2009年 04月 19日
監督:シドニー・ルメット 脚本:ケリー・マスターソン 撮影:ロン・フォーチュナト 音楽:カーター・バーウェル 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン イーサン・ホーク マリサ・トメイ アルバート・フィニー * * * いやああ、個人的にはマリサ・トメイのオッパイがみられただけでかなり嬉しいのだけど、でも、あれがなかったら最後まで見られなかったかも。1964年生まれだから、この映画をとってたときは・・・42歳くらいか。すばらしい体形をしておられる。ふくよかな乳房もすてきだし、スレンダーな体も素敵だ。唯一の清涼剤だった。この映画にはぜったい必要な安らぎの時間というか・・、みたくなくなる観客の心をつなぎとめておく最後の絆だったのかも。 しかし、そのくらいというかかなりドツボな映画である。近年まれにみるドツモな映画。ひどいというかすごいというか・・、不幸のデススパイラルみたいな映画。不幸が不幸をよび、どんどん不幸になっていく映画。誰もかれもが不幸で幸せな人はひとりもいない。もし幸せな人がいたらマリサ・トメイのファンだけかもしれないが、どうやらその貴重ななかに私ははいっているらしい。 不幸リストをつくってみる。 ・不動産会社に勤めるアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は会社のお金を使い込みしているらしい。 ・羽振りが良かった時のクセか、妻ジーナ(マリサ・トメイ)と薬をやっている。 ・弟のハンク(イーサン・ホーク)は離婚していてた子供の養育費の支払いも滞っている。 ・そんなハンクは兄嫁ジーナと不倫している。 ・切羽詰ったアンディは弟に強盗しないかと話をする。 ・押入る店は彼らの両親の宝石店(保険に入っているから被害にあっても損害は取り戻せるはず)。 ・実行犯はハンク一人のはずだが、怖くなって別の男を雇ってしまう。 ・実行はトイガンもっていくはずが、彼は実銃をもっていった。 ・レジのおばさんも護身用の銃で反撃、自分も撃たれるが犯人を射殺してしまう。 ・レジのおばさんはアルバイトのはずが、彼らの母親が代わって出勤していた。 ・計画は失敗し、おまけに母親まで死んでしまう。 ・雇った男の妻とその兄からは「金をよこせ、さもなくば警察にばらすぞ」と脅かされるハンク。 ・ジーナはアンディのもとを去るが、ハンクと浮気をしていたことをばらす。 ・薬の売人宅を襲いお金くすねるアンディとハンク。 ・二人の父は盗んだ宝石を売買するための男をみつけ犯人がアンディだと知る。 ・それをもって死んだ実行犯の嫁とその兄のところへいき、金をみせるが油断した隙に撃ち殺してしまう。 ・女も撃とうとするアンディをとめるハンクだが、アンディはハンクに銃をむける。 ・そうだ、おれが全部だめにした、俺を撃ってくれというハンク(すでに自殺しようと思ったこともある)。 ・そのときその女に撃たれて重態になるアンディ。 ・いくらかお金をおいて逃走するハンク。 ・重態のアンディの収容されている病院にいき、アンディを殺す父。 ・・・・どこまでも不幸な映画だ。 監督は社会派の巨匠シドニー・ルメット。でも彼は社会派映画ばかりじゃなくて舞台劇的映画もけっこうとってる。というか、ほとんどが舞台劇的映画といっていいんじゃないかな。これもそんな感じ。なのでルメットらしいといえばルメットらしい。きちんと調べてないくて勝手な予想なのだが、これ、なにかの古典舞台劇のアレンジじゃないのかなあ。 ふとテオ・アンゲロプロスの『旅芸人の記録』を見直してみたくなった。
by ssm2438
| 2009-04-19 09:55
| シドニー・ルメット(1924)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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