|
2011年 12月 19日
監督:犬童一心原作:松本清張 脚本:犬童一心/中園健司 撮影:蔦井孝洋 音楽:上野耕路 出演: 広末涼子 (鵜原禎子) 中谷美紀 (室田佐知子) 木村多江 (田沼久子) 西島秀俊 (鵜原憲一) * * * そのCG、糞おおおおおおおお!!!!! 前半中盤までは普通の出来だったのだけど、事件の真相が語られるところから一気に失速。日本海を行く記者の窓に低級なCGの海が張り込まれてからの、その後語られる糞CGの断崖のシーンは近年まれに見る全部ぶち壊しの悲しい出来。なんで一番たいせつなところを、糞CGの波なんかで描くかなあ。そこは何日待とうが、日本海の荒波が撮れるまでホントの日本海の荒波を撮って、そこで芝居するべきだろう。 あそこから一気に気抜けして、それで終わるのかなって思ったらそこから長い長い。。。あのあたり、まだ順番変えてたらもうちょっと良かったのかも・・・。 原作の松本清張は、戦後の日本の天才小説家でしょう。『影の車』(1970)、『砂の器』(1974)、『鬼畜』(1978)、『疑惑』(1982)、『天城越え』(1983)あたりは、松本清張の魅力をかなり映画に移し変えることに成功した映画です。それまでのサスペンス物ではなく、犯罪を起こしてしまう人の追いつめられた心理描写が素晴らしく、そのシーンを直接描かずに、そのシーンを想像させながら物語を進めていく、物語の展開力は図抜けています。この人の原作を生かすも殺すも、この間接描写にどれだけリアリティをもたせられるかが総てといっていいでしょう。 今回の映画は、1961年に作られた『ゼロの焦点』とくらべると、かなり万人に解りやすく作られてました。犬童一心の描き方はかなり直接的なので、松本清張の作品というよりも、そのへんにころがってる土曜ワイド劇場的な展開になってるといって過言ではないでしょう。昔の映画というのは、万人にわからせる必要をプライオリティにはしておらず、そこにいたる過程は見ている人の想像力にゆだねてる部分がかなりあります。しかしこの映画では、必要以上に詮索させるところや、夢を壊してしまう部分は削ってありました。ただ、入れなくてもいいエピソードもあり、レンガ造りの社長さんの暴君ぶりや、最後の自殺はまったく必要なかったでしょう。さらに最後のほうの中谷美紀の選挙本部でのスピーチシーンからの流れなどは、いかにも今風のよくある展開で、亜流感がひしひしと感じられて、感動すべきなのに妙にしらけたままエンディングに至ってしまいました。 嘗て60年から70年にかけて野村芳太郎監督で作られていた松本清張作品の質にくらべると、あまりにも演出コンセプトが幼稚になってしまったのが残念。 松本清張原作の物語は、普通にきちんと作ればかなり面白いものになるように出来ているし、この物語に関して言えば、昭和につくられた『ゼロの焦点』自体があまり良い出来でもなかったので、越えられる可能性は充分にあったのに・・・・、それでもこんなになっちゃいますか・・・。 <あらすじ> そろそろ戦争の傷が癒えかけた日本。金沢と東京を行き来する鵜原憲一(西島秀俊)と結婚した禎子(広末涼子)は、その一週間後、仕事の引継ぎのため金沢に向った憲一を駅で見送る。しかし、憲一は予定の日を過ぎても帰ってこなかった。失踪の理由もさっぱり見当がつかない禎子は、単身金沢へ向かう。 そして連続殺人事件。どういうわけか金沢にきていた憲一の兄、鵜原宗太郎(杉本哲太)が青酸カリのウィスキーを飲まされて毒殺され、現地に残って憲一の失踪事件を背景を調べていた金沢支店の本多(野間口徹)も背中を刺されて殺される。さらに、憲一は曽根益三郎と名乗り、田沼久子(木村多江)という女と同棲していたことが判明、さらに憲一は東京に戻るといったその日に自殺していた。 夫の憲一と久子の接点は戦後から3年した憲一の立川勤務の警官時代にあった。米軍基地が近くにある立川ではパンパンとよばれる外国人相手の日本人娼婦がいた。田沼久子はパンパンだったのだ。そして彼女の女友達に今の室田耐火煉瓦会社で社長夫人・室田佐知子(中谷美紀)がいた。 総ての不幸は、佐知子夫人の過去を知る鵜原憲一と田沼久子が室田佐知子が出会ったことから始まったのだ・・。既に地位を手に入れていた佐知子にとって、それは暴かれてはいけない過去だった・・・。
by ssm2438
| 2011-12-19 00:27
| 松本清張(1909)
|
アバウト
![]() 主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
ファン
検索
以前の記事
2016年 05月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 タグ
☆☆☆(365)
☆☆☆☆(199) 一見の価値あり!(84) ☆☆☆☆☆(84) 貴重なヌードあり!(82) シナリオ勝負映画(82) 撮影的に高品質な映画(81) この女優必見!(80) 楽しいぞ!この映画(80) ダメだこりゃ映画(79) 女優が色っぽい映画(78) 女優が愛らしい映画(76) 自然描写が美しい映画(53) 一見の価値もなし!(53) ダイナミック望遠映画(37) ディープメンタル映画(22) 言葉が素敵な映画(22) リアリズムの映画(20) ぼろ泣き映画(16) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(13) カテゴリ
ジョン・フォード(1894) フランク・キャプラ(1897) A・ヒッチコック(1899) V・デ・シーカ(1901) ウィリアム・ワイラー(1902) ビリー・ワイルダー(1906) フレッド・ジンネマン(1907) 松本清張(1909) 黒澤 明(1910) M・アントニオーニ(1912) ルネ・クレマン(1913) I ・ベルイマン(1918) F・フェリーニ(1920) G・チュフライ(1921) W・A・フレイカー(1923) シドニー・ルメット(1924) 増村保造(1924) H・ウェクスラー(1926) S・キューブリック(1928) J・フランケンハイマー(1930) N・アルメンドロス(1930) ロベール・アンリコ(1931) ゴードン・ウィリス(1931) マイク・ニコルズ(1931) F・トリュフォー(1932) A・タルコフスキー(1932) D・マカヴェイエフ(1932) テオ・アンゲロプロス(1935) ウディ・アレン(1935) R・レッドフォード(1936) リドリー・スコット(1937) 木村大作(1939) ジョン・バダム(1939) W・フリードキン(1939) J・L・ブルックス(1940) エイドリアン・ライン(1941) ノーラ・エフロン(1941) K・キェシロフスキー(1941) ペニー・マーシャル(1943) ピーター・ウィアー(1944) C・デシャネル(1944) ラッセ・ハルストレム(1946) S・スタローン(1946) アイバン・ライトマン(1946) S・スピルバーグ(1946) パトリス・ルコント(1947) E・ズウィック(1952) ゴジラ(1954) G・トルナトーレ(1956) ブラッド・バード(1957) 男はつらいよ(1969) ライフログ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||