2011年 04月 17日
監督:ラッセ・ハルストレム 原作:ジョン・アーヴィング 脚色:ジョン・アーヴィング 撮影:オリヴァー・ステイプルトン 音楽:レイチェル・ポートマン 出演: トビー・マグワイア (ホーマー・ウェルズ) シャーリーズ・セロン (キャンディ・ケンドール) マイケル・ケイン (ウィルバー・ラーチ医師) デルロイ・リンドー (ミスター・ローズ/季節労働者) ポール・ラッド (ウォリー・ワージントン) ジェーン・アレクサンダー (看護婦エドナ) キャシー・ベイカー (看護婦アンジェラ) * * * ハルストレムがアメリカで撮った映画のなかでは一番いいかも・・ 原作/脚本はジョン・アーヴィング。2000年のアカデミー賞最優秀脚色賞を受賞している。物語は、あいかわらず傷ついた者たちの生命力のしぶとさを感じる物語を書いている。いつも思うのだが、アーヴィングの話というのは子宮の臭いがする。理性で語るのではなく、人間のもつ業としての愛、欲望と願望とか、そんなものから発生する行為、それがアーヴィングの肉憎しい(こんな単語はないだろうなあ)までの生命力をかもし出すのだと思う。 アーヴィングの話というのは、ストーリー的に終結していく作品ではない。雰囲気を描く作家というほうが正しいだろう。ゆえにエンタメ系の人には向かない映画だろう。そんなアーヴィングのよさは、突き抜けてしまう「やってしまった感が感じられるところだ。理性がNGを出そうとも、感情がそれを突き抜けてしまうのである。劇中のシャーリーズ・セロンが妊娠してしまったのも、相手の男が「中で出してはいけない」とおもいつつも、中で出しちゃったからだろう。マイケル・ケインが、トビー・マグワイアの心臓に問題ありと嘘のレントゲンを送ったのも、戦争に行かしたくないとう業としての愛の結果だろう。アーヴィングの話には、理性を突き抜ける人間の業があり、もちろんそれが常に正しい方向に向かうとは限らない。ほとんどの場合は悲しい方向に向かうことのほうが多いかもしれない。しかし、それが描かれているところがアーヴィングのお話の魅力的なのだ。 しかし、このころのシャーリーズ・セロンはいいなあ。こういう使われ方をしていた時代がよいです。主演は『スパイダーマン』に出る前のトビー・マグワイア。自分の非力さを理解した、ちょっと頼りげのないところがこの人の魅力なのだろうが、この映画ではとってもいい感じで主役にはまっている。 <あらすじ> メイン州ニューイングランドのセント・クラウズ孤児院で生まれ育ったホーマー(トビー・マグァイア)は、いまでは孤児たちのよきお兄さんの役割をになっていた。かれを育てた親代わりのラーチ院長(マイケル・ケイン)は産婦人科医であるが、当時は禁止されていた堕胎の仕事も請け負っていた。そしてそれをホーマーも手伝ううちにそのやり方も覚えていた。ある日、軍人ウォリー(ポール・ラッド)と一緒に訪れたキャンディ(シャーリーズ・セロン)の堕胎手術を行った。そして彼女が退院の時に、彼も一緒にその孤児院を旅立っていく。 彼はウォリーの誘いで彼の母親が経営するリンゴ園で働き、季節労働者の収穫人たちの宿舎サイダーハウスで暮らし始めた。ミスター・ローズ(デルロイ・リンド)をボスにした季節労働者たちは収穫時期が終わると次の土地へ向かって去っていった。リンゴ園での生活にも慣れた頃、ウォリーは再び戦地へ戻り、キャンディは寂しさを紛らわせるためにサイダーハウスに残ったウォリーを遊びに連れ出す。キャンディは純粋なホーマーに好意を抱き、ホーマーもまた彼女に初めての恋をした。 そして1年が過ぎ、ふたたび彼らは戻ってきた。しかしボスの娘ローズ・ローズ(エリカ・バドゥ)は妊娠していた。その子の父親は、彼女の父であった。絶望しているローズ・ローズのために、ホーマーは意を決して彼女堕胎手術を行う。そんな折り、負傷したウォリーが戦地から帰還するという知らせが入る。キャンディはウォリーを同義的に見捨てることは出来ない。セント・クラウズ孤児院のラース院長も死亡し、ホーマーがその職を継ぐことになる。
by ssm2438
| 2011-04-17 22:52
| ラッセ・ハルストレム(1946)
|
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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