
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影:ラホス・コルタイ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ティム・ロス
プルイット・テイラー・ヴィンス
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さすがに
『ニュー・シネマ・パラダイス』を期待して見に行ったのでちょっと残念。この出来で「ちょっと残念」と思わせるのはやはり『ニュー・シネマ・パラダイス』が素晴らしすぎたからなのだけど、本編みせといて回想シーンで泣かそうってテクも二度目だとちょっとあざとい。でも、わくわくさせる見せ方の上手さはさすがはトルナトーレ、嵐に揺れるフロアでのピアノ演奏、ジャズピアニストとの演奏競争など、「おおおおおおおお、上手いなあ」って感心する。トータルとしたら及第点のできでだとは思う。
この映画のポイントは「オタクスピリット」だろう。ジャンルはアニメじゃくなくてピアノなんだけど、魂のありかたがオタクなのだ。オタクの基本特性とは、一言で言うなら現実逃避のためのある種のカテゴリーに没頭する精神ということなのだろう。現実の世界へ迎えないことが一番のネガティブイメージ。その現実というのは社会というこもあるだろうが、好きな女に対しても挑めない。
男にとって好きな女に「好き」っていうことはきわめて難しいことであり、これを実行するためにはかなりの覚悟と勇気を必要とするものだ。とにかく好きであれば好きであるほど失う怖さも大きくなり、求められなくなる。しかし男たるもの、それでも挑まなければならないようにできている。男が仕事をするのは、誰かに「好き」っていうための自信をもつための準備なのだと思っている。自信がなければ「好き」とはいえないものだ。
べつないい方をすれば純粋すぎるがゆえの弱さということもいえよう。しかし、そうはいっても男たるものはそれをこくふくしないといけないように出来ているものだ、普通は・・・。
この映画をみていると、オタクスピリットから脱却できないでいる男の哀愁がある。それはきっとこの物語の主人公がトルナトーレ本人分身であるからだろう(ま、どの映画も主人公というのは作っている人の分身であるものだが)。