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2011年 07月 21日
監督:ニコラス・ローグ脚本:テリー・ジョンソン 撮影:ピーター・ハナン 音楽:スタンリー・マイヤーズ 出演: テレサ・ラッセル (女優) マイケル・エミル (プロフェッサー) ゲイリー・ビジー (ボールプレーヤー) トニー・カーティス (上院議員) ウィル・サンプソン (エレベーター・アテンダント) * * * 原題は「インシグニフィカンス」(=無意味なこと)。エンディングテロップでは、特定の名前が特定されているわけではないが、女優、プロフェッサー、ボールプレーヤー、上院議員はそれぞれ、マリリン・モンロー、アインシュタイン、ジョー・ディマジオ、ジョセフ・マッカーシー上院議員を意味している。 物語はかっことしたストーリーがあるわけではなく、これらの登場人物をつかった会話劇である。それぞれの登場人物が劣等感と後悔、悔しさをもち、表の顔と裏の心を表現しながら会話劇はすすんでいく。 アインシュタインを前に、特殊相対理論を説くマリリン・モンローのシーンはとても印象深い。これは数ある映画のなかの名シーンの一つに上げてもいいくらいだ。 アインシュタインは、ナチス・ドイツが先に核兵器を保有する事を恐れるあまり、ルーズベルト大統領に書簡を送ったことがアメリカ政府の核開発への動きをうながす最初のものになったことを後悔している(※)。そして彼の懐中時計は広島に原爆がおとされた8時15分でとまったままであった。そして朝の8時15分になると、きまって原爆が落とされたその現象を夢見てしまう。 マリリン・モンローは、自分を表面的アイテムとしか扱わない社会に絶望している。いつも見られる対象だが、ほんとの自分を誰も求めてはくれない、その孤独感にさいなまれている。まだ髪がブロンズではなかった時代の彼女も登場する。彼女自身もみてくれは美しいが、体の内面はぼろぼろであり、妊娠してもすぐ流産してしまう。それでも子供はほしいと思っているが・・・、今回も流れた。 ジョー・ディマジオは、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグが引退したあとのヤンキースをささえた永久欠番プレイヤー。1954年2月1日にマリリン・モンローと結婚。自分はかつて人気ものの野球選手だったことを懐かしそうに誇るが、あたまの悪さに劣等感を覚えている。愛するマリリンをいくら求めても、そんな自分を決して人間的にみとめようとはしない彼女。やりきれない切なさを単純な人間でるように振舞うことでなんとか持ちこたえている。現実の世界でもマリリン・モンローとの結婚は9ヶ月しか続かなかった。 マッカーシー上院議員は、1948年頃より1950年代前半にかけて行われた赤狩りでアメリカにおける共産党員、および共産党シンパと見られる人々の排除を推し進めた中心的人物。昔は「いい子ね」っていわれていたのに、今では誰もが忌み嫌うファシスト政治家になってしまったことが許せない。なぜ自分は正しいことをしているの、世間はこんなに自分を嫌うんだ・・と。あんなに愛されていたはずに子供のころの自分はどこにいったのだ・・と。 ※ アインシュタインがルーズベルトに送った原爆開発への進言だが、どうもほんとはアインシュタインのものではないらしい。真実は、亡命ユダヤ人物理学者レオ・シラードらが、1939年、同じ亡命ユダヤ人のアインシュタインの署名を借りてその考えを提案したとのころだ(ウィキペディアより)。 <あらすじ> 1954年3月のニューヨーク。今まさに国民的な人気女優マリリン・モンロー(テレサ・ラッセル)の白いワンピースのスカートが地下鉄の風でまくれるシーンのロケ中であった。やじ馬の中には彼女の夫でジョー・ディマジオ(ゲイリー・ビジー)の顔もあった。そんな撮影風景をホテルの部屋から見下ろすアインシュタイン(マイケル・エミル)。彼は、翌日の世界平和会議に出席することになっているが、部屋では宇宙の大統一理論の研究に没頭していた。そんなアインシュタインをマッカーシー上院議員(トニー・カーティス)が訪れる。彼は翌日平和会議への出席をとりやめ、反共産主義の公聴会への出席を要請しにきたのだ。そんなマッカーシーをなんとか追い払ったアインシュタインは眠りにつくが、午前3時、ノックの音がする。でてみるとマリリン・モンローだった。世間ではみてくれだけだと思われている彼女は、もっと認められるべき人間なのだ・・ということを示すために、特殊相対性理論の知識勉強し、それをアインシュタインに聞いてもらい、わかっているかどうかをを確かめるためにやってきたのだ。 モンローを追うように夫のジョー・ディマジオが登場。トイレで貧血になり倒れたモンローにディマジオ夫妻にアインシュタインは部屋を譲り、しばし他の部屋にうつる。意識が戻ったモンローはどうやら妊娠しているらしく、今回は産めるかもしれないと希望をもっていることを話す。朝になってディマジオが部屋から出ている時にマッカーシーがやってくる。彼は、アインシュタインが公聴会に出ないのなら、アインシュタインが今研究しているその書類を全部押収するという。しかし、ベットに寝ていたのはモンローだった。彼女は色仕掛けでなんとかアインシュタインの研究書類を守ろうとするが、そんな色仕掛けにはのらないとばかりに隣にすりよってきたモンローの腹をなぐり、彼女は妊娠していた子供を流産してしまう。自分の生涯の研究が、原爆開発に利用されたことに責任を感じていたアインシュタインは、ホテルの窓から研究書類の一切を投げ捨てる。 部屋にもどってきたディマジオは、「テレビもみない。本も読む、野球の話ももうしない・・だからやり直そう」と伝えるのだが、おなかの子を流してしまったモンローには既に求める希望は無く、離婚してほしいと涙ながらに頼むのだった。すべての希望を失ってさっていくディマジオ。 そして朝の8時15分、ふたたびアインシュタインは原爆に焼かれるイメージをみる。気丈に明るく部屋からでていこうとするモンローの白いドレスを原爆の炎が焼き尽くす・・。
by ssm2438
| 2011-07-21 03:52
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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