監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー
シュザンヌ・シフマン
ジャン・オーレル
撮影:ネストール・アルメンドロス
フロラン・バザン
テッサ・ラシーヌ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ファニー・アルダン、ジャン=ルイ・トランティニャン
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フランソワ・トリュフォーも実はヒッチコック信者のひとり。この映画が制作されたのは1980年代の頭なのだけど、何故か白黒作品。作品もヒッチコックがとりそうなロマンチック・サスペンスであり、ヒッチコックっぽさを出したかったのでしょうね。残念ながらこの作品がトリュフォーの遺作になってしまいました。しかし、これはトリュフォーのなかでは意外と面白い作品に仕上がっている。サスペンスなので一応殺しも出てくるが、それよりも明るく幸せな感じの演出がとてもほほえましい。というか、この映画のなかの
ファニー・アルダンがとてもかわいらしい。人差し指だけのタイピングも素敵。トランティニャンがみてるだろうと予測し、脚線美をみせるカットもじつに素敵。
当時の
ファニー・アルダンとは、プライベートでも一緒になり、娘さんもいる。ちょうどこの頃、お付き合いをしはじめたらしい。きっと幸せな時期だったのだろう。映画からもそんな幸せ感がつたわってくる。
<あらすじ>
南仏のニース近郊。ヴェルセル不動産のオフィスで秘書として働いているバルバラ・ベッケル(
ファニー・アルダン)は、社長夫人のマリー・クリスティーヌ(
カロリーヌ・シホール)の気分を害してしまいクビにされてしまう。しかしその社長のジュリアン・ヴェルセル(
ジャン・ルイ・トランティニャン)の狩猟仲間で、ジュリアンの妻と不倫の関係になったジャック・マスリエという男が撃ち殺され、その容疑が自分にかけられるとしると、容疑を晴らすためにバルバラに協力を頼みに来た。親友の弁護士クレマン(
フィリップ・ローデンバック)のおかげで拘留はまぬがれたものの、家に帰ってみると妻のマリーも殺された。犯人は意外にも弁護士のクレマンだった。マリー・クリスティーヌを死ぬほど愛していた彼は、自分の罪を告白すると、警察の目の前で自らピストルの引き金を引くのだった。