西澤 晋 の 映画日記

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2009年 12月 22日

椿三十郎(1962) ☆☆

f0009381_521112.jpg監督:黒澤明
脚本:菊島隆三、小国英雄、黒澤明
撮影:小泉福造、斎藤孝雄
音楽:佐藤勝

出演
三船敏郎 (椿三十郎)
仲代達矢 (室戸半兵衛)
加山雄三 (井坂伊織)

        *        *        *

これは楽しい侍コメディ映画だ。『用心棒』の続編に位置するこの映画、前作で外の桑畑をみて「桑畑三十郎」と名乗ったこの侍、今回は庭の椿が目に入り「椿三十郎」と名乗るのだけど、それがそのままタイトルになってしまったとさ。しかし、『用心棒』より面白い。ただ、今の人がこれをみて面白いかどうか・・。

<あらすじ>
志清らかな若者武士九人は、藩の汚職事件を知ってしまい、城代家老睦田にその胸を伝えたのだが、大目付菊井に「まあまあまあまあ」と癒されて追い返されてしまう。しかたなく薄暗い社殿でこれからの対策を検討していると、よれよれの紋付袴の素浪人(三船敏郎)が現れる。その浪人者は、城代家老と大目付こそが黒幕だといって皆を仰天させが、その言葉の通り、社殿は大目付輩下の手の者によって取りまかれていた。その浪人者は、九人を床下へかくし一人でこの急場を救った。
この浪人、庭に椿の花が咲いているのをみて自らを「椿三十郎」と名乗った。

最後は三十郎と悪徳家老の片腕、室戸半兵衛(仲代達矢)との一騎打ち。
おたがい至近距離でにらみ合ったまましばし時間が過ぎるが、一瞬で勝負はきまる。ぶしゅ~~~~~~~~っと血しぶき噴出して倒れる室戸半兵衛。

by ssm2438 | 2009-12-22 04:45 | 黒澤 明(1910)
2009年 12月 13日

素晴らしき哉、人生!(1946) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

f0009381_3101155.jpg監督:フランク・キャプラ
脚本:フランセス・グッドリッチ
    アルバート・ハケット
    フランク・キャプラ
撮影:ジョセフ・ウォーカー
    ジョセフ・バイロック
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演
ジェームズ・スチュワート (ジョージ・ベイリイ)
ドナ・リード (メリイ)
ライオネル・バリモア (銀行家のポッター)

        *        *        *

いかに夢想家の夢といわれようとも、いかに理想主義といわれようとも、いかに白人しかでない映画といわれようとも、この映画はやっぱり好きだ。この映画のすばらしいところは、絶対的に自分肯定思想の映画だということ。

ミスター・アメリカの良心=ジェームス・スチュアートここにあり! 善良な映画としては永遠のナンバーワンではなかろうか。これぞフランク・キャプラの真骨頂。
心がささくれ立ってる人は、ぜひともクリスマスにこの映画をみよう!!!
なお、心がささくれ立ってない人は、『群衆』のほうがいいかも。

しかし、この映画が公開された当時は、批評家からは「センチメンタルすぎる」との評価を受け、興業的にも52万5千ドルもの赤字を出して散々な結果に終わった。第19回アカデミー賞では作品、主演男優、監督、編集、録音賞の5部門にノミネートされたが無冠。しかし、時がたつにつれてこの作品の持つ素晴らしさ、親しみやすさが再認識され、アメリカ映画の傑作の一本に数えられるようになり、70年代頃からアメリカではクリスマス映画の定番となった。

<あらすじ>
雪の降るクリスマスの夜、事業に失敗、多額の借金をかかえたジョージ・ベイリイ(ジェームズ・スチュアート)は橋のうえにたち、自殺しようと考えていた。

子供の頃、凍った池で溺れ、方耳の聴力を失ったベイリイは、いつかはベタフォードの町を出でて世界一周をしたいと思っていた。彼の父は住宅金融会社を経営し、町の貧しい人々に低利で住宅を提供して尊敬を集めていたが、町のボス、銀行家のポッター(ライオネル・バリモア)はこれを目の仇にして事毎に圧迫を加えた。大都会のカレッジを卒業したジョージはいよいよ海外を見て回りたい思っていたが、父が過労のため世を去り、株主会議で後継社長に推され、承諾せねばならぬ羽目となってしまう。
海外旅行もおあずけ。弟が大学を卒業したら会社を譲ることにしていたが、大学を卒業した弟は大工場主の娘と結婚、その工場を継ぐことになっていた。再びジョージの夢は全く破れ去った。
やがてジョージは幼馴染みのメリイ(ドナ・リード)と結婚した。そして新婚旅行に出発しようとした時、経済恐慌のため、ジョージは旅費として持っていた5000ドルを貧しい預金者たちに払い戻してやり、急場をしのいだ。
新婚旅行は出来なくなったが、2人は幸福な結婚生活に入り、次々と4人の子供に恵まれた。住宅会社の業績も着々と上り、それに恐れをなしたポッターはジョージ懐柔策に出たが、彼は断固拒絶した。第2次大戦が起こり、海軍飛行将校として従軍したジョージの弟は、殊勲をたてて大統領に表彰された。しかし、ささいなミスから会社の金8000ドルが紛失してしまう。実はその金はポッターの手に入ったのだが、彼はそれを秘してジョージを苦しめ脅迫さえした。

絶望したジョージは橋の上から身投げしようとした。と、それより一瞬早く奇妙な老人が彼のそばで身投げした。ジョージは夢中になってその老人を救った。老人はクラレンスといい、自分は2級天使で翼をもらうためジョージを救ったのだと語った。自棄になったジョージが、この世に生まれなければ良かったと洩らすと、クラレンスは彼を望みどおりジョージの生まれて来なかった世界にをかいまみさせる。そこでは、今幸せな人たちが不幸のどん底にあえいだいた。
今、ジージは8000ドルを失って自殺しようとしているジョージが存在したからこそ、他の人たちがこれだけ幸せなのである。再び現実に戻ったジョージは、クリスマス・イヴの祝いを待つ我が家に駆けもどった。あれほどジョージをいらだたせた子供たちも可愛くて仕方がない。いつも取れてしまう階段の手すりも愛らしい。警察がきてジョージを横領の罪で逮捕しようとするが、それさえも大したことではないように思えた。そんなジョージのもとにそれまでのジョージの良心をうけた人々かあつまってきて・・・

怒涛のハッピーエンド。あふれる感動幸せ感。
まさに「古き良きアメリカ」映画の傑作だ!

by ssm2438 | 2009-12-13 03:13 | フランク・キャプラ(1897)
2009年 12月 06日

バックマン家の人々(1989) ☆☆☆

f0009381_2511336.jpg監督:ロン・ハワード
脚本:ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル
撮影:ドナルド・マカルパイン
音楽:ランディ・ニューマン

出演:
スティーヴ・マーティン(長男・ギル)
メアリー・スティーンバージェン (ギルの妻・カレン)
ダイアン・ウィースト (ギルの姉・ヘレン)
リック・モラニス (ギルの義弟・ネイサン・
トム・ハルス (末っ子・ラリー)

        *        *        *

原題は『ペアレントフード』。「チャイルドフード」が子供時代なら、「ペアレントフード」はさしずめ「大人時代」といったところか。昔子供だった人たちが子供をもつ大人になった時代。この映画では、その世代になった人々と彼らの子供たちとの関係を悲喜こもごもに描いている。そんな風に考えるとこの映画も味わいぶかいかもしれない。私がこの映画から感じとったのはそんなところ。大人だって決して大人じゃないんだよ・・って。大人の役目を果たしてる子供に過ぎないんだよって・・、なんかそんな親近感をもってみられる映画。
映画自体はスティーブ・マーティン+メアリー・スティンバージェンの家族を中心に、3歳の娘の英才教育にご執心のR・モラニス夫妻、二人の問題児に悩むD・ウィースト、一獲千金を夢見て大人になれないT・ハルスなど、大家族の群衆劇。なので確固たる求心的なストーリーがあるわけではない。それぞれ家族が問題をかかえ、それを日常の出来事として健気に処理していく人たちがたまに一つ屋根の下に集まった時のさりげない家族の騒ぎである。

S.マーティンがいつもこのくらいにおさえて演技してくれるととってもいいのになあって思う。メアリー・スティーンバージェンがまたかわいい。この人はどんなに歳をとってもいつも可愛い。素敵な女性だ。好きなアクトレスの一人です。

by ssm2438 | 2009-12-06 02:21
2009年 12月 05日

街角/桃色の店(1940) ☆☆☆

f0009381_4403980.jpg監督:エルンスト・ルビッチ
原作:ニコラウス・ラズロ
脚本:サムソン・ラファエルソン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ウェルナー・リヒャルト・ハイマン

出演:
ジェームズ・スチュワート
マーガレット・サラヴァン

        *        *        *

公開時のタイトルは『桃色(ピンク)の店』、「桃色」を「ピンク」と読ませるらしい。

『昼下りの情事』『アパートの鍵貸します』『麗しのサブリナ』などで有名なビリー・ワイルダー、彼がよくいっていた有名なつぶやきが、

「・・ルビッチならどうする?」

そのルビッチが監督したのがこの映画。なのでムードはビリー・ワイルダーに似てます。というかビリーワイルダーのほうがエルンスト・ルビッチににいてるのだけど。
また、この映画はノーラ・エフロンが監督・脚本をした『ユー・ガット・メール』のオリジナルでもある。もっともこの時代にはメールなどないのだから手紙(私書箱)をつかった文通でやり取りをするのだげど、美味しいところはかなり忠実にコピーしてある。最初に手紙の主と会うときも、先にそのレストランにきているサラヴァンをみて、手紙の主としてではなく、本人として会うくだりはまったく一緒。「そこは彼がくる場所なんだから」とスチュワートが座るのを拒むとその後ろの席に背中合わせで座る・・あのシチュエーションはそのままの。ああ、これが元ネタだったのだ・・って改めて認識。と同時にノーラ・エフロンもやっぱりルビッチのファンなんでしょうね。たしかに彼女の書くお話はルビッチにもビリー・ワイルダーにもにてる気がする。ワイルダーと同じく、子供の頃にルビッチをみて育った世代だったのでしょう。

この映画、原作はチェコのニコラウス・ラズロの戯曲。物語の舞台も実はハンガリーのブタペスト。でも映画のなかではみなさん英語で話しているのでどうみてもアメリカに見える(苦笑)。なんでアメリカでやらなかったのだろう? 舞台だけはアメリカに移行したほうがよかったのに・・、でも確かに町の雰囲気はアメリカではない。もっともセットで作ってるのでなんともいえないところだけど・・。そのへんは多少違和感を感じたかな。

<あらすじ>
ハンガリーの首都ブタペストの街角ににあるブティック。クラリック(ジェームス・スチュワート)は一番の古株。であった。そんなクラリックは、新聞広告で見た見知らぬ女と文通していた。主人のマチェックも自分に媚をうらないクラリックの態度は気に入ってるが、気に入ったオルゴール付きの葉巻箱の仕入れに反対されるといい気持ちはしない。そこへクララ(マーガレット・サラヴァン)という女が販売係りに雇って貰いたいとやっていってきた。
現状いる6人でも多すぎるくらいなので、クラリックは独断で断った。マチェックを見つけて頼むクララだがやはり応えは「ノー」。そんな時一人の女客を捕らえ、クラリックが売り物にならないと仕入れを断るはずになっていた煙草入れを言葉巧みに売り付けてしまった。クララは認められて店員となるが、そんないきさつもありクラリックとの関係はよろしくない。
そのころから店の主人マチェックも無口になり、特にクラリックによそよそしくなってきていた。折しも、クリスマスの飾りつけの為に残業を頼むと、クラリックは「今日は大事な用事があるから」とこれを拒否、険悪なムードはさらに悪化、ついにマチェックはクラリックを首にしてしまう。
その日の晩にクラリックは文通している見知らぬ女性と初デートのはずだったのだ。おくれて待ち合わせのカフェに行くと、そこにはいつもケンカばかりしているクララがいるではないか! テーブルの上には目印のバラがおいてある。友人と待ち合わせの振りをして店にはいるクラリック。ここは待ってる人が来る席なので座らならないで!と同席を断られたクラリックは、背中合わせに彼女の後ろの席に座って、待ち人が来るまでしばし話し相手になる。

マチェックがクラリックを嫌い始めたのには理由があった。それはマチェックの妻が店の誰かと浮気をしているらいしということが分ったからで、マチェックはそれが一番親しいクラリックだと思い込んでいたのだ。しかしその相手はいつもマチェックに対してご機嫌をとる別の店員だと判明する。
マチェックは「疑ってすまなかった」とわび、改めてクラリックを支配人に任命し、クラリックはヴァダスをクビにした。最後はクララが、文通していた男はクラリックだと判り、二人が結婚するのは近々らしいところで映画はおわる。


基本ラインは実にほほえましいお話なのだが、演出的にはちょっと不親切なところもあるかな。もうちょっと説明してあげないと状況が飲み込めない部分がちらほらあるかな。
ふたりで倉庫の棚を整理するシーンがあるのだが、あとになって、「実はあのときときめいていたの」とサラヴァンが言うのだが、そんな感じはみじんもなかたり・・とか。あのあたりで「わうああ、私この人といるとけっこう楽しいかも」とかいう感情を見せてほしかったかな。たとえば・・せっかく楽しい時間なのに、誰かが彼を呼びにきて盛り上がった会話が途中でおわってしまいちょっと淋しいサラヴァン・・とか、そんなアップをちょとちょとっと足すだけで雰囲気は出るのにって思ったけど・・・。
そのあたりは今の映画のほうがしっかりしてるかなって思った。

by ssm2438 | 2009-12-05 02:04
2009年 11月 16日

デーヴ(1993) ☆☆☆☆

f0009381_7403549.jpg監督:アイヴァン・ライトマン
脚本:ゲイリー・ロス
撮影:アダム・グリーンバーグ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演:ケヴィン・クライン
    シガーニー・ウィーヴァー

        *        *        *

『ゴーストバスターズ』『夜霧のマンハッタン』など、敷居の高くない楽しい映画をつくるアイバン・ライトマン。そのなかでももっともウィットにとんだ彼の最高傑作はこの映画ではないだろうか。ただ、個人的にはヒロインがシガニー・ウィーバーというのがちょっと・・・。これがアネット・ベニングあたりだったらめちゃめちゃ好きな映画になっていたのに。
脚本は『ビッグ』『シービスケット』ゲイリー・ロス。この人は上手い!この映画、アイヴァン・ライトマンの力もさることながら、ゲイリー・ロスのウィットにとんだ会話が素敵なのだ。

ボルティモアで小さな職業紹介所を経営するデーヴ・コーヴィック(ケビン・クライン)は大統領のそっくりさんということで突然ホワイトハウスに召喚させる。実は大統領、あるホテルでのパーティのあと不倫相手との密会に向かうために人目をはばかってその場を立ち去りたいとかで、デーヴに会場から表のリムジンまでのあいだを替え玉として歩いてほしいというもの。
多少の悪乗りはあったものの、なんなく代役をこなしシークレットサービスにリムジンで家まで送ってもらってると突然引き返すように連絡がはいる。大統領が愛人とエッチの最中に倒れて意識不明の重態になったとかで、しばらくの間大統領の影武者になってほしいと要請される。
しかし、一旦なってみるとその人柄のよさと、手際のよさで大統領の人気はうなぎのぼり。次期大統領の椅子をねらっていた補佐官レクサンダー(フランク・ランジェラ)はおもしろくない。大統領のかつての汚職事件をリークしデーヴの失脚をねらうが・・・。

とにかく楽しいシーンが満載。ショーもないおちゃらけがとてもきもちいがいい。
最初に依頼された影武者の仕事も、無言でパーティにきた参列者の間を笑顔をふりまいて歩きぬけばいいだけなのに、フロアーエンドまでいくと、たまらずひきかえしてきて「頑張って、頑張ってアメーリカ!」と思わず叫んでしまう。つい我慢できずに叫んでしまったとかいうあの軽さ。実にたのしい。あのつかみでこの映画のたのしさがわかる。
予算編成の会議で、前もってずさんな支出をチェックしておいたケヴィン・クラインは、不要な部分をカットして必要な公費にあてていく。おわったあとは出席者から拍手。語り口が上手い!
大統領夫人(シガニー・ウィーバー)と官邸の外に出てしまいうろうろしてると一般人にみつかってしまうが、「実は夫婦のそっくりさんで、芸人としてあまりか全土をまわってるんだ」とごまかすと、「あんたは上手いが、かみさんのほうが、もうちょっと固いな」といわれたりする。実はかみさんは本物で大統領は偽者なのだけど。
ボディガードさんのエピソードもいい。「大統領が狙われたら身をもって守るんだろう。僕が狙われてもまもってくれるか?」の問いには無言のボディーガードさんだが、偽モノ大統領としてアメリカに必要なことをほんとにこないてしまった彼が、地方議員として立候補するとなると「命にかえても君をまもる」とばかりにボディーガードを買って出てる。
総てがいい感じで、実に楽しいポリティカル・コメディだった。

by ssm2438 | 2009-11-16 07:10 | アイバン・ライトマン(1946)
2009年 10月 06日

ショート・サーキット(1986) ☆☆☆☆

f0009381_3574210.jpg監督:ジョン・バダム
脚本:S・S・ウィルソン
    ブレント・マドック
撮影:ニック・マクリーン
ロボットデザイン:シド・ミード
音楽:デヴィッド・シャイア

出演:アリー・シーディ
    スティーヴ・グッテンバーグ
    フィッシャー・スティーヴンス

     *     *     *     *

監督は数々の専門分野を上手に映画にしてしまう職人ジョン・バダム
フロアーダンスを料理した『サタデーナイト・フィーバー』
戦闘ヘリを料理した『ブルーサンダー』
ハッカー少年のパソコン術を料理した『ウォーゲーム』
自転車レースを料理した『アメリカン・フライヤーズ』
スカイダイビングを料理した『ドロップゾーン』
贋作画家のテクニックを料理した『迷宮のレンブラント』・・、どれも専門性をきちんと披露しつつ、映画として楽しい仕上がりになっている。そんななかでもっとも楽しい仕上がりになっているのがこの『ショートサーキット』ではないだろうか。

しかし、この映画に関して言えば専門性というのはあまり表にでてなくて、それよりも庶民性を披露した映画といえる。その下地として、本来専門性うめつくされてるはずのロボット工学の結晶ともいうべき戦闘ロボットをみせ、その相手を庶民性で処理してしまう逆転の構図。相手がロボットだろうがなんだろうが庶民的に接するアリー・シーディーがとてもチャーミング。
彼女がジョン・バダムの映画に出たのは『ウォーゲーム』(1983)につづいて2本目。あのときはスポーティーなハイスクールガールだったが、3年たつと社会人の女性になっている。うむむむ・・・しかし、ジョン・バダムの映画には彼女が良く似合う。
当時の彼女は青春映画の金字塔『セントエルモスファイヤー』『ブレックファスト・クラブ』などでやんややんやのスターだった。それなのになんでそのごはしぼんでしまったのだろう。・・謎だ。

<あらすじ>
ノヴァ・ロボティックスは世界最先端のロボット開発会社であり、クロスビー博士(スティーヴ・グッテンバーグ)、べン・ヤビタヤ博士(フィッシャー・スティーヴンス)らに来るべき最終核戦争に備えてた戦闘ロボをかいはつさせていた。政府高官を招いたデモンストレイションのあと、軟体かあるうちの一体が落雷をうける。ファンタジー映画で落雷を受ければ無機質なものでも生命をうけるのが常である。
この映画でも例外にもれずナンバー5は生命をもってしまい、偶然にもごみ廃棄トラックにのせられてしまい施設の外に迷い出ることになる。会社は、速やかなる回収、最悪の場合は破壊することもやむ終えないと判断し、警備主任のスクルーダーにその任務をおわせた。そんなことになったら長年の研究成果がパーになってしまうと開発者のクロスビーとベンもほとんど出たことのない市内へくりだす。

その夜、移動レストランを経営するステファニー(アリ・シーディ)はナンバー5を見つけてビックリ。初めは異星人だと思い喜ぶ。「ウェルカム・アワ・プラネーット」とっ子路良く受け入れる。なにかにつけてインプット(情報を吸収すること)したがるジョニー5はステファニーのところにある百科事典を猛スピードで読破、つづけてテレビ番組を延々みつづける。「そんなにテレビばっかりみてると頭のわるい宇宙人になっちゃうわよ、もう寝なさい」ってテレビを消すが、だだをこねる子供のようにテレビをつけかえす。
とにかくシド・ミードのデザインがすばらしく、その眉の部分とか胸鎖乳突筋にあたるシリンダーとか、おそろしいほど感情表現ができるロボットなのだ。そしてやんちゃな子供のように無邪気な性格、恐ろしいまでの情報収集ぐせ、このキャラクターはすばらしい。

スクルーダー率いる会社の警備部隊は破壊してても持ち帰ると攻撃的な構えだが、ナンバー5は会社にもどれば分解される=殺させるとおびえる。ステファニーはこのロボットは生きていると主張するがそんなことを聞きはずもない警備部隊、合えなく電源スイッチを切られ沈黙するナンバー5。
しかし護送車のなかでは、車の振動の拍子に腕のパーツが電源ボタンの上に落下。乗っていた警備兵とベンを追い出しそのまま車を運転して逃走してしまう。とにかくこの辺のしぐさがとてもかわいいナンバー5。ステファニーの元に戻ると彼女は入浴中。「ステファニー’s、チェンジド カラー」と表現するがナンバー5だがタオルをなげつけられる。そのあとテレビで放送していた『サタデーナイト・フィーバー』にあわせてふたりでダンスをしたり・・ととても楽しい。

クロスビーとナンバー5とステファニーは追っ手から逃走し荒野で野宿。
ナンバー5が生きているとなかなか信じないクロスビーはいろいろテストをする。ステファニーがもってきたスープを紙の上にたらしたたんでまた開く「これが何にみえる?」とたずねるクロスビー、
「紙パルプ、植物、野菜、トマト、水、塩、グリココミン酸・・」ナンバー5は答える。
「よしよし、ロボットらしい答えだ」と満足するクロスビー、しかしそのあとナンバー5ば続ける。
「でも良く見ると・・・チョウチョにも似てる、鳥とか・・マイプルリーフ・・」

でもまだ信じない。朝までにらめこしていたクロスビーがふと思い立つ。ジョークだ!
クロスビーは勢い良く修道院のジョークを切り出す・・。
なにいってるんだ、こいつ・・みたいな反応のナンバーファイブ。しかし突然笑い始める
「うわああっ、はあああっ、はあああっ、はあああっ
 うふううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ」
「こいつ、オチを間違えたのに笑ってる・・」とナンバー5が生きているということを認めるクロスビー。
「うわああっ、はあああっ、はあああっ、はあああっ うふううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ」
朝焼けの荒野にナンバーファイブの笑いがこだまする。

by ssm2438 | 2009-10-06 04:00 | ジョン・バダム(1939)
2009年 09月 20日

Mr.&Mrs. スミス(2005) ☆☆

f0009381_16302898.jpg監督:ダグ・リーマン
脚本:サイモン・キンバーグ
撮影:ボジャン・バゼリ
音楽:ジョン・パウエル

出演
ブラッド・ピット (ジョン・スミス)
アンジェリーナ・ジョリー (ジェーン・スミス)

        *        *        *

いや、なかなか楽しめた。監督は『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン。しかし、特に描くこともない映画。ひたすら頭を空っぽにしてみるだけの映画。たまにはこういうのもいいかな。

<あらすじ>
南米コロンビアで、建築業者のジョン(ブラッド・ピット)とコンピューター・プログラマーのジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)は運命的な出会いを果たす。アメリカに帰国後、友人たちの猛反対に耳を貸さず、2人はすぐ結婚してスミス夫妻となった。だがそれから5~6年後、2人はすれ違いを感じて倦怠期に突入する。それもそのはず、ジョンの裏の顔は一匹狼の殺し屋で、ジェーンの裏の顔は暗殺エージェントのエース。お互い敵対する秘密組織の任務を引き受けるプロの暗殺者であることを、ずっと相手に内緒で生活を続けていたのだ。そしてある時、同じターゲットを狙っていた2人は、ついに砂漠のど真ん中でニアミスをする。まもなく彼らは、自分の結婚相手の正体を知ることになった。正体がバレたからには、誰であっても48時間以内に相手を始末しなければいけないのが、この世界の暗黙のルール。かくして2人は、壮大なスケールの夫婦ゲンカを繰り広げることに。ところがこの戦いにピリオドを打つため、それぞれが所属する両組織が組んで、スミス夫妻をまとめて始末する決断が下されてしまった。ここで逃げたら一生追われる身になると悟った夫妻は、2人で両組織に戦いを挑む。その過程で愛を再燃させた2人は、結婚セラピーで、カウンセラーに夫婦の絆は強まったと語るのだった。

by ssm2438 | 2009-09-20 16:17
2009年 09月 05日

マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985) ☆☆☆☆☆

f0009381_227537.jpg監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:ラッセ・ハルストレム
   レイダル・イェンソン
   ブラッセ・ブレンストレム
   ペール・ベルイルント
撮影:イェリエン・ペルション
音楽:ビョルン・イシュファルト

出演:アントン・グランセリウス
    メリンダ・キンナマン

     ×     ×     ×

別に犬好きでもないのだが、とにかくみたい『HACHI 約束の犬』
ラッセ・ハルストレム監督ものはひさしぶり。
『サイダーハウス・ルール』『ショコラ』は見たのだが、いやいや決して悪くないのだが、かつての栄光『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』と比べるとどうも今ひとつな感じ。
その後もいくつか作品はあったのだが、どうみたいという気がおこらずしばしご無沙汰だったラッセ・ハルストレム。しかし、『HACHI 約束の犬』はハルストレムテイストとしてはけっこう当りのにおいがする。
ライカ犬もハチも犬だし、きっとハルストレムの犬ものは当りなんだよ・・っと勝手に当たるであろう理由付け。

しかし、しらべてみたら『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』って1985年作品だったのですね。もう24年前。いまわむかし、銀座のシネスイッチか日比谷シャンテで見たのだけど、あれは見た後幸せになれる映画でしたね。
雪国のガラス工場のある小さな町の話だったが、そこでつくられるオレンジ色したがらすのように、こころがぽっかぽっかあったまる映画でした。あれから25年後のサガとイングマルとの映画をみてみたいきがします。
つくってくれないでしょうかねえ。あのときのサガちゃんは良かったよ。女の子なんだけどガキ大将で、小学6年生くらいだと女のこの方が成長はやいから体もおおきくて、そんな村にやってきたイングマルはかなりたよりない少年で、彼女にしてみれば守ってやるべき対象でもあったり、でも女の子として好きでもあったり・・あの複雑で微妙な感情がとてもいいんだなあ。最後のほうでドレスきたサガちゃんがイングマルと一緒にいるシーン、なんかほほえましかったよ。で、しらべてみました、おお、そうでした、メリンダ・キンナマン。そんな名前でした。まあ、めちゃ美人たいぷではないのでいまとなってはそれほど萌えないのですが、この映画のなかのサガちゃんはほんとによかった。
サガ(メリンダ・キンナマン
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考えてみると12~13歳くらいの幼女で“ああ、この娘はいいなあ”って思ったのはこの『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』のサガちゃんと『泥の河』の銀子ちゃんくらいか・・。かつてブームだったトレーシー・ハイドにもそれほど萌えなかったし、『リトルロマンス』のころのダイアン・レインもそれほど好きにはならなかった。ダイアン・レインは今のほうがいいなあ。
なにはともかく、『マイライフ・アズ・アドッグ』の感動を今ひとたび・・と期待してしまう『HACHI 約束の犬』でした。

by ssm2438 | 2009-09-05 14:54 | ラッセ・ハルストレム(1946)
2009年 09月 02日

トイ・ストーリー(1995) ☆☆☆

f0009381_20233173.jpg監督:ジョン・ラセター
脚本:ジョス・ウェドン
    アンドリュー・スタントン
    ジョエル・コーエン
    アレック・ソコロウ
音楽:ランディ・ニューマン

声の出演
トム・ハンクス (ウッディ)
ティム・アレン (バズ・ライトイヤー)

        *        *        *

ピクサーの記念すべき長編アニメの第一作。これは面白い。CGの効果満載の映画といっていいだろう。ウディの哀愁といい、バズの勘違いの思い込みといい、じつに感情移入できるポイントがあり、CGといえどもたのしめる映画になっている。10年くらい敬遠してたのだけど、みてみると実に面白かった。
この物語を安易な子供向けのファミリーアニメにしなかったのは、隣に住む薄気味の悪い玩具解体少年だろう。子供というのは、自分も経験があるが、心の中にある種の残虐性をもっていて、それを表現する時もある。あれが描かれているからこそ、この物語がとても受け入れやすいものになったのだろう。

<あらすじ>
ウッディ(声/トム・ハンクス)は昔ながらの木製のカウボーイ人形。持ち主のアンディ少年に愛され、おもちゃの仲間たちとゴキゲンな毎日を送っていた。ところがある日突然、最新式のアクション人形バズ・ライトイヤー(声/ティム・アレン)が彼の玩具箱に登場した。ウディはあっと言う間に、アンディのお気に入りの座を奪われてしまい寂しさを覚える。おまけにバズは、かなりの勘違い人間(玩具)であり、自分のことを真剣に銀河の平和を守る本物のスペース・レンジャーであり、実際に飛べると思い込んでいる。そんな二人が、うっかり家の外に飛び出してしまった。運の悪いことに隣家の悪ガキ、シドに捕まってしまい、彼らの命は風前の灯火。アンディ一家の引っ越しが迫っており、いがみ合いをやめて力を合わせなければ、二度と彼に会えなくなってしまう。さらにバズは自分がおもちゃであることを知り、すっかり意気消沈。ウッディはシドの犠牲となったおもちゃたちの力を借り、シドをやっつけると脱出に成功。やっと友情が芽生えたバズと協力して、出発したアンディ一家の自動車を猛スピードで追いかけると、間一髪で滑り込んだ。

by ssm2438 | 2009-09-02 09:06
2009年 09月 02日

トイ・ストーリー2(1999) ☆☆☆

f0009381_20443763.jpg監督:ジョン・ラセター
脚本:アンドリュー・スタントン
    リタ・シャオ
    ダグ・チャンバーリン
    クリス・ウェッブ
撮影:シャロン・キャラハン
音楽:ランディ・ニューマン

声の出演
トム・ハンクス (ウッディ)
ティム・アレン (バズ・ライトイヤー)
ジョーン・キューザック (ジェシー)
ウェイン・ナイト (オモチャ屋の親父)
ケルシー・グラマー (プロスペクター)
ドン・リックルズ (ポテト・ヘッド)

        *        *        *

CGは格段にバージョンアップしましたね。お話もやはり哀愁があり、一作目同様楽しめるものになってます。
このシリーズの良さは<忘れられる悲しさ>が根底にあることだろう。玩具というのは、そのときは子供の興味の対象であっても、子供が成長するにつれてほとんど振れられなくなり、相手にされなくなるものです。子供の頃の自分を思い出すと、当時あれほど夢中になっていて、それがないと生きていられないとおもっていたものでも、いつのまにやらそれが無くても生きていける自分になっている。ま、私の場合は人よりも熱しにくく、冷めにくい人間だったので、自分の愛した玩具への愛着は人一倍あったとはおもいますが・・・。
今回のポイントは、プレミア人形の価値観。コレクターバイヤーのアルに盗まれたウディは、同じころ発売されたカウガールや炭鉱夫のプロスペクターとであう。彼らは博物館行きもウディというメインキャラクターがあってのこと。自分がアンディのもとにもどれば彼らの博物館行きもなくなる・・。はたしてウディの決断は・・?と選択。

<あらすじ>
アンディ(ジョン・モリス)はキャンプに行き、棚に置き去りにされたカウボーイ人形のウッディ(声=トム・ハンクス)はひょんなことでおもちゃ屋のアルにさらわれてしまう。彼は実は大変なプレミア人形で、カウガールのジェシーや炭坑夫プロスペクターから一緒におもちゃ博物館行きだと告げられる。一方、ウッディの友人であるバズ・ライトイヤー(声=ティム・アレン)たちはウッディを助けにアルのビルに忍び込む。博物館行きに心が動いていたウッディを、バズは「おもちゃは子どもに遊ばれるためにある」と説得。はアンディの元に帰る決意をするウッディだが、博物館行きを願うプロスペクターが脱出を妨害。危機一髪、飛行場で助け出されたウッディはジェシーとともに無事アンディの部屋に戻ってくるのだった。

by ssm2438 | 2009-09-02 08:28