2010年 06月 24日
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 脚本:チェザーレ・ザヴァッティーニ スーゾ・チェッキ・ダミーコ 撮影:G・R・アルド 音楽:アレッサンドロ・チコニーニ 出演:フランチェスコ・ゴリザーノ * * * うむむむ、そこまでファンタジーに振ってしまいますかっ・・(絶句)。 第一部は『どですかでん』か『どん底』かって展開でしたが、第二部にはいってからは理性はじけまくり、天使がでてくる『素晴らしき哉、人生』か『ET』かってのりです。なにしろ最後はみんなで空に飛んでいってしまいます。あまりにギャップが激しいので、どう解釈していいものやら・・・(苦笑)。イタリアン・ネオリアリズムばっかりやってたデ・シーカ自身の自分に対する鬱憤晴らしだったのでしょうか。 ヴィットリオ・デ・シーカはイタリアン・ネオリアリズム(「ネオレアリズモ」とも言う)の巨匠で、ファンタジーには傾倒せず、ひたすら現実的な世界観でドラマを展開していた監督さん。個人的にも大好きな監督さんの一人なのですが、この映画だけはそれまで性格を一気に覆す怒涛のファンタジーにしてしまいました。 1951年のカンヌの映画祭でグランプリ(現在つかわれているパルム・ドールという文言はこの時代では使われていなかった)。NY批評家協会賞でも外国語映画賞を獲得している。きっとはじけすぎたので、見る側もどう解釈していいのかわからなくなっていたのだろう。個人的には、そんな大騒ぎするほどの作品ではないと位置づけているのだが・・。 <あらすじ> 戦後のイタリア。その少年トトは、キャベツ畑でロロッタ婆さんに拾われ、婆さんは死んだあとは孤児院に引き取られ、18歳になったトト(フランチェスコ・ゴリザーノ)はミラノの街に放り出された。高度経済成長期に入ったイタリアだったが、その日暮らしの貧しい人たちも大勢いた。 気の好い性格のトトは乞食の爺さんと知り合い、街外れの広場にある堀立小屋に泊めて貰うことになった。暖かくなるとあり合せの材料を集めて掘っ立て小屋をつくると、家のない人々は続々と集って来た。 ある日、広場の真中から石油が噴き出すという事件が起った。この広場の所有者である資本家モッビは、それまで貧民の友のような顔付きをしていたが、私兵を差し向けて住民たちを武力で追立てをはじめた。 この時、天から降りて来たロロッタ婆さんの霊は、すべての望みを叶える天の鳩をトトに与えた。広場を救ったがトトだが、住民達はその鳩の威力に目をつけて各々私腹を肥すための金品をほしがり始めた。気のいいトトは、人々の言うなりに鳩を利用したが、天使が降臨しトトの知らぬ間に鳩を取返してしまう。 再びモッビの軍勢は広揚に押し寄せ住民はトトもろとも、檻獄馬車に押し込まれ強制退去されたれた。エドウィジェ(トトに想いをよせていた少女)とロロッタの霊は再び鳩を取戻してトトに渡した。トトはみんなをつれて、理想の国へ向ってウルトラマンのように飛去って行った。
by ssm2438
| 2010-06-24 23:17
| V・デ・シーカ(1901)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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