2011年 01月 08日
監督:滝田洋二郎 脚本:荒井晴彦 撮影:浜田毅 音楽:梅林茂 出演: 真田広之 (鮫島刑事) 田中美奈子 (晶) 奥田瑛二 (木津) * * * 和製ハードボイルドなのだが・・・ 他のハードボイルド作品と差別化するためのポイントはゲイワールド。といっても主人公の鮫島刑事(真田広之)はゲイではない。彼が追う改造拳銃つくってる木津(奥田瑛二)という男がゲイなのである。この映画のポイントは、奥田瑛二を追っていた真田広之が逆につかまり、ゲイ好みの拷問にあうとうい、今で言うならBL系SMプレイが展開されるところかな。 ただ、この奥田瑛二が最後まで適役として残らないのがなんだが今ひとつ煮え切らないストーリー構成だった。なんでこんなにしてしまったのでしょうね? 原作がそうなのかもしれないが、どうも、奥田瑛二を殺した時点で見る側としては終わったなって感じになってしまい、そのあとの展開がなんだか蛇足のように感じられた。 というか、相手にとって不足がありすぎた。 この物語の根本的なミスは、奥田瑛二ふんするゲイの改造拳銃の作り手・木津を必要以上にアピールしすぎたことだろう。ゲイ的拷問シーンは確かに売りにははるのだが、そっちが本線ではない以上それほど大げさにする必要があったのか? というか、そこだけがインパクトに残るようでは物語の根本がおかしいことになる。 この拷問シーンで泣きそうになりながらひいひいしている真田をみると、「鮫」と呼ばれて恐れられている刑事という基本コンセプト事態が崩壊してしまった感がある。 そのあと展開される田中美奈子でやった『ストリート・オブ・ファイヤー』コンサートは、やりたかったのかもしれないが、なんだかとってもチープで悲しい。 監督は『おくりびと』や『木村家の人々』などの滝田洋二郎。日活ロマンポルノ出身の監督さんなのだが、こちらからの出身の監督さんでまともに絵が作れる人はいないような気がする。滝田洋二郎も例外にもれず絵作りはひどい。根本的に彼らの映画哲学に絵作りという概念がないのだろうな。 <あらすじ> 暴力団からも警察内部からも恐れられている新宿署防犯課の警部・鮫島(真田広之)は、改造銃のスペシャリスト木津要を追っていた。しかし所内で警官二人が殺され、それが木津のつくった改造拳銃だということが判明、特捜部が開設される。警視庁からやって来た公安一課の香田警視と鮫島は因縁の仲で、鮫島は一転四面楚歌の状況陥る。 鮫島はとうとう木津の仕事場と突き止め踏み込むが、逆に木津に捕まってしまう。ゲイ拷問にあい絶体絶命の鮫島を助け木津を射殺したのは、上司の桃井課長(室田日出男)だった。改造銃は砂上という青年に渡ったことが判明する。砂上は以前世界サミットの厳重警戒で警官が多数出動しているにもかかわらず、歌舞伎町でヤクザにリンチされたことがあり、警察を恨んでいたのだ。 そんな砂上があこがれていたのは鮫島と恋仲であるヴォーカリスト晶(田中美奈子)。ライブハウスでまさに砂上が晶とともに心中しようとした時、鮫島は彼を倒し、晶を助けるのだった。
by SSM2438
| 2011-01-08 15:21
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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