
監督:ノア・バームバック
脚本:ノア・バームバック
撮影:ロバート・イェーマン
音楽:ブリッタ・フィリップス
ディーン・ウェアハム
出演:ジェフ・ダニエルズ
ローラ・リニー
ジェシー・アイゼンバーグ
オーウェン・クライン
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アカデミー脚本賞にノミネートされてると知って見に行った映画。・・・・つまらなかった。
・・・・が、分らんでもない。
私が子供の頃(今もだけど)、ぜんざいが嫌いで嫌いでたまらなかった。あの小豆が嫌いなのだ。保育園~幼稚園とぜんざいが給食に出ようものならその日はブルーだった。気持ち悪くてたべられない。あの気持ち悪い食感のものを我慢しながらのどの奥にながしこまないといけないのだ。確かにあれは子供のころ大嫌いだった。でも、今でも好きではないが食べることは出来る。
いつのころから食べられるようになったかというと・・たぶん小学生の高学年くらいだっただろう。ただ、あのころはまだ、「自分はこれを嫌いなんだ」って思っていたし、子供の頃からそうだったし、いつのまにかそれができるようになると自分のアイデンティティが崩壊するようで、自尊心がそれを許さなかったのだと思う。あのころは「ぜんざいが嫌いなボク」というのがひとつの自分の殻だったのだから。しょうもないことだったけど、確かにそうだった。それを壊したくなかった自分がいた。だjから小学生の高学年になって、嫌いだけど食べられないことはなくなっていたぜんざいを、やはり以前にように食べられないことにしていた自分がいた。
人は、自分が嫌いなこととか、出来ないこととかを、自分のアイデンティティにするものなのだ。でも、いつしかそれはもう嫌いじゃなくなったり、出来るようになってたりしている。
もちろんそれをずっと続ける人もいるだろうが、そうでない人もいる。あるとき「あ、もうそんな振りしないでもよくなってるんだ」って自分自身に気付く時がある。
この映画は・・最後で「ああ、自分はもう母親を嫌いな振りしなくてもいいんだ」ってことに気付いたのだろう。
この映画は、そんなみずみずしい感性の映画。これはやっぱり普通の人にはなかなか分らない気付かないつぼだ。ただ、シナリオなどの勉強をしてる人で、きちんと自分の心と向き合えるなら、このくらいは理解できるはず。自分の感性をたしかめるための映画・・かな?
なにも感じないようではやっぱりライターとしては向かないだろう。