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2010年 09月 20日
監督:イングマール・ベルイマン脚本:イングマール・ベルイマン 撮影:スヴェン・ニクヴィスト 出演:イングリッド・バーグマン リヴ・ウルマン * * * イングマル・ベルイマンの映画は難解だといわれることもあるが、正確には「難解なものもある」が正しいような気がする。すくなくとも私にはすごく判り易い映画がおおい。そしてそのなかでももっとも判り易いのがこの『秋のソナタ』ではなかろうか。また彼の映画は女性を描いた映画が多く、本作のように母と娘、あるいは『沈黙』のように姉と妹のような精神的支配-被支配関係のものが多いが、これも実は、ベルイマンと彼の父との関係をそのままのシチュエーションで映像化するのがてれくさく、女性に置き換えたというだけのような気がする。そんなベルイマンだが、最後の『ファニーとアレクサンデル』では<支配的な牧師の父>と<その子供>という多分ベルイマン自身の一番コアのシチュエーションに帰化している。 『ファニーとアレクサンデル』のパンフレットを読むとやはりベルイマンとその厳格だったウプサラの大司教の父との関係に触れている箇所があったような・・。結局ベルイマンの映画は、高圧的な支配の中で、おし押し殺させそうな自我のサバイバルが行われていたのだろうと予想される。 そんなベルイマンの父と、ベルイマン本人の人間関係を母と娘に置き換えたのがこの『秋のソナタ』という映画の基本コンセプトであり、ほとんど総てのベルイマン映画の基本コンセプトだといっても過言ではない。 しかし、これがベルイマン自身におきた特有のイベントだったかといわれるとそうではない。子供の頃は支配される立場が多いだろうが、大人になるにつれて支配的な立場もおおくなる。誰もがどちらの立場をも経験することになる。そうなった時、支配されているときの不満を思い出すとともに、支配している側の欲望を抑えることも難しいことを知る。 動物として、もっとも基本的な親の欲求としては、「子供を自分のコピーにしたい」という決して否定できない本能的願望がある。しかし子は親の情報だけを吸収していきていくわけではなく、親が子供時代に経験しなかった要素まで経験しながら大きくなる。どんなに親がそう思っても子供の自我は親の願うものと同じものにはならない。 『秋のソナタ』のなかに描かれた高圧支配を強いた母と、その母の環境下で育った娘の関係は、特別なものではなく親と子の関係において根源的なものだと思う。この母親が良いとか(そんな意見はほとんどないだろうが)悪いとかいうのでなく、支配する側としこういう要素は誰もが持っているものだということを認識することがとても大事なのだ。「私はこうじゃない」って言えるならそれは嘘だ。 私がこの映画をすごいと思うのは、「私はこうじゃない!」って言えない自分を認識させる強制力をもっているところなのかな・・と思う。認めたくない自分のダークサイドを強制的にみさせるのがベルイマン映画のすごいところ。感情移入の極致の映画だ。 感情移入というのは早い話、メンタルの共有性を感じることだ。ベルイマンは、誰もがもっているメンタルの共有特性をとことんまで追求している人物だろう。それは一般人が「ああ、これわかる、わかる」のレベルではない。それを越えて、「判りたくない、認めたくない」という部分をぐりぐりえぐりだす。 この映画で描かれていることは、この映画のような人物の関係によってのみに表意面化することもかもしれないが、誰もがもっている人の心の深淵になる共有性なのだ。この誰もがもっている共有性、つまり人間の本質を追求しているのがイングマル・ベルイマンだと思う。 ![]()
by ssm2438
| 2010-09-20 21:43
| I ・ベルイマン(1918)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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