西澤 晋 の 映画日記

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2010年 08月 29日

ノーマ・レイ(1979) ☆☆☆

ノーマ・レイ(1979) ☆☆☆_f0009381_1810155.jpg監督:マーティン・リット
脚本:アーヴィング・ラヴェッチ/ハリエット・フランク・Jr
撮影:ジョン・A・アロンゾ
音楽:デヴィッド・シャイア

出演:
サリー・フィールド (ノーマ・レイ)
ロン・リーブマン (組合活動家ルーベン)

       *        *        *

労働組合嫌いの私だが、女性の成し遂げモノという見方でみるなら良いかな。

労働組合というのは、ふるくから炭鉱モノの映画ではよく出てくるし、ピエトロ・ジェルミ『鉄道員』エリア・カザン『波止場』、私の好きな『ガン・ホー』も組合がらみの映画だ。最近ではシャーリズ・セロンの映画でなにかあったと思う。
労働組合モノというのは、経営者と組合、労働者と組合というさまざまな形で映画が作られるが、個と全という社会の基本構造のなかで、全体に属しつつも個人として生きるための相克がみられる分野の映画だけに、ほとんどの映画はいいもになるという印象がある。

この映画では紡績工場で働くなんのとりえもない一介(今度は間違えてないぞ!)の主婦が、組合活動家ルーベン(ロン・リーブマン)に感化され、組合を作っていく話。ただ、組合を作るという社会性の話よりも、女性の自立をテーマにした映画のカテゴリーにはいるのだろう。今見るとけっこう驚くのだが、『アリスの恋』とかこの『ノーマ・レイ』とか、女性が強そうなイメージのあるアメリカだが、南部の社会背景を描くとこのように女性の自立心が乏しかった時映画もあるのだなあっとびっくりする。

この映画では、その紡績工場が労働者を不当にこきつかっているという背景で描かれているからなんとかなっているのだが、個人的にどうも胡散臭くてあんまり好きではない。個人は個人として組織に戦いを挑んでいくほうがすきだなあ。。
とはいえ、クライマックスでサリー・フィールドがユニオンのプラカードをかかげ、工場の機械のうえにあがって労働組合の必要性を語り、みんなが会社側と戦う姿勢をしめすために職場放棄し、機械をとめてしまう流れはやっぱり「おおおおおおお~~~~」って思ってしまう。

この年のアカデミー賞をはじめとするほとんどの映画賞で、主演女優賞はこのサリー・フィールドだった。これだけ一人に票があつまったのもめずらしいだろう。
そうないだろう

<あらすじ>
アメリカ南部の紡績工場でて働いているノーマ・レイ(サリー・フィールド)は、女でひとつで2児こどもを養っていた。そこの工場には組合もなく、工員たちはコキ使われ、搾取されるままになっていた。そんなある日、この町にルーベン (ロン・リーブマン)という男がやって来た。彼はアメリカ紡績工員労働組合に所属しており、この町のも組合を組織するために派遣されて来たのであった。
あるモーテルに本拠を構えたルーベンは、毎朝工員にビラを配布しながら彼らが工場から不当な待遇を受けていることを知らせ、組合を組織することを勧誘した。ルーベンとの親しみが増すにつれ、ノーマはルーベンに積極的に協力し、町の教会に工員たちを集めたり、自宅で集会を開いたりした。ルーベンとノーマは、運動を通して強い絆で結ばれ、肉体的には結ばれなかったが、互いに愛を感じていた。しかし、会社側も労働組合を組織させまいとさまざまな手をうってくる。やがてノーマの父が過労で死ぬ。彼女自身も村八分にされていたが、紡績機械の上に踊り上がり、「ユニオン」とクレヨンで書いた厚紙を同僚たちに見せた。やがて彼女のあついパッションに感化された、会社と戦う決意をし機械をとめる。紡績工場にユニオンを組織するという問題は投票の結果、組合側の勝利となり正式に組合が発足した。使命を終えたルーベンが ニューヨークヘ帰る日ノーマは微笑みながら、彼を見送るのであった。

by ssm2438 | 2010-08-29 18:10


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