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2010年 12月 19日
監督:アンジェイ・ワイダ脚本:アンジェイ・ワイダ 撮影:ロビー・ミューラー 音楽:ヴォイチェフ・キラール 出演:ヴォイチェフ・プショニャック (コルチャック先生) * * * 子供達を押すな! 彼らは自分で歩く!! ポーランドの自虐ネタの終焉がこの映画になるのかもしれない。 児童文学にもよく取り上げられたコルチャック先生。本名ヤヌシュ・コルチャックは、ポーランドの小児科医、孤児院院長で、児童文学作家だった。ナチス・ドイツの統治下においては、ゲットーのユダヤ人孤児のための孤児院を運営していた。ナチスのいわゆる「ユダヤ問題最終解決」の名の下、孤児院の200人の子供たちは、トレブリンカ強制収容所に移送され、そこでガス室で抹殺されることになる。コルチャックは自分だけが助かることを拒否し、子供たちに同行しガス室で殺害されたという。 本作では、飢えた子供たちに食料を与えるために奔走するコルチャックを描きつつ、友人の手助けで国外に脱出することもできたが、彼に子供たちを見棄てることはできず、子供達の最後の日まで彼らの心の支えになるこを決意する。 その日子供達は、ダビデの星の旗を高く掲げながらゲットーからガス室に向かう列車まで行進する。コルチャックは、子供達の最後のプライドを護るためにドイツ兵に言った言葉が 「子供達を押すな! 彼らは自分で歩く!」 ・・だった。 映画のなかのコルチャックは、ちょっと出来過ぎ君のような雰囲気があり、私としてはむちゃくちゃ感動したというわけではなかったが、児童文学・教育映画的にはありなのだろう。 この映画がつくられたのは1990年。既にポーランドは民主化をやりとげた時点である。 第二次世界大戦後のポーランドは実質的にソ連の共産主義の支配下にあった。しかし、国内にはに西側にくみしたい勢力も潜在的に存在していたため、民主化運動は根強くつづいていた。そして1980年、ソ連の支配する当時のポーランド政権西対して、独立自主管理労働組合《連帯》が結成された。この動きはソ連共産党支配かにある東欧の各国にもさりげなく波及していく。ポーランド、ハンガリー、チェコなどが次々にソ連の共産主義体制に対して主権を主張するようになり、1989年、ベルリンの壁が崩壊。同年にポーランドも円卓会議を経て民主化が完全に実現し、自由選挙が行われ、社会主義政権は打倒された。その後に作られたのがこの映画である。 先に紹介した『尋問』は《連帯》が形成されてから制作されたものだが、それでもまだソ連共産党の影響力はうけていた。しかし、この映画が制作されたころには、既にその検閲のシステムは排除され、自由に映像表現できるようになっていた。彼らは自由に自虐の歌を奏でることで、それまで政権政党を非難することが出来るようになったのである。今でも『カティンの森』なで、その動きは続いているが、そろそろポーランド国民も自虐ネタにあきはじめたのがこの90年代であり、クシシュトフ・キェシロフスキーの登場がポーランド映画を新しい時代に変えていく。 今思うと、この映画が岩波ホールでみた今のところ最後の映画だったのかもしれない。良質の映画を提供してくれる短館上映専門の映画館で、新井薬師に住んでいた頃はちょくちょく通っていたものだが、今ではとんとご無沙汰である。まだまだ存続してくれることを祈りたいものだ。
by ssm2438
| 2010-12-19 15:15
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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