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2011年 02月 21日
監督:マイク・フィギス原作:ジョン・オブライエン 脚本:マイク・フィギス 撮影:デクラン・クイン 音楽:マイク・フィギス 出演: ニコラス・ケイジ (ベン・サンダーソン) エリザベス・シュー (娼婦サラ) * * * アルコール依存症映画は、その昔はけっこうあったような気がするが、最近ではこれだろう。といってももう15年も前の映画だが・・。 人生の敗北者である脚本家のベン・サンダース(ニコラス・ケイジ)は、妻には離婚され、仕事の依頼もなく、会社も首にされ、それでもその社長さんはとってもいい人らしく、退職金として結構な額のお金をしはらってくれたようだ。そんなベンは死ぬまで飲み続けると心に決め、身辺整理し、ラスベガスに乗り込んだ。そして出会った娼婦のサラ(エリザベス・シュー)。お互いの孤独を舐めあうように二人は求め合い、孤独を癒されたサラはベンと同棲を一緒に暮らしたいと申し出る。ベンの出した条件は「決して『もう飲まないで!』といわない」こと。 ほんとに水を飲むように飲む。破滅的に飲む。死ぬことを決意したどうしようもない男の死ぬまでのアルコールに溺れつくす時間と、それをみまもることしかできないエリザベス・シューを描いた映画。これ以上頑張らないでいいという状況でひたすら飲み続ける。シャツも下着も洗わない。その日新しいものを一着買ってきる。そして次の日もまた買う。 実に刹那的でいい。映画の題材としてはクソ映画なのだが、それでも、この刹那さは沁みる。マイク・フィッギス一球入魂の映画だ。 ただ、ここまでくるとベンは記号的なキャラクターであり、状況に応じて感情に変化を見せるのはサラのほう。彼女は多分LAでなにか嫌なことがあったのだろう、ラスベガスに流れてきて娼婦をやっている。しかし彼女にはヒモがついており、稼いだ金は彼が巻き上げる。その彼も借金取りにおわれているらしく、最後は殺し屋がやってくる。 しかし、それはサラにとっても悲しい出来事だったのだろう。それからというもの、何のために娼婦をやっていくのか? ヒモの男が殺された時点で、彼女を必要としてくれる人間はこの世から一人もいなくなってしまった。そのとき彼女がひたすら会いたいと願ったのが、ベンだった。彼女は「誰かに必要とされる」ことが必要だったのだ。それこそが彼女自身の存在意義だった。 最初の夜は、ベンが一晩に500ドル払うと申し出た。「500ドルなら何でもできるわ。顔に出してもいいわ。でも髪にはかけないでね、今洗ったばっかりだから」とベンの股間に顔をうずめフェラチオをはじめる。しかし、ベンは「しなくていいから、一緒にいてくれ」といった。 ヒモの男が殺されてからは、ベンと一緒に食事をし、そのあと自分の部屋にくるように言う。そして一緒に住んで欲しいと申し出る。ベンが越してきた日、ベンは「ここは君の家だから家賃を払うといくらか渡そうとするがサラは「家賃は無料、さらに家主のブロージョッブ付」という。 ベンの体調は悪化する一方で、そんな彼を見るのがつらいサラは「医者にみてもらったら」と言ってしまう。もちろん拒否するベン。「そろそろ自分のモーテルに戻る頃だな」というベンに、「私の望みはあなたがここにいること。この話はもうしないから、ここにいて」と泣いて懇願する。そんなサラの気持ちを感じ取ったのか、ベンはカジノで女を買い、サラの家につれこんでセックスをする。そのときかえってきたサラ。「出て行って」と案の定言われる。 それからはサラも孤独な日がつづいた。通りを歩いているとまだ高校生くらいの若い客に声をかけられる。彼らの部屋にいってみると数人がいて、かわるがわるやるという。一人づつ相手するから、他の人は出てというサラだが、その中に一人はアナルセクスをしたいという。サラが断ると彼はサラを殴り倒し、後ろから犯してしまう。顔にあざを作って帰ると大家が1週間以内に立ち退けと言われる。カジノに足を踏み入れれば、娼婦と気づいたホディガードからゴミのように追い払われる。 そんな失意と孤独のサラにベンから電話がかかってきた。急いで彼のモーテルを訪ねると、そこには衰弱しきったベンかいた。それでも酒を飲もうとする。そして、サラをみつめながら自分で自分のペニスをしごきはじめる。「私がやしてあげるわ」とベンのペニスをやさしく上下にうごかす。そしてサラはベンの上になり緩やかに動き始める。朝になると、ベンは動かなくなっていた。 同系列の映画、ベルトルッチの『ラストタンゴ・イン・パリ』よりもこちらのほうが刹那に破滅的な映画だろう。
by ssm2438
| 2011-02-21 21:43
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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