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2008年 11月 22日
監督:本多猪四郎原作:黒沼健 脚本:村田武雄、木村武 撮影:芦田勇 音楽:伊福部昭 特技監督:円谷英二 出演 佐原健二 (河村繁) 白川由美 (キヨ・坑夫五郎の妹) 平田昭彦 (柏木久一郎・古生物学者) 田島義文 (井関・西部新聞記者) 松尾文人(葉山) 草間璋夫(須田) * * * 東宝特撮怪獣映画の最高傑作。 原作者の黒沼健は日本におけるオカルト・ライターの草分けでもあり『大怪獣バラン』も彼によるもの。彼の物語の構成力、助走から滑走し、飛び立っていく物語展開がすばらしい。 本作もラドンを直接見せるのではなく、まず、メガヌロンと呼ばれるヤゴのような古代昆虫から物語を展開。阿蘇山の麓にある炭鉱に出現し、鉱内で炭鉱夫や警察官をハサミで殺害。当初は鉱夫仲間の諍いが原因かと思われていたが実は・・・という冒頭。なので話の冒頭は人間対メガヌロンの攻防だったりする。メガヌロンに襲われる炭鉱の話から、その調査に乗り出して地底に潜っていくと、実はそれはラドンの餌となる古代昆虫であったというところから、やっとラドンのお目見え。 しかし飛び立ったラドンはほとんどカメラが捕らえることが出来ない。カメラが捕らえることができないものを撮らないすばらさいさ。それは、遭遇した航空機のパイロットの無線でしか伝わらないもの。このへんの見せない演出も見事。自衛隊機が国籍不明機を追跡する場面では米国の有名なUFO事件がヒントにされているようだ。福岡のまちを破壊するラドンのミニチュアワークも素晴らしい。いまみても作り手のこだわりがひしひしとつたわってくる。 ラストシーンの阿蘇山噴火では、溶かした鉄を溶岩に見立てたため撮影現場は高熱に包まれ、その熱は本番中にラドンを吊っていたピアノ線を焼き切ってしまい、操演不能になった。しかし特技監督の円谷英二は操演スタッフのアドリブだと思ったため、撮影の有川貞昌らに「まだキャメラを止めるな!」と叫んで撮影を続けさせた(撮影終了後に操演スタッフから事情を聞いたが撮り直しはしない事に決定した)。結果的に、本当に力尽きたかのように見えるラストシーンとなり、ファンからの評価は非常に高い。 あの落下は実にすばらしい。実にはかなく落ちていく。私もあとづけてこの話をきいたのだが、東宝特撮史上、偶然が生み出した最高のラドンの芝居だろう。 <あらすじ>阿蘇山の麓の炭鉱で出水事件が起った。技師の河村繁(佐原健二)が現場に急行すると、由造という鉱夫の死体を発見した。警察が捜査に乗出したが、由造と一緒に入坑して姿を見せぬ五郎が犯人と目された。ところが捜査に入坑した警官が更に惨殺された。その晩炭鉱の村を、巨大な目をした体長8メートルの怪獣が鋏を振りあげ警官隊に迫ってきた。拳銃を射っても手応えがなく怪獣は坑内に逃込んだ。 繁は機関銃を構えた警官と坑内に入る。そこに五郎を鋏で押えつける怪獣がいた。機関銃で怪獣を倒した繁だが、落盤と共に穴へ落ちた。洞窟の中には無数の怪獣がうごめき、更にそれをついばみ今しも孵化しようとする巨大な生物がいた。 数日後、繁は火山研究所の所員に救われた。しかし記憶喪失症にかかっていた。鉱山では古生物学者の柏木博士(平田昭彦)らを招き怪獣について研究した。博士は、前世紀にメガヌロンと呼ぶ巨大なトンボがいて、石炭の中に埋れていたその卵が水爆実験による地核の変動で孵化したのではないかと結論した。 一方福岡の自衛隊ではジェット機の一倍半の超音速で飛ぶ怪物体を確認、外電はマニラ市の全壊、奄見大島に津波襲来などの被害を報じた。繁は漸く記憶を回復、彼の証言と洞窟内の卵の殻から、柏木博士は空飛ぶ物体をプテラノドンと断定した。プテラノドン略称ラドンはこれが地底で孵化し全長270フィート、体重100トンを超える巨大さに異常生長したものと推定された。ラドンの飛ぶ速さは音速を超え、衝撃波を起し、そのため東南アジア一帯に被害を生じたのである。ラドンは辛くも舞上り西海橋を真二つにして博多市に現われた。地上すれすれに飛ぶ断末魔のラドンの羽ばたきで高層ビルが倒れ市内は阿鼻叫喚の巷と化した。その時、もう一羽のラドンが現れ、手負いのラドンを救出して去った。 対策本部は再びラドンの襲来を予想し阿蘇山火口の巣を攻撃。ロケット砲とジェット機の猛攻で火口底は火の海。さすがのラドンも、大噴火のもと、遂に熔岩の奔流に押し流されていった。
by ssm2438
| 2008-11-22 17:14
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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