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2011年 04月 27日
監督:フレッド・ジンネマン脚本:ロバート・ボルト 撮影:テッド・ムーア 音楽:ジョルジュ・ドルリュー 出演: ポール・スコフィールド (トーマス・モア) ロバート・ショウ (ヘンリー八世) * * * それでも自分の信念を貫く男 この映画は政治家・弁護士の守護聖人として歴史に名を残したトーマス・モアの伝記映画である。官僚で最高位の大法官の地位にあったトーマス・モアだが、ヘンリー8世が離婚問題がおき、これを承認できないと信念を貫き通し、王への反逆罪にとわれ死刑になった。 常に信念を貫く男を描くフレッド・ジンネマン、作品のどこをとってもフレッド・ジンネマンの金太郎飴のような映画である。1966年のアカデミー賞(作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、衣装デザイン賞)をとったこの作品、もちろん英国アカデミー賞もほぼ同様の賞をとっている。 『ジャッカルの日』や『ジュリア』など、フレッド・ジンネマンは好きな監督さんなので、見せ方としては十分楽しめたのだが・・・、お話として面白いかと言われると・・・・どうなんだろう? 多分普通の人にはかなりしんどいと思う。正直な話、ジンネマン好きの私でも前半の1時間はつらかった。というか、最後の裁判になるまでつらかった。 ただ・・・、ほんとにこれが正しい生き方なのかどうかは、私的にはかなり疑問を感じる。私が思うに、人は、常に決断をしなければ行けない生き物だが、それは現実と理想の間でつねに揺れ動くものだ。そしてそれはその人の経験値による価値観で決定させる。そういう決断を迫られた時に「聖書にそう書いてあったから、こうだ」とか「そう決まっているからこうだ」っていうのは正しい答えなのだろうか? たしかに物理学的にそう決まっているもは受け入れるべき真実だが、宗教のように人間が作り上げた概念はその範疇に入らないと思う。 私が思うにこれは自分の価値観を放棄していることになるとおもうんだ。自分が真実を学ぶ時間が長かろうが、それは本人の価値観であるので、それを代表して語るのは自分の責任であり、それ以外のところから答えを持ってくるのは同なのだろうと思う。もちろん、自分が学んだ中に聖書があったとして、自分の人生とてらしあわせながら総合的に判断するのはいいと思うのだけど、自分の人生を放り出して、聖書に書いてあるから「これでいいんだ」って言うのは多分違うと思う。 この映画をみて思っていたのは、この下のフレビューに書いた田沼意次と松平定信の政治理念の問題。私は松平定信の方向性が正しいとは思えないのだ。この映画をみててどうもここで描かれているトーマス・モアが松平定信に見えてしまって・・、あまり共感がもてなかった・・。人はモラルと現実との間で揺れ動くものであり、だからこそ人の世界に流動性があるのであり、どちらかにこち固まることが正しいとは思えなかったのだ。そんなわけで、映画の技術論から言えばまったく素晴らしい映画だと思うのだけど、どうも今ひとつ、どっか覚めた目でみてしまった映画だった。 もうひとつ、撮影は良かった。実にイングランドのいい感じの風景を画にしていた。撮影監督は私の大好きな『オルカ』のテッド・ムーア。ほかにも『007/ロシアより愛をこめて』なんかもとってる。でお、個人的にはこの撮影監督さんの一番いのは『オルカ』だと思ってる。 <あらすじ> 1528年、英国。当時の王はヘンリー8世(ロバート・ショウ)は女王カテリーヌと離婚し、アン・ボーリンと結婚しようとしていた。英国はローマ・カソリックの国であったから、離婚にはローマ法王の許しを得なければならなかった。王の2度目の結婚を法王に弁護出来る者はサー・トマス・モア(ポール・スコフィールド)だけだった。 モアはハンプトン宮殿へ召喚され、枢機卿からヘンリー8世と女王の離婚を法王が承認するよう取りはからってくれと頼んだ。しかしモアはそれを拒否した。その1年後、トマス・モアは大法官となった。モアは王に忠誠を誓ったがローマ・カソリックの信者であるため、王の離婚には賛成しなかった。国王はローマ法王に対する忠誠を放棄し、自ら英国教会の主となる、と発表された。モアは大法官の地位を辞職した。やがて王はカテリーヌと離婚し、アン・ボーリンと結婚した。モアは逮捕され、ロンドン塔に閉じこめられた。反逆の罪で彼はウエストミン・ホールの裁判に引き出され死刑の宣告を受けた。
by ssm2438
| 2011-04-27 19:45
| フレッド・ジンネマン(1907)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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