2009年 12月 24日
監督:岡本喜八 脚本:倉本聰 撮影:木村大作 音楽:佐藤勝 出演 仲代達矢 (JBC外信部員・南一矢) 勝野洋 (国防庁特殊部隊員・沖退介) 高橋悦史 (国防庁特殊部隊員・沢木) 沖雅也 (国防庁特殊部隊員・原田) 竹下景子 (沖の恋人・西田冴子) * * * 大いなる失敗作・・? はは・・、それほど大したものではないかも・・。特撮の本家である東宝が「特撮を一切使わないSF映画」を目指した意欲作として知られる。サイエンス・フィクションというよりも、ポリティカル・サスペンスだろう。ただ、その起点となる出来事がUFOに出会った人々が青い血にかわる・・というありえないシチュエーションから発展している話というだけ。 体制批判、まずありき!・・の映画なので見ていてあまりきもちのいいものではない。かなしいかな、体制批判に方向性が向かうと、自己批判をしなくなり、自己の進化力を知らず知らずに弱めていってしまう。あまりこの手の映画に傾倒したくはないものだ。。 ・・とはいえ、ドラマのもって行き方はさすが倉本聡、じっくりと大人の展開している。シナリオを書く上で、ドラマの転がし方を勉強するには決してわるくない素材だ。 ドラマはさりげなく二部構成になっているようだ。はじめは仲代達也をキーマンにすえ、青い血の人間がいると言う隠された事実と、それの排除にあったっている政府の極秘プロジェクトの秘密を探ろうとするJBC外信部員の視点でドラマの全体像を浮き彫りにしてく。 中盤から後半にかけては物語の視点が移動していく。ここでは勝野洋扮する国防庁特殊部隊員が主人公になっている。勝野洋の役どころは、青い血の人間の排除命令を実行する任務を与えられた一人だが、彼女の恋人(竹下景子)が実はその青い血の人間であり、自分の方向性に疑問をもちつつも、体制にはさからえず実行していくというもの。 ただ、青い血だというkだけで、強制的に排除しようとする政府のやり方があまりにナンセンスで、無理やり非難すべき対象にしていることは明白すぎるくらい明白。おかげで作り手のいやらしさを感じさせる出来になってしまっている。もう少し政府の行動が納得できるもであり、切実に見ている人の危機感を訴えた話になっていれば、名作に化ける可能性もあった。違う形で誰かが再映画化してくれいものだろうか・・ <あらすじ> いつもいく理髪店に勤める西田冴子(竹下景子)にひかれていた国防庁参謀本部の沖(勝野洋)と同僚の原田(沖雅也)は沢木(高橋悦史)のひきいる特殊部隊に転属される。その特殊部隊とは、青い血をもつ人間の潜在的恐怖に対処するために政府が設立した非公式の部隊だった。 京都国際科学者会議において、宇宙人の存在について演説した兵藤教授は、数名の外人に連れ去られる。 日本国営放送の南一矢(仲代達矢)は、五代報道局長の命をうけて、兵藤教授の失跡事件の調査をはじめた。同じ頃、新人女優、同放送局の大型ドラマのヒロインに抜擢された高松夕子は、麻薬不法所持の疑いで逮捕され、即日ドラマをおろされる。そして自殺。 後に南は、彼の友人で高松夕子と付き合いのあった木所から「夕子の血が青かった」という話をされたことを思い出す。青い血の人間の存在と、それをさりげなく排除しようとしている政府の行動を感じる南。 徐々に広がる青い血の人間。政府は国民血液総点検を閣議で決定するがそれに反対する学生はデモをおこす。青い血の人間はさりげなく社会から隔離されていくが、不思議なことに、青い血だと分っていてもそのまま放置されている者もいる。・・・なんのために? 街にクリスマスソングが流れはじめた頃、国防庁特殊部隊員の沖には極秘指令が発せられていた。重大任務を前にして冴子と会った沖ははじめて冴子を抱く。処女だった冴子がベットに残したのは青い染みだった。街にジングルベルが流れている。 クリスマスの夜、街々は純白の雪におおわれていた。沖の所属する特殊部隊は、各地で残されていた青い血の人間たちを抹殺していく。そんな沖は、冴子が自分の殺すべきターゲットだと知らされる。
by ssm2438
| 2009-12-24 09:30
| 木村大作(1939)
|
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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