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2010年 06月 13日
監督:ベルナルド・ベルトルッチ脚本:ベルナルド・ベルトルッチ 撮影:ヴィットリオ・ストラーロ 音楽:ジョルジュ・ドルリュー 出演: ジャン=ルイ・トランティニャン(マルチェロ) ドミニク・サンダ (カレド教授の婚約者・アンナ) * * * ドミニク・サンダ以外は見るところないぞ・・、実は・・・。 オリジナルタイトルの意味は『順応主義者』。70年代、世間出をは『ラストタンゴ・イン・パリ』が話題を提供してくれていた。80年代になってアニメーターになり嘗ての名作・話題作を徹底的にみつようにしていたが、ベルトルッチとはあまりはだが合わず、『ラストタンゴ・・』もしばらく放置プレー状態。しかしこれを近年みてみたら意外と良かった。・・・実に以外。でついでだからこちらも見てみようかと思ってみてみたら、こちらはやっぱりつまらなかった。 で、その違いはなんなのだろうと思ってみたが、たぶん大局的なことを語られるとなにかそのスタイルが嫌なのかもしれない。『ラストタンゴ・・・』や『魅せられて』などでゃ嫌いじゃないのだけど・・。でも、考えてみるとこれは個人の話だった。しかしこの映画や『1900年』などは、ある特殊な社会状況下で語られる個人の話しだった。不思議なものでこういう話になると私の感性にふれなくなる。 つまり、演出力としては認めているが、いき方の哲学としてはどうにも好きになれないということなのだともう。この映画のオリジナルは『順応主義者』である。他の映画も、たとえば『ラストレンペラー』にしても、やっぱり時代に翻弄された男の話である。『1900年』もそうだろう。多分私は時代に翻弄されない人間をみたいのだけど、ベルトルッチは翻弄される側の人間の魂を描くのである。そのあたりが根本的に私の好みと相容れない部分なのではないかと思ってしまう。 この映画は、子供の頃に暗い過去を持つジャン=ルイ・トランティニャンが、自分の生き方としてのよりどころをファシストにもとめ、そこに所属していることで安らぎをもとめる。多分この人にはそういう生き方しかできないのである。そのためにはオファーを受けた仕事はこなさなければならない。たとえそれが好きな女性をころすことになっても・・。その板挟み状態こそがいつもベルトルッチの描きたいことなのだろう。切実な心理描写は大切だが、ベルトルッチの描きたいことは、個人として乗り越えるべきことであって、ただその板ばさみ状態を描かれてもなんにも面白くないというのが実際のところだ。 あと、カメラはあんまり好きではないのは事実だ。ヴィットリオ・ストラーロの広角ぎみなのがどうもうざい。でも色は好きだ。 <あらすじ> マルチェロ(J・L・トランティニャン)には十三歳のとき体験した忘れられない体験があった。友だちにいじめられているところ元牧師のリノ(P・クレマンチー)が助けられ彼の家に連れていかれた。しかしリノは少年に慾望を抱いた自分の性に罪の意識を感じ、マルチェロに拳銃を渡し、撃つように頼んだ。マルチェロは引金をひいてその場から逃げた。 大人になったマルチェロは、自分の中に殺人に傾倒する魂があるように感じファシストになっていった。そんな彼に彼の恩師であるカドリ教授(D・タラシオ)について調査せよとの命令が下った。彼は彼の婚約者のジュリア(S・サンドレッリ)との新婚旅行にかこつけてパリに亡命しているカドリ教授を訪ねた。命令は変更された。カドリから情報を得るだけでなく、彼の抹殺せよというものだった。 カドリの家へ招待されたマルチェロはカレドが婚約したアンナ(D・サンダ)という女性を紹介された。マルチェロはさりげなく彼女に恋をした。しかし、カレド教授暗殺の時、その車にはアンナも乗っていた。マルチェロの目の前で、アンナもカドリの道連れになって殺された。数年後、マルチェロはジュリアと小さな娘の三人でローマのアパートで暮していた。ラジオはラジオがファシズムの崩壊を報じていた。その夜、大混乱の夜の町を歩いていたマルチェロは、嘗て自分が射殺した筈のリノを見た。すべてが虚構だった。 自分の行動原理を自分の以外にもとめる人間を描きたいベルトルッチ。たぶんベルトルッチ自身がそういう人なのだと思う。だからそれを自己批判として、しかしそのようにしか生きられない自分を描きたいのだろうが、私としては完全に場違いな生き方なので完全に相容れるところはない。これに感化される人は、きっと自分のなかにその要素がつよくある人で、若手いてもそういう風にしか生きられない人なのだろう。
by ssm2438
| 2010-06-13 22:40
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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