2009年 08月 12日
監督:ラッセ・ハルストレム 脚本:スティーヴン・P・リンゼイ 撮影:ロン・フォーチュナト 音楽:ジャン・A・P・カズマレック 音楽監修:リズ・ギャラチャー 出演:リチャード・ギア ジョーン・アレン サラ・ローマー ケイリー=ヒロユキ・タガワ × × × 『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』のラッセ・ハルストレム。あの感動を再び!っと思ってみてきた『HACHI 約束の犬』、確かに泣けた。しかし・・、泣けただけの映画だったかも・・・。 決して悪い映画ではないと思うのだけど・・、どうも完全にのめりこめないなにかがある。 きっとそれはコンセプトのネジレなんだろうなあって思った。 映画の中のHACHI は侍に仕えた秋田犬の血筋をもつ犬で、主人に忠実だが媚をうらない犬っという、ちょっとアメリカ人が侍ムービー的に味付けしてるのだけど、リチャード・ギアとじゃれてるところをみると、ちとさわぎすぎ。どうみても媚をうってる(苦笑)。もうちょっと抑えた演技付けのほうがよかったんじゃないのかなあ。 そんなにじゃれないけど、駅への送り迎えだけはきっちりやる・・みたいな。 ボールを咥えていく話もいまいち気持ち悪いし・・。 あの話の流れだと<誇り>よりも<媚>を優先したみたいに見える。 そしてこの映画、残酷さを描けばもっともっと濃い味付けができたのになあって思った。 リチャード・ギアだけになついている=他の人は認めてない!・・みたいな、そういう残酷さ。はたからみるとなんかむかつく!!・・みたいな感情。 実際そういうテイストもあったのだけど、もっと入れ込んでも良かったのにって思った。周りの人がいい人すぎたというか、いや、周りの人をいい人に描いてもいいんだけど、そんないい人でもHACHIをみてると憎たらしくおもえてくる・・・・、ちょっといじめちゃれ!みたいな。そのへんのささいなやっかみでちょっとしたトラブルにおちいるが、それでもHACHI の忠誠心はすごかった・・みたいなのを前半でちといれつつ、死んでからの待ち続けるHACHI ・・の流れがよかったなあ。 「もう先生は帰ってこないんだよ」の台詞を日本語にしたのはとっても良かった。 そのときHACHI が日本語を理解できたかどうかはわからないが、あそこで日系のリチャード・ギアの同僚が日本語で語りかけると、HACHI の魂にとどくような雰囲気があった。あれはアメリカで作ったから出来るとっても味わいのある演出だった。 10年たって・・、リチャード・ギアの奥さんがお墓参りにきて帰りの駅でHACHI をみつけるシーン。 あれは泣けた。 「乗る列車つるまで一緒にいさせてね」って。 あそこからぼろ泣き。 きっとあそこらへんのみせ方は『ハチ公物語』よりいいんじゃないかな。 あと音楽、とっても良かった。 でも犬目線の画面はいやだった。 あれはカットしてほしかったなあ。 ・・というわけで、泣ける要素と、上手さと、お粗末さと、ここまもっと高められたのにってところが和洋折衷してる、なんとも心が受け止めづらいけど泣ける話でした。。
by ssm2438
| 2009-08-12 22:18
| ラッセ・ハルストレム(1946)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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