2009年 11月 16日
監督:アイヴァン・ライトマン 脚本:ゲイリー・ロス 撮影:アダム・グリーンバーグ 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード 出演:ケヴィン・クライン シガーニー・ウィーヴァー * * * 『ゴーストバスターズ』や『夜霧のマンハッタン』など、敷居の高くない楽しい映画をつくるアイバン・ライトマン。そのなかでももっともウィットにとんだ彼の最高傑作はこの映画ではないだろうか。ただ、個人的にはヒロインがシガニー・ウィーバーというのがちょっと・・・。これがアネット・ベニングあたりだったらめちゃめちゃ好きな映画になっていたのに。 脚本は『ビッグ』『シービスケット』のゲイリー・ロス。この人は上手い!この映画、アイヴァン・ライトマンの力もさることながら、ゲイリー・ロスのウィットにとんだ会話が素敵なのだ。 ボルティモアで小さな職業紹介所を経営するデーヴ・コーヴィック(ケビン・クライン)は大統領のそっくりさんということで突然ホワイトハウスに召喚させる。実は大統領、あるホテルでのパーティのあと不倫相手との密会に向かうために人目をはばかってその場を立ち去りたいとかで、デーヴに会場から表のリムジンまでのあいだを替え玉として歩いてほしいというもの。 多少の悪乗りはあったものの、なんなく代役をこなしシークレットサービスにリムジンで家まで送ってもらってると突然引き返すように連絡がはいる。大統領が愛人とエッチの最中に倒れて意識不明の重態になったとかで、しばらくの間大統領の影武者になってほしいと要請される。 しかし、一旦なってみるとその人柄のよさと、手際のよさで大統領の人気はうなぎのぼり。次期大統領の椅子をねらっていた補佐官レクサンダー(フランク・ランジェラ)はおもしろくない。大統領のかつての汚職事件をリークしデーヴの失脚をねらうが・・・。 とにかく楽しいシーンが満載。ショーもないおちゃらけがとてもきもちいがいい。 最初に依頼された影武者の仕事も、無言でパーティにきた参列者の間を笑顔をふりまいて歩きぬけばいいだけなのに、フロアーエンドまでいくと、たまらずひきかえしてきて「頑張って、頑張ってアメーリカ!」と思わず叫んでしまう。つい我慢できずに叫んでしまったとかいうあの軽さ。実にたのしい。あのつかみでこの映画のたのしさがわかる。 予算編成の会議で、前もってずさんな支出をチェックしておいたケヴィン・クラインは、不要な部分をカットして必要な公費にあてていく。おわったあとは出席者から拍手。語り口が上手い! 大統領夫人(シガニー・ウィーバー)と官邸の外に出てしまいうろうろしてると一般人にみつかってしまうが、「実は夫婦のそっくりさんで、芸人としてあまりか全土をまわってるんだ」とごまかすと、「あんたは上手いが、かみさんのほうが、もうちょっと固いな」といわれたりする。実はかみさんは本物で大統領は偽者なのだけど。 ボディガードさんのエピソードもいい。「大統領が狙われたら身をもって守るんだろう。僕が狙われてもまもってくれるか?」の問いには無言のボディーガードさんだが、偽モノ大統領としてアメリカに必要なことをほんとにこないてしまった彼が、地方議員として立候補するとなると「命にかえても君をまもる」とばかりにボディーガードを買って出てる。 総てがいい感じで、実に楽しいポリティカル・コメディだった。
by ssm2438
| 2009-11-16 07:10
| アイバン・ライトマン(1946)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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