2011年 10月 13日
原題:RED DRAGON 監督:ブレット・ラトナー 原作:トマス・ハリス 脚本:テッド・タリー 撮影:ダンテ・スピノッティ 音楽:ダニー・エルフマン 出演: エドワード・ノート (ウィル・グレアム) レイフ・ファインズ (フランシス・ダラハイド) エミリー・ワトソン (リーバ・マクレーン) アンソニー・ホプキンス (ハンニバル・レクター博士) * * * このシリーズの中では話は一番面白いかもしれないが・・・、華がない! 「犯人の心情に同化して犯人の行動や思考を特定する捜査官の話」ということで、『刑事グラハム/凍りついた欲望』という映画があり、わざわざ劇場にまで足を運んだ。多分『羊たちの沈黙』が出る前にこの映画を観た人はほとんどいなかったと思うが、『羊たちの沈黙』をきっかけにVHSが再販された。そのtきは『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』とタイトルは差し替えられていた(苦笑)。 それから20年以上のつきひがたち、ここにもどってきた。もっとも、劇場公開は2002年なので、15年くらいのブランクなのだけど、私がこの『レッドドラゴン』を見たのは公開されてからかなりの月日がたってからだった。 正直なところ、トマス・ハリスは『ブラックサンデー』で大好きになって、その彼の原作が映画化されるというのでわくわくしてみたのが『羊たちの沈黙』。しかし・・・正直がっかりだった。なんで世間この映画はそれほどもてはやされてるのかわからない。難事件にぶつかると、牢獄に閉じ込められてる精神科医にお伺いをたてるだけの話しにで、物語と精神科医とはまったくつながらない話。個人的には構成的にかなりの大失敗話だとおもているのだけど、何を勘違いしたのかこれがアカデミー賞なんかとってしまったので、さらに勘違いする人間が増えたのだろう。 その『羊たちの沈黙』につづき、レクターの美学を描いたのがリドリー・スコットの『ハンニバル』。すっごく期待してみにいったわりには今ひとつときめかなかった・・という印象。 そんなわけで、この3作目、それもすでに作られていた『刑事グラハム・・・』のリメイクという『レッドドラゴン』をあえて見ようという気にはなれなかったのだ。 で、観てみると・・・、お話はこのなかでは悪くない。いや、一番作り応えがある内容だったように思える。 正直なところ『刑事グラハム・・・』を見たときは、よくわからなかった。なんで地下牢にとじこめられてるような精神異常のオヤジにいちいちお伺いをたてるのか、それが物語のなかでどういう意味をもっているのか・・、というか、この構成自体にまったく面白さを感じなかったというのが正直なところで、そのコンセプトが存在してること自体不自然に感じていた。で、今回は先の2作が存在し、レクターというキャラクターがしっかりと出来上がった上でこの映画をみることができたので、すこしは納得しやすかった(苦笑)。 物語りも、小さいときに親から虐待をうけ、それが原因で精神分裂症状をもっているダラハイド。そんな彼に好意をよせてくれる盲目の女性の存在、自分が唯一受け入れられたと思ってると、実は彼女は体がほしかったという事実と直面、裏切られた気持ちになるが、殺したいのにに殺せない・・・。愛のドラマである。 そしてこのドラマを、てもう一つの戦い(レクターvsグラハムの心理戦)とどうからめていくかいということが物語作りの妙技というものなのだけど、殺人犯を遠隔操作し、彼を逮捕したグレアム捜査官を襲撃させるというこちらの流れもまずまず良いです。 なので、殺人犯を追うストーリーと、レクターと捜査官の話が遊離してしまった『羊たちの沈黙』よりも物語構成的にはかなりしっかりしている。もっとも、物語の出生としてはこちらのほうが先だったので、トマス・ハリスのやりたいことはこちらにぶち込んであったのでしょう。 しかし・・この映画の問題はキャスティングだな。 犯人のダラハイドはもうちょっと世間から忌み嫌われてそうな醜い男がいいなあ。顔が崩れかけてる今のミッキー・ロークあたりがよかったのに・・・。 そんな彼が唯一受け入れられた思った盲目の女性は、こちらはもっとベッピンさんがよかったな。純朴そうで清楚な感じの人。それこそ『ハンニバル』の時のジュリアン・ムーアみたいな人がいなかったのだろうか? 彼女はフェチオをしてあげるときに「えええええ、こんな清純そうなひとがこんなことしてくれるのおおおおおお」みたいな衝撃を与えられるような人。実際この映画でもそういう意外性のインパクトはあったのだけど、やっぱりもうちょっと見栄えの綺麗な華のある人にしてほしかった。このさいエマ・ワトソンでもいいのだけど・・。 ハーヴェイ・カイテルのクロフォードは嫌い。 グラハムももう少し神経質なほうがいいな。ティモシー・ハットンとかレイフ・ファインズとか・・・。 <あらすじ> 殺人鬼レクター(アンソニー・ホプキンス)逮捕で精根尽き果ててFBIを退職したウィル・グレアム(エドワード・ノートン)に、かつての上司ジャック・クロフォード(ハーヴェイ・カイテル)は、新たな連続殺人事件の捜査への協力を求める。しぶしぶながら、結局依頼を承諾したグレアムは現場のアトランタへ飛ぶ。証拠写真をもってボルティモア州立病院精神科へ飛び、・幽閉されているレクター博士と対面。レクターは犯人像と犠牲者選択のヒントを口にする。やがて殺人鬼の正体が、ホームビデオの製作やダビングを業とする会社に勤めるDことフランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)だと判明する。レクターと交信し、自ら神のように振る舞うダラハイドだったが、盲目の同僚の女性リーバ・マクレーン(エミリー・ワトソン)に愛を感じ、混乱が生じる。そしてダラハイドは、リーバの目の前でショットガンで自殺。だが死んだはずの彼は、グレアムの自宅に現れる・・・。
by ssm2438
| 2011-10-13 12:21
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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