2010年 04月 05日
![]() 脚本:ウィリアム・インジ 撮影:ボリス・カウフマン 音楽:デヴィッド・アムラム 出演: ウォーレン・ベイティ (バッド・スタンパー) ナタリー・ウッド (ディーン・ルーミス) * * * ううう~~む、女なら覚悟をきめて全部あげろよ! 全体的にじれったい。 監督は『波止場』や『エデンの東』『欲望という名の電車』のエリア・カザン。ただ、これはカザン演出がの悪いほうに向いてしまった作品だと思う。カザンって地味に、きっちち築き上げていく演出をする人だと思うのだけけど、その内容があまり心地よくない時、これをやられると、苛立ちと退屈さでみていられなくなってしまう。『欲望という名の電車』と同じような見心地の悪さを感じた映画。 しかし、このころのナタリー・ウッドは可憐でいいなあ。1955年の『理由なき反抗』でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、その後、この『草原の輝き』とロバート・ワイズのミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』で有名になった。残念なことに、1981年、映画『ブレインストーム』の撮影中にボートの転覆事故で水死してしまわれた。残念。 <あらすじ> バッド(ウォーレン・ベイティ)と、ディーン(ナタリー・ウッド)は幼馴染の高校3年生。ディーンは、セックスに罪悪感を持つ母親の影響もあって、バッドの性欲に応えられないでいる。一方バッドの父は本能的には暴君で、息子がフットボールの選手であることが大自慢で、エール大学に入れたがっている。 バッドの健全な性欲を受け入れてくれないディーンに関して、バッドの「父は気楽な気持ちで他の娘とよろしくやればよい」などと余裕発言。理解されず、ストレスのたまったバッドは、ついに彼も同級生のファニタの誘惑に負け、彼女と“H”してしまう。ディーンはこの事件でショックを受け、河に身を投げる。 全然本編には関係ないのだが、このシーンだけ、<アメリカの夜>にし忘れたのか、夜なのにいきなり昼になってしまっている。古い映画にはこのての失敗は時々あるものだ。 助に飛び込んだバッドのおかげで死を免れたディーンは精神病院に入院する。そしてそこでジョニーという若い医師と婚約する。一方、父の希望通りエール大学に入ったバッドは、勉強にも身が入らず、酒ばかり飲み、あげくにアンジェリーナというつまらないイタリア娘と結ばれてしまい、学校は退学寸前。一方バッドの父は1929年の大恐慌で彼の会社が大打撃うけ、心身を害して自殺する。 やがて退院したディーンは、バッドが田舎へ引込んで牧場をやっていることを知り訪ねて行く。バッドはアンジェリーナとつつましく暮らしていた。2人は静かな気持ちで再会し、そして静かな気持ちで別れる。 そのむかし、~わがままは男の罪、それを許さないのは女の罪~という歌詞の歌があったが、まさにそんな感じの展開。とにかくじれったい。所詮男女の間柄なんて、わがままをいって、それを受け入れられて初めて成立するもので、「わがままを言うことがけしからん」といってしまったら、本性不在のつまらん形式儀礼の関係にしかならない。
by ssm2438
| 2010-04-05 01:24
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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