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2011年 03月 31日
監督:山田洋次脚本:山田洋次/朝間義隆 撮影:高羽哲夫 音楽:山本直純 出演:渥美清 (車寅次郎) 吉永小百合 (歌子) 宮口精二 (歌子の父・高見修吉) 倍賞千恵子 (さくら) 前田吟 (諏訪博) 高橋基子 (みどり) 泉洋子 (マリ) * * * 吉永小百合シリーズ第一弾! なんと、今回は博(前田吟)が語ります! 幸薄そうな女性が寅次郎というときには笑顔をみせるという、『男はつらいよ』のシリーズではもっとも機能する設定なのだが、吉永小百合の従順で薄幸そうな可愛らしさにおんぶにだっこ、内容的にはシリーズのなかでもかなり薄手の話である。それでも吉永小百合の可憐さはそれだけで見る価値がある。この人の可憐さは恐ろしい魅力だ。 しかし、今回可憐なのは吉永小百合だけではない。さくら(倍賞千恵子)が良いのだ。そして博(前田吟)も良い。今回はこの二人がもっとも機能したエピソードといっていいだろう。 金沢を旅する寅次郎(渥美清)は、東京からきた三人の娘(みどり、マリ、歌子)と知り合った。彼女らは毎年3人で旅をしていたのだが、歳をとり結婚という現実が見え隠れするようになると、旅も以前のように楽しめなくなってきていた。そんな3人だが、寅次郎と知り合ってからは楽しい時間を過ごすことができた。 東京に戻った寅次郎は先に東京に戻っていたみどり(高橋基子)とマリ(泉洋子)と再会。旅の途中で「30年間故郷には帰ってない」といってしまったため、なかなか《とらや》に帰れない寅次郎。しかし嘘もばれてあとはいつもの通り。 《とらや》の縁側にすわって話すみどりとマリの二人の会話が、実に自然でいいんだ。その2人から、歌子(吉永小百合)があの旅でみせた笑顔は貴重なものだということを知らされ、自分の価値にすこし幸せを感じる寅次郎でった。 翌日には、みどりに聞いたという歌子がひとりで寅次郎を訪ねて来る。実は歌子にも想う人がいて結婚を考えていたのだが、父・修吉(宮口精二)がうんと言ってくれない。しかし父を世話してあげられるのは自分しかいないと思っている歌子は、父の許し無しでは結婚出来ないと考えていた。「もう一度あの人にあってくれない」という歌子だが、父しは相手にしてもらえない。 そんなやり取りがあったあと、歌子が再び《とらや》を尋ねてくる。楽しいだんらんを過ごした後「泊まっていったら」というさくら(倍賞千恵子)。遠慮がちに「じゃあそうしようかしら」という歌子。 ここの演出はとてもすばらしい。 普段の流れなら、薄幸そうなマドンナが《とらや》を訪れてその人情味あふれる空間でいやされるという流れで、帰る場所がないときは《とらや》の二階に泊まることも。しかし、このときはそれをほとんど感じさせなかった。先の父と歌子のやりとりも、多分いつもの会話だろうと思わせるもの程度のもの。それなのに、泊まっていったらと言われて、受ける歌子。え・・?と思った。話の流れをみる限り「泊まっていけば」というのは儀式的な言葉で、普通だったら帰るところなのである。 そのあとさくらと二人っきりになったとき、「実は今日は泊めてもうらうと思ってきたの」という歌子。「そんな気がしてたわ」とさくら。チェックのためにもう何度かみてみたのだが、ここでは臭わせる見せ方は一切していない。翌日庭先でタバコをすう修吉、その横に手紙があり、「お父さんと顔をあわせるのがつらい・・・」とかいてある。 ここの一連の見せ方で「さすが女同士! さくら、いい女」って思わせてしまった。 あいもかわらず寅次郎は歌子が《とらや》にしばらくいてくれることが嬉しくてうきうき。しかし、今回はそのあと博(前田吟)とさくらのところに歌子が御呼ばれする展開に。そこでいつになくマトモなことを語る博。いつもだったら形式儀礼優先キャラなのだが、その博が「誰かが寂しい思いをしても、傷ついたとしても、仕方がないことってあるんじゃないかな」と言うのである。そしてさくらとの結婚をきめた勢いとかを語る。その会話をきいて歌子は心を決めるのである。 娘が出て行った後、《とらや》を訪れている歌子の父。これがまたいい。 そこに歌子からのはがきがきていて、吉永小百合の声で文面の朗読。なかなか美しい閉めである。
by ssm2438
| 2011-03-31 07:09
| 男はつらいよ(1969)
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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