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2009年 11月 21日
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ トニーノ・グエッラ エリオ・バルトリーニ 撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ 音楽:ジョヴァンニ・フスコ 出演:モニカ・ヴィッティ、アラン・ドロン * * * 1962年のカンヌ映画祭審査員特別賞受賞作品。なんとお洒落なタイトルだ。原題はイクリプス=蝕(日蝕)。それを『太陽はひとりぼっち』と題するセンスはすごい。ただ、このタイトルが本編をそれほど象徴化してるとも思えないが・・(苦笑)。 まず、アントニオーニの映画は、何が描かれているのか分らずに見てもただかったるいだけだろう。ほとんどの人はつまんないと判断するはずだ。私が観てもかなりつまんないし、部分部分は飛ばし観るさせてもらった(苦笑)。しかし、おぼろげながら意味がわかって見ると、なかなか味わいのある作品なのである。この映画を語るには「愛の不毛」を語らなければならない。だいたいその意味はなんなのか、それを正確に話した人がいるのだろうか? ・・というわけで、一応これ(以下↓)は私の見解。 まず、理解しなければならない現実がある。それは 「女に男を愛する能力はない!」 ・・ということだ。多分ミケランジェロ・アントニオーニもそのことにあるとき気付いてしまったのだと思う。これをほとんどの人(男も女も)は気付かない。そたまにふらっと感じる時はあるかもしれないが、心のどこかで「いやいやそんなことはない」って否定してしまう。だから本人が心から認識することはない。しかし、ごくごく一部の人だけがそのことを認識してしまっている。『ロリータ』を書いたウラジミール・ナボコフもその一人だろう。 男が気付かないのは、男が女でないからだ。男には女を愛する能力はあるが、女にも同じ能力があると勘違いしてしまうのだ。そして女にもその能力があるというファンタジーを描き続け、その結果としてあまたの小説や映画が生まれた。それを見せ付けられてきた女たちは、「自分たちも、男を愛する能力があるのだ」と勘違いし、そう思い込む。一報女も、自分に愛する能力がないのだから、男がどんなにいいよってきても、そこに真実味を感じない。女に男の思い入れなど分るはずがないのである。 男は一度愛した女は別れても好きだが、女は別れたらその男のことはあっというまに忘れてしまう。あの節操のなさは、男には理解できないものだが、それは「女にも男を愛する能力がある」ということを前提してものを考えるからであり、その基本原則と現実との食い違いが,男には理解しがたい現実になる。しかし「女には男を愛する能力がない」という真実にたどり着けばその訳ははっきりしてくる。 ミケランジェロ・アントニオーニはその真実にたどり着いてしまった一人なのだ。彼が60年代に描き続けた「愛の不毛」のシリーズは、すべてこの法則によるものだ。それはモラルの問題ではなく、女の性として、男を愛する能力がない。しかし、男も女もそれを認めていない。そんな状況のなかで、かれは自分が見つけてしまった悲しい真実を描いていたのだ。 コンクリートの種をまいても芽が出ないように、女をいくら愛情を投資しても、芽はでないのである。それでも永遠に男は夢を見つづづけ、女もその夢に同調する時間をわずかながらもっている。人はそれを『恋愛』と呼ぶのである。 そこまで理解した上でこの映画をみると、 「おおおおおおおおおお、ミケランジェロ・アントニオーニ、すごいぞ!!」ってことに気付く。
by ssm2438
| 2009-11-21 15:20
| M・アントニオーニ(1912)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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