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2009年 06月 16日
監督:森谷司郎脚本:井手雅人 森谷司郎 撮影:木村大作 音楽:南こうせつ 出演:高倉健 吉永小百合 * * * 再び森谷司郎監督作品である(苦笑)。 この人、監督力はそれほどあるわけではないとおもうのだけど、私好みの作品に携わる事が多い。メガホンを取る作品の選び方はとってもいい。 この映画、言わずとしれた「青函トンネルを作った男たち」の話である。『プロジェクトX』が取り上げる遥か以前に、東宝がこの物語に目を付けてトンネル完成前から作っていた話。 いや~~~~、この映画大好きなんだ。ただ、出来が良いか?と問われるとそんなことはあり得ない。NHKの『プロジェクトX』を見た方が燃えるようなきもする。なにしろあっちはドキュメントだし。そしてこっちはかなり商業的「売り」の要素等はいってきてて、脚本の未完成さは天下一品、つじつまあわないところもかずしれず。三浦友和の不必要なやんちゃぶりとかかなりおおい。ドラマの根幹はおおざっぱにイベント描写してるだけでかなりゆるゆる。劇中何人かの犠牲者は出ているがその描き方もほんとにこんなシーンいれる必要があったのかな??って思うくらいひどい。こういう映画はドキュメンタリー性を重視して「本来とれないシーンは撮らない!」くらいの心持ちでいってほしいものだ。崖からおとされる人形なんかをスローで取られても‥‥???って思ってしまう。そんなシーン本来ならとれないのであって、だったら撮らなくて良いのだ。 ま、この映画、ほんと不満だらけなんだけど、それでも私の中ではかなり強烈なインパクトをもった作品。 これだけシナリオが悪いのに、これだけ好きなれる作品も珍しい。 第一の要因は、人間のもつ「造る」というエネルギー。 健さんが波の荒立つ海峡に船を浮かべ海底の石を拾い上げるところかrあプロジェクトはスタートする。それから25年、国鉄という巨大企業がその海峡にトンネルを掘るという大プロジェクトを健さん視野で描いていく。あのころ昭和30~50年の国鉄は巨大な力をもった国内でももっとも巨大な企業のひとつだった。その後は赤字の宝庫となって解体民営化を余儀なくされたが、この物語のなかd絵描かれた頃の国鉄はほんとに「造る」というパッションにあふれていた。日本列島の山を掘り、川に鉄橋を架け、鉄道を引いていく。日本人が持つバイタリティのいっぺんをかいま見る気がした。戦後、日本を再生させたその力を感じてしまうのである。 これはもちろん、見ている人間の想像力に依存する。実際映画のドラマはあまりに弱いのだが、見ている側の人間にとってはもはやそれ自体はたいしたことではなく、「本来このドラマはこうつかられていればもっと良い物になっていた」という、その完成系でドラマが見える人にとっては想像力で補ってあまりあるダイナミックなドラマである。 そして燃える第二の要因。それは木村大作のカメラ。森谷司郎の演出が弱いのをカバーしてあまりある絵力。ずっと黒澤明と一緒にしごとをしていて、その時は森谷司郎も助監督だったのだけど、彼が監督をすることになると木村大作も彼の作品を撮るようになる。どちらかというと、私は森谷司郎作品での木村大作のほうが好きかもしれない。『日本沈没』も『八甲田山』もこの『海峡』も、木村大作のカメラなしには語れない。 森谷司郎以外にも降旗康男の『駅 STATION』とか『夜叉』なども木村さん。 その望遠レンズの画面がカッコよすぎです。 そして第三の要因。南こうせつの音楽。 伊福部サウンドなんかとはひと味違う、なんというか‥‥清々しい前進力を感じるんだよね。あのテーマ曲が流れてくると「頑張ってやるぞ!」って気になってしまう。 この映画、高度経済成長をとげた自体のバイタリティあふれる日本人魂の映画なんだろうなあ。強い国鉄っていいなあ(苦笑)。 その後私の大好きな増村保造が新幹線の騒音公害をネタにした『動脈列島』って映画をとっているが、これでも国鉄は巨悪的に描かれていた。今思うと「国鉄=巨悪」として描かれていた時代というのは実によかったなあって思ってしまう。 頑張れん、日本!!
by ssm2438
| 2009-06-16 01:54
| 木村大作(1939)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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