
監督:ジョン・フォード
脚本:サミュエル・G・エンゲル
ウィンストン・ミラー
撮影:ジョー・マクドナルド
音楽:シリル・モックリッジ
アルフレッド・ニューマン
出演:ヘンリー・フォンダ
キャシー・ダウンズ
ヴィクター・マチュア
リンダ・ダーネル
* * *
キャシー・ダウンズのクレメンタインが美しい。ワイアット・アープものはけっこう撮られているが、一番有名で一番勘違いつくりなのがこの映画(笑)。このタイトルを聞くと血なまぐさい決闘ものかと勘違いしそうであるが、実はドグ・ホリデー(
ヴィクター・マチュア)の彼女クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)に高校生のようにあこがれるワイアット・アープ(
ヘンリー・フォンダ)の話。
街人教会が出来てお祝いのダンスパーティがあるなか、ホリデーにふられて帰りの馬車をまつクレメンタインにダンスを申し込むアープ。いやあああ、あのてれくさそうなみずみずしさがいいんだ。これを他のOK牧場の決闘ものとしてみるとこの映画のよさが見えなくなってしまう。先入観とは恐ろしいものだ。
一応最後にはアープ兄弟とクラントン一家のOK牧場での対決はあるのだが、出来上がった作品は、壮大なモニュメント・バレーを背景に、史実にこだわらず、娯楽的なアレンジが全編に施されながらも、フォードらしいダイナミックかつ繊細な演出と映像美が観る者を魅了する傑作となり、観客からも批評家からも好評を博して450万ドルもの収益を上げる大ヒット作となった。
ちなみにワイアット・アープとOK牧場の決闘のエピソードは、アープに
バート・ランカスターを、ドクに
カーク・ダグラスを配した
ジョン・スタージェス監督の
『OK牧場の決斗』(1957)として再び映画化され、スタージェス監督は1967年に『OK牧場の決斗』の後日談を描いた
『墓石と決闘』を発表した。 90年代に入って西部劇が再びブームになると、
カート・ラッセルがアープを演じるアクション色の濃い
『トゥームストーン』(1993)と、
ケヴィン・コスナーがアープを演じる伝説よりも史実に基づいた
『ワイアット・アープ』(1994)の二本のアープの半生を描いた映画が作られた。