2010年 04月 06日
監督:エイドリアン・ライン 原作:ウラジミール・ナボコフ 脚本:スティーヴン・シフ 撮影:ハワード・アサートン 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演: ドミニク・スウェイン (ロリータ) ジェレミー・アイアンズ (ハンバート) メラニー・グリフィス (シャルロット) フランク・ランジェラ (キルティ) * * * スプリンクラー、しゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっ 原作自体があまりおもしろくないので、キューブリックが撮ろうが、エイドリアン・ラインが撮ろうが、あんまり面白くなるとは思えない作品。あえて、キューブリックの『ロリータ』とエイドリアン・ラインの『ロリータ』を私の好みをいうなら、エイドリアン・ラインのこっちのほうかな。それも、ドミニク・スウェインのほうがまだいいかなって好みだけで。どちらも、あんまり「これこそは!」という大人になりかけの少女の艶っぽさがあるとはいえないような。個人的な好みでは、ルイ・マルのやった『プリティベイビー』の時のブルック・シールズ辺りにやってほしかったかな(苦笑)。 あと、こちらは私が生理的に好きになれないジェレミー・アイアンズがハンバートをやっている。生理的には嫌いなのだけど、主人公的には、キューブリック版のジェームズ・メイソンよりはジェレミー・アイアンズのほうが神経質そうであっていたような気はするけど。あと、特筆すべきは、キューブリック版は、原作者のウラジミール・ナボコフ本人が脚本を書いている。でもまったく面白くないけど。 ただ、女性の本質は良くかけているかな。男としては認めたくないけど。 ハリウッドもののヒロインはどうしても男性が憧れるヒロインとして描かれるのがふつう。これは、男は女を愛するから、女も男を愛する生き物だと思っているがゆえに出来上がったヒロイン像。しかしこれがヨーロッパ映画になると、もっと女性の本質をつきつめたヒロインが描かれることがおおいような気がする。その代表なのがミケランジェロ・アントニオーニのモニカ・ヴィティ演じるヒロインだろう。 女は男を愛するようにはできていないのだ。女が愛するのは男の機能性であり、それは別の男でも取替えがきくならその男でなくても別にかまわない。ミケランジェロ・アントニオーニの描く女性には「まず女には男を愛する機能がない」という前提で描かれている。そして、愛していないにもかかわらず、つなぎとめておこうとする。そのために愛想をふりまく。男に期待をさせる。 ウラジミール・ナボコフも、同じように女を分析しているのだろう。 <あらすじ> 仏文学者ハンバート・ハンバート(ジェレミー・アイアンズ)となった彼は、教授の職を得て米国に渡る。ニュー・イングランドの小さな町に来た彼は、シャルロット(メラニー・グリフィス)という未亡人の家に下宿する。そして彼女の娘、、12歳になるロリータ(ドミニク・スウェイン) に釘付けになる。シャルロットととりあえず結婚をし、ロリータと接する密度と機会を増やしていく。ある日、夫の本心をを知ったシャルロットは逆上し、自宅の前で不慮の事故死を遂げる。ハンバートは、サマーキャンプに向かい、ロリータに母の死を告げる。 身寄りのなくなった彼女を連れ、ハンバートはアメリカ放浪の旅に出た。やっとロリータとふたりっきりの時間をえたハンバートだったが、“おあずけ”をくうばかりでいらいらもたまり、彼女にあしらわれている感がしてならない。やがてキルティ(フランク・ランジェラ)という男の存在がみてくる。そのたびの間も、ロリータはキルティと何度となく密通していたのだ。やがて、なぶりものにされ、妊娠したロリータがもどってくる。逆上したハンバートはキルティに復讐を遂げるが、ロリータは「私が愛したのはキルティだけだった」と言う。すべては一人相撲だったことに絶望するハンバートだった。
by ssm2438
| 2010-04-06 07:28
| エイドリアン・ライン(1941)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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