
監督:ドナルド・S・エヴェレット
脚本:ヘンリー・ビーン/シャール・ヘンドリックス
撮影:フランソワ・プロタ
音楽:マイク・ポスト
出演:ロビー・ベンソン (ビリー・ミルズ)
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最後の一周は、まるでシービスケットのようだった。
東京オリンピックの10000メートル走で、オリンピック史上に残る大番狂わせにより金メダルを獲得した選手である。番狂わせというより、ビリー・ミルズ自身が世に知られてなかっただけなのだけど。アメリカ国内の大会ではクロスカントリーで圧倒的な強さを誇り、1963年(東京オリンピックの1年前)のアメリカのクロスカントリー1部リーグでビリーに勝てたアメリカ人選手はたった一人しかいなかった。しかし、ミルズがインディアンであったため、優勝者の記念写真から出るよう強要されていた。そんな時代であり、そんなわけで、彼が類まれな才能を秘めたアスリートであっても彼の顔は世界でも、国内でもほとんど知られてなかったという。
東京オリンピックの10000メートルの時も、優勝候補は世界記録者であるオーストラリアの
ロン・クラークだった。彼の持ちタイムは28分15秒6だったか、ミルズは29秒をきったこともなかった。そんなミルズは、最終周までにトップを行くクラークとチュニジアの
モハメド・ガムーディからは大きく引き離されていたが、そこからミルズのターボエンジン大爆発。あれよあれよというまにその二人に追いつきぶっちぎってしまった。ミルズの速さにはその二人もついてこれなかった。
そんな実在の人物ビリー・ミルズ。しかし彼の青春時代はインディアン差別で苦しんでいた。そんな彼の半生をつづった映画だ。
主人公のビリー・ミルズを演じるのは
ロビー・ベンスン。70年代のアメリカ青春映画の主人公といえばこの人の名前がすぐ思い出される。
『ビリー・ジョー/愛の架け橋』、
『ワン・オン・ワン』、
『ジェレミー』など、
グリニス・オコナーとの共演が懐かしい。しかし・・今思うと、グリニス・オコナーって関根恵子と立ち居地がダブルかもしれない(苦笑)。
ちなみにこの映画を撮って時は、ロビー・ベンスンもすでに30歳を越えていたと記憶している。でも、いつまでも若く見えるのは
ラルフ・マッチオと似てるかもしれない。しかし、恐れ多くもこの映画、ビリーミルズが高校生のところから始まるのである。さすが若作り青春スター、それでも見る側は受け入れてしまえるからスゴイ(苦笑)。