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2010年 10月 09日
監督:リナ・ウェルトミューラー脚本:リナ・ウェルトミューラー 撮影:エンニオ・グァルニエリ 音楽:ピエロ・ピッチオーニ 出演: ジャンカルロ・ジャンニーニ (ジェナリーノ) マリアンジェラ・メラート (ラファエラ) * * * マドンナでリメイクされた『スウェプト・アウェイ』(2002)のオリジナル。 船上では成金の奥方だったラファエラ(マリアンジェラ・メラート)が、遭難、使用人のジェナリーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)と二人だけで無人島にながされてしまう。そこからのサバイバル。当時見たときは全然いいとは思わなかったのだけど、『スウェプト・アウェイ』にくらべると、やや好感がもてたかな・・(苦笑)。実際内容的には似たようなものなのだけど、「売り」性が顔をだしていたマドンナの映画だとちょっと作為性を感じてしまい、どこか拒否感湧き上がった。 しかしこちらの映画がよいかといわれるとそれほどでもない。とにかく二人の会話がうるさい。コメディ的な要素が無意味にはいっているのでそれもうざい。日本人のわたしにしてみると、「どこまで本気なんだ???」って思ってしまうまが(ま、これは、イタリア映画のコミュニケーションでは良く感じることなのだが・・・)、その辺がイタリア人なるゆえんなのだろうな。 ただ、内容的にはきわめて賞賛に値するシーンもある。やっぱりこの映画の良さは、理性恋愛からパワー恋愛に移行する部分だと思う。文明社会で育ったわれわれは、「力で支配する恋愛であってはいけない」と頭の中で考えている。これは、心の用心からくるのかもしれない。 人間の脳みそはなかなか上手いように出来てるなあっていつも関心するのだが・・、つまり、“今自分が「力」を発揮する場支配者になれるかもしれない。しかし、時がたち、自分が力を失った時にその復習がくるのではないのか??”という恐怖心も拭い去ることは出来ない。この映画のシチュエーションは、それに「ゴー」をかけてしまう。 「そして俺の腕にキスしろ」 よく言えたものだ! 普通の人間にはいえない。たとえその時点で自分のほうが有利な立場にあろうとも、どこでなにがどうなるかわならない。明日がけから落ちて足でも折るかもしれない。変な病気にかかって動けなるかもしれない。そこでいってしまうと、そのあとは、自分が支配される立場になる。そしてその後の二人の世界は「力」の支配になるしかない。普通はその流れはさけるものである。 しかし、彼は怒りにまかせていってしまう。これは、船上でのラファエラのさんざんな軽蔑といやがらせ、遠慮のない高圧的な態度があったからで、その時点で彼女も理性=予測できない未来への恐怖が機能していない人間として描いたからであろう。 島に流れついたあとは、支配と服従関係が逆転する。 リナ・ウェルトミューラーは理性の壁を突き抜けてしまった。そして、そのあとのラファエラはとても可愛くなってしまう。二人の関係はすこぶる幸せそうである。しかし・・救援というのはきてしまうものだ。 二人を捜索にきたヨットが沖合いに見える。ファエラはこのままの生活を続けるために見すごそうと主張するが、ジェナリーノは二人の愛を確かめ合うためにも一度ヨットにもどり、また島へ帰って暮そうと言う。ヨットに助けられた二人には現実が待ち受けていた。ラファエラには実業家の夫との退屈な生活、ジェナリーノには労働者階級の貧しい妻子のいる家庭。 ジェナリーノは、ラファエラの夫から妻をよく守ったと感謝され、大金を贈られる。屈辱的なことだったがその金をすべて投じて指輪を買い、彼女に贈り、島へ脱出するため、港で待つことを伝えるジェナリーノ。だが約束の時間、ラファエラは港には現われず、夫と共に豪華なヘリコプターでミラノへ帰っていった。二人の新しい世界を夢みたジェナリーノは現実にひき戻され、すごすごと妻の後から家路に向かうのだった。
by ssm2438
| 2010-10-09 18:30
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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