西澤 晋 の 映画日記

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2011年 09月 23日

プロフェシー/恐怖の予言(1979) ☆

プロフェシー/恐怖の予言(1979) ☆_f0009381_7515236.jpg原題:PROPHECY

監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:デヴィッド・セルツァー
撮影:ハリー・ストラドリング・Jr
音楽:レナード・ローゼンマン

出演:
タリア・シャイア (マギー)
ロバート・フォックスワース (ロブ)
アーマンド・アサンテ (インディアンのリーダー)

       *        *        *

フランケンハイマーにガキ向けの要素があるものを撮らせてはいけない!

『グリズリー』(1976)に<『ゴジラ対ヘドラ』(1971)をかけあわせてゴジラを引いたような映画。
トホホ・・なフランケンハイマーが続いております(苦笑)。

しかし・・・・ほんとに『ブラックサンデー』以降のフランケンハイマーはどうしちゃったんでしょうねえ。悲しいまでに崩壊してます。その『ブラックサンデー』の次にフランケンハイマーが撮ったのがこの映画。というわけで、フランケンハイマーの低空飛行はこの映画を境に始まったという、ある意味、ターニングポイント的作品(苦笑・・、こんなターニングポイント、誰も期待してないよ!)。
プロデューサーはロバート・L・ローゼン。実はこの人、フランケンハイマーとよく一緒に仕事をしている人で、『ブラック・サンデー』も『フレンチ・コネクション2』もこの人のプロデュースによるもの。その次回作がなんで『プロフェシー/どろどろ熊の着ぐるみ』なん?? 理解不能。

とくに前半がかなりたるい。
この手の映画は、モンスターを見せずにいかにもったいぶらせながらも、観客を魅了するかというのがポイントなのだが、その部分がただただたるいだけという、困ったものだ。本来こういうのは得意なはずなのに・・。
フランケンハイマーはその物語を世界観をリアルに描くことが真骨頂なのだが、この映画ではファンタジーが入り込んでしまい本来もってるフランケンハイマーの良さをころしてしまった。これがモンスターを登場させずに、ある企業の化学物質の不法投棄とあばく主人公のポリティカル・サスペンスだったらかなり面白かったはずなのに・・・。
フランケンハイマーにガキ向けの要素があるものを撮らせてはいけない! この人はひたすら大人の世界を撮るべき人である。監督の描きたい世界観と物語の世界観が相容れなかった時に起きる、作り手のオーラ欠乏症が観てててわくわくしない原因だな。こんなのはスピルバーグにやらせときゃいいんだ。
・・・ったく、シナリオにある言葉をそのまま撮っただけ・・というような悲しい映画であった。

<あらすじ>
首都ワシントンのERドクター、ロブ(ロバート・フォックスワース)は、メイン州の山奥で起っている、製紙工場と先住のインディアン間の森林の権利をめぐるいざこざを解決するための調査を依頼され、妻マギー(タリア・シャイア)とともに現地に飛ぶ。
一方、その山では、製紙工場のパルプ材伐採作業員が2人行方不明になり、その捜索に出かけたレンジャー部隊の隊員も遭難、彼らの死体が発見されるが、すたぼろにされていた。
製紙工場の責任者イズリー(リチャード・ダイサート)は、二重遭難事故はインディアンの仕業に違いないと訴えた。しかし現地では奇妙はことがいおきはじめてたい。湖の魚は巨大なものが多く、インディアンに病気や機能障害を訴える者が多く、死産や奇型児の出産が増えているという。インディアンのリーダー、ホークス(アーマンド・アサンテ)と会ったロブは、彼から、それらの原因がすべて製紙工場にあるのだということを聞かされる。製紙工場を見学に出かけたロブは、向上で使われているメチル水銀が原因であると確信する。
それからやっとどろどろクマさん登場。登場人物がひとりひとり殺されていき、主人公が最後にクマさんを倒して森を去るが、そこから新たな熊野咆哮が聞こえてくる・・・。
プロフェシー/恐怖の予言(1979) ☆_f0009381_7481255.jpg


by ssm2438 | 2011-09-23 07:59 | J・フランケンハイマー(1930)


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