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2009年 07月 25日
監督:ヘンリー・コスター脚本:ブルース・マニング チャールズ・ケニヨン ハンス・クレイリー 撮影:ジョセフ・ヴァレンタイン 音楽:チャールズ・プレヴィン 出演:ディアナ・ダービン アドルフ・マンジュー レオポルド・ストコフスキー * * * 能天気アメリカ映画の傑作! 大好きな映画のひつつです。 当時のアメリカは孤立主義をとっていて、世界大恐慌から復活しかけてるころのアメリカ。それでも失業者は多かったのでしょう。一方ヨーロッパではドイツ軍がポーランドに侵攻し始め、そろそろ第二次世界大戦の足音が聞こえかけてるくらいの時期。そんな時期にアメリカは世界万博なんかをやってたというコントラストが妙な感じ・・。そして映画のなかではブルジョワ階級と労働者階級の圧倒的な違いをみせつけられる。このコントラストもアメリカならでは。ちょっと日本人にしてみるとそこまで階級差があるのか??って思ってしまう。 そんな歴史背景はいいとして、この映画とっても天真爛漫でよいです。行き当たりばったりなのですが、結果的にはいいほうに転がってしまい、終わりよければ総て良しという、勢いと乗りだけでみせてしまう直球勝負映画。でも先ごろこんな映画をなかなか見ることがないので今となってはこういうスタイルもけっこう際立っているのかもしれないと思ったりする。 とにかくディアナ・ダービンが可憐で健気で可愛い。この子が多少わがまま言うんだったら許してしまいたくなる(笑)。実際この物語の中でもかなり横暴な行動力を発揮してますが、結果は総て好転するという幸せを運ぶ少女になっております。 <あらすじ> まだまだ失業率のたかいアメリカ、レオポルド・ストコフスキーが指揮しているコンサート会場の裏側では、トロンボーン奏者のカードウェル(アドルフ・マンジュー)が採用を断られている。肩を落として帰路につくカードウェルのまえでコンサートから返る客の着飾った婦人が財布を落とす。それを拾って持ち主に返そうとするのだが、彼女はきづかず車にのって立ち去ってしまう。 アパートに着くと大家からは家賃をせがまれ、その財布の中からつい出してしまうカードウェル。それをみた娘のパツィー(ディアナ・ダービン)は父親が仕事を得たのだと勘違い、その勢いに否定することも出来ず翌日仕事もないのにトロンボーンをもってコンサート会場に出向くことになる。 興味本位でそのコンサートの練習をみにでかけるパツィー。しかしそこに父の姿はない。 事実をしったパツィーはその財布を持ち主に返してくるという(どうやら財布の中に住所がわかるものがあったらしい)。彼女は投資家のフロスト氏の妻であった。 財布を返しにいくと、そこではパツィーの周りでは想像できないブルジョワパーティの真っ最中。財布を返し、お礼は家賃で使ってしまったそのお金分ということでチャラにしてもらい返ろうとすると「なかなか面白い子ね」と気に入られ、その婦人にしてみれば冗談のつもりで言った「もしあなたが失業中の音楽家たちを集めてオーケストラをつくれたスポンサーになるわ」という話を真に受けたパツィーは、その旨を父のカードウェルに話すと、失業中の音楽家たちがガレージにあつまりたちまちオーケストラが出来上がってしまう。 この物語の素晴らしいところは、<ありえない場所でのありえないイベント>という画面効果。ジェーン・カンピオンの『ピアノレッスン』でも、“浜辺にぽつんとおかれたピアノ”というビジュアルだけですでに感動してしまう。 ドラマづくりのひとつのテクとしてこの「ありえない場所に、それを登場させる」というのは見ている者にインパクトを与えるものなのだ。それは楽器に限らず、大都会に出現するゴジラであり、マンハッタンに出現するキングコングであり、デンマークの宗教色強い田舎に出現するフランス料理人のバベットだったりもする。 ガレージにあつまった音楽家たちが久々に自分の才能を発揮できる場所を得て嬉々として練習にはげんでいる姿は実に幸せそう。アーティストがどんなに才能があってもそれを発揮できる場所がなければ意味がない。彼らの才能を見抜けるスポンサーがいればそれは投資として成功するが、見抜く能力がなければアーティストも無になる。本作品のスポンサーは残念ながらその才能はなかったようだ。そのフロスト婦人はそんなことは知らん顔で海外旅行、その夫のフロストも「妻がまたアホなことを言ったらしい、はやく解約せねば」とガレージに向かう。 「君らには才能があるかもしれんが花がない。どっかから有名指揮者でもつれてくれば別だが・・・とにかくこれまでにかかった経費は払うから、この話はなかったことにしてくれ」と話すフロスト。 「しばらくの間だったがいい夢をみさせてもらったよ」と残念そうに帰っていくガレージの音楽家たち。そんな姿をみて「もしかしたらストコフスキーにお願いできないか?」と思い立つパツィーは、能天気な行動力を発揮しストコフスキー楽団の練習に忍び込む。彼の楽団は美しい音楽を奏でているとパツィーものせられてついつい歌いだしてしまう。最初はとまどう楽団員たちだが、その歌声に聞きほれ彼女の歌が終わるまでフォローし、最後は楽団員から拍手をうける。 その勢いでガレージのオーケストラの指揮をたのめないかとストコフスキーに頼むのパツィーだが、すでに海外での仕事が決まっていて出来ないと断られる。物語はそのあといろいろこじれるのだが、もう一度だけストコフスキーに頼んでみてくれないかと迫られるパツィー。再びストコフスキーの邸宅にしのびこむ。 「君はいつも入ってはいけないところに入り込むね。その理由をきかせてくれないか?」とストコフスキー。 「聞いてくれますか?」とドアをあけると一回から二回へつづく階段とその踊り場に勢ぞろいした音楽家たちが音楽をかなで始める。このコンサートが圧巻。<ありえない場所でのありえないイベント>第二段。大邸宅の階段に陣取ったオーケストラは立体的な立ち位置で構成され見事っとしかいいよがない。その音楽を聴きストコフスキーも徐々に腕を降り始める。 かくしてストコフスキーはガレージ音楽家たちの楽団を指揮してコンサートを行うことになりハッピーエンドとなるのであった。 彼女の行動はほんとに傍若無人というか、実際にはありえない傲慢な行為なれど、そこはそれ映画というファンタジーがそれを許してくれるのだろう。強引な物語を彼女の可愛さと健気さと天真爛漫さで一気に押し切られた感じでした。
by ssm2438
| 2009-07-25 16:18
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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