2009年 04月 14日
監督:エクトル・オリヴェラ 製作:フェルナンド・アヤラ 脚本:ダニエル・コン、エクトル・オリヴェラ 撮影:レオナルド・ロドリゲス・ソリス 出演:アレホ・ガルシア・ピントス、ヴィタ・エスカルド * * * ビデオ発売は『ミッドナイト・ミッシング』。 これは暗かったね。。もうドツボ。救いようがないくらいドツボの映画。当時アルゼンチンのドツボ映画はけっこうあって『スール/その先は・・・愛』とか『オフィシャル・ストーリー』とか。世界の映画さいでも、前軍事政権の批判をこめて、こぞってアルゼンチンの映画を賞の一角に加えた。 時代背景は次のようなものだった。 戦争に参加してなかったアルゼンチンは、第二次世界大戦での輸出によって富裕国になっていた。戦後発足したペロン政権は、労働組合の保護や労働者の賃上げ、イギリス系、アメリカ系などの外資系企業の国営化、貿易の国家統制などの政策を推し進め、労働者層から圧倒的な支持を受けてきた。しかしこれらの制作は、戦中に稼いだ外貨によるものであり、すぐに使い果たしてしまう。1949年頃からはアメリカやカナダの増産により食糧輸出は不振となってインフレがおこった。次第にペロンは苦境に追い込まれる。 遂に1955年9月には、海軍と陸軍が起こした軍事クーデターにより大統領の職を追われ、スペインに亡命した。その後亡命先のスペインでナイトクラブ歌手のイサベル・ペロンと再婚する。 亡命から18年近く経った1973年7月に先の大統領カンポラの辞任を受け、ペロニスタ達はペロンに帰国して大統領選挙に出馬することを要請した。帰国したペロンは大統領選に勝利し同年の10月に三たび大統領に就任した。副大統領には自らの妻であるイサベル・ペロンを任じるが、帰国後わずか1年後の1974年7月に心臓発作で病死した。 副大統領であったイサベル・ペロンが大統領に昇格し、世界初の女性大統領となる。就任後は、軍内のペロン支持派とともに亡き夫の政権時代以上に強権的な体制を敷き、1975年には反政府派の弾圧を行ったほか、多数の人権活動家を投獄、殺害するなどし国民のみならず政府や軍の反感を買った。イサベル政権は2年続くが、既にペロン党自体が分裂状態にあり、オイルショックによって300%を超えるインフレーションに見舞われ、経済危機に立たされる。1976年3月に起きた軍事クーデターで解任される。 <あらすじ> 75年、インフレに見舞われていたイザベラ政権下のアルゼンチン。どんどん物価があがるなか、なんとか学費の負担をへらそうと、ブエノスアイレス近郊ラプラタの高校生たちは、バスの学割定期券の発行を求めたデモを行った。そんな学生運動家のパブロ(アレホ・ガルシア・ピントス)とクラウディア(ヴィタ・エスカルド)はお互いに惹かれあっていたが、まだ体を許す関係にはなってなかった。 翌年3月、クーデターによるアルゼンチン全体が軍政委員会の管轄下に置かれることになる。イザベラぺ・ペロンが極左のファシスト政権だったのに反発もあったのだろう、新しい政権のものでは、左翼的行動を取っていた者は、軍部に目をつけられ、学生運動の首謀者たちもあちこちで行方不明になっていた。やがてクラウディアに尾行がつき始めた。そしてある夜、彼女を始めとする6人が何者かによって連れ去られた。危険を感じ身を隠していたパブロもついに発見され、目隠しをされたまま蓮れ去られ、すさまじい拷問受けた。ほとんどを目隠しされたまま、つれまわされ、「デモを先導したものは誰か?」「誰の指示でデモを起こした」と左翼のルーツを探る尋問がおこなわれた。やがてパブロは、シャワーをあびることがゆるされ、獄中で仲間と再会する。目隠しをされたままだが、クラウディアだと判った。 やがてパブロひとりだけが釈放された。軍事政権が打倒された解放されたひともいるが、パブロの他の仲間たちはいまだに行方不明である。
by ssm2438
| 2009-04-14 11:39
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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