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2011年 07月 29日
監督:ジョージ・キューカー原作:パトリック・ハミルトン 脚本:ジョン・ヴァン・ドルーテン ウォルター・ライシュ ジョン・L・ボルダーストン 撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ 音楽:ブロニスラウ・ケイパー 出演: イングリッド・バーグマン (ポーラ) シャルル・ボワイエ (ポーラの夫・グレゴリー) ジョセフ・コットン (ブライアン・キャメロン) * * * なんか、スタキンに似てる・・・? ナスターシャ・キンスキーをみると、若き日のイングリッド・バーグマンを思い出してしまうのは私だけだろうか? 2人の横顔の鼻のラインが似てるのである。で、なんとなく調べてみると・・、なんと(それほど驚くことでもないのだけど)、バーグマンの母親はドイツ人だとか。ちょっと納得。 この映画はそんなバーグマンにアカデミー主演女優賞をもたらせた映画の一つ。 イングリッド・バーグマンは往年の美人女優の一人に上げられるが、今見ると、実際のところそれほど作品には恵まれていない。母国スウェーデンでの活躍がデヴィッド・O・セルズニックの目にとまり、ハリウッドに招かれて『カサブランカ』や『誰がために鐘は鳴る』の主演に抜擢されたバーグマン。当時の興行的にはあたったのだろうが、たんなるメロドラマであり、物語がそれほど面白いわけでもなく、役者性が秀でたものとは程遠い。し物語のヒロインとして記号的に扱われたというのがその実態だろう。 その後家族を捨ててロベルト・ロッセリーニのもとへ飛んだバーグマンだが、ロッセリーニの作品にバーグマンが合うわけもない。興行的には大失敗。ロッセリーニとの夫婦の生活は経済的にも実質的にも破綻して、やがて夫婦は離婚に至った。 夫があり子供がある女性が、別の男の元に走った・・というこれらの一連の騒動で一次ハリウッド追放状態になっていたバーグマンだが、後年娘のイザベラ・ロッセリーニが語ったところによると、母イングリッドと当時の夫のリンドストローム氏にはアメリカ在住時より離婚を申し出ていたものの、受け付けられることがなかったとか。ロッセリーニ云々というよりも、当時の夫と何が何でも別れたいという衝動のほうがコアだったのだろう。 結果としてロッセリーニは、自分へのいい訳として使われたのだろうな。何が原因かはわからないが、それほど夫のリンドストローム氏とはただひたすらに別れたかったのだろう。 バーグマンは67歳にしてガンでこの世を去るが、その前にイングマル・ベルイマンの>『秋のソナタ』に出演している。その映画の中でバーグマンの演じた役どころが、じつに自信の人生に似ている。それも外観的に似ているのである「これは私じゃないのよ」という部分と「これは私ね・・」という部分がかなり共存しているように思える。。本人はどういう思い出この映画にでたのだろう・・・・。興味深い。 そんなバーグマンをハリウッドにまねいたデヴィッド・O・セルズニックというプロデューサーは、映画的な映画を撮らせる人なのである。『風と共に去りぬ』や『第三の男』、『レベッカ』、『真昼の決闘』、『終着駅』など実に映画らしい映画だ。他のヒッチコック作品は面白いとは思わないのだが『レベッカ』だけは好きだ。これもセルズニックの力がかなり大きい。 このプロデューサーは、海外の才能をハリウッドに招くことを積極的にやったひとである。このバーグマンにしろ、そのあと『レベッカ』と撮らせるアルフレッド・ヒッチコックにせよ、『終着駅』のヴィットリオ・デ・シーカにしろ、世間で言う大物どころをハリウッドの映画界にひきこんでいるのである。 この映画はセルズニックが制作した映画ではないが、彼がバーグマンをハリウッドに招いたがために出来上がった映画のひとつである。 この映画をはじめてみたのは私が20代のころで、実は先ごろまでこの映画と『レベッカ』がだぶっていた。 『レベッカは、その男のもとに嫁いだのが、死んだはずの前妻の存在がいまだに残っているように思われる・・という心理サスペンス。主演はジョーン・フォンテインなのだが、なぜかこれもバーグマンだと思い込んでいた。その勘違いの原因になっていたのがこの『ガス燈』。 バーグマンは、夫に誘導され、物忘れや盗癖が目立ち始めた、自分が精神障害をきたしているのではないかと不安定なひびを過ごす人妻の役どころ。確かに芝居して楽しいのかもしれないが、今見るとちょっと大げさすぎる気がする(苦笑)。ま、判り易さ、誰が見ても「そこはそういうシーンだ」と理解してもらうにはいいのかもしれない。もっとも当時はそれが要求されたので、彼女がオスカーを獲った事に関してはなんの文句もないのだけど。 同じロンドンを舞台にしたサスペンスということで、どこかヒッチコック的な部分がなきにしもあらずなのだが、しかし、キューカーのみせる心理サスペンスはなかなかのもので、どこか情緒に訴えかけるものがある。これがヒッチコックの場合は、サスペンスの段取りをあまりにもしっかりと説明しすぎるので、ドラマとしてはあんまりのめりこめず、説明だけを延々にされてるような気になってしまう。 ただ・・・・ストーリーのあたまの部分の展開はかなり強引で、叔母の殺人事件があったにもかかわらず、そのまま留学し、そこで留学した目的をささっとあきらめていいよってきた男とささっと結婚し、ロンドンにもどってくるという展開。個人的には、イタリアの留学先でしりあった男との恋愛事情からはいり、その展開と同時に叔母の殺人事件を紹介しつつ、ロンドンの物語につなげて欲しかったかな。 <あらすじ> 誉れ高き叔母で有名歌手アリス・オ ールクィストに育てられたポーラ(イングリッド・バーグマン)は、声学の勉強の為にイタリアに留学することになっていた。その矢先、叔母は何者かに殺され犯人も捕まらない。傷心のまま旅立ったポーラだったが、作曲家のグレゴリー・アントン(シャルル・ボワイエ)と恋に落ち結婚してしまう。ロンドンに戻ったポーラは、グレゴリーと共に叔母の家に住み始めた。しかしこのころからポーラは物忘れがはげしくなってくる。 ある日ハンドバックに入れたはずの首飾りが紛失、グレゴリーはポーラが自分のしたことを少しも記憶していないといってことごとに彼女を責めた。次第に自分の精神状態に自信を失い、夜ごとにポッと薄暗くなるガス燈の光も、天井に聞こえる奇怪な物音も、自分の精神の衰えているための錯覚かと焦燥にかられた。 精神的に追いつめられていたポーラを助けたのがキャメロン(ジョセフ・コットン)。少年時代憧れていた名歌手アリスの殺人事件には非常な関心をもっていた。彼はある夜グレゴリーの外出中家人の制止もきかずポーラに会い、グレゴリーの机をあけてみると、彼女が隠したと夫から責められた数々の品物が現われる。ガス燈の炎が弱くなるのは、その時間だけ、上の屋根裏部屋でグレゴリーが叔母の残した遺品のなかからある宝石を探していたからである。総てはグレゴリー仕業だった。 とどのつまり得体の知れないキャメロンという男が信用されるのは、そのむかし叔母が「もっとも信頼できるファンにわたしたのよ」といった手袋だったというくだり・・・、なかなかいかす。正直なところ、最初見たときは「あれ??? あれなんだったの??」って良くわかってなかった(苦笑)。歳をとると見えてないところがさりげなく見えてくるなって思った。 しかし・・・、当時としてはそれほど問題はない主人公の女性のあり方だが、今見ると、「なんじゃその根性のなさは」って思ってしまう。だいたいそんな男にひっかかるまえに、声学の道を突き進めよ!って、そこできちんとしれてればこんなことにはならなかったのに・・って思うのは私だけ? この物語が書かれたころの世情はそんなだったのだろう・・・。
by ssm2438
| 2011-07-29 09:14
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![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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