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2009年 03月 10日
監督:増村保造脚本:舟橋和郎 撮影:小原譲治 音楽:塚原哲夫 出演:川口浩 野添ひとみ * * * 記念すべき増村保造の監督デビュー作。増村保造はこの映画の中で近代的な普通っぽさを、それも私もまだ生まれてなかった50年代にすでにやってしまっている。この爽快感はすばらしい。 主人公の宮本欽一(川口浩)と白川章子(野添ひとみ)の出会いは拘置所。そこに欽一の父親は選挙違反で捕まり、章子の父親は汚職事件で逮捕されている。彼女は美大とかでヌードモデルの仕事をしてなんとか生計をたてているが、母親は病気もち(結核だったかな)で入院費もままならない。仕方がないので、言い寄って来ている男と寝てその入院代を払おうかとしている。 普通に考えればこんな話、どうみたってぐじゅぐじゅになりそうなのだが、増村保造にかかるとまさに生ごみ処理機的演出で、からからさわやかになって出てくる。 なんとか彼女のためにお金を都合つけたい欽一は、父と別れた母へおねだりしにいく。 我々が見ても「この甲斐性なし!」といいたくなるのだが、それをこの映画の主人公は何の抵抗もなくこなしてしまう。生きてる人種が違う。 しかしこれも増村保造なりの<いさぎよさ>がコアにあるのだろう。悩んだって仕方がないことを悩んでも無駄・・というきわめてドライな価値観。 “その人に一晩自分をだかせてあげれば、それで問題はかいけつするし、それ以外の解決策がないならそうするしかないじゃない”というのを実にあっさりと、悲壮感もなく決断できる章子いさぎよさ感。 欽一も総。お金絵がいるけど、自分は持ってない。けど母親におねだりすればそのくらい都合つけてくれそう。だったらそうするよ、そんなんでカッコつけていられない・・みたいな。 悩むというのは、選択肢がいくつかある人間にいえることで、この二人の場合はそんなものはない状態。だから悩む必要はない。・・これが他の日本映画だったら既存の価値観に照らし合わせて悩むこともあるのだろうけど、増村保造はそんなもん持ってない。 すごい・・・。こんな映画が50年代の日本でとられていたなんて信じられん。まさに奇跡だ。 この物語をフランスにもっていってジャン=ポール・ベルモンドとジーン・セバーグでやっても前々違和感ないくらい日本映画っぽくなく、今のトレンディドラマとしても十分通じる演出をしている。今見ても古さがないのだ。 確かに周りの看板やらバイクやらは確かに昭和30年なのだが、そのシーンそのシーンで行われているイベントは今とまったく違和感ないのだ。天才といいのはこういう人のことを言うんだなあっと思った。 余談だが野添ひとみさんはとてもチャーミングですてきだ。この人が昭和の女性っぽくないというのも大きな原因のひとるだろう。本人は小柄な人だったようだが、めちぇめちゃ頭の小さい人で、等身的には現代のお嬢さんがたとほとんどかわない。これも奇跡だ。腰は草薙ジュンのようにくびれていて、お知りはポンと張っている。胸はそんなにないけど、プロポーションはまさに現代の女性にちかい。
by ssm2438
| 2009-03-10 05:24
| 増村保造(1924)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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