたことに後悔しはじめる。とりあえず、だれか身近でデートする相手を探してみると、娘の交通事故の時に世話になった外科医とデートすることに。しかし・・・合わない。ひとり取り残されたレストランで、彼女は過去の人生のなかで、やりたいと思ったが出来なかったことをリストアップしていった。

その時からジャッキーは変わった。
言いたいと思ったことは言う。やりたいと思ったことはやる。その年のクリスマスには、子供達をつれてハワイに行くことにした。前回彼に電話をかけたときは、女の人が出た。でも気にしない。行かないと気がすまないからいく。そこで彼に彼女がいたのなら、子供達の一緒に遊んで返ってくれば良い。
吹っ切れたように潔くなったジャッキーの家でクリスマスパーティをしているときに、お客さん現る。
そう、彼であった。
一気に幸せになってしまうジャッキー。

恐ろしいまでに健全なアラフォー遠距離恋愛ものがたりでした。
久しぶりに気持ちのいい映画をみました。
このジュリア・ダールって脚本家の人、あなどれないですね。他にも『アップタウン・ガールズ』という作品のシナリオを書いているようなので、これもちょっとチェックしてみようかとおもってます。

余談ではあるが、キャスティングがとってもいいです。
憎まれ役の元旦那のキャメロン・バンクロフトもかなりイケメンだし、ヘザー・ロックリアのアラフォー友達のヴァネッサ・ウィリアムズステファニー・フォン・フェッテンもかなり美人です。主役のヘザー・ロックリアだけがちょっと年齢いってしまってるのですが、ほかのアラフォー世代の人たちはかなりいいところを集めてきてます。
まったく期待してなかったので、ちょっと得した気分になれました。

『メルローズプレイス』のころのへザー・ロックリア。美しかった。。
f0009381_23394971.jpg


by ssm2438 | 2012-07-22 23:31
2012年 07月 21日

恋の7つの副作用(2005) ☆☆

f0009381_149494.jpg原題:SIDE EFFECTS

制作総指揮:キャサリン・ハイグル
監督:キャスリーン・スラタリー=モシュカウ
脚本:キャスリーン・スラタリー=モシュカウ
音楽:ラルフ・ブルーナー

出演:
キャサリン・ハイグル (カーリー・ハート)
ルシアン・マカフィー (恋人のザック)
ドリアン・デミッシェル (上司のジャクリーン)

     ×   ×   ×

脚本はいいけど、演出と撮影はぼろぼろ・・・、
・・・しかし、キャサリン・ハイグルは素晴らしい。役者としても素晴らしいけど、それ以上にプロデューサーとして大変素晴らしい仕事をしたと思う。大絶賛に値する。


撮影が並みのレベルなら☆3つはあげられたのに・・・。実にもったいない作品。
とにかく喰い合わせが実に悪い。
ドラマのカテゴリーは、どちらかというと『プラダを着た悪魔』で、あののりで作ってくれたらこの映画はかなり傑作になっていたかもしれない。しかし・・・・、演出にかなり不備が目立つので興ざめする。もうすこしシーンのつなぎをしっかりしてほしいなあ。このしーん、あと2~3カットつんでから終わって欲しいとか思うことろがけっこうある。ラブシーンでハンディカメラを使うのはやめてほしい。ハンディカメラってのは、手ブレがどうしても生じ、そのシーンにカメラがあることをわからせてしまう。カメラの存在を見ている人に感知させたらそれは映画の画面ではなくなる。低予算なので、レールを敷くことすら出来ないのかもしれないが、そこは演出でカバーしてほしいものだ。いちいち、歩いてムードをたかめている会話をハンディで、歩きの上下動のあるなかで撮られる興覚めもいいところえある。せめて撮影だけでもまともな人を使ってたらかなりすくわれた映画になっていたのに・・・。

物語の冒頭はロマンチック・コメディ系のノリではいっていくのだけど、だんだん社会問題を取り扱う物語になってくる。トータルすると、DVDの表紙からうける印象ではなく、かなりシリアスは医療機関の告発社会派サスペンス(?)もので、まさに『プラダを着た悪魔』をフェルナンド・メイレレス『ナイロビの蜂』テイストで料理しているのである。おそらく監督は、表面にはでてないけど、『ナイロビの蜂』をかなり意識したと思う。ただ、融合のさせ方があまりに素人的で悲しくなる。
しかし、この人のシナリオは素晴らしいと思う。
プロデューサーはキャサリン・ハイグルなのだが、彼女は実に素晴らしい仕事をしたと思った。おそらく、誰も目をつけない名もなき脚本家の脚本を読んで「この人にこの映画を作らせてあげたい!」って思ったのだろう。演出的な才能なないにしろ、それでも作らせてあげたかったのだろう。それはあたかも、ブルース・ウィリスが無名だったM・ナイト・シャマラン『シックスセンス』をつくらせてあげたいと思ったのおなじ衝動だったにちがいない。

この映画で彼女は私にディーバになりました。
今のハリウッドでもっとも見るに値する作品をつくるプロデューサーはキャサイン・ハイグルです!
もちろん彼女の下着姿が素晴らしいのはいうまでもないことですが・・・。

<あらすじ>
MRとは、メディカル・リプレゼンタティブ(劇中では「ファーマスーティカル・レプリゼンタティブ」と呼ばれている)の略で、製薬会社のロビーイストである。製薬会社が大金を投じて開発した薬を医者と病院に売り込むのが彼女の仕事。ワーキング・プアーだったカーリー(キャサリン・ハイグル)は、見てくれのよさだけで、この蝕につくことが出来た。さらに会社からは新車も貸し与えられた。しかし、やっていることといえば、ドクターへのゴマスリばかりで、売上成績もひとりだけ足を引っ張っている始末。そんなときにザック(ルシアン・マカフィー)と出会う。彼もMRの仕事についていたが、こんなおべんちゃらだけの世界では生きていけないと、1週間でやめることを決意したという。その話を聞いたカーリーもあと半年間だけこの仕事をつづけ、それできっぱりやめることを決意した。すると心が軽くなる。
いままでおべんちゃらだけを言っていたのを止め、、ほんとのことを話しはじめる。薬に関しては、良いことも悪いことも全部包み隠さず話す。会社の利益やなんやかや・・・。するといままでほとんど相手にしてくれなかったドクターたちがカーリーの話を聞き、彼女のうる薬を買うようになり、売上は急上昇、上司のジャクリーン(ドリアン・デミッシェル)にも認められていく。

そこからは、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイのようにどんどん服装がキャリア・ウーマンしていく。しかし、ザックとの間には隙間風が吹くようになる。さらに、自分が売り込む薬には副作用があり、臨床実験では死者もでていことを知ってしまう・・・。

by ssm2438 | 2012-07-21 01:53
2012年 07月 08日

動乱(1980) ☆☆☆☆

f0009381_3152691.jpg監督:森谷司郎
脚本:山田信夫
撮影:仲沢半次郎
音楽:多賀英典

出演:
高倉健 (宮城啓介)
吉永小百合 (溝口薫)
米倉斉加年 (島憲兵曹長)
田村高廣 (神崎中佐)
志村喬 (宮城広介)
永島敏行 (溝口英雄)
にしきのあきら (野上光晴)
桜田淳子 (高見葉子)

     ×   ×   ×

吉永小百合が猛烈に可愛い。
この可憐さは驚異的です!!!


・・・といっても『キューポラのある街』の時のような、高校生的可愛さではないのです。大人の女の可愛さがに満ち溢れているのです。同じ森谷司郎『海峡』をみたときは、ちょっと添え物的な扱いでいまひとつだったのですが、この吉永小百合は存在感ありあり、絶対無敵の可憐さです。彼女のしぐさ、息づかい、涙、全部に感動いたしました。素晴らしいの一言です!

本作は二・二六事件を題材にした映画ですが、この映画を見るまでことの背景を理解してませでした。こういうわけで事件が起きたのですね。ニュアンス的には「大塩平八郎の乱」が近いようなきがします。
天保7年(1836年)の天保の大飢饉により、各地で百姓一揆が多発し、大坂でも米不足が起こっていた。このような情勢の下、利を求めて更に米の買い占めを図っていた豪商に対して平八郎らの怒りも募り、武装蜂起に備えて家財を売却し、家族を離縁した上で、大砲などの火器や焙烙玉(爆薬)を整え、江戸幕府に対して反乱を起こした・・というもの。
この二・二六事件も、それとにたシチュエーションで起こったといえるでしょう。急激な富国強兵政策の中、政治家と財界人の癒着が激しくなり、一部の人間だけの私腹を肥やすなか、庶民の暮らしは苦しかった。本編の中でも、冒頭のエピソードは、借金の為に遊郭に売られる吉永小百合・・というところから始まり、大陸に送られた高倉健の連隊の負傷兵からは日本陸軍の弾が摘出されるというもの。軍上層部も腐敗し、朝鮮人に陸軍の物資を横流ししているというようなエピソードでそれが語られてます。
高倉健が演じる本作の主人公・宮城啓介は、二・二六事件に関与した皇道派の人物の一人安藤 輝三(あんどう てるぞう)をモデルにしたのでしょう。ウィキペディアによると、どうやらこの人物はかなりの人格者だったらしく、まさに健さんキャラのようです。

気になる撮影監督ですが、今回は付き合いの長い黒澤組の斎藤孝雄木村大作ではなく、東映系の仲沢半次郎。もう少し引いて撮って欲しい部分はかずかずあれど、しかし、充分な質を提供してくれました。降旗康男『冬の華』も実はこの人なのですが、望遠系が好きな監督さんの気持ちは判っている人だと感じました。
そう、今回のこの映画は、東宝系ではなく東映の映画なのです。

脚本の山田信夫は、山本薩夫『不毛地帯』『華麗なる一族』『戦争と人間』など、重厚系のドラマを書ける人なので、この物語も充分存在感のある物語にしあがってます。『皇帝のいない八月』なんかもやっているようで、クーデーターものは意外と好きなのでしょうか??

<あらすじ>
昭和7年4月、仙台。宮城啓介(高倉健)が隊長をつとめる中隊の初年兵、溝口(永島敏行)が脱走した。溝口の家では生活が困窮し、遊郭に売られる姉の薫(吉永小百合)に一目会いたいという想いからだった。溝口は捜索隊の上司を殺してしまい、宮城が弁護に立つも、死刑が確定し銃殺される。無念の宮城は、せめて香るだけは助けたいと、父から千円(当時の価値だと200~300万はあったのだろう)を借り、薫に渡す。それが宮城と薫の出会いだった。
それから時がたち、宮城は大陸に赴任する。その殺伐のした軍隊生活の中、陸軍上層部が呼び寄せた慰安婦の中に薫がいた。あの千円で、遊郭に売られるのは避けられたが、その後死んだ父の借金のために結局こうなったという。無念の宮城は、薫を抱かずに立ち去るが、その後薫は悔しさのあまり自殺をはかる。
一方、連隊本部にもどった宮城は、地元業者が陸軍の物資を運び出そうとしている現場に遭遇、これを取り押さえるが、軍上層部の判断でその業者は放免される。そこでは朝鮮ゲリラへ軍需物資の横流しが平然と行なわれるほど腐敗し、戦場で敵が使っている銃弾は日本製だった。そのためで死んでいく兵士達の無念は計りがたいものだであり、本国にもどった宮城は軍上層部にモラルの浄化をもとめる嘆願書を書く。

昭和10年10月、東京。宮城は第一連隊に配属になり、薫と共に居をかまえた。しかし、二人の間にはまだ男と女の関係はなかった。官城の家には多くの青年将校が訪れ、昭和維新を熱っぽく語り合っていく。そんな彼等を憲兵隊の島謙太郎(米倉斉加年)が見張っている。
宮城は薫と伴に鳥取に向かった。恩師であり皇道派の長老格でもある神崎中佐(田村高廣)を訪れ、決意を語るためだった。神崎の家庭の幸せをまのあたりにみた薫は、その帰り、「私の体は汚れているから抱けないんですか」と痛々しく宮城につめよる。
数日後、軍務局長暗殺を神崎が単身で陸軍省におもむき果してしまった。この事件のために宮城は憲兵隊に連行され、取調べの最中に毒をもられる。返された宮城だが3日3晩静止の間をさまよい、薫が必死に看病した。決行の日が決まり、宮城は実家に帰り父(志村喬)に薫のことを頼むと、はじめて彼女を抱くのだった。
そして昭和11年2月26日、早朝。降り積もった雪の中を兵士達を乗せたトラックが軍寄宿舎を出て行く。

最後の味付けがまた素晴らしいんだ。
クーデターに失敗した宮城たちは裁判にかけられ、死刑が確定する。そして近親者による面会が許されることになるが・・・、薫には妻としての籍はなかった。入れてもらえない薫。
その後、役所に行き、宮城の父に同伴してもらい、婚姻届を提出し、妻としての籍を得る薫。
そして獄中で「私は、貴方の妻になりました」と報告する。


森谷司郎+山田信夫の組み合わせだと、どうしても社会性の強い実録的映画になるのかなっておもっていたのですが、メロドラマ性のほうがつよいですね。しかし、森谷司郎の見せ方は、どこかさらっとしてて、どろどろにならない清潔さ(悪く言えば「業の薄さ」)があります。私の中ではこれはコレコテのクーデターの映画でもなく、戦争の映画でもなく、ただひたすら吉永小百合の映画です。高倉健はいつもの高倉健なのですが、吉永小百合はぶっとんで素敵です。彼女の仕草が全部素敵。これは吉永小百合が作り出す、あの可憐な空気感を感じる映画なのです。それはもう『カリオストロの城』のクラリスなんかの比ではありません。はるかにこえて凌駕してます。
初めて高倉健に抱かれるときに目の涙が絶妙。すごいです、あのカットは。音楽とあいまって、強烈は感動カットになってしまった。
『天国の大罪』でぼろぼろだった吉永小百合ですが、あれはキャスティングミスでしょう。彼女の良さが輝くところにきちんと配置してあげれば、シリウスのように輝きます。
ベスト・オブ・吉永小百合はこの映画で決定でしょう!!!

by ssm2438 | 2012-07-08 03:17
2012年 04月 08日

丑三つの村(1983) ☆☆☆

f0009381_0171250.jpg監督:田中登
脚本:西岡琢也
撮影:丸山恵司
音楽:笹路正徳

出演:
古尾谷雅人 (犬丸継男)
田中美佐子 (やすよ)
池波志乃 (えり子)
夏八木勲 (赤木勇造)
五月みどり (赤木ミオコ)
大場久美子 (竹中和子)

     ×   ×   ×

池波志乃さん体ってほんと昭和ですね。

津山事件をモチーフした映画といえば、1977年に製作された『八つ墓村』がある。もっとも『八つ墓村』の場合は、津山事件の物語のネタにつかっただけで、そのものを描いたわけではない。それにくらべてこの『丑三つの村』は津山事件を再現しようとしている映画にあたる。

見終わった感想は・・・、思った以上悪くない。
つまり、主人公がそこにいたる気持ちもわからんではないな・・と思わせてくれるから、遊び半分でスプラッタやってみました・・というのとは違うなと思えるからである。この映画の中の主人公は、おそらくかなりの理想主義者だったのだと思う。そして、やらなければ自分がやられるとう状況でもあった。ただ・・・、もうすこし追いつめてもよかったかな。あそこまでみんなを撃ち殺していくモチベーションとしてはやや緩かったような気がする。
残虐シーンが話題になった映画だが、今見るとそれほど残虐というものではなかったような気がする。もっとも、最近はお下劣なスプラッターどろどろモノが反乱しているので、それになれてしまった部分はあるかもしれない。
以下、その事件を起こすにいたる要因を整理してみよう。

時代背景は、大陸ではそろそろ日中戦争が勃発しはじめている昭和12年。村の男達は、徴兵検査に合格して戦場に行くことを誇りに思っていた時代。もっとも、本心ではそうではないかもしれないが、若い頃からお利口さんとして育った主人公・犬丸継男(古尾谷雅人)にとっては、学校で教えられた規則や理想をそのまま受け取っていたのだろう。
しかし彼は理想はもろくもう打ち砕かれる。彼は父と母を結核でなくし、自らも結核もちであり、徴兵検査では「丙種合格」(早い話が不合格)となる。「兵隊に行かなくてもよい」という状況はいろいんな意味で村の者から忌み嫌われることになる。

この村には「夜這い」という週間がある。家の男が、仕事や兵隊で外に出ているときに、その女の家を男達がたずね、“H”をしていくのである。ある夜、散歩をしていると、人妻のえり子(池波志乃)と村の有力者、赤木勇造(夏八木勲)が絡み合っているのを目撃する。赤木は夜這いの取り締りを提案した張本人で、彼のことを汚いと思うが、同時に自身の性のうずきも強く感じるのだった。
ただ、この「夜這い」の取り締まりというのも、村の業がかなり反映されている。そのころ村には、他の土地から来たごろつきの若者がいて、自分大が「夜這い」をするのはいいが、彼等が村の女たちを抱きまくるのは許さん!ということだったのだろう。

数日後、継男はえり子の所を訪ね、赤木のことを話すが逆に床に誘われてしまう。抵抗できない継男。あえなくしごかれて即発射。「えろう早撃ちなんじゃなあ」とあしらわれる。
えり子を演じた池波志乃さんのからだが素晴らしいです。実に昭和女の体。
また、継男の家にお金をかりにきた親戚にあたるみや子(五月みどり)にも、「今お父ちゃんが外にでていないの・・」と夜這いを誘われる。無事初体験を済ませる継男。
しかし、彼女等も、継男が結核もちであり、徴兵検査に合格しなかったことから毛嫌いをし始める。

そんな中で、和子(大場久美子)は親切にしてくれたが、それは継男の結核を知らなかっただけで、病気のことをしると他の村人以上に冷たくなった。継男は腹いせに和子に夜這いをかけるが、間違えて母の常代の布団に入ってしまい、母娘二人からなじられる。これはかなりみっともない・・・。

その夜、闇の中でよそ者のごろつき男をみんなで袋叩きにしているところを目撃してしまう。翌日首をつったその男の姿があった。駐在さんに真実を話そうとする継男だが、赤木勇造らに封じ込められてしまう。
「村のことはわし等で決める、お前のこともな。みんなでどうするか決めるけん、結果がでたらあとでおばばのところに話しにいく。まっとれ」とすごまれる。

これらの要素が融合して狂気に発展していったというわけだ。

そしてその狂気に発展していく継男を正常にたもっていたのが幼馴染のやすよ(田中美佐子)の存在。しかし、彼女とは遠縁の親戚にあたり、結婚は出来ない。やがてやすよは親が決めた結婚相手のものにとついで行く。しかし、そのやすよが離縁されてもどってくる。継男と付き合っていたのが原因という。やすよの風呂場をのぞいていた継男は風呂場に侵入、彼女をおしたおしてしまう。継男には抱かれてもいいとおもっているやすよだが、突然発作を起こし湯船のなかに吐血してしまう。なせけない継男。
「わしゃあなんにも出来んなさけない男じゃあ」と、その血でそまった湯船の湯を桶ですくって頭からかぶる継男。
「べつのあなたの血なら平気よ」って感じでやすよも桶ですくって自分であたまからかぶる。
この一連の動作が2~3回繰り返されるのだが、ひたすら田中美佐子が可憐である。
どろどろした世界のなかで、この田中美佐子だけがひたすら美しいのである。この田中美佐子が描けただけでこの映画には意味がある。すばらしいです。

結局この場は逃げ出してしまう継男ですが、のちに草むらのなかで2人は“H”することになる。
よかったねー継男君!
しかし、そんなやすよも再び嫁に出て行く。
よりどころを失った継男はかねてから計画していた浄化のための戦いに出て行く。


陰惨なドラマだが、とにかく田中美佐子だけは傑出して美しい。心も身体も・・・。
この美しさがあるからか、悪趣味なだけの映画には見えなかった。
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by ssm2438 | 2012-04-08 00:17
2012年 03月 20日

彼女のアリバイ(1985) ☆

f0009381_8342933.jpg原題:HER ALIBI

監督:ブルース・ベレスフォード
製作:キース・バリッシュ
脚本:チャーリー・ピータース
撮影:フレディ・フランシス

出演:
トム・セレック (フィル・ブラックウッド)
ポーリーナ・ポリスコワ (ニーナ)

     ×   ×   ×

ぷ・・・ぷ・・・プレディクタブル

話の導入部はこんな感じ。
フィル・ブラックウッド(トム・セレック)は小説家だったが、結婚が破局を迎えて以来、もう4年もスランプが続いていた。新しいイメージも出て来ないフィルは、編集長にも促されて、ネタ探しに裁判所の傍聴席に足をはこんぶ。そこで見つけたルーマニア移民のニーナ(ポーリーナ・ポリスコワ)。英語もたどたどしい彼女は、なんでもある男をハサミで殺した容疑で裁判にかけられている。
彼女の儚げな魅力に魅了されたフィルは、翌日神父に化けて(このへんからすで在り得ないのだが)拘置所に潜入、彼女と会ってしまう。フィルは彼女に「アリバイを提供する」と申し出る。ニーナはなにがどうなったのか分らないが、とりあえず出られるのならと、その申し出を受ける。フィルは、「ニーナは自分の彼女であり、その時間帯は彼女と“H”をしていた」と証言、結果彼女は拘置所から解放されることになる。

はっきりって在り得ない設定なので、投げ出したくなる(苦笑)。ま、どこまで見ても映画そのものはあんまりお勧めできるものではないのだが、唯一の救いはヒロイン、ポーリーナさんの可憐さ。
彼女は『銀座じゅわいよくちゅーるマキ カメリアダイヤモンド』のCMに出ていたチェコスロヴァキア生まれのスーパーモデル。顔かたちがいかにもコテコテの東欧系テイスト、ぱっとみあまり好みではなかったのだが、映画の中でうごいてるとこれが猛烈に可愛いんだ。
これは彼女に限らず、東欧系の女優さんってこういうギャップがあると思う。日本人にとっては「いかにも」って顔立ちなので近寄りがたいイメージをあたえるのだけど、動くと普通っていう感じ。そのギャップが日本人には妙に魅力的にみえたりする。残念ながら『カメリアダイヤモンド』のCMだとコテコテの東欧美女のテイストしか全面に出てないので彼女のホントの魅力は分らないと思うが、彼女の魅力はやっぱりこの映画だろう。

トム・セレックは、旧くは『未来警察』『スリーメンアンドベイビー』『Mr.ベイスボール』などで有名ですが、最近の『警察署長 ジェッシイ・ストーン』はなかなか素敵! 
監督は『ドライビング Miss デイジー』ブルース・ベレスフォード。彼がその数年前にとったのがこの映画。世間ではほとんど知られておらず日本でもビデオ発売のみ。正直なところ、コメディとサスペンスの噛み合わせがギクシャクして楽しくないので、映画としてはあまり面白いとはいえない。

やっぱり導入部で失敗してると思うんだ。殺人事件の容疑者として裁判にまで行ってしまってる容疑者を、小説のネタと下心のために衝動的に拘置所から出してしまうのか??? コメディでいくなら殺人がらみにはすべきじゃなかったのでは? ほかにも殺人を絡ませない物語の展開がなかったものか?? 殺人となると、それもヒロインがその容疑者となると、今ひとつ楽しくない!
・・・がしかし、この物語設定でコメディ調で展開される。はあ~~。。。

彼女を釈放するために、嘘のアリバイを提供したフィルは、彼女を田舎の自宅に連れて行く。そこに刑事のフランクが現れる。彼はフィルの証言は信じていないのだが、しばらく泳がせてる感じ。フィルが生きている間は、その証言が嘘だったと覆すことは可能だが、もしフィルが殺されたら・・・、その時は嘘のアリバイは成立してしまう。「ま、あんたも気をつけなさいよ」という警告だったりする。
そこでのニーナの立ち振る舞いは可愛いだけなのだが、時折素晴らしい身体能力を発揮したり、怪しいルーマニア男に付回されているような気配も感じる。
フィルは、もしかしたらホントに殺されるかもという疑心暗鬼もありつつ、彼女の周りに起こる怪しげなシチュエーションを小説にネタにして、どういう結末になるのか分らない現状を文字におとしていく。最終的にはこの一連の出来事が小説になりベストセラーになるってありきたりの展開ですが、オチとしては彼女がルーマニアのサーカス団の一員で、ああだこうだ・・という話で、もちろん彼女が殺人事件の犯人ではないのだけど、どこまで真剣に捉えていいのかわからないまま、最後まで行ってしまった(苦笑)。

以下ポーリーナ嬢のお写真、集めてみました。
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by ssm2438 | 2012-03-20 08:37
2011年 12月 23日

馬を売る女(1982) ☆☆☆

f0009381_13223822.jpg監督:井上昭
原作・松本清張
脚本:国弘威雄
音楽:小六禮次郎
撮影:原秀夫
美術:川崎軍二

出演:
星野花江:風吹ジュン
八田英吉:泉谷しげる

       *        *        *

松本清張サスペンス 傑作選[大映テレビ・TBS編] をごそっと買ったなかにはいっていた一本。制作には、大映テレビとともに霧プロダクション(1984年に松本清張野村芳太郎らとともに設立した会社で、松本清張も代表取締役に就任している)が絡んでいるので、作品の質もきわめてしっかりしている。
松本清張作品というのは、物語があまりにしっかりしすぎていて、技量のない作り手が、曲や広告代理店のプロデューサーの言いなりになってしまうと、マトモな作品にならない。
私は増村保造のファンで、原作も読んだことがあり、その事件の舞台となった善福寺公園もしっているので、どうしても『黒い福音』がみたくて、これを購入すたのだけど、一番当たりだったのがこの『馬を売る女』だった。
この作品は松本清張のなかの短編を、大映スタッフがモディファイドした作品なれど、近年巷にあふれる松本清張原作のテレビドラマや映画よりははるかに出来が良い。

本作の監督の井上昭は大映時代に溝口健二森一生吉村公三郎らについて仕事を覚えた。この映画でも、きわめて妥当なレイアウトが、今となっては貴重である。今の日本映画の何も考えてない糞レイアウトを見ていると、このころのあたりまえだった画面が崇高にみえてしまう。
撮影監督は原秀夫。東映の特撮ものなどの撮影監督だったのだが、テレビの普通のドラマの撮影監督をするようになっている。彼が富田靖子主演の『アイコ十六歳』を撮ってくれたのは幸せなことだ。

<あらすじ>
星野花江(風吹ジュン)は、恋愛神経がほとんど機能してない30半ばの独身女性。とある会社の社長秘書をしているのだが、無駄口をきくことはなく、与えられた仕事を無機質に黙々とこなしていくだけの女だった。しかし、彼女にはひそかな営みがあった。
競馬の予想である。堅物で賭け事などはまったくしないように見えるの彼女だが、彼女の競馬予想は当たった。どこからかその噂をききつけた男達が、彼女から情報を買うようになっていた。彼女のノートには、彼女から情報を買うことを契約した男達のリストがずらりと並んでいて、彼らから月ぎめで入金されていたのだ。質素に思割れた彼女は、実は大金持ちではないにしろ、かなりの貯蓄をもっていた。
しかし、あるときから、その予想があたらなくなる・・・。

星野花江が秘書をつとめる社長・米村重一郎は馬主だった。会社の電話で馬主仲間と競走馬の情報を交換することもあった。あの馬は病み上がりだから勝てないとか、あの馬は足に故障をかかえているから勝てないとか・・。花江はそんな電話をこっそり盗み聞きし、その情報をリストの男達に売っていたのだ。しかし、そのことに気づいた米村は、彼の会社の孫請け会社の八田英吉(泉谷しげる)に調査を依頼する。八田の提案で、米村はニセの競走馬情報を流すよう手配した。

競馬予想が不振に陥った星野花江は、気落ちしているように見えた。自分が破滅させた女に少なからず興味をおぼえた八田英吉は江戸川区まで花江を尾行し、いつしか2人は気軽な話すようになっていた。八田は、はっとしない男だったが、花江にとっては初めて自分を求めてくれる「男」だった。生まれてこのかた男に求められたことのなかった花江にとってそれは、初めてのトキメキだった。
自分の工場の資金繰りが厳しい八田は、彼女の貯めた金を大量に借り始めた。それすらも花江にとっては喜びだった。しかし、八田への貸金が累積し、生活設計が狂ったことに気づき、花江は自分がバランスをくずしていることに気づく。返済を先延ばしする八田に対して、花江の請求は徐々に厳しくなっていたった・・・。


風吹ジュンは可愛すぎるうううううううううううううううう!!
1952年生まれの彼女は、このドラマが公開された時には30歳だったが(撮影されたときはもしかしたら最後の20代だったかもしれない)、あまりにも可愛すぎる。こんな女がいたら、それはどれだけ部長面をいつもしてるからといって、男に相手されないわけはない。そういう意味ではやや理解しがたい主役設定だったが、しかし、可愛い人のほうがみていて楽しいのでそれはよしとしよう。
そんな風吹ジュンが、今まで男と恋愛したことがない女を演じている。そして一気にはじめての恋愛が怒涛のようにおしよせてくる。いままで感情らしいものすらなかった彼女が、八田といるだけで、幸せに感じ始める。「もう一人じゃないんだ」という安心感に一気に溺れていく。そんなはじめての体験群が彼女の平常心に異変を生じさせてしまった。
ただ、これ以前にTBSに東芝日曜劇場(1時間枠)で放送されていて、その時は倍賞千恵子が演じていた。おそらくこちらのほうが、原作には近いイメージだっただろう。

最終的には彼女が八田に殺されて終わるのだが、彼女が八田に貸していたお金には、担保などの起債もなにもなく、借用書としては意味のないことがわかる。彼女は、八田に貸したお金は、戻ってこないかもしれないということは理解しており、それでもいいと思って貸していたのである。
そのことを知った八田は最後、彼女の部屋でなきつずれるのだった・・・。


ちなみにこのボックスに入っていた以下ラインナップは以下の通り。

『黒い福音』
 神父の疑惑 スチュワーデス殺し
現実に起きた未解決のスチュワーデス殺人事件に松本清張が推理と解決を提示した問題作を映像化!
原作:松本清張/脚本:新藤兼人/監督:増村保造/出演:宇津井 健、三浦友和、片平なぎさ、五月みどり、杉浦直樹
[本編]122min.(1984年11月26日TBS系にて放映)

『内海の輪』 大学助教授の不倫の決算 蓬莱峡に消えた死体
教授昇進を控えた新進気鋭の考古学助教授邪魔になった愛人を断崖から突き落として殺害するが…
原作:松本清張/脚本:中島丈博/監督:井上 昭/出演:滝田 栄、岡 まゆみ、井川比佐志、宇津宮雅代
[本編]94min.+[映像特典]ハイライト(1982年4月17日TBS系「ザ・サスペンス」にて放映)

『馬を売る女』 お願い!もう一度だけ好きだといって・・・・
馬主の社長のもとに集る情報を商売にしていた秘書家族も友人もいない女は愛人に金を貢ぎ続けるが…
原作:松本清張/脚本:国弘威雄/監督:井上 昭/出演:風吹ジュン、松本留美、仲谷 昇、高橋昌也、泉谷しげる
[本編]94min.+[映像特典]ハイライト(1982年10月23日TBS系「ザ・サスペンス」にて放映)

『共犯者』  男二人をお手玉したカワユイ女ともだち
銀行を襲撃して奪った金で商売を始め成功した男疑心暗鬼からかつての共犯者の監視を開始するが…
原作:松本清張/脚本:中島丈博/監督:井上芳夫/出演:平 幹二朗、春川ますみ、畑中葉子、あき竹城、片桐夕子、尾藤イサオ
[本編]94min.+[映像特典]ハイライト(1983年3月5日TBS系「ザ・サスペンス」系にて放映)

by ssm2438 | 2011-12-23 13:24 | 松本清張(1909)
2011年 10月 07日

墨東綺譚(1992) ☆☆

f0009381_12163011.jpg監督:新藤兼人
原作:永井荷風
脚本:新藤兼人
撮影:三宅義行
音楽:林光

出演:
津川雅彦 (小説家・荷風)
墨田ユキ (お雪)

       *        *        *

雨宮時空子おおおおおおおおお!!

VHSが世間に広まりレンタルビデオ屋発展にともなってアダルトビデオが繁盛しはじめた頃、一見のアダルトビデオ屋で雨宮時空子なる人のビデオをみつけました。名前がいい。「時空」と書いて「とき」と読ませる。

いやあああ、雰囲気がいいんだ。借りてみると内容は動くビニ本程度のもので、そんなに擬似エッチばかりで、フェラチオなんてないようなもの。内容は需要にぜんぜんおいついてなかったのですが、この女優さんだけは輝いてました。この人は、きちんとした映画にでてくれないかなとずううううううううううっと思ってたのだけど、しばらくすると彼女のビデオもほとんどみなくなってしまい多分出演したのも10本もないと思う。素材的にはとても魅力的なのに、「惜しい・・、実に惜しい」と思わせる人でした。それから10年くたいして実現したのがこの映画。
あれ・・・、どこかで見た人・・・????って思ったらあの雨宮時空子さんではないですか!!!
当時は感動でした。ただ、この時はすでにかなりやせていて・・・、個人的に時空子時代のちょっとぽちゃっとしてるくらいのほうが良かったかな。あのときの清楚な新鮮さを知っていると、この映画の時にやせ細った墨田ユキ嬢にはちょっと残念な想いがしたのでした。。。
そうはいっても、映画の中で彼女が演じるお雪という女郎さんはなかなか純朴で素敵です。
しかし名前がよくない。なんで「墨田ユキ」なんですか? どうみたった「雨宮時空子」のほうが素敵じゃないですか!!!! そんなわけで、実はネガティブなイメージがつよかったこの映画ですが、ま、この映画がきっかけになって雨宮時空子時代の掘出しモノのVHSが世に出回り、私も懐かしさで中古のVHSと、当時発売された墨田ユキの写真集を買ったものです(苦笑)。

f0009381_739561.jpg監督は『しとやかな獣』『清作の妻』の脚本をてがけた新藤兼人増村保造の影響なのか、突き抜けてる感のあるライターあがりの監督さんです。個人的には増村保造作品の脚本をかいていたときのほうがなんとなく好きですが、古きよき時代の大映の面影を感じられるので嫌いではないです。ただ・・・好きかといわれるとそうでもない。突き抜けたようなパフォーマンスをしてる・・という印象かな。はずしたときはかなりイタい(苦笑)『地震列島』はかなり辛かった・・・。

今回のこの『墨東綺譚』は原作ありきの作品なので、あまり暴れようがなかったという感じ。原作の主人公を、原作者本人に置き換えて作ったあたりにある種の「ちがい」をかもし出しているのがひとつのミソ。
これってけっこう珍しいアレンジの仕方。ただ、健全なアレンジだとは思わない。しかし、妙な感覚である。
物語に登場する主人公は、なんだかんだいってもそれを書いた人の人格の切り売りみたいなものなのだけど、一応違う人物として描かれているもの。それを、この物語では、主人公を原作者・永井荷風にしているので、「じゃあ、原作者はだれなんだ?」という不思議な感覚におちいる。その<不思議な感覚>というのは・・・、つまり、「原作者不在の物語」みたいな感覚なのである。
だからどうだ?って言われると、「イや別に・・それがどうしたというわけではないのだけど」・・ってことになるのだけど、実に妙な感覚がのこることは確かである。

<あらすじ>
社会の底辺に生きる女性達に目が向けていた小説家の荷風(津川雅彦)は紅燈に親しむことも多く、文人たちから遊蕩児とみなされていた。そんな家風が、ある雨の日に玉ノ井のお雪(墨田ユキ)と出会う。女郎という世界に生きながらも清らかな心をもったお雪の純情さに惹かれた荷風は、彼女と結婚の約束をする。だが東京大空襲の戦火に巻き込まれて、二人は別れ別れになってしまう。それから7年、お雪は新聞で荷風が文化勲章受章者の中にいるのを見て驚くが、あの人がまさかこんな偉い人ではないだろうと、人違いだときめてしまい二度と出会うことはなかった。

by ssm2438 | 2011-10-07 12:19