2010年 10月 10日
監督:ボビー・ロス 脚本:ダン・ゴードン 撮影:シェリー・ジョンソン 音楽:ゲイリー・チャン 出演: ロザンナ・アークエット (サラ・ブレイク) スコット・バクラ (ケヴィン・ニコラス) * * * 前半の雰囲気は抜群にいい。あのままストーリーを終わらせてくれたらどれだけ感動的だったか・・。 FBIの証人保護プログラムで守られることになった女性と彼女をおもり役になってしまった捜査官との恋愛劇・・・だったはずなのだ。しかしちゃぶ台ひっくり返えされた。ひっくり返さなかったら名作になっていたのに・・・。アホとしかいいようがない物語構成。こんなにまでオチ不要な映画はめったに出会えない、かなり貴重な存在だ(苦笑)。なので、後半の展開はなかったことにして勝手にそこから自分で補完して覚えておきたい作品。 主演はちょっと老けてきたロザナ・アークエット。最近はちょっと老けすぎだけど、このころまではとってもチャーミングでよかった。相手の男性はスコット・バクラ。『スター・トレック エンタープライズ』(2001~2005)の艦長である。ケヴィン・コスナーとハリスン・フォードを足して2で割ったような雰囲気。でもけっこう顔がデカいかもしれない(苦笑)。しかしとても感じのいい男優さんである。 物語はケヴィン・コスナーの『ボディーガード』を意識したような作りだ。でも、あの『ボディガード』よりも雰囲気は断然いいのである。そのボディ・ガードになる男の名前が「ケヴィン・ニコラス」・・(苦笑)、絶対狙ってると思う。 物語の出だしはこうだ。 離婚が成立するという矢先に、何者かに狙い撃ちされたサーラ(ロザナ・アークエット)。銃弾ベンツの窓ガラスを割っただけで犯人の男は逃走した。やがてケヴィン・ニコラスとなのるFBIの捜査官(スコット・バクラ)があらわれ、実はもと夫はとある組織のマネーロンダリングにかかわっていたことをつげる。夫を起訴するときに妻は証人には出来ないことになっているが、離婚しているならそれが可能だという。彼を法廷に立たせるためにはもと妻の証言が必要であり、それまでの間証人保護プログラムに入ってもらうという。それからサーラと彼の息子サムと、ニコラス捜査官とその仲間2名の捜査官との逃避行の旅がつづくことになる。 証人保護プログラムにはいると、今までの人格はすべて消去され、新しい自分として生きていくことになる。友達や家族とも連絡できなくなる。過去をすべて失う恐ろしさの前で絶望感にさいなまれるサーラ。そんなサーラに容赦なくケヴィンはペーパーワークを要求する。存在しなくなった人間の資産を売却し、新しい自分に資産を移しかえるためのさまざまな書類にサインすることになる。もう頭がまわらないサーラはストレスたまりまくり状態。なんでもかんでもサインしようとするサーラに、ケヴィンは冷たく「もし私が詐欺師だったらどうする。きちんと自分で確認してサインをするんだ」と。仕事を事務的に、なおかつ効果的にこなしていくケヴィン。サーラにしてみれば、無愛想だが誠実なケヴィンに総てをゆだねたくなってしまう。 このあたりの、感情をださずにてきぱきと事務的手続きをこなしていくスコット・バクラの無機質さと、もう精神状態ぼろぼろのロザナ・アークエットがとてもいいのだ。どこでどうもれたのか判らないが敵はそれにきづいたらしい。真夜中にたたき起こされるサーラ。チームでサーラ親子をまもるケヴィンのチーム。そんななか徐々に感情がほぐれていくサーラとケヴィンの関係。そしてついに“H”にいたる。 しかしチームの連中はそれを良くは思わない。「もう8ヶ月もおれは家族の顔をみていない。なのにお前は・・」と不満をもらす。そんな彼を殴ってしまったことから、チームは本部に呼び出される。ケヴィンは「サーラを本気にで愛してしまった」ことを否定せず、チームは別のチームと入れ替わることが決定させる。証人保護プログラムの期間中なので、プログラムからはずれたらもう名前も居場所もわからなくなる。 「司法省には知り合いもいる。かならず見つけ出す」と別れていくケヴィン。 ・・・・・ここまでは良かった。 ここまでが良すぎた。すくなくともTVMとしてはすっごく演出レベルが高かった。 ・・・なのに・・・ちゃぶ台はひっくり返された。その後は残念ながら ☆ひとつ である。 この物語をつくった連中はアホだ。そのあとそのまんま物語をつくっていたらとっても感動的な話になっていたはずなのに・・・。ああ、残念。
by ssm2438
| 2010-10-10 11:24
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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