2010年 06月 02日
監督:ケヴィン・コスナー 脚本:マイケル・ブレイク 撮影:ディーン・セムラー 音楽:ジョン・バリー 出演: ケヴィン・コスナー (ジョン・ダンバー/狼と踊る男) メアリー・マクドネル (拳を握って立つ女) グレアム・グリーン (蹴る鳥) * * * 滅んでいくものの哀愁を見よ、怒涛のタタンカ狩りは最後の神聖な祭りか・・・。 きわめて良心的な異文化交流ものである。ただ、インディアンたちの文化力が、西洋文明には及ばなかったこもの事実であり、力ないものは敗走していくしかないのも事実。古の文化と共に滅びるも一つの選択しだし、西洋文明の中に溶け込むのも生きるための選択だし、非情だが本人たちの納得のいくように終わったのだろう。 この映画を見てつくづく感心するのが、アメリカ人のコミュニケーション能力。これは英会話をやっててもおもうのだけど、彼らの世界ではヒスパニック系がいたり、イタリア系がいたりで、アメリカ社会のなかでも言葉が通じない人が社会の中にいる。それでもそこにコミュニケーションがある。言葉の壁がある人たちと話そうとする意志を感じてた。この映画も、そのコミュニケーション力を感じるんだなあ。 『愛と哀しみの旅路』とかでも、アメリカに移住した日本人のタムリン・トミタとデニス・クエイドのラブストーリーだが、やっぱりアメリカ人は積極的に日本人の家族とせっしようとしてくれる。反対に日本人をみると、そこまで「伝えたい」と思って行動するシーンはあまりない。「伝わらなければいいや」で終わってしまう。本作でも、タタンカが来ることを教えようとしてバッファローのまねをするケビン・コスナーがいるが、ああいう「カッコなんか考えない、伝えるんだ!」って意志力が実にいい。 ただ、これは日本人が分ってもらうことに貪欲ではないというわけではないと思う。多分、日本人は全部分ってほしい、それが完結してはじめて理解しあえると思っているのだろう。でもアメリカ人は、「そんなの他民族なんだから完全に分かり合えることはない。でも部分だけでも分り合おう」と考えるから、積極的にコミュニケーションができるのだろうって思った。 映画としてはそれほどインパクトのあったアカデミー賞受賞作品か・・?と問われれば、私にとってはどっちかというと印象の薄いほうの作品なのだけど、ケビン・コスナーいい仕事をしたなって思えた。個人的にはそのあとラジー賞を連打された『ポストマン』のほうが好きなのだけど(苦笑)。 <あらすじ> 1863年、南北戦争。やけくそな自殺劇から北軍を勝利にみちびいてしまった北軍中尉ジョン・ダンバー(ケヴィン・コスナー)は殊勲者として勤務地を選ぶ権利を与えられた。彼が選んだのはサウスダコタのセッジウィック砦。見渡す限りの荒野であり、砦とは名ばかりで、廃屋でぽつんとあるだけだった。 インディアンとコンタクトを取りたいと望んでいたダンバーは、軍服を来て星条旗を掲げてインディアンの集落をめざした。途中で1人の目の青いインディアン女性((メアリー・マクドネル))が倒れているのを助け、集落まで送り届けた。この事件がきっかけとなり、数日後数人のインディアンがダンバーの砦に返礼にやってきた。ダンバーは精一杯にもてなし、やがて、彼らは頻繁に行き来するようになる。 ダンバーが助けた“女拳を握って立つ女”(メアリー・マクドネル)は、幼い頃に拾われてスー族に育てられた白人女性だった。彼女を通訳に少しづつインディアンとのコミュニケーションをとっていくダンバー。ある夜、バッファローの大軍が砦の傍らを走り抜けてゆくのを目撃したダンバーは、シスコを駆って蹴る鳥たちにいちはやく知らせた。翌日、ダンバーも参加してバッファロー狩りが行われる。それは、毛皮目当ての白人の狩猟とは違い、神聖で心躍る儀式であり、ダンバーは、これまで味わったことのなかった調和と安らぎを覚える。 やがてダンバーは、“女拳を握って立つ女”と結婚、集落に自分のテントを持つようになり、“狼と踊る男”というインディアン名前をもらった。 冬が近づき、スー族とともに冬ごもりの土地へ移動する決意をしたダンバーだったが、克明に綴っていた日記が騎兵隊に見つかり、ダンバーは反逆罪に問われ、処刑を目前にした時。そんなダンバーを助けるためにスー族の勇者たちが急襲、彼は救われた。しかし、インディアンを追い立てる合衆国軍はそこまで迫っていた。インディアンたちは、ダンバーが同行しないことを提案、ダンバーは“拳を握って立つ女”とともに一族を離れ彼らを見送った。
by ssm2438
| 2010-06-02 20:39
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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