
監督:ティム・バートン
脚本:ジョナサン・ジェムズ
撮影:ピーター・サシツキー
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ルーカス・ハース (リッチー)
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私の嫌いな
ティム・バートンの、そのなかでも最も嫌いな映画。
映画にしても書物にしても、その作り手が発言する総てのことは、他人のための言葉などではなく、総て自分の為にであり、その人自身の自己肯定の産物である。この映画もティム・バートンの自己肯定の産物であることは間違いない。そしてティム・バートンが自分を投影したのが、主人公の自信のないハニカミ屋の少年リッチー。
こんなことを考えてる。もし、このような少年をヒーローにするにはどうしたらいいのか?
で、こんなことが思いついたとすると。
ある日突然火星人が襲来。権力の象徴である合衆国大統領は彼らにたいしてどう、対処していいのか分らない。国の首脳をサポートする知識人や軍関係者も人たちや、その他の強欲をそのモチベーションとして成り上がった人たちは火星人たちに問答無用でころされる。彼らの猛攻はとどまる所を知らず、被害は世界各地に広がり、人々は次々に殺されていく。ホ人類の抵抗は無力で、核攻撃も全く効果がない。大統領は火星人の代表と講和を申し込み、感動的な演説で彼らの目にも涙を浮かべさせるが、結局、殺されてしまう。地球危うし。
そんな時、田舎町にすむさえないある少年(ティム・バートンの分身)がたまたま発見した火星人の弱点を発見、どうやら火星人はスリム・ホイットマンのレコードの歌声を聞くと脳みそが爆発するらしいことに気付く。かくして主人公はみんなに呼びかけで、レコードの音を大音声で宇宙船に浴びせ、火星人は撃退する。かくして主人公は人類を救った功績で表彰される・・なんて話はどうだろう?
・・・しかし、これはあくまでファンタジーでって、現実世界では、そんな少年がヒーローになることはない。
現実の世界でヒーローになろうとしたら、ひたすら勉強し、努力し、一つのことにこだわり、それを継続していかなければならない。そして偶然も作用するだろう。ティム・バートンにはそういうった、現実の世界でなにかを成し遂げていくような人物は描けないのである。そんなティム・バートンの映画の中に、私がみて楽しめるものなどないのだ。